2022年11月30日発売
SICP 10142 ¥4,850(税込)
【SA-CDとCDの2層構造ハイブリッド盤】
50周年記念盤
7インチ紙ジャケット仕様/日本独自企画/完全生産限定盤
解説:Willie Nagasaki/今野雄二(オリジナル・ライナーノーツ)/大森庸雄(オリジナル・ライナーノーツ)
サンタナが新たな地平を切り拓いた壮大なコンセプト作。1972年に発売された甘美で神秘的な『キャラバンサライ』の発売50周年記念盤。
1969年にデビューするや、全米はもとより世界中の音楽シーンで一大センセーションを巻き起こしたサンタナは、最初の3年で発表した3枚のアルバムがいずれも大ヒットとなり、早々にスーパー・バンドの仲間入りを果たした。そんな破竹の勢いにあった彼らが1972年秋に発表したのが、通算4作目のスタジオ・アルバムとなる本作『キャラバンサライ』。前作『サンタナⅢ』でそれまでの野性味溢れるアグレッシヴなラテン・ロックにひとつの区切りをつけたカルロス・サンタナは、壮大なコンセプト・アルバムという誰もが予想だにしなかった新たな方向性をここで打ち出すことになる。
カルロスがかねてより傾倒していたモダン・ジャズやパーソナルな精神世界を反映した幻想的なサウンドスケープは、まさにアルバム・ジャケットに描かれたキャラバン(隊商)の蜃気楼のようでもあり、チャート面では全米8位と前2作で獲得した1位には届かなかったものの、キャリア史上最高の完成度と評されることとなった。特にここ日本においては、このアルバムを引っ提げたツアーで1973年の初来日公演が実現したこともあり、『天の守護神』(Abraxas)に次ぐベストセラー・カタログとなっている。
ラテン・ジャズ色を強めながらプログレッシヴ・ロック的なアプローチで新たな地平を切り拓いたこの70sロック名盤には、当時生産開始されたばかりの4chサラウンド・ミックス=クアドラフォニックが存在していたが、一度も再発されることのないまま今日に至っていた。このたび世界で初めて復活することになる本エディションは、そのクアドラフォニックのオリジナル・4chミックス・マスター音源を日本のソニー・ミュージックスタジオにてDSDマスタリングを施したもので、各楽器のフレーズやプレイのニュアンスがこの上なく鮮明に聴き取れるだけでなく、このアルバムならではの甘美で神秘的な音世界に包まれる異次元の感覚に浸ることができる。
また、SA-CDのステレオ・ミックスの方もオリジナル・2chミックス・マスター音源を新たにマスタリング、CD層もSA-CDのステレオ・マスターをPCMに変換した最新リマスター盤となっている。パッケージは日本盤クアドラフォニックLPを精巧にリサイズした7インチ紙ジャケット仕様で、本作からカットされた「果てしなき道」(Every Step of the Way)の日本盤アナログ・シングル・ジャケットや海外で使用された発売告知のミニ・ポスターなどを封入している。 サンタナの日本独自50thアニヴァーサリー・シリーズ第5弾!
【SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディションの特徴】
●【SA-CD 4ch】 クアドラフォニックLPのアナログ・4chミックス・マスター音源を日本のソニー・ミュージックスタジオにて世界で初めてDSDマスタリングした高音質サラウンド・ミックス
●【SA-CD 2ch / CD】 アナログ・2chミックス・マスター音源を新たにDSDマスタリング / CD層もSA-CDのDSDマスターをPCMに変換した新マスタリング音源
●日本盤クアドラフォニックLPのアートワークを初復刻した7インチ紙ジャケット
●US盤オリジナル・クアドラフォニックのゴールド・レーベルを再現
●クアドラフォニックの英文解説がプリントされたUS盤オリジナル・インナー・バッグ復刻
●1972年アルバム発売時の海外オリジナル広告ミニ・ポスター封入
●「Every Step Of The Way」の日本盤シングル・ジャケット復刻
●日本盤クアドラフォニックLPとステレオLPの初版帯を両面印刷で復刻
●クアドラフォニック解説シート復刻
●懐かしの1972年オリジナル・ライナーノーツ、2006年ライナーノーツの改訂版+新規解説付ブックレット
●2022年最新リマスター盤
【収録曲】
- Eternal Caravan Of Reincarnation / 復活した永遠なるキャラバン
- Waves Within / 躍動
- Look Up (To See What's Coming Down) / 宇宙への仰視
- Just In Time To See The Sun / 栄光の夜明け
- Song Of The Wind / 風は歌う
- All the Love Of The Universe / 宇宙への歓喜
- Future Primitive / フューチャー・プリミティヴ(融合)
- Stone Flower / ストーン・フラワー
- La Fuente Del Ritmo / リズムの架け橋
- Every Step Of the Way / 果てしなき道
進化したラテン・リズムをバックに更なるモダン・ジャズへの接近を試みた傑作『キャラバンサライ』。
野性味あふれる衝撃のデビュー・アルバム『サンタナ』(1969年作)と、セカンド・アルバムにしてミリオン・セラーを記録し、今なおニュー・ロック不滅の金字塔と称される『天の守護神(アブラクサス)』(1970年作)。そして、サンタナ発のラテン・ロックを極限まで追求した『サンタナⅢ』(1971年作)やラテン・ファンク合戦と言うべき壮絶なライヴ・アルバム『カルロス・サンタナ&バディ・マイルス!ライヴ!』と、オリジナル・サンタナ・バンドの初期傑作が2020年から相次いで「SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション」として蘇った。この度、進化したラテン・リズムをバックに更なるモダン・ジャズへの接近を試みた傑作『キャラバンサライ』が、これまでのシリーズ同様のフォーマットで遂に発売される。無論!世界初のリリースで、これまた全世界のサンタナ・ファンにとって欠くことのできないゴールデン・エディションである。
~中略~
新しい解説を述べるにあたって久しぶりにジックリと本作品『キャラバンサライ』を聴いてみたが、やはり世紀の名盤と言わざるを得ない。何故ならクラッシック・ミュージックやプログレッシヴ・ロックに通じるコンセプト・アルバムで、アナログ盤で例えるならば、A、B両面それぞれのナンバーを通して1曲と感じる壮大かつ高品位な作品だからだ。加えて、このクアドラフォニック・ミックスの高い完成度によって、更なる神秘性を漂わせながら異次元へ誘うサウンドスケープを体感させられた。前作『カルロス・サンタナ&バディ・マイルス!ライヴ!』で今野雄二氏の解説に記された1972年の3月21、22日と4月12日。これは、そのアルバムのスタジオ再録音を行なった日程である。それと前記した本作の楽曲録音日と照らし合わせると、実に興味深い事実が浮かび上がる。なんと半分のナンバーがそのスタジオ・ライヴ以前にレコーディングを終えていたからだ。つまり、これら2作品はカルロス・サンタナがニュー・ワールドへと旅立つ為に不可欠なセッションでもあったのだ。
▲『キャラバンサライーSA-CDマルチ・ハイブリッド・エディションー』ライナーノーツ(文・Willie Nagasaki)よりテキスト抜粋。
フル・ヴァージョンは実際の商品でお楽しみください。
SANTANA「Every Step Of The Way」(Live)
SANTANA
サンタナ
メキシコ出身。ヴァイオリニストの父の影響で5歳でヴァイオリンを、8歳でギターを弾き始める。サンフランシスコに移住し、1966年に“サンタナ・ブルース・バンド”を結成。1969年に“サンタナ”としてデビュー、同年“ウッドストック・フェスティヴァル”に出演。当時ほぼ無名ながら衝撃的なパフォーマンスで大観衆を魅了し、一気に全米で人気を獲得する。デビュー・アルバム『サンタナ』が全米チャート4位、2ndアルバム『アブラクサス』(邦題『天の守護神』)」が全米チャート1位、シングル「ブラック・マジック・ウーマン」が全米チャート4位と大ヒットを記録、サンタナの初期代表作となる。様々なアーティストとコラボレーションした1999年のアルバム『スーパーナチュラル』が特大のブレイク、マッチボックス・トゥウェンティのロブ・トーマスをフィーチャーしたサンタナ初の全米No1ヒット・シングル「スムーズ」はビルボード12週連続1位、アルバムも同じく12週連続1位という驚異的な成功を収める。続くシングル「マリア・マリア」も10週連続1位を記録し、2枚のシングルで全米チャート1位の座を約半年間も独占するという歴史的快挙を成し遂げて迎えた2000年の第42回グラミー賞では、最高の栄誉である「最優秀アルバム賞」「最優秀楽曲賞」含む全9部門で受賞し、サンタナの第2黄金期が始まる。2006年に紙ジャケットで再発された1973年の初来日公演を収めたライヴ・アルバム『ロータスの伝説』(1974年)の“22面体ジャケット”が、最多面数を持つアナログLPジャケットとしてギネス世界記録に認定される。ローリング・ストーン誌が選ぶ「最も偉大なギタリスト100」(2003年度版)で15位に選出。これまで26枚のスタジオ・アルバム(カヴァー・アルバム含むサンタナ単独名義のみの作品)を発表。全世界で累計1億枚以上のセールスを記録。
サンタナ日本公式サイト:
www.sonymusic.co.jp/artist/santana