2023年11月29日(水)発売
SICP 10150 ¥4,850(税込)
【SA-CDとCDの2層構造ハイブリッド盤】
50周年記念盤
7インチ紙ジャケット仕様/日本独自企画/完全生産限定盤
解説:Willie Nagasaki/今野雄二(オリジナル・ライナーノーツ)
伝説の1973年初来日公演で姿を現した新生サンタナ・バンドによる『ウェルカム』の発売50周年記念盤。
1972年発表の前作『キャラバンサライ』や同年制作されたマハヴィシュヌ・ジョン・マクラフリンとの共作アルバム『魂の兄弟たち』でモダン・ジャズやパーソナルな精神世界を反映した幻想的な作品作りへと突き進み始めた時期に、サンタナの初来日公演が実現した。本作はその来日公演で姿を現したニュー・サンタナ・バンドによる初のスタジオ作であり、来日直前にレコーディングを終え、日本のステージで世界に先駆けて披露された4曲を収録している。
来日時のヴォ―カリストであるレオン・トーマスに加え女性シンガーを初めてアルバムに起用し、トム・コスターとリチャード・カーモードという2人のキーボーディストをラインナップに加えた豪勢なアンサンブルはジャズ・エッセンスを巧みに取り入れることで見事に洗練され、その後のサンタナ作品でもしばらく続くパーカッシヴなフュージョン・サウンドへとシフトしたことを明確に提示した最初のアルバムとなった。また、この翌年発売されることになる初来日公演を収めたライヴ・アルバム『ロータスの伝説』の強烈なインパクトも手伝い、往年の日本のファンにとっては特に馴染み深い“あの頃のサンタナ・サウンド”がここにあると言えるだろう。
発売当時、本作にはステレオ盤と共に4chサラウンド・ミックスのクアドラフォニック盤(日本未発売)が存在していたが、一度も再発されることのないまま今日に至っていた。このたび世界で初めてSA-CDとして復活することになる本エディションは、これまでのシリーズ同様に、そのクアドラフォニックのオリジナル・4chミックス・マスター音源を日本のソニー・ミュージックスタジオにてDSDマスタリングを施したもので、各楽器のフレーズやプレイのニュアンスがこの上なく鮮明に聴き取れるだけでなく、高音質サラウンド・ミックスによって臨場感溢れる極上のサウンドスケープを体感できる。
また、SA-CDのステレオ・ミックスの方もオリジナル・2chミックス・マスター音源を新たにマスタリング、CD層はSA-CDのステレオ・マスターをPCMに変換した最新リマスター盤となっている。パッケージはUS盤クアドラフォニックLPを精巧にリサイズした7インチ紙ジャケット仕様(ジャケットのタイトル表記はエンボス加工)で、『君の瞳』(When I Look Into Your Eyes)の日本盤シングル・ジャケットや海外オリジナル広告ミニ・ポスターなどを復刻している。 サンタナの日本独自50thアニヴァーサリー・シリーズ第7弾!
【SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディションの特徴】
●【SA-CD 4ch】 【SA-CD 4ch】 クアドラフォニックLPのアナログ・4chミックス・マスター音源を日本のソニー・ミュージックスタジオにて初DSDマスタリングした高音質サラウンド・ミックス
●【SA-CD 2ch / CD】 アナログ・2chミックス・マスター音源を新たにDSDマスタリングした高音質ステレオ・ミックス / CD層もSA-CDのDSDマスターをPCMに変換した新マスタリング音源
●US盤オリジナル・クアドラフォニックLPのアートワークを初復刻した7インチ紙ジャケット
●US盤オリジナル・クアドラフォニックのホワイト・レーベルを再現
●1973年アルバム発売時の海外オリジナル広告ミニ・ポスター封入
●「When I Look Into Your Eyes」の日本盤シングル・ジャケット復刻
●US盤オリジナル・クアドラフォニックLPの帯と日本盤ステレオLPの初版帯を合体して復刻
●日本盤オリジナルLP封入の解説・歌詞シート復刻
●懐かしの1973年、2006年改訂版ライナーノーツ+新規解説付ブックレット
●2023年最新リマスター盤
【収録曲】
- Going Home / ゴーイング・ホーム(家路)
- Love, Devotion & Surrender / ラヴ・ディヴォ―ション&サレンダー
- Samba De Sausalito / ソウサリートのサンバ
- When I Look Into Your Eyes / 君の瞳
- Yours Is The Light / 輝ける光
- Mother Africa / 母なるアフリカ
- Light Of Life / 聖なる光
- Flame-Sky / フレイム・スカイ
- Welcome / ウェルカム
打楽器のトーンやビートがリアル・サウンドで迫り、まるで目前で演奏されているようなダイナミズムに満ち溢れている
リチャードのスピリチュアルなモントゥーノ(前方右)とチェピートのフィルイン・ブレイク(後方右CH)から始まる「聖なる光」は、ミディアム・テンポの新しいブラック・コンテンポラリー・ミュージックだ。コルトレーンの後継者でスピリチュアル・ジャズの先駆者ファロア・サンダースのメンバーでもあったレオン・トーマス。この難曲に対する彼ならではの歌いこなしには脱帽あるのみだ(前方両CH)。加えてタワー・オブ・パワーのトランペッター、グレッグ・アダムス編曲による素晴らしいストリングス・アンサンブルが、クアドラ・ミックス効果でイントロから壮大なスケールで美麗に広がる。この曲は、カルロスが『ウェルカム』制作時に抱いた言い知れぬ情念や未来への向上心が反映された聖なるナンバーである。
~中略~
各楽器のリヴァーブが抑えられたクアドラ・ミックスは、特に打楽器のトーンやビートがリアル・サウンドで迫り、まるで目前で演奏されているようなダイナミズムに満ち溢れている。今回もマスタリングに尽力された Mr. Mitsuyasu Abeの手腕で、ステレオ・ミックスのサウンドも史上最高の音質だ。さて、改めて本作の録音年月日を確認すると実に興味深い。何故なら1973年6月27日の福岡九電記念体育館から始まった初来日公演を鑑みると、レコーディングしたばかりの新しいナンバーをニュー・サンタナ・バンドは全世界に先駆けて、我々日本のサンタナ・ファンへ届けてくれたのである。更に述べれば、この中から「家路」「輝ける光」「ソウサリートのサンバ」「聖なる光」が披露され、その崇高な演奏は“ライヴ・イン・ジャパン”の金字塔作品『ロータスの伝説』(1974年作…完全版が2017年に登場)に収録された。当時我々が期待に胸躍らせた『ウェルカム』という傑作が半世紀たった現在、クアドラフォニック・ヴァージョンとしてのリリースは極めて有意義なことではないだろうか。
▲『ウェルカムーSA-CDマルチ・ハイブリッド・エディションー』ライナーノーツ(文・Willie Nagasaki)よりテキスト抜粋。
フル・ヴァージョンは実際の商品でお楽しみください。
SANTANA 1973|Photo: Keiji Miura
SANTANA
サンタナ
メキシコ出身。ヴァイオリニストの父の影響で5歳でヴァイオリンを、8歳でギターを弾き始める。サンフランシスコに移住し、1966年に“サンタナ・ブルース・バンド”を結成。1969年に“サンタナ”としてデビュー、同年“ウッドストック・フェスティヴァル”に出演。当時ほぼ無名ながら衝撃的なパフォーマンスで大観衆を魅了し、一気に全米で人気を獲得する。デビュー・アルバム『サンタナ』が全米チャート4位、2ndアルバム『アブラクサス』(邦題『天の守護神』)」が全米チャート1位、シングル「ブラック・マジック・ウーマン」が全米チャート4位と大ヒットを記録、サンタナの初期代表作となる。様々なアーティストとコラボレーションした1999年のアルバム『スーパーナチュラル』が特大のブレイク、マッチボックス・トゥウェンティのロブ・トーマスをフィーチャーしたサンタナ初の全米No1ヒット・シングル「スムーズ」はビルボード12週連続1位、アルバムも同じく12週連続1位という驚異的な成功を収める。続くシングル「マリア・マリア」も10週連続1位を記録し、2枚のシングルで全米チャート1位の座を約半年間も独占するという歴史的快挙を成し遂げて迎えた2000年の第42回グラミー賞では、最高の栄誉である「最優秀アルバム賞」「最優秀楽曲賞」含む全9部門で受賞し、サンタナの第2黄金期が始まる。2006年に紙ジャケットで再発された1973年の初来日公演を収めたライヴ・アルバム『ロータスの伝説』(1974年)の“22面体ジャケット”が、最多面数を持つアナログLPジャケットとしてギネス世界記録に認定される。ローリング・ストーン誌が選ぶ「最も偉大なギタリスト100」(2003年度版)で15位に選出。2013年に「ケネディ・センター名誉賞」を受賞。これまで26枚のスタジオ・アルバム(カヴァー・アルバム含むサンタナ単独名義のみの作品)を発表。全世界で累計1億枚以上のセールスを記録。
サンタナ日本公式サイト:
www.sonymusic.co.jp/artist/santana