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ウィリーの85才の誕生日(4月29日)を祝してのリリースとなる『ラスト・マン・スタンディング』は全曲ウィリー・ネルソンが長年に渡る共作者/プロデューサーのバディー・キャノンと共に書き下ろした新曲で構成されている。ネルソンとキャノンの共作曲が7曲収録された前作『なんてこったい!』はカントリー・チャートで見事初登場1位に輝いている。ウィリーとバディーは2008年からの付き合いであり、キャノンは12作以上ものウィリーのアルバムをプロデュースしている。
二人はまず携帯のSMSを介して歌詞とメロディーのやり取りを行うという少し変わった手法で曲作りを進める。『ラスト・マン・スタンディング』では、このネルソンとキャノンの独特な手法によって11曲の新曲が生まれた。「ウィリーはジャズ・シンガーであり、ジャズ奏者だ。彼は即興で演奏するミュージシャンなんだ。だから毎回違ったものが出てくる。そこからいいものを録って採用すればいいのさ」とキャノンは言う。
『ラスト・マン・スタンディング』でネルソンは自身の名作揃いのディスコグラフィーにさらに11曲の至極の新曲を加えることになる。彼にとってこれまでで最も私的で内省的な作品となった『ラスト・マン・スタンディング』は、非常に思慮深い「なんとかするぜ」から、陽気で遊び心のある「オレとおまえ」や「さぁ、いくぜ」に至るまで、ウィリーの関心事の喜怒哀楽の幅広さを示している。
“時の儚さ”を受け入れながらもこの世界がもたらす喜びや美しさや驚きに感動する、というこの『ラスト・マン・スタンディング』で、ウィリー・ネルソンは創造性の絶頂を極めている。長年のツアー活動で培ったベテランならではの機知に富んだ知力と見識が曲作り、歌、演奏の随所ににじみ出ている。