ウィリー・ネルソンの最新作『なんてこったい!(God's Problem Child)』は、レガシー・レコーディングスからの9作目のスタジオ・アルバムとなる。新録音となる本作には新曲が13曲収められており、内7曲はウィリーと長年のコラボレーターでありプロデューサーのバディ・キャノンの二人によって最近書かれたもの。ウィリーが新曲ばかりのアルバムを発表するのは、2014年にビルボード200で5位、ビルボード・カントリー・チャートで1位になった『Band of Brothers』(レガシーからの4作目)以来のこととなる。
ウィリーのレガシーからの7作目『Summertime: Willie Nelson Sings Gershwin』は、グラミー賞でベスト・トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバムを受賞。2016年2月にリリースされたこのアルバムは、トップ・カレント・ジャズ・チャートと、トップ・トラディショナル・ジャズ・チャートの両方で初登場一位に輝き、ウィリーはこれまでの活動期間に11 ものグラミー賞を獲得している。
アルバム『なんてこったい!』は、ウィリーの84回目の誕生日(4月29日)に合わせて発表され、ジェイミー・ジョンソンとトニー・ジョー・ホワイトが書いたアルバム・タイトル曲には、作曲者たちと伝説的人物、レオン・ラッセル(レオン・ラッセルのいちばん最後のレコーディング作品かもしれない)のボーカルが入っている。旧友であり音楽的相棒だったレオンは、ウィリーの神話ともなっているギター“トリガー”にサインした最初の人物だった。
あらゆることの美しさや不条理に驚嘆しながら死すべき運命を思索したアルバム『なんてこったい!』は、彼のような生き方をしなければ生まれ得ない味わい深いウィットや知恵を作曲や歌唱に効かせており、キャリアの新たな絶頂にいるウィリー・ネルソンを捉えている。新曲のひとつ「スティル・ノット・デッド」は何年もの間彼がたびたび耳にしてきた根も葉もない自分の死亡記事をからかっており、「削除そして早送り」は2016年米大統領選挙のウィリーならではの大胆な分析と、その結果にいかに対処するかについて歌っている。
今作『なんてこったい!』はバディ・キャノンの92歳の母親、リンデル・ローズが書いた歌「リトル・ハウス・オン・ザ・ヒル」で幕を開ける。昨年10月、自分の歌をウィリーが歌うのを初めて聞いているリンデルのビデオがインターネット上で大きな話題になった。
思い出と死すべき運命というアルバムの隠れた意味を踏まえて、今作は、ゲイリー・ニコルソンによって書かれた、ウィリーのアウトロー・カントリー仲間であるマール・ハガードに敬意を表する歌「マールよ、永遠なれ」で幕を閉じる。ハガードの最後のアルバムである2015年の『Django and Jimmie』はウィリー・ネルソンとの音楽的コラボレーションだった。