ウィリー・ネルソン最新作『ザッツ・ライフ』は
フランク・シナトラへのオマージュ。
ウィリー・ネルソン
『ザッツ・ライフ』
2021年3月3日発売
◆解説・歌詞・対訳付
◆SICP6379◆定価:¥2,400+税
- ナイス・ワーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イット
- ジャスト・イン・タイム
- コテージ・フォー・セール
- あなたはしっかり私のもの
- ユー・メイク・ミー・フィール・ソー・ヤング
- アイ・ウォント・ダンス
- ザッツ・ライフ
- ラック・ビー・ア・レディ
- イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ・オブ・ザ・モーニング
- ラーニン・ザ・ブルース
- ロンサム・ロード
友人で同じく音楽界のアイコン、フランク・シナトラに敬意を表する
ウィリー・ネルソンの新作『ザッツ・ライフ』。
2020年12月12日に生誕105周年を迎えたフランク・シナトラの不朽の影響力と創造性を讃える新作『ザッツ・ライフ』は、フランクの芸術性と膨大な作品に対するウィリーの深い敬愛の表れだ。フランクが有名にしたスタンダードや古典的名曲を収め、ウィリーは “グレイト・アメリカン・ソングブック”の中でひときわ輝く歌の数々を見事に自分のものにしており、ダイアナ・クラールとのデュエットの「アイ・ウォント・ダンス」、孤独をテーマにしたバラードの傑作『ノー・ワン・ケアーズ』からのカバー曲「コテージ・フォー・セール」など素晴らしい出来上がりとなった。
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本作は、1978年の画期的アルバム『スターダスト』、2016年の『サマータイム:ウィリー・ネルソン・シングス・ガーシュイン』(グラミー賞最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバム)、そして2018年の『マイ・ウェイ』(グラミー賞最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバム)と同じスピリットで吹き込まれた作品であり、ウィリーが愛して止まない音楽界の英雄に対する謝意があらためて刻まれている。そして街灯の薄明かりに浮かぶ、ウィリーと愛器トリガーの姿を描いたジャケットは、1955年作『イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ』をはじめ、フランクが残した名盤の数々を想起させる。
▼「ザッツ・ライフ」の試聴はこちら
プロデュースはバディ・キャノンとマット・ローリングス。主に録音したキャピトル・スタジオは、フランク・シナトラが第一号アーティストとして使用して以来、1956年3月から1961年11月にかけて、一連の傑作群を次々と生み出した場所であり、今作へのこだわりを見せる。尚、追加録音はテキサス州オースティンのペダーネイルズ・スタジオでなされた。
壮麗なストリングスそしてホーン・アレンジで躍動感がみなぎる中、ウィリーとトリガーが新たに残した11の名演。ミキシングはレコーディング界の伝説アル・シュミットが担った。
アイコンとしてシーンに君臨し、それぞれが米ポップ・カルチャーの1ジャンルを代表する存在でもある、フランク・シナトラとウィリー・ネルソン。ふたりともに、聴き手の胸を揺さぶる曲やパフォーマンスにおいて、愛の酩酊から失恋の宿酔に至るまで、恋愛にまつわる幅広い感情を巧みに表現する匠にほかならない。フランクが他界するまで、2人は長きにわたる親友であり、音楽仲間であり、互いの仕事を心から讃え合う間柄でもあった。80年代、フランクはラスベガスのホテル、ゴールデン・ナゲットでウィリーの前座を務め、NASAの米国宇宙財団の公共広告にはふたり揃って登場した。
「フランクの歌声に耳を傾けて、フレージングについて多くを学んだ」と、ウィリーはAARP誌に語っている「彼はリズムが遅れるとか、走るとか、そんなことはまったく気にしなかった――そのどちらでも歌えたからね。そう、そういう感覚がないとダメなんだよ」ウィリーが最新作『ザッツ・ライフ』に持ち込んだのはまさにその姿勢であり、フランクの代名詞でもある名曲群をこれ以上ない解釈で披露している。
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▼曲目解説
1. ナイス・ワーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イット
ジョージ&アイラ・ガーシュウインの手になる古典的名曲。シナトラが1962年、カウント・ベイシー楽団との初コラボ作『シナトラ-ベイシー:アン・ヒストリック・ミュージカル・ファースト(Sinatra-Basie:An Historic Musical First)』(リプリーズ)に吹き込んだときにはすでに、定番のジャズ・スタンダードだった。
2. ジャスト・イン・タイム
作曲ジュール・スタイン、作詞コムデン&グリーン。ミュージカル『ベルズ・アー・リンギング(Bells Are Ringing)』で初披露されたものだが、シナトラは1959年作『カム・ダンス・ウィズ・ミー』で見事、自分のものにした。
3. コテージ・フォー・セール
1959年のキャピトル盤『ノー・ワン・ケアーズ』(シナトラ史上、最も暗いとされる一枚)の一曲。作詞ラリー・コンリー、作曲ウィラード・ロビンソン。
4. あなたはしっかり私のもの
シナトラのまさに代名詞的一曲。コール・ポーターが生んだこの名曲を、シナトラは1946年、自身のラジオショーで初披露し、1956年にネルソン・リドル楽団と録ったキャピトル盤『ソングス・フォー・スウィンギン・ラヴァーズ』に収めた。その後、1993年のアルバム『デュエッツ』で、ボノと再録もしている。
5. ユー・メイク・ミー・フィール・ソー・ヤング
作曲家ジョセフ・マイロウと作詞家マック・ゴードンが書いたナンバー。シナトラは56年作『ソングス・フォー・スウィンギン・ラヴァーズ』に吹き込んで以来、キャリアを通じて、ステージでもスタジオでも好んで歌った。93年作『デュエッツ』でも取り上げ、シャルル・アズナヴールとデュエットしている。
6. アイ・ウォント・ダンス (featuring Diana Krall)
ジェローム・カーンの手になるナンバーで、シナトラによる初録音は1957年のキャピトル盤『ア・スウィンギン・アフェア』に収められた。今回のネルソン版は、無類のジャズ・ヴォーカリスト、ダイアナ・クラールとタッグを組んだもので、同じく逸品!
7. ザッツ・ライフ
シナトラが66年にリプリーズから発表したアルバムの表題曲で、作詞作曲はケリー・ゴードン&ディーン・ケイ。ラジオ・エアプレイがロックに占拠されていた時代に最高位5位を記録し、シナトラをヒットパレードに復帰させた。
8. ラック・ビー・ア・レディ
フランク・レッサーが書いた古典的名曲。初披露されたのは1950年、ブロードウェイミュージカル『ガイズ&ドールズ』でのことで、1955年に公開されたその映画版[邦題『野郎どもと女たち』]には、シナトラも出演している。映画ではマーロン・ブランドが歌ったが、その後、シナトラはこれを何度も取り上げ、代名詞的一曲とした。シナトラによる初収録は、リプリーズでのアルバム『シナトラ‘65:ザ・シンガー・トゥデイ(Sinatra ’65: The Singer Today)』に収められた。1994年作『デュエッツII』では、クリッシー・ハインドと共に歌っている。
9. イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ・オブ・ザ・モーニング
“コンセプトアルバム”の先駆的一枚と賞される名盤の表題曲で、作詞作曲はボブ・ヒリアード&デヴィッド・マン。夜の日々、失った恋、孤独と内省などを歌った曲群と、ネルソン・リドルによる壮麗なオーケストラサウンドを擁する同アルバムは、1955年、キャピトルから発売されると、スマッシュヒットを記録した。
10. ラーニン・ザ・ブルース
ビッグバンド曲として人気が高く、多くに歌われている。作者はドロレス“ヴィッキー”シルヴァーズ。シナトラは1955年、この曲でNo.1ヒットをものにした。
11. ロンサム・ロード
57年のアルバム『ア・スウィンギン・アフェア』に収録の、深みを湛えた、雰囲気満点の逸品。作詞作曲はジーン・オースティン&ナサニエル・シルクレット。
フランク・シナトラのレパートリーを新録音した、
2018年発表のグラミー賞最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバム部門受賞作。
『マイ・ウェイ』
- フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
- サマー・ウィンド
- ワン・フォー・マイ・ベイビー
- 霧深き日
- 楽しかったあの頃
- ブルー・ムーン
- アイル・ビー・アラウンド
- 夜も昼も
- 恋とは何でしょう
- ヤング・アット・ハート
- マイ・ウェイ