2020年12月に亡くなったレズリー・ウェストを追悼し、
70年代のアメリカン・ハード・ロックを牽引した
マウンテンの決定盤を日本初CD化!
MOUNTAIN/OVER THE TOP マウンテン『トップ・オブ・マウンテン』
2021年4月21日発売
【Blu-spec CD2】SICP-31426~7(2枚組)/全34曲/¥3,300(tax in)
●日本初CD化 ●2021年デジタル・リマスター ●翻訳解説・書下ろし解説・歌詞・対訳付
『トップ・オブ・マウンテン』は、2020年12月に75歳で亡くなったレズリー・ウェストを追悼しての発売で、彼がギターとリード・ヴォーカルを務めたバンド、マウンテンの歴史を網羅したベスト・アルバム。
クリームのプロデューサー、フェリックス・パパラルディ制作によるレズリー・ウェストの1969年発表のソロ・アルバムがきっかけとなりマウンテンが始動。ウッドストックへの出演を果たしそのパフォーマンスが話題を呼び、第2のクリームと称されるようになった。
豪放なヴォーカルが魅力な一方、ピッキング・ハーモニクス、バイオリン奏法、メロディアスなソロなどレズリー・ウェストの繊細なプレイに影響受けたギタリストは多く、エディ・ヴァン・ヘイレン、マイケル・シェンカー、エース・フレーリー、ランディ・ローズらの名前が上がる。人気を確かなものにしつつも、レズリーとフェリックスの音楽性の違いが浮き彫りになるつれ、解散、再結成が続いた。
今作『トップ・オブ・マウンテン』は、「ミシシッピー・クイーン」「ナンタケット・スレイライド」といった代表曲に加え、伝説的なライヴやこのベスト用の新曲2曲などを年代順にまとめた全34曲収録のCD2枚組で、2021年デジタル・リマスター、Blu-spec CD2での発売となる。
70年代のアメリカン・ハード・ロックを牽引したバンド、マウンテンの決定盤だ。
<収録曲>
Disc 1
- ブラッド・オブ・ザ・サン
- ロング・レッド
- ブラインド・マン
- ミルクとハチミツの夢
- サウスバウンド・トレイン
- ビコーズ・ユー・アー・マイ・フレンド
- ミシシッピー・クイーン
- 想像されたウエスタンのテーマ
- 君がすべて
- 銀色の紙
- ヤスガーの農場
- 友達のために
- 虹に坐って
- ストーミー・マンデー(ライヴ)
- 仕掛けられた罠(シングル・ヴァージョン)
- ギタ-・ソロ(ライヴ)
Disc 2
- ドント・ルック・アラウンド
- タウンタ
- ナンタケット・スレイライド
- 君は俺のもの
- アニマル・トレーナー
- マイ・レディ
- 暗黒への旅路
- 偉大なる列車強盗
- 悪の華
- 最後の冷たいキス
- クロスローダー
- ベートーベンをぶっ飛ばせ
- ユー・ベター・ビリーヴ・イット
- バック・ホエア・アイ・ビロング
- バルドー・ダメージ
- シミー・オン・ザ・フットライツ
- トーキング・トゥ・ジ・エンジェルズ *
- ソリューション *
* 今作用新曲
★レズリー・ウェスト本人による解説(‘95年発売時より一部抜粋)★
マウンテンは、ニューヨーク州クイーンズ生まれのガキに、それまで想像もしていなかったほどたくさんの国や都市を訪れる機会を与えてくれた。ザ・フーに招かれて『フーズ・ネクスト』のセッションに参加することもできた。未発表のヴァージョンは間もなく公開されるはずで、また、ポール・ロジャースやイアン・ハンター、ミック・ジャガーといった素晴らしいミュージシャンたちと録音した曲が僕らの次のアルバムに収められる予定だ。マウンテンのメンバーだったことで僕は、ジミ・ヘンドリックスと演奏することができたし、最近ではビリー・ジョエルの『リヴァー・オブ・ドリームス』にも参加している。
こういったことはすべて、フォレストヒルズ・ハイスクールでズル休みばかりしていたころは、想像もできなかったこと。そう、ラモーンズの連中と同じ学校だが、追い出されたのは僕のほうが早かった。このアルバムに収められた曲は、いい曲も、悪い曲も、僕らの声明のようなもの。ヘンドリックスやクリームとほぼ同じ時代のもので、こんなことをやるバンドはほとんどいなかった。これほど楽しく取り組めたことはないし、これからも経験することはないだろう。だから、楽しんで聴いてほしい。そして忘れないでほしい。君の妻がダナ・キャランのような人でなかったら、衣装選びは任せないほうがいい。
フェリックスと電話で話した日よりも前に、僕はマウンテンというバンドをスタートさせていた。その前はニューヨークのローカル・バンド、ザ・ヴァグランツにいて、フェリックスはシングルをプロデュースしてくれた。そして、聴くべき曲もないのに、わすが2週間でアルバムをプロデュースすることになったのだ。ちょうど彼がクリームの最後のアルバム『グッバイ・クリーム』をプロデュースしていたころで、僕らは次に備える必要があったけれど、まったくの力不足! フェリックスは「このバンドは解散したほうがいい。そしてなにか手応えをつかんだら、電話してくるんだ」といってくれた。
そして、彼がロンドから戻った2週間後、電話をかけた。どうやってコンタクトをとったかって? 当時の僕のマネージャーは、ゲイリー・カーファーストとシェリー・フィンケル。ゲイリーは、アニー・レノックスやラモーンズ、トーキング・ヘッズ、B-52sを手がけていて、シェリーは、エヴァンダー・ホリーフィールドや何人かのボクサーを扱っていた。そして僕らは、ブラッド、スウェット&ティアーズの前座をやることに。マウンテンはまだ無名だったけれど、僕はよく知られていた。場所は、ロングアイランドのストーニーブルック大学。地元では僕はビートルズのような存在だったから、前座はいやだったんだけどね。
フェリックスのパートナー、バド・プラガーは、ジョリヴァー・アーカンソーというどうにもならないバンドをマネージメントしていた。それで僕は、ゲイリーとシェリーに、「彼らにたっぷり金を払って、僕らとBSTの前座に雇ってくれ」といったんだ。案の定、フェリックスとバドは彼らのバンドと、そして僕らを観にくることになった。この作戦が功を奏して、フェリックスはスタジオに来てくれたのだが、やっぱり、バンドは気にいらなかった。バドは「フェリックス、君がベースを弾いてやれよ」といってくれた。そのあと、ドラマーを親友のコーキー・レイングに替えて、僕らは走りはじめた。フェリックスはまるで「歩く古着屋」だったけれど、大好きだったよ。
<マウンテン discography 1969-1974>
レズリー・ウェスト/マウンテン
- ブラッド・オブ・ザ・サン
- ロング・レッド
- ベター・ウォッチ・アウト
- ブラインド・マン
- ベイビー・アイム・ダウン
- ミルクとハチミツの夢
- ストーリーテラー・マン
- ディス・ホイールス・オン・ファイア
- ルック・トゥ・ザ・ウィンド
- サウスバウンド・トレイン
- ビコーズ・ユー・アー・マイ・フレンド
1969年作品。今作はレズリー・ウェストのソロの予定だったがレコーディング途中でマウンテンの構想が持ち上がり事実上のデビューアルバムに。
勝利への登攀
- ミシシッピー・クイーン
- 想像されたウエスタンのテーマ
- 君がすべて
- 銀色の紙
- ヤスガーの農場
- 友達のために
- 支配者
- 虹に坐って
- バンドの少年
- ヤスガーの農場(ライヴ)
1970年作品。マウンテンの人気を決定付けた名盤で、「ミシシッピー・クイーン」も大ヒットし後のハードロック界にフォロワーを大勢生み出した。
ナンタケット・スレイライド
- ドント・ルック・アラウンド
- タウンタ
- ナンタケット・スレイライド
- 君は俺のもの
- タイアード・エンジェルス
- アニマル・トレーナー
- マイ・レディ
- 暗黒への旅路
- 偉大なる列車強
- 暗黒への旅路(ライヴ)
1971年作品。マウンテンの人気を不動のものとした代表作で、ロックにおける画期的な変革に多大な寄与を成し得た彼らの最高傑作である。
悪の華
- 悪の華
- 王様のコラール
- 最後の冷たいキス
- クロスローダー
- 誇りと情熱
- 幻想の世界(ギター・ソロ/ベートーベンをぶっ飛ばせ/ミルクと蜂蜜の夢/バリエーション/スワンのテーマ)
- ミシシッピー・クイーン
1972年作品。LPではA面がスタジオ録音、B面がライヴというマウンテンの2つの魅力を兼ね備え、進化したサウンドつくりを展開する。
暗黒への挑戦
- ロング・レッド
- ウェイティング・トゥ・テイク・ユー・アウェイ
- クロスローダー
- ナンタケット・スレイライド
1972年作品。1969年から1971年までに録音された、トータル・コンセプトに基づいたライヴ作で、約20分近い「ナンタケット・スレイライド」は圧巻。
栄光のマウンテン
- 君がすべて
- タウンタ
- ナンタケット・スレイライド
- ベートーベンをぶっ飛ばせ
- ヤスガーの農場
- アニマル・トレーナー
- ミシシッピー・クイーン
- 王様のコラール
- バンドの少年
- ドント・ルック・アラウンド
- 想像されたウエスタンのテーマ
- クロスローダー
- ロング・レッド
- ミルクと蜂蜜の夢
- 銀色の紙
- 暗黒への旅路
1973年作品。70年代のアメリカン・ハード・ロックを代表するマウンテンの歴史を網羅するベスト。
異邦の薫り(ライヴ・イン・ジャパン)
- ネヴァー・イン・マイ・ライフ
- 想像されたウエスタンのテーマ
- ブラッド・オブ・ザ・サン
- ギター・ソロ
- クロスローダー
- ミシシッピー・クイーン
- 銀色の紙
- ベートーベンをぶっ飛ばせ
<Disc1>
- ナンタケット・スレイライド
<Disc2>
1973年作品。1973年8月30日、大阪厚生年金会館での公演を収録したライヴでSQ4chのアナログ・マスターより甦った。
雪崩
- ホール・ロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン
- シスター・ジャスティス
- アリサン
- スワンプ・ボーイ
- サティスファクション
- サムサッカー
- ユー・ベター・ビリーヴ・イット
- アイ・ラヴ・トゥ・シー・ユー・フライ
- バック・ホエア・アイ・ビロング
- ラスト・オブ・ザ・サンシャイン・デイズ
1974年作品。日本公演がきっかけとなりパパラルディはマウンテンをもう一度復活させる。サウンドはレズリーらしい、サザン・ロック的志向が強い。