ソニーミュージックグループが29年ぶりに、
アナログレコードの自社一貫生産を再開
ソニーミュージックが、アナログレコード製造用のラッカー盤カッティングマシン、スタンパー製造用メッキ設備、アナログレコード用のプレス機を導入。約29年ぶりにカッティング・マスター制作からスタンパー製造、そしてプレスにおよぶアナログレコードの生産工程をすべて、自社一貫で行うことが可能に。
- アナログレコードが出来るまで
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- ①カッティング作業
マスター音源を入力してサファイアで出来たカッティング用の針を振動させることで、樹脂で出来た円盤の表面に溝を刻んでいき、A 面とB 面それぞれ一枚ずつのラッカー盤を作成する(音溝の切削状況の確認は、左側の顕微鏡カメラで壁面のモニターに拡大表示して行う)。
ラッカー盤カッティングマシン(於:ソニーミュージックスタジオ東京)
- ②原盤(スタンパー)製造
ラッカー盤へ薄く銀をのせ、その上から電圧を与えながらニッケルをメッキする。その後、ラッカー盤からニッケルを剥がすことで、ラッカー盤とは溝の凹凸が逆に転写された、レコード盤に溝をプレスするための超精密金型=スタンパーが出来上がる。
スタンパー製造用メッキ設備(於:DADJ 大井川工場)
- ③プレス作業塩化ビニールを高温で熱して作った、アイスホッケーのパックの様な形の弾力のある「レコード盤の原料の塊」(ソニーDADCジャパンでの通称は“ケーキ”)を、A面とB面用のラベルで挟んでプレス機にセットして、熱したA面とB面のスタンパーで上下からぎゅーっとプレスし、円盤状に潰したケーキの表面に凹盤を移す(アナログレコードを再生する際は、この溝に落とした針の振動が音になって聞こえる)。温度を下げて固まった後、外周の余分な箇所をカットしたら、アナログレコード盤の完成。
アナログレコード用のプレス(於:DADJ 大井川工場)
- ©Sony Music Entertainment (Japan) Inc.
「デジタル技術と組み合わせ、新しいレコードの音作りに挑戦」cocotame掲載記事はこちら
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