1980年に「裸足の季節」でアイドルとしてデビューし、今もトップアーティストとして輝き続ける松田聖子。そんな松田聖子の多くのヒット曲の編曲・作曲を手掛けながら46歳の若さで早世した編作曲家 大村雅朗が携わった楽曲(編曲・作曲作品)を厳選して収録。大村作品の代表曲である「SWEET MEMORIES」から、ファンにはたまらない隠れた名曲を収めた作品集。
また、ボーナストラックには大村雅朗が生前作曲し、逝去後に発表された「櫻の園」のリアレンジバージョンを収録。アレンジは大村雅朗を敬愛する槇原敬之が担当。
「櫻の園」この曲は松本隆が大村の生前に預かり、綺麗なメロディなのでいつか使いたいと引き出しの奥にしまっていた楽曲。「いつか聖子さんが歌ってくれたら彼も喜んでくれるだろう」と松本隆が大村の逝去後に新たに歌詞をつけなおして生まれた。大村の死を悼むような詞が印象的。
大村さんには数え切れないほどの多くの作品を手掛けていただきました。
「SWEET MEMORIES」をはじめとする大村さんの曲の数々は私にとって大切な宝物です。
今回の企画盤のために槇原敬之さんがリアレンジしてくださった「櫻の園」が天国の大村さんにも届くことを心より願っています。松田聖子
この思いが沢山詰まったこの曲のリアレンジが、僕に勤まるだろうか?と、
最初は悩みました。でも、「松田聖子さんの作品に少しでも関われるなんて本当に光栄な事だし、
大好きで尊敬するアレンジャーの一人である大村雅朗さんの作品に触れさせてもらえる事も、
本当に光栄な事なんだ!」と、弱気な心を払拭し、心を込めて取り組ませて頂きました。
ずっと頭に描いていたのは、今の聖子さんが、優しい笑顔でうたっている姿と、それを櫻の木の陰でにこにこ笑って見つめている大村さんです。
みなさんに気に入ってもらえたなら、本当に嬉しいです。
素敵な機会を与えて下さってありがとうございました。槇原敬之
大村君は優れたアレンジャーであっただけでなく作曲家としても非凡な才能の持ち主でした。
亡くなってから約20年が経ち、プロデューサー・ブームの先駆者だった大村雅朗という音楽家が脚光を浴びるのは素晴らしいことだと思います。
彼の偉大さを心に刻んで、彼のことを覚えていて欲しい。
それが僕にとっての喜びでもあります。松本 隆
八神純子「みずいろの雨」(1978)、山口百恵「謝肉祭」(1980)、大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」(1984)、渡辺美里「My Revolution」(1986)ほか編曲者として多くのヒット作に携り、作曲・編曲を手がけた松田聖子「SWEET MEMORIES」(1983)は第25回日本レコード大賞編曲賞を受賞し代表作となる。
松田聖子作品としては「青い珊瑚礁」(1980)から「Strawberry Time」(1987)まで11作のシングル曲を編曲する一方、『SQUALL』(1980)~『Precious Moment』(1989)まで、オリジナルアルバムに限らず企画ベスト盤や主演映画のサウンドトラック盤まで数々の関連タイトルに深く関わり、80年代の松田聖子プロジェクトにおいてサウンドクリエーターの一人として重要な役割を担った。
『作編曲家 大村雅朗の軌跡1951-1997』
梶田昌史+田渕浩久・著
DU BOOKS・刊
A5 / 316ページ / 並製
価格:¥2,500+税
大村サウンドのきらめきはいまだ色褪せることがない。
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