NEO GEO
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坂本龍一『NEO GEO』

坂本龍一1987年発表のアルバム『NEO GEO』
ツアー映像を加えたアナログBOXで2024年7月24日に再発決定

『NEO GEO』は1987年発表の7枚目のソロアルバムで、初の世界リリースを前提にビル・ラズウェルとの共同プロデュースで制作され、スライ・ダンバー、ブーツィー・コリンズ、トニー・ウィリアムスなど、異なるジャンルのトップ・ミュージシャンたちが参加。エレクトロニックなサウンドをベースにしつつも、沖縄音楽やバリの伝統音楽などオーガニックでエスニックな音楽要素を融合し、レコーディングは東京とニューヨークを往復して行われ、国際色豊かな強い個性も持った作品。世界20ケ国以上でリリースもされソロ・キャリアの中でもマイルストーン的な存在となっている。

今回の再発ではバーニー・グランドマンによる最新カッティングの『NEO GEO』と、イギー・ポップをボーカルに迎えた「RISKY」12インチシングルの2枚のアナログ盤に加えて、『NEO GEO』がリリースされた1987年7月に行われた国内ツアーの最終日を収録し、NHKで放送されたNHKホールでのLive映像を初商品化、さらに翌年、映画『ラストエンペラー』で日本人初のアカデミー賞・作曲賞を受賞した直後の1988年6月にニューヨークのビーコンシアターで行われたLive映像『NEO GEO Live in New York』を、最新の技術でアップコンバートした、2枚のBlu-rayの4枚組BOX SETとしてリリース。ブックレットには『NEO GEO』のレコーディングとツアーにも参加したギタリスト、窪田晴男のインタビューを掲載。BOXのデザインはオリジナルのアートワークを担当したビーンズの井上嗣也が手掛けている。

さらに『NEO GEO』単独のアナログ盤180g重量盤と、最新デジタルリマスタリングのCDがBlu-spec CD2の紙ジャケ仕様で同時発売される。

坂本龍一『NEO GEO』

完全生産限定盤 アナログBOX SET

NEO GEO 
Vinyl Limited Edition

坂本龍一『NEO GEO』

2Vinyl+2Blu-ray
8Pブックレット(リリース当時のプロモーションリーフレットに掲載された坂本龍一による全曲解説と“窪田晴男が語る『NEO GEO』”インタビューを掲載)
復刻四つ折りポスター(ポスターのデザインを四つ折りにリサイズ、片面には『NEO GEO』の制作秘話が披露されているプロモーション用パンフレットを復刻)
復刻ポストカード3種

2024年7月24日(水)発売

品番:MHJL-314~317
価格:19,800円(税込)

DISC 1 Vinyl 33 1/3RPM 140g通常盤

NEO GEO

SIDE A

  • BEFORE LONG
  • NEO GEO
  • RISKY
  • FREE TRADING

SIDE B

  • SHOGUNADE
  • PARATA
  • OKINAWA SONG-CHIN NUKU JUUSHII
  • AFTER ALL

DISC 2 Vinyl 12” 45RPM 140g通常盤

RISKY

SIDE A

  • RISKY(EXTENDED VERSION)

SIDE B

  • NEO GEO
  • RISKY(INSTRUMENTAL)

DISC 3 Blu-ray

Ryuichi Sakamoto Concert
NEO GEO TOUR -Live at NHK Hall-

  • BEFORE LONG
  • NEO GEO
  • BALLET MECANIQUE
  • PAROLIBRE
  • MERRY CHRISTMAS MR.LAWRENCE
  • SHOGUNADE
  • TIBETAN DANCE
  • G.T.
  • BEHIND THE MASK
  • ONGAKU

DISC 4 Blu-ray

NEO GEO Live in New York

  • CHINSAGU NO HANA
  • NEO GEO
  • OKINAWA SONG
  • TIBETAN DANCE
  • 1900
  • THE LAST EMPEROR
  • 1000 KNIVES
  • BEHIND THE MASK

DISC 1 & DISC 2
Digitally remastered & Disc cutting by Bernie Grundman at Bernie Grundman Mastering, Hollywood
Plated & Pressed at Sony Music Solutions Inc.,Shizuoka

DISC 3 1987年7月19日 NHKホールにて収録、同年11月7日にNHKで放送された映像。2024年3月に4リマスター版を初商品化。
DISC 4 1988年6月24日 ニューヨーク、ビーコンシアターにて収録。同年商品化された映像を初Blu-ray化。
DISC 3、4共にサウンドリマスタリングは砂原良徳が手掛けている。

坂本龍一『NEO GEO』

完全生産限定盤 アナログ盤

NEO GEO

<1LP、180g重量盤>解説・歌詞付

2024年7月24日(水)発売

品番:MHJL-318
価格:4,950円(税込)

SIDE A

  • BEFORE LONG
  • NEO GEO
  • RISKY
  • FREE TRADING

SIDE B

  • SHOGUNADE
  • PARATA
  • OKINAWA SONG-CHIN NUKU JUUSHII
  • AFTER ALL

Digitally remastered & Disc cutting by Bernie Grundman at Bernie Grundman Mastering, Hollywood
Plated & Pressed at Sony Music Solutions Inc.,Shizuoka

坂本龍一『NEO GEO』

通常盤 CD

NEO GEO

<Blu-spec CD2、紙ジャケ仕様>解説・歌詞付

2024年7月24日(水)発売

品番:MHCL-30849
価格:3,300円(税込)

  • BEFORE LONG
  • NEO GEO
  • RISKY
  • FREE TRADING
  • SHOGUNADE
  • PARATA
  • OKINAWA SONG-CHIN NUKU JUUSHII
  • AFTER ALL
  • RISKY (EXTENDED VERSION)
  • RISKY (INSTRUMENTAL)

Remastered by Bernie Grundman at Bernie Grundman Mastering, Hollywood

購入特典<対象店舗/特典内容>

Amazon.co.jp

『NEO GEO -Vinyl Limited Edition-』:オリジナルメガジャケ2枚組(DISC 1/2絵柄)
『NEO GEO』 LP/CD:メガジャケ(ジャケット写真絵柄)

応援店

オリジナルポストカード

リリース当時に制作されたポスターをポストカードにリサイズ

坂本龍一『NEO GEO』

※特典は数に限りがありますので、無くなり次第終了となります。あらかじめご了承ください。
※Amazon.co.jp、その他一部オンラインショップでは”特典対象商品ページ”と ”特典非対象商品ページ”がございます。ご予約の際にご希望される商品ページかをご確認いただいてからご予約いただきますよう、お願い申し上げます。

MUSIC VIDEO
RISKY

INTERVIEW VIDEO
窪田晴男が語るNEO GEOのミュージシャンたち

MUSCIAN’S PROFILE

『NEO GEO』レコーディングに参加したミュージシャン

Bootsy Collins (ブーツィー・コリンズ):Star Bass 

10代半ばにして、ジェームス・ブラウンのバンド、The JB’sに参加、続いてファンク・マスター=ショージ・クリントン率いるPファンクに入り、加えて同系列のブーツィーズ・ラバー・バンドを結成していた生粋のファンク・ベーシスト。ファンク・ファンにとってはほとんど神様的存在。トーマス・ドルビーのドルビーズ・キューブにもクリントンと共に参加。また究極のダンス・レコードたる趣もあるスライ&ロビーの『リズム・キラーズ』も、堂々参加。キング・オブ・ファンク!

『NEO GEO』での演奏曲:NEO GEO / SHOGUNADE

Tony Williams (トニー・ウィリアムス):Drums

ジャズシーンではあまりにも著名なドラマー。マイルス・デイビスのもとで活動、及び19歳の時に発表した野心的なリーダー作などで天才の名を欲しいままにする。アラン・ホールズワースも在籍したことのあるライフタイムの活動をはじめ、ジャズの枠をはみ出そうという意志と資質の持ち主でもある。エイトの切れ味と重量感も天下一品。パブリック・イメージ・リミテッド(PIL)の『album』にも参加している。1997年に51歳で逝去。

FREE TRADING / PARATA / OKINAWA SONG / AFTER ALL

Sly Dunbar (スライ・ダンバー):Drums

1974年にロビー・シェイクスピア(B)と共にスライ&ロビーを結成。以後、ジャマイカが生んだ最強のリズム隊で知られるドラマー。ジャマイカのレゲエ・シーンから世界に飛び出した一拍一拍にたとえようもない深さと大きさを感じさせる二人のビートはワン・アンド・オンリーの存在感。ビル・ラズウェルとの関係も深く、彼のプロデュースするフェラ・クティ等のアルバムに参加しているほか、彼らの2枚のリーダー作をプロデュースしている。

NEO GEO / RISKY / SHOGUNADE

David Van Tieghem (デヴィッド・ヴァン・ティーゲム):Percussion

坂本龍一とは『音楽図鑑』でのプレイをはじめ、“Media Bahn Tour”にも参加しているニューヨーク出身のパーカッショニスト。

NEO GEO / SHOGUNADE  / PARATA / OKINAWA SONG

Lucia Hwong (ルチア・ウォン):Pipa(中国琵琶)

コロンビア大学の修士課程で民族音楽を学んだハワイ生まれの中国系アメリカ人。民族楽器とデジタル楽器を駆使し、エスニックなモダーン・ミュージックを展開し、演劇、映画などの音楽を手掛ける一方、女優としても活躍。

RISKY / FREE TRADING / OKINAWA SONG

Emmet Chapman (エメット・チャップマン):Stick 

トニー・レヴィンが使用して一躍有名になった“スティック”ベースの開発者でもあるジャズ・ベーシスト。2021年に85歳で逝去。

NEO GEO / SHOGUNADE

Iggy Pop (イギー・ポップ):Vocal

ストゥージズ以来熱心な支持者を持ち続けるロック・レジェンド。『NEO GEO』ではシングル・カット曲「RISKY」にボーカルで参加。参加したいきさつは当時のインタビュー記事によると「ニューヨークでビルから曲を聴かされ、低ぅい声で歌えるヤツを探してる」と持ちかけられ、日本に来る途中にハワイへ立ち寄る予定があったことから急遽そこでダビングすることになったという。「それで小さなウォークマンを持っていって片方の耳でメロディーをつけて歌い、2時間で録音した。最初は曲調が初めてのもので不安だったけど、とても美しい曲だったしデキにも満足している」とコメントしている。

RISKY

Bill Laswell (ビル・ラズウェル):Producer、Bass 

アメリカ、イリノイ州生出身のベーシスト、音楽プロデューサー。1979年頃、実験的音楽集団“マテリアル”を結成し注目される。マテリアルのレコードには、あのホィットニー・ヒューストン(当時18歳)も参加。彼女にとっても初めてのレコーディングになったという。プロデュースの仕事も多くこなし、グラミー賞を受賞したハービー・ハンコック「ロック・イット」で一躍その名を広める。その後、ミック・ジャガー、オノ・ヨーコ、ローリー・アンダーソン、PIL、ピーター・ガブリエル、モーターヘッドなど様々なアーティストをプロデュースした。

RISKY / FREE TRADING / OKINAWA SONG

窪田晴男 (クボタハルオ):Guitar 

中学よりアマチュアバンド活動を開始。1981年近田春夫氏に見出され「近田春夫とビブラトーンズ」としてデビュー。以後、s.ken & ホットボンボンズ、パール兄弟、マイティーオペラ、三宅純グループ等のバンド活動、また幾多のステージ、レコーディングに明け暮れる。1990年、全編新曲録り下ろしのラジオショー「ガール・ガール・ガール」FM横浜を自らの提案でスタート。オノ・ヨーコ氏主催のチャリティー企画、ジョンレノントリビュートライブ「ドリームパワー」2001年の立ち上げから2年、ハウスバンドのバンドマスターを務める。2004年から2007年まで朝日新聞にてコラム「ツウのひとこと」連載。自らがホストとキャスティングを務める深夜音楽会「東京フォルクロア」「サロン東京的」を西麻布オジャス、日赤通りプラスにて毎月開催、好評を博す。現在は再びバンド活動に軸を移し金子マリ&5th element will、パール兄弟、Shiro、トラスロッド、窪田と和泉(ギターduo)、Koki Tetragon、elohimn、Hao、東京暮色等で活動中。

NEO GEO / SHOGUNADE
※『NEO GEO』ライブにも参加

『NEO GEO』ライブに参加したミュージシャン

Bernard Fowler (バナード・ファーラー):Vocal

米国出身のヴォーカリスト。特にローリング・ストーンズのバック・ボーカリストとして知られる存在。1974年に初めてのレコーディングを経験し、以後、ロックやR&B/ソウル、ファンク、ジャズなどさまざまなジャンルでバック・ボーカリストとして活躍。1985年以降はローリング・ストーンズの作品やツアーにレギュラー参加し、パワフルかつレンジの広いヴォーカルを聴かせている。最新作は2019年リリースのアルバム『Inside Out』。

Eddie Martinez (エディ・マルチネス):Guitar

ニューヨークシティをベースとして活躍していたセッション・ギタリスト。1986年ロバート・パーマーの公演でも来日。ディストーションの効いたハードでぶっとんだソロと、いかしたリフを作るカッティングは、エナジーの欲しいアーティストに評価され、パワー・ステーション系レコーディングを中心に、RUN-DMCまで、幅広く参加している。『NEO GEO』のレコーディングでは「RISKY」で12弦ギターをプレイ。

Jeff Bova (ジェフ・ボヴァ):Keyboards

ハービー・ハンコックのロックイット・バンドに参加して脚光をあびたキーボード・プレイヤー。『NEO GEO』のレコーディングでもシンセサイザー・プログラマーとして参加。第39回グラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞したセリーヌ・ディオンのアルバム『FALLING INTO YOU』(1996年)のプロデューサーの一人として参加している。

Barry Johnson (バリー・ジョンソン):Bass 

ジャズ・ファンク、ジャズ・ロック、ソウル/ファンクといった様々なジャンルで活躍するアメリカのベース奏者/歌手。80 年代にはジェフリー・オズボーン、のちにはシックともツアーを行った。

David Palmer (デヴィッド・パーマー):Drums 

英国シェフィールド出身。1980年前半、ABCのドラマーとしてデビュー。デビューアルバム『The Lexicon Of Love』は全英チャート1位になるなど世界中で大ヒット。その直後の1983年には高橋幸宏のツアー、YMOの散開ライブに参加し、ABCを脱退。以降、ザ・ザやデュラン・デュラン、バーナード・エドワーズらとのセッションを重ね、1990年代からはロッド・スチュワートのバンドに加入。スタジオ、ツアー・ドラマーとして高く評価されている。

我如古より子(がねこよりこ):Vocal&三線

10歳の頃から父・我如古盛栄と共に舞台に立ち始め、1974年6月に盛栄がコザに“民謡ステージ 姫”を開業。その頃から本格的に民謡の世界に入る。盛栄を師として育ち、1977年、紡績女工の話を唄った「女工節」でデビュー。その翌年の1978年にリリースした「娘ジントーヨー」がヒットし代表曲となる。

古謝美佐子(こじゃみさこ):Vocal&三線

沖縄県嘉手納町生まれ。沖縄民謡歌手。基地の町に生まれ、幼少の頃から沖縄民謡に親しみ4〜5歳で舞台に立ち9歳でレコードデビュー。
1987年から坂本龍一のプロジェクトに参加。1990年から「ネーネーズ」にリーダーとして参加。1996年にネーネーズを脱退後ソロ活動を再開。
代表作は自作詞の「童神」。最新作は2023年リリースのアルバム『平和星☆願い歌』。

玉城一美(たまきかずみ):Vocal&三線

玉城安定を父にもつ沖縄民謡歌手。10歳より琉球舞踊の舞台に立ち、17歳からは父と、妹、清美と演奏活動を行う。 21歳の頃「美童花染小」でデビュー。現在は、沖縄市の“花ぬ島”を拠点に、県内外で師匠、神谷幸一と共に活動中。

我如古、古謝、玉城の3人は下記の坂本龍一のライブに参加している。
1987年 NEO GEOジャパンツアーに出演
1988年 NEO GEOアメリカツアーに出演
1990年 BEAUTYワールドツアーに出演
1999年 オペラ『LIFE』に出演

Jiang Xiao-Qing:Gu Zheng 姜 小青ジャン・シャオチン 古箏

15歳で中央音楽学院に入学。古箏五大流派の伝統演奏を修得。北京市優秀芸術家。来日後、坂本龍一氏と出会い、映画「ラストエンペラー」のサウンド・トラックに参加、同氏の国内コンサートや全米ツアーにも同行。 1990年から20年間サントリー・ウーロン茶のCMの訳詞・歌を担当。奈良東大寺・大仏開眼1250年慶讃コンサート、JAL萬福寺音舞台、カターニア国際音楽祭、上海万博、平城遷都1300年記念事業イベント、美空ひばりエンターテインメント「あなたのひばり!私のひばり!!」等、日本各地及び海外で多くの重要なコンサートに招かれ、絶賛されている。2015年ジブリ映画『かぐや姫の物語』監督:高畑勲、音楽:久石譲のサウンド・トラックに参加。古筝のソロを担当。

今回の『NEO GEO』再発に寄せてジャンさんより特別にコメントを頂きました。

来日直後に映画『ラストエンペラー』の録音で坂本龍一さんと出会いました。スタジオで英語と日本語を混じえながら、ご指導をいただき、順調に演奏ができました。その年『NEO GEO』ツアーにも参加し、あの頃の中国では、伝統音楽か西欧のクラシックしかなく、私の音楽観を坂本さんにどれだけ広く変えて頂いたか言い尽くせません。
坂本さんは私の尊敬する芸術家として、また恩人として忘れられない方です。これからも坂本さんの作品を大切に演奏させていただきます。

古筝奏者 姜小青(ジャン シャオチン)

Franc Menusan (フランク・メヌサン):Indian Percussion 

北インドや中央アジアの楽器を多数マスターしているだけでなく、ネイティブ・アメリカンの音楽、教育、ストーリーテリングの分野でもよく知られたマルチな才能を持つアーティスト。1988年の『NEO GEO』アメリカツアーに参加した。

NEO GEO年表

『NEO GEO』は1987年7月1日にリリースされた、坂本龍一ソロ7作目のアルバム。
この作品はソロ作初の世界リリースを前提に制作され、リリース後は日本でのツアーと、翌年の1988年にはソロでは初となるアメリカでのツアーも行われた。この時期は映画『ラストエンペラー』で日本人初のアカデミー賞作曲賞も受賞するなど、キャリアの中でも分岐点の一つだったと思われる時期であった。共同プロデューサーのビル・ラズウェルとの1984年の共演からアメリカでのツアーまで、『NEO GEO』という作品が生まれた背景を時系列で紹介させて頂こう。

1984年

03月

渋谷にあったライブハウス、THE LIVE-INNで行われた近藤等則が主宰した即興のセッションのライブイベント“東京ミーティング1984”に参加。このイベントに参加していたビル・ラズウェルとも共演している。

07月14日

マイケル・ジャクソンのサポートをしていたキーボード・プレイヤーのグレッグ・フィリンゲインズが自身のソロアルバム『パルス』を発表。マイケル・ジャクソンのアルバム『スリラー』に収録する予定で制作されていたマイケルが詞を追加したヴァージョンの「BEHIND THE MASK」を、マイケルの許可を得て収録し、彼自身の最も有名なソロ曲となった。

10月24日

制作に1年8か月の歳月を費やしたソロ4作目のアルバム『音楽図鑑』をリリース。『NEO GEO』のツアーでも演奏された「TIBETAN DANCE」が収録されている。

坂本龍一『NEO GEO』

Vinyl :MHJL-137(2020 Reissue)

1985年

02月21日

トーマス・ドルビーとのコラボレーションシングル「FIELD WORK」リリース。

03月

1984年に坂本が立ち上げた出版社、本本堂より『音楽図鑑』〈ビジュアル・ヴァージョン〉出版。

04月

高橋悠治、如月小春らと共に、バッハ生誕300年を記念して上演された音楽パフォーマンス「マタイ1985」に出演。この時の音源は『Year Book 1985-1989』に収録されている。

06月09日

第1回東京国際映画祭にて初のドキュメンタリー映画『TOKYO MELODY』(フランス国営放送製作)が上映される。12月にはVHSがリリースされた。

09月05日

7インチピクチャーシングル「STEPPIN’ INTO ASIA」リリース。

09月15日

つくばEXPO ‘85(国際科学技術博覧会)にSONYのジャンボトロン(2000インチの巨大TV)を使ったパフォーマンスを行う。2部構成で行われ第1部は前年にナム・ジュン・パイクと制作した映像作品「ALL STAR VIDEO」の上映と、New Yorkのビデオアーティスト、キット・フィッツジェラルドとポール・ギャリンとパフォーマンス「NOW」を行う。この作品は1曲が追加され『ADELIE PENGUINS』という映像作品となって翌年にリリースされている。第2部では浅田彰、ラディカルTVとのジョイントによるパフォーマンス「TV WAR」が行われた。「TV WAR」は12月21日にVHS、β、8㎜Vが、翌年1月22日にはLDがリリースされた。

10月05日

ソロ5作目のアルバム『Esperanto』リリース。前衛舞踏家モリサ・フェンレイのショーの為に制作されたもので、フェアライトCMIをレコーディングに導入して本格的に音のサンプリングを取り入れていくきっかけとなった。またアフリカやアイヌ音楽の要素も取り入れ、『NEO GEO』に民族音楽を取り入れた引き金にもなった作品。

坂本龍一『NEO GEO』

Vinyl :MHJL-138(2020 Reissue)

10月

六本木にあったライブハウス、インクスティックにて即興セッションのライブ。メンバーは坂本龍一の他にビル・ラズウェル(B)、近藤等則(Tp)、山木秀夫(Dr)、カルロス ・アロマー(G)。このセッションは『NEO GEO』にも参加しているジャズドラマー、トニー・ウィリアムスがビル・ラズウェルのプロデュースで東京でのレコーディングを予定していたもののビザの関係でトニーの来日が不可能となったため、急遽企画されて行われたもの。この時の音源は『Year Book 1985-1989』に収録されている。

11月23日

新宿の文化服装学院内の遠藤記念館にて『Esperanto』の公演が行われ、約1時間のダンスに合わせ演奏を行った。この時の映像は1986年5月21日にリリースされている。

1986年

01月27日

ビル・ラズウェルがプロデュースを手掛けたパブリック・イメージ・リミテッド(PIL)のアルバム『album』リリース。前年の夏にニューヨークのパワー・ステーションで行われたレコーディングにフェアライトで参加している。

02月21日

坂本が共同プロデュースを務めた矢野顕子のアルバム『峠のわが家』リリース。

03月21日

アルバム『未来派野郎』からの先行シングル「G.T.」リリース。C/Wは「PAROLIBRE」。

04月21日

ソロ6作目のアルバム『未来派野郎』をリリース。初回発売時のアートワークはイタリアの漫画家イゴルトのイラストによるもので、以降のプレス盤とは異なるレアなものとなっている。『NEO GEO』ツアーでも演奏された「BALLET MECANIQUE」「PALOLIBRE」「G.T.」が収録されている。また同日より“Media Bahn Tour”がスタート。全28公演が行われた。

“Media Bahn Tour”
4月21日 大阪 大阪厚生年金会館
4月22日 大阪 大阪厚生年金会館
4月23日 京都 京都会館
4月25日 兵庫 神戸文化ホール
4月29日 東京 渋谷公会堂
4月30日 東京 渋谷公会堂
5月07日 静岡 静岡市民文化会館
5月08日 愛知 名古屋市民会館
5月10日 千葉 千葉県文化会館
5月12日 栃木 宇都宮市文化会館
5月14日 香川 高松市民会館
5月15日 高知 高知県立県民文化ホール
5月16日 愛媛 愛媛県県民文化会館
5月17日 広島 広島郵便貯金会館
5月19日 福岡 福岡サンパレス
5月20日 長崎 長崎市公会堂
5月21日 熊本 熊本市民会館
5月23日 鹿児島 鹿児島市民文化ホール
5月26日 金沢 金沢市観光会館
5月28日 新潟 新潟県民会館
5月29日 長野 長野県県民文化会館
6月04日 神奈川 神奈川県立県民ホール
6月08日 福島 郡山市民文化センター
6月09日 宮城 宮城県民会館
6月11日 札幌 北海道厚生年金会館
6月13日 岩手 岩手県民会館
6月17日 東京 渋谷公会堂 <追加公演>
6月18日 東京 渋谷公会堂 <追加公演>


TOUR MEMBER
RYUICHI SAKAMOTO:Keyboards
DAVID VAN TIEGHEM:Percussion
ROBBY KILGORE:Keyboards
BERNARD DAVIS:Drums
RONNIE DRAYTON:Guitar
RAY OHARA:Bass
BERNARD FOWLER:Vocal
LYNN MABRY:Vocal
KYSIA BOSTIC:Vocal

07月05日

映画『子猫物語』サウンドトラックリリース。同年7月に公開された映画のサウンドトラック、坂本龍一が音楽監督を務め、ゲルニカの上野耕路、おしゃれテレビの野見祐二、ショコラ―タの渡辺蕗子との共同作品。翌年2月に授賞式が行われた第30回日本アカデミー賞の優秀音楽賞を受賞した。

09月21日

ライブアルバム『Media Bahn Live』リリース。同年6月17日、18日に渋谷公会堂で行われたライブを収録。

10月05日

ラジオのレギュラーがスタート。FM東京「サウンド・ビジュアート 不思議の国の龍一」毎週日曜日13時の放送。ゲストを招いたり、同年3月に終了したNHK FM「サウンドストリート」の人気コーナーだったデモテープコーナーもこの番組で続けられた。放送は翌年の10月まで。

10月15日

韓国生まれのアメリカの現代芸術家、ナム・ジュン・パイクが企画したニューヨーク・東京・ソウルを衛星中継した番組「Bye Bye Kippling」(テレビ朝日で放送)に出演。清水靖晃とのデュオで演奏も行った。

10月

映画『ラストエンペラー』の撮影で中国の長春での3週間のロケに参加。

11月01日

映像『MEDIA BAHN LIVE』リリース。同年6月17日、18日に渋谷公会堂で行われたLive映像。β、VHS、8㎜V、LD、VHDの5形態でリリース。

11月

中国でのロケから1度日本に帰国。中旬から12月にかけて再び『ラストエンペラー』のローマでの撮影に参加。

11月23日

坂本龍一が6曲をプロデュースした、イギリスのシンガーソングライター、ヴァージニア・アストレイのアルバム『Hope In A Darkened Heart』リリース。レコーディングはロンドンで行われ、デヴィッド・シルヴィアンとヴァージニアのデュエット曲「Some Small Hope」も収められた。坂本がプロデュースした6曲は新宿御苑にあったテイクワンスタジオにて自らがMixを行った。

11月21日

大貫妙子のシングル「ひとり暮らしの妖精たち」リリース。坂本は作曲、編曲を担当している。編曲は鈴木さえ子との連名。

11月24日

エリック・クラプトンがアルバム『オーガスト』をリリース。前出のグレッグ・フィリンゲインズはクラプトンのバンドメンバーを務めていたが、グレッグがソロアルバムで「BEHIND THE MASK」をカバーしていたことがきっかけで、クラプトンもこの曲をアルバムに収録する事になったと伝えられている。

12月中旬

ニューヨークにてビル・ラズウェルと新作のミーティングを行う

12月17日

ラフォーレ赤坂にて行われた矢野顕子のNHK「MUSIC WAVE ‘86」のスペシャルライブに出演。メンバーは坂本龍一(Key)、高橋幸宏(Dr)、小原礼(B)、窪田晴男(G)。

12月20日

12インチ・ミニアルバム『イメージ・スケッチ オネアミスの翼』リリース。 映画の公開に先駆け限定5,000枚がプレスされた。映画は1987年2月に公開。

1987年

01月

音響ハウスで『NEO GEO』のデモテープ制作が行われる。坂本が事前にデモテープを制作するのはレアなケースであった。

02月

中旬から『NEO GEO』のニューヨークのパワー・ステーションにてレコーディング。スライ・ダンバー、トニー・ウィリアムス、デヴィッド・ヴァン・ティーゲム、ブーツィー・コリンズなど、異なるジャンルのトップミュージシャンたちのダビングが行われた。窪田晴男も2週間ニューヨークに滞在して2曲のレコーディングに参加している。

03月

上旬に一時帰国して、我如古より子、古謝美佐子、玉城一美が沖縄から上京し音響ハウスにてボーカル録り。

03月05日

アニメーション映画『オネアミスの翼 -王立宇宙軍-』サウンドトラックリリース。坂本龍一が初のアニメーション音楽を担当した作品。上野耕路、野見祐二、窪田晴男との共同作品。

3月25日

“Media Bahn Tour”のツアーメンバーでもあったパーカショニスト、デヴィット・バン・ティーゲムのアルバム『SAFETY IN NUMBERS』リリース。坂本は2曲参加している。制作はエア・メイル・セッションで行われた。

04月

3月末から再びニューヨークに渡ってミックスを行う。
中旬に「RISKY」のイギー・ポップのボーカル録りがハワイ、マウイ島のスタジオで行われた。坂本はマウイのスタジオには立ち会わず、南フランスで行われていたデヴィッド・シルヴィアンのレコーディングに参加。『NEO GEO』は4月いっぱいですべてのミックスが完了。

6月7日

ベルナルド・ベルトルッチ監督から『ラストエンペラー』サントラの正式なオファーを受ける。直ちにエンジニアに制作の依頼をしたが、その内容は1週間後からデジタル・マルチレコーダーのあるスタジオを2週間ロックアウト、44トラックを制作するというもの。都内のスタジオを探しまくるが、都合よく空いているスタジオは無く、加藤和彦の好意でプライベートスタジオを借りることに。そこに『NEO GEO』のレコーディングでも使用したデジタル・マルチレコーダーSONY PCM-3324を持ち込んだ。スタジオを貸している間は旅行に出ると言っていた加藤だったが、レコーディングが始まるとスイーツやくだもの、当時流行っていた酸素スプレーなどを毎日差し入れていたという。
2週間で44トラックをレコーディングすることは不可能に近く、アディショナル・アレンジャーとして上野耕路、野見祐二を起用し、坂本が作った曲をそれぞれ銀座の音響ハウスと六本木のセディックスタジオで並行してレコーディングしている。坂本のもとにはベルトルッチから3時間半に編集された作業用のVHSが届き、シーンの長さに合わせ曲の小節数からテンポを割り出し、Kurzweil Synthesizerのリアルに近いサンプリング音で、坂本の構想のもと各シーンにピッタリに音楽が生まれていった。それまでも坂本の海外とのコーディネイトを担当していた生田朗もレコーディングに参加、毎晩24時から生田とミーティングし、ロンドンの映画製作側との連絡や中国楽器奏者の手配をしている。 テーマ候補曲が2曲出来た際は、ベルトルッチ監督に早急に決めて欲しい、電話ではなく良い音で聴いてもらいたいとの坂本のリクエストに、生田は衛星中継による試聴を模索したが高価だったため断念、ロンドンのスタジオで使用していたβテープにデジタル音声を記録するSONY PCM-F1方式でテープを送ることにした。ビデオ方式が違うため、ヨーロッパのPAL方式で録画できるβデッキを探さなければならなくなったが、運よくSONYに1台だけそのデッキがあったため、無事テープを送ることができた。そして3日後、ベルトルッチ監督からあの曲をメインテーマにとの連絡があった。
2週間で200時間超というハイペースでレコーディングは進み、いよいよ最終日という時、新たに2時間40分に編集されたVHSが届いた。スタッフ全員が愕然とする中、坂本は「飛行機の中で考える」と言い残し、オーケストラダビングを行うためロンドンへ向かった。真新しい五線紙を機内に持ち込み、頭の中で鳴り響くアンサンブルを書き止める旅でもあった。ロンドンでは東京で録ったKurzweil Synthesizerの音を生演奏に差し替え、ミックスを行い3週間余りに及んだレコーディングは終了した。

7月1日

ソロ7作目のアルバム『NEO GEO』をCBS/SONY内にビル・ラズウェルが立ち上げた“TERRAPIN”レーベルよりリリース。“TERRAPIN”は日本及びアジアの音楽を広く世界に紹介することをポリシーとし、『NEO GEO』はリリース第一弾の作品として世界20か国以上でリリースされた。日本ではLP、CD、カセットの3形態でリリース。「RISKY」のEPも同時発売。C/Wは「AFTER ALL」。「RISKY」はNISSANセドリック・イメージソングにもなった。坂本はCMにも出演、キャッチフレーズは“新しいセドリックは、いいね。”

上旬

『NEO GEO』ツアーメンバーが来日。6日間のリハーサルが始まる。15日よりツアーがスタート。全4公演が行われた。

“NEO GEO TOUR”
7月15日 神奈川 神奈川県民ホール
7月16日 大阪  大阪厚生年金会館
7月18日 愛知  名古屋市公会堂
7月19日 東京  NHKホール

TOUR MEMBER
RYUICHI SAKAMOTO:Keyboards
BERNARD FOWLER:Vocal
EDDIE MARTINEZ:Guitar
HARUO KUBOTA:Guitar
JEFF BOVA:Keyboards
BARRY JOHNSON:Bass
DAVID PALMER:Drums
YORIKO GANEKO:Vocal&Sanshin
MISAKO KOJA:Vocal&Sanshin
KAZUMI TAMAKI:Vocal&Sanshin

7月20日

“NEO GEO TOUR”に参加したメンバーとビクター青山スタジオに入り「BEHIND THE MASK」「RISKY」「FIELD WORK」の演奏を1日でレコーディング。翌日LYNN MABRY(“Media Bahn Tour”のツアーメンバーでもあったアメリカのシンガー)のコーラスをレコーディング。12インチシングルとシングルCDで同年9月15日にリリースされた。この時レコーディングされた「BEHIND THE MASK」は2020年に新たに選曲されたニュー・コンピレーションのアナログ盤『GREAT TRACKS』に収録されている。

Vinyl :MHJL-139

7月25日

日本のジャズフェスティバル“SELECT LIVE UNDER THE SKY ‘87”に出演するビル・ラズウェルが結成したジャズフュージョンバンド“SXL”で共演する予定だったが耳の不調により入院したためやむなくキャンセル。ちなみにこの時期に日本で行われたライブは『SXL live in Japan』というタイトルで同年10月21日に“TERRAPIN”よりリリースされている。

08月30日

よみうりランド・オープンシアター・イーストで開催された“六本木 PIT INN 10th Anniversary Concert”に出演。この日の為に再結成されたKYLYN BANDで参加。

10月04日

第2回東京国際映画祭のクロージング作品として『ラストエンペラー』が上映された。以後10月から11月にかけて欧米での公開が始まり大ヒットとなる。

10月19日

デヴィッド・シルヴィアンのソロ4作目のアルバム『Secrets Of The Beehive』リリース。坂本はほとんどの曲のオーケストラ・アレンジを手掛けている。

10月21日

「RISKY」の12インチシングルとシングルカセットがリリース。

11月07日

7月19日のNHKホールのライブがNHKで放送された。

11月21日

坂本が共同プロデュースを務めた矢野顕子のアルバム『GRANOLA』リリース。

12月02日

この日からスタートした矢野顕子のツアー“TOUR GRANOLA”に参加。メンバーは坂本龍一(Key)、高橋幸宏(Dr)、小原礼(B)、窪田晴男(G)、吉川忠英(G)。

“TOUR GRANOLA”
12月02日 愛知  名古屋市民会館
12月03日 広島  広島郵便貯金会館
12月04日 福岡  福岡サンパレス
12月07日 群馬  群馬音楽センター
12月08日 長野  長野市民会館
12月11日 宮城  宮城県民会館
12月14日 大阪  大阪厚生年金会館
12月16日 北海道 札幌市民会館
12月20日 東京  新宿厚生年金会館
12月21日 東京  新宿厚生年金会館

1988年

01月13日

フジテレビ「夜のヒットスタジオdeluxe」に出演。「THE LAST EMPEROR(END TITLE THEME)」を演奏。来日中のジョン・ローンも出演し、撮影中は敵役の為、会話はしなかったというエピソードがあるが、番組中では笑顔で握手を交わすなどの交流を見せた。

01月23日

映画『ラストエンペラー』が日本で公開される。同日、第45回ゴールデングローブ賞が発表され『ラストエンペラー』は映画部門で作品賞、監督賞、脚本賞、作曲賞を受賞。

03月05日

「RISKY」のCDVがリリース。「RISKY」のミュージックビデオが収録されている。監督はU2の「With Or Without You」のMVの監督で知られるメイアート・エイヴィスとマット・マハーアン。

04月8日

1984年に坂本龍一が立ち上げた出版社、本本堂より自らが編集した“写真集『ラストエンペラー』”を発売。ベルトルッチ監督やプロデューサーのジェレミー・トーマスに坂本が行ったインタビューが豊富な写真と共に紹介されている。この本の中で坂本は『ラストエンペラー』の重要なシーンで布が使われていることにインスパイアを受け『NEO GEO』のツアーのセットに布を使用したことを語っている。

04月9日

NHKホールにて“SAKAMOTO PLAYS SAKAMOTO”と題し、自身初のオーケストラコンサートを行う。映画『ラストエンペラー』『戦場のメリークリスマス』のスコアを中心に、自身のソロ曲のオーケストレーションを自ら手掛けピアノを演奏した。公演は4月10日と二日間行われ、指揮は大友直人、演奏は東京交響楽団、キーボードで小林武史も参加している。アンコールでは「BEHIND THE MASK」が演奏された(ボーカルはバナード・ファーラー)。このライブの模様は同年6月26日にNHKで放送され、今年4K版がNHK BSで放送された。

04月11日

第60回アカデミー賞授賞式に出席。結果はご存知の通り『ラストエンペラー』が作品賞、監督賞、作曲賞など9部門を受賞。坂本は受賞後の記者会見で受賞した感想を聞かれ、「若すぎると思います」と答えている。当時36歳。

6月24日

ニューヨークのBEACON THEATERを皮切りにNEO GEOのUSAツアーがスタート。このツアーは6月にニューヨークを中心に行われた第1回NY芸術祭“The 1st INTERNATIONAL FESTIVAL OF THE ARTS”の一環として企画され実現したもの。この芸術祭のメインイベントとして行われたニューヨークでの公演は2,600人収容の格式高いオペラハウスで満員の中で行われた。ニューヨークの公演は収録され、同年12月21日にLD、VHS、βの3形態で発売された。

“NEO GEO” USA TOUR
06月24日 NEW YORK BEACON THEATER
06月27日 SAN FRANCISCO ZELLERBACH HALL
06月28日 LOS ANGELES WILTERN THEATRE

TOUR MEMBER
RYUICHI SAKAMOTO:Keyboards
BERNARD FOWLER:Vocal
EDDIE MARTINEZ:Guitar
HARUO KUBOTA:Guitar
JEFF BOVA:Keyboards
BARRY JOHNSON:Bass
DAVID PALMER:Drums
FRANC MENUSAN:Indian Percussion
YORIKO GANEKO:Vocal&Sanshin
MISAKO KOJA:Vocal&Sanshin
KAZUMI TAMAKI:Vocal&Sanshin

1984年

03月

渋谷にあったライブハウス、THE LIVE-INNで行われた近藤等則が主宰した即興のセッションのライブイベント“東京ミーティング1984”に参加。このイベントに参加していたビル・ラズウェルとも共演している。

07月14日

マイケル・ジャクソンのサポートをしていたキーボード・プレイヤーのグレッグ・フィリンゲインズが自身のソロアルバム『パルス』を発表。マイケル・ジャクソンのアルバム『スリラー』に収録する予定で制作されていたマイケルが詞を追加したヴァージョンの「BEHIND THE MASK」を、マイケルの許可を得て収録し、彼自身の最も有名なソロ曲となった。

10月24日

制作に1年8か月の歳月を費やしたソロ4作目のアルバム『音楽図鑑』をリリース。『NEO GEO』のツアーでも演奏された「TIBETAN DANCE」が収録されている。

坂本龍一『NEO GEO』

Vinyl :MHJL-137(2020 Reissue)

1985年

02月21日

トーマス・ドルビーとのコラボレーションシングル「FIELD WORK」リリース。

03月

1984年に坂本が立ち上げた出版社、本本堂より『音楽図鑑』〈ビジュアル・ヴァージョン〉出版。

04月

高橋悠治、如月小春らと共に、バッハ生誕300年を記念して上演された音楽パフォーマンス「マタイ1985」に出演。この時の音源は『Year Book 1985-1989』に収録されている。

06月09日

第1回東京国際映画祭にて初のドキュメンタリー映画『TOKYO MELODY』(フランス国営放送製作)が上映される。12月にはVHSがリリースされた。

09月05日

7インチピクチャーシングル「STEPPIN’ INTO ASIA」リリース。

09月15日

つくばEXPO ‘85(国際科学技術博覧会)にSONYのジャンボトロン(2000インチの巨大TV)を使ったパフォーマンスを行う。2部構成で行われ第1部は前年にナム・ジュン・パイクと制作した映像作品「ALL STAR VIDEO」の上映と、New Yorkのビデオアーティスト、キット・フィッツジェラルドとポール・ギャリンとパフォーマンス「NOW」を行う。この作品は1曲が追加され『ADELIE PENGUINS』という映像作品となって翌年にリリースされている。第2部では浅田彰、ラディカルTVとのジョイントによるパフォーマンス「TV WAR」が行われた。「TV WAR」は12月21日にVHS、β、8㎜Vが、翌年1月22日にはLDがリリースされた。

10月05日

ソロ5作目のアルバム『Esperanto』リリース。前衛舞踏家モリサ・フェンレイのショーの為に制作されたもので、フェアライトCMIをレコーディングに導入して本格的に音のサンプリングを取り入れていくきっかけとなった。またアフリカやアイヌ音楽の要素も取り入れ、『NEO GEO』に民族音楽を取り入れた引き金にもなった作品。

坂本龍一『NEO GEO』

Vinyl :MHJL-138(2020 Reissue)

10月

六本木にあったライブハウス、インクスティックにて即興セッションのライブ。メンバーは坂本龍一の他にビル・ラズウェル(B)、近藤等則(Tp)、山木秀夫(Dr)、カルロス ・アロマー(G)。このセッションは『NEO GEO』にも参加しているジャズドラマー、トニー・ウィリアムスがビル・ラズウェルのプロデュースで東京でのレコーディングを予定していたもののビザの関係でトニーの来日が不可能となったため、急遽企画されて行われたもの。この時の音源は『Year Book 1985-1989』に収録されている。

11月23日

新宿の文化服装学院内の遠藤記念館にて『Esperanto』の公演が行われ、約1時間のダンスに合わせ演奏を行った。この時の映像は1986年5月21日にリリースされている。

1986年

01月27日

ビル・ラズウェルがプロデュースを手掛けたパブリック・イメージ・リミテッド(PIL)のアルバム『album』リリース。前年の夏にニューヨークのパワー・ステーションで行われたレコーディングにフェアライトで参加している。

02月21日

坂本が共同プロデュースを務めた矢野顕子のアルバム『峠のわが家』リリース。

03月21日

アルバム『未来派野郎』からの先行シングル「G.T.」リリース。C/Wは「PAROLIBRE」。

04月21日

ソロ6作目のアルバム『未来派野郎』をリリース。初回発売時のアートワークはイタリアの漫画家イゴルトのイラストによるもので、以降のプレス盤とは異なるレアなものとなっている。『NEO GEO』ツアーでも演奏された「BALLET MECANIQUE」「PALOLIBRE」「G.T.」が収録されている。また同日より“Media Bahn Tour”がスタート。全28公演が行われた。

“Media Bahn Tour”
4月21日 大阪 大阪厚生年金会館
4月22日 大阪 大阪厚生年金会館
4月23日 京都 京都会館
4月25日 兵庫 神戸文化ホール
4月29日 東京 渋谷公会堂
4月30日 東京 渋谷公会堂
5月07日 静岡 静岡市民文化会館
5月08日 愛知 名古屋市民会館
5月10日 千葉 千葉県文化会館
5月12日 栃木 宇都宮市文化会館
5月14日 香川 高松市民会館
5月15日 高知 高知県立県民文化ホール
5月16日 愛媛 愛媛県県民文化会館
5月17日 広島 広島郵便貯金会館
5月19日 福岡 福岡サンパレス
5月20日 長崎 長崎市公会堂
5月21日 熊本 熊本市民会館
5月23日 鹿児島 鹿児島市民文化ホール
5月26日 金沢 金沢市観光会館
5月28日 新潟 新潟県民会館
5月29日 長野 長野県県民文化会館
6月04日 神奈川 神奈川県立県民ホール
6月08日 福島 郡山市民文化センター
6月09日 宮城 宮城県民会館
6月11日 札幌 北海道厚生年金会館
6月13日 岩手 岩手県民会館
6月17日 東京 渋谷公会堂 <追加公演>
6月18日 東京 渋谷公会堂 <追加公演>


TOUR MEMBER
RYUICHI SAKAMOTO:Keyboards
DAVID VAN TIEGHEM:Percussion
ROBBY KILGORE:Keyboards
BERNARD DAVIS:Drums
RONNIE DRAYTON:Guitar
RAY OHARA:Bass
BERNARD FOWLER:Vocal
LYNN MABRY:Vocal
KYSIA BOSTIC:Vocal

07月05日

映画『子猫物語』サウンドトラックリリース。同年7月に公開された映画のサウンドトラック、坂本龍一が音楽監督を務め、ゲルニカの上野耕路、おしゃれテレビの野見祐二、ショコラ―タの渡辺蕗子との共同作品。翌年2月に授賞式が行われた第30回日本アカデミー賞の優秀音楽賞を受賞した。

09月21日

ライブアルバム『Media Bahn Live』リリース。同年6月17日、18日に渋谷公会堂で行われたライブを収録。

10月05日

ラジオのレギュラーがスタート。FM東京「サウンド・ビジュアート 不思議の国の龍一」毎週日曜日13時の放送。ゲストを招いたり、同年3月に終了したNHK FM「サウンドストリート」の人気コーナーだったデモテープコーナーもこの番組で続けられた。放送は翌年の10月まで。

10月15日

韓国生まれのアメリカの現代芸術家、ナム・ジュン・パイクが企画したニューヨーク・東京・ソウルを衛星中継した番組「Bye Bye Kippling」(テレビ朝日で放送)に出演。清水靖晃とのデュオで演奏も行った。

10月

映画『ラストエンペラー』の撮影で中国の長春での3週間のロケに参加。

11月01日

映像『MEDIA BAHN LIVE』リリース。同年6月17日、18日に渋谷公会堂で行われたLive映像。β、VHS、8㎜V、LD、VHDの5形態でリリース。

11月

中国でのロケから1度日本に帰国。中旬から12月にかけて再び『ラストエンペラー』のローマでの撮影に参加。

11月23日

坂本龍一が6曲をプロデュースした、イギリスのシンガーソングライター、ヴァージニア・アストレイのアルバム『Hope In A Darkened Heart』リリース。レコーディングはロンドンで行われ、デヴィッド・シルヴィアンとヴァージニアのデュエット曲「Some Small Hope」も収められた。坂本がプロデュースした6曲は新宿御苑にあったテイクワンスタジオにて自らがMixを行った。

11月21日

大貫妙子のシングル「ひとり暮らしの妖精たち」リリース。坂本は作曲、編曲を担当している。編曲は鈴木さえ子との連名。

11月24日

エリック・クラプトンがアルバム『オーガスト』をリリース。前出のグレッグ・フィリンゲインズはクラプトンのバンドメンバーを務めていたが、グレッグがソロアルバムで「BEHIND THE MASK」をカバーしていたことがきっかけで、クラプトンもこの曲をアルバムに収録する事になったと伝えられている。

12月中旬

ニューヨークにてビル・ラズウェルと新作のミーティングを行う

12月17日

ラフォーレ赤坂にて行われた矢野顕子のNHK「MUSIC WAVE ‘86」のスペシャルライブに出演。メンバーは坂本龍一(Key)、高橋幸宏(Dr)、小原礼(B)、窪田晴男(G)。

12月20日

12インチ・ミニアルバム『イメージ・スケッチ オネアミスの翼』リリース。 映画の公開に先駆け限定5,000枚がプレスされた。映画は1987年2月に公開。

1987年

01月

音響ハウスで『NEO GEO』のデモテープ制作が行われる。坂本が事前にデモテープを制作するのはレアなケースであった。

02月

中旬から『NEO GEO』のニューヨークのパワー・ステーションにてレコーディング。スライ・ダンバー、トニー・ウィリアムス、デヴィッド・ヴァン・ティーゲム、ブーツィー・コリンズなど、異なるジャンルのトップミュージシャンたちのダビングが行われた。窪田晴男も2週間ニューヨークに滞在して2曲のレコーディングに参加している。

03月

上旬に一時帰国して、我如古より子、古謝美佐子、玉城一美が沖縄から上京し音響ハウスにてボーカル録り。

03月05日

アニメーション映画『オネアミスの翼 -王立宇宙軍-』サウンドトラックリリース。坂本龍一が初のアニメーション音楽を担当した作品。上野耕路、野見祐二、窪田晴男との共同作品。

3月25日

“Media Bahn Tour”のツアーメンバーでもあったパーカショニスト、デヴィット・バン・ティーゲムのアルバム『SAFETY IN NUMBERS』リリース。坂本は2曲参加している。制作はエア・メイル・セッションで行われた。

04月

3月末から再びニューヨークに渡ってミックスを行う。
中旬に「RISKY」のイギー・ポップのボーカル録りがハワイ、マウイ島のスタジオで行われた。坂本はマウイのスタジオには立ち会わず、南フランスで行われていたデヴィッド・シルヴィアンのレコーディングに参加。『NEO GEO』は4月いっぱいですべてのミックスが完了。

6月7日

ベルナルド・ベルトルッチ監督から『ラストエンペラー』サントラの正式なオファーを受ける。直ちにエンジニアに制作の依頼をしたが、その内容は1週間後からデジタル・マルチレコーダーのあるスタジオを2週間ロックアウト、44トラックを制作するというもの。都内のスタジオを探しまくるが、都合よく空いているスタジオは無く、加藤和彦の好意でプライベートスタジオを借りることに。そこに『NEO GEO』のレコーディングでも使用したデジタル・マルチレコーダーSONY PCM-3324を持ち込んだ。スタジオを貸している間は旅行に出ると言っていた加藤だったが、レコーディングが始まるとスイーツやくだもの、当時流行っていた酸素スプレーなどを毎日差し入れていたという。
2週間で44トラックをレコーディングすることは不可能に近く、アディショナル・アレンジャーとして上野耕路、野見祐二を起用し、坂本が作った曲をそれぞれ銀座の音響ハウスと六本木のセディックスタジオで並行してレコーディングしている。坂本のもとにはベルトルッチから3時間半に編集された作業用のVHSが届き、シーンの長さに合わせ曲の小節数からテンポを割り出し、Kurzweil Synthesizerのリアルに近いサンプリング音で、坂本の構想のもと各シーンにピッタリに音楽が生まれていった。それまでも坂本の海外とのコーディネイトを担当していた生田朗もレコーディングに参加、毎晩24時から生田とミーティングし、ロンドンの映画製作側との連絡や中国楽器奏者の手配をしている。 テーマ候補曲が2曲出来た際は、ベルトルッチ監督に早急に決めて欲しい、電話ではなく良い音で聴いてもらいたいとの坂本のリクエストに、生田は衛星中継による試聴を模索したが高価だったため断念、ロンドンのスタジオで使用していたβテープにデジタル音声を記録するSONY PCM-F1方式でテープを送ることにした。ビデオ方式が違うため、ヨーロッパのPAL方式で録画できるβデッキを探さなければならなくなったが、運よくSONYに1台だけそのデッキがあったため、無事テープを送ることができた。そして3日後、ベルトルッチ監督からあの曲をメインテーマにとの連絡があった。
2週間で200時間超というハイペースでレコーディングは進み、いよいよ最終日という時、新たに2時間40分に編集されたVHSが届いた。スタッフ全員が愕然とする中、坂本は「飛行機の中で考える」と言い残し、オーケストラダビングを行うためロンドンへ向かった。真新しい五線紙を機内に持ち込み、頭の中で鳴り響くアンサンブルを書き止める旅でもあった。ロンドンでは東京で録ったKurzweil Synthesizerの音を生演奏に差し替え、ミックスを行い3週間余りに及んだレコーディングは終了した。

7月1日

ソロ7作目のアルバム『NEO GEO』をCBS/SONY内にビル・ラズウェルが立ち上げた“TERRAPIN”レーベルよりリリース。“TERRAPIN”は日本及びアジアの音楽を広く世界に紹介することをポリシーとし、『NEO GEO』はリリース第一弾の作品として世界20か国以上でリリースされた。日本ではLP、CD、カセットの3形態でリリース。「RISKY」のEPも同時発売。C/Wは「AFTER ALL」。「RISKY」はNISSANセドリック・イメージソングにもなった。坂本はCMにも出演、キャッチフレーズは“新しいセドリックは、いいね。”

上旬

『NEO GEO』ツアーメンバーが来日。6日間のリハーサルが始まる。15日よりツアーがスタート。全4公演が行われた。

“NEO GEO TOUR”
7月15日 神奈川 神奈川県民ホール
7月16日 大阪  大阪厚生年金会館
7月18日 愛知  名古屋市公会堂
7月19日 東京  NHKホール

TOUR MEMBER
RYUICHI SAKAMOTO:Keyboards
BERNARD FOWLER:Vocal
EDDIE MARTINEZ:Guitar
HARUO KUBOTA:Guitar
JEFF BOVA:Keyboards
BARRY JOHNSON:Bass
DAVID PALMER:Drums
YORIKO GANEKO:Vocal&Sanshin
MISAKO KOJA:Vocal&Sanshin
KAZUMI TAMAKI:Vocal&Sanshin

7月20日

“NEO GEO TOUR”に参加したメンバーとビクター青山スタジオに入り「BEHIND THE MASK」「RISKY」「FIELD WORK」の演奏を1日でレコーディング。翌日LYNN MABRY(“Media Bahn Tour”のツアーメンバーでもあったアメリカのシンガー)のコーラスをレコーディング。12インチシングルとシングルCDで同年9月15日にリリースされた。この時レコーディングされた「BEHIND THE MASK」は2020年に新たに選曲されたニュー・コンピレーションのアナログ盤『GREAT TRACKS』に収録されている。

Vinyl :MHJL-139

7月25日

日本のジャズフェスティバル“SELECT LIVE UNDER THE SKY ‘87”に出演するビル・ラズウェルが結成したジャズフュージョンバンド“SXL”で共演する予定だったが耳の不調により入院したためやむなくキャンセル。ちなみにこの時期に日本で行われたライブは『SXL live in Japan』というタイトルで同年10月21日に“TERRAPIN”よりリリースされている。

08月30日

よみうりランド・オープンシアター・イーストで開催された“六本木 PIT INN 10th Anniversary Concert”に出演。この日の為に再結成されたKYLYN BANDで参加。

10月04日

第2回東京国際映画祭のクロージング作品として『ラストエンペラー』が上映された。以後10月から11月にかけて欧米での公開が始まり大ヒットとなる。

10月19日

デヴィッド・シルヴィアンのソロ4作目のアルバム『Secrets Of The Beehive』リリース。坂本はほとんどの曲のオーケストラ・アレンジを手掛けている。

10月21日

「RISKY」の12インチシングルとシングルカセットがリリース。

11月07日

7月19日のNHKホールのライブがNHKで放送された。

11月21日

坂本が共同プロデュースを務めた矢野顕子のアルバム『GRANOLA』リリース。

12月02日

この日からスタートした矢野顕子のツアー“TOUR GRANOLA”に参加。メンバーは坂本龍一(Key)、高橋幸宏(Dr)、小原礼(B)、窪田晴男(G)、吉川忠英(G)。

“TOUR GRANOLA”
12月02日 愛知  名古屋市民会館
12月03日 広島  広島郵便貯金会館
12月04日 福岡  福岡サンパレス
12月07日 群馬  群馬音楽センター
12月08日 長野  長野市民会館
12月11日 宮城  宮城県民会館
12月14日 大阪  大阪厚生年金会館
12月16日 北海道 札幌市民会館
12月20日 東京  新宿厚生年金会館
12月21日 東京  新宿厚生年金会館

1988年

01月13日

フジテレビ「夜のヒットスタジオdeluxe」に出演。「THE LAST EMPEROR(END TITLE THEME)」を演奏。来日中のジョン・ローンも出演し、撮影中は敵役の為、会話はしなかったというエピソードがあるが、番組中では笑顔で握手を交わすなどの交流を見せた。

01月23日

映画『ラストエンペラー』が日本で公開される。同日、第45回ゴールデングローブ賞が発表され『ラストエンペラー』は映画部門で作品賞、監督賞、脚本賞、作曲賞を受賞。

03月05日

「RISKY」のCDVがリリース。「RISKY」のミュージックビデオが収録されている。監督はU2の「With Or Without You」のMVの監督で知られるメイアート・エイヴィスとマット・マハーアン。

04月8日

1984年に坂本龍一が立ち上げた出版社、本本堂より自らが編集した“写真集『ラストエンペラー』”を発売。ベルトルッチ監督やプロデューサーのジェレミー・トーマスに坂本が行ったインタビューが豊富な写真と共に紹介されている。この本の中で坂本は『ラストエンペラー』の重要なシーンで布が使われていることにインスパイアを受け『NEO GEO』のツアーのセットに布を使用したことを語っている。

04月9日

NHKホールにて“SAKAMOTO PLAYS SAKAMOTO”と題し、自身初のオーケストラコンサートを行う。映画『ラストエンペラー』『戦場のメリークリスマス』のスコアを中心に、自身のソロ曲のオーケストレーションを自ら手掛けピアノを演奏した。公演は4月10日と二日間行われ、指揮は大友直人、演奏は東京交響楽団、キーボードで小林武史も参加している。アンコールでは「BEHIND THE MASK」が演奏された(ボーカルはバナード・ファーラー)。このライブの模様は同年6月26日にNHKで放送され、今年4K版がNHK BSで放送された。

04月11日

第60回アカデミー賞授賞式に出席。結果はご存知の通り『ラストエンペラー』が作品賞、監督賞、作曲賞など9部門を受賞。坂本は受賞後の記者会見で受賞した感想を聞かれ、「若すぎると思います」と答えている。当時36歳。

6月24日

ニューヨークのBEACON THEATERを皮切りにNEO GEOのUSAツアーがスタート。このツアーは6月にニューヨークを中心に行われた第1回NY芸術祭“The 1st INTERNATIONAL FESTIVAL OF THE ARTS”の一環として企画され実現したもの。この芸術祭のメインイベントとして行われたニューヨークでの公演は2,600人収容の格式高いオペラハウスで満員の中で行われた。ニューヨークの公演は収録され、同年12月21日にLD、VHS、βの3形態で発売された。

“NEO GEO” USA TOUR
06月24日 NEW YORK BEACON THEATER
06月27日 SAN FRANCISCO ZELLERBACH HALL
06月28日 LOS ANGELES WILTERN THEATRE

TOUR MEMBER
RYUICHI SAKAMOTO:Keyboards
BERNARD FOWLER:Vocal
EDDIE MARTINEZ:Guitar
HARUO KUBOTA:Guitar
JEFF BOVA:Keyboards
BARRY JOHNSON:Bass
DAVID PALMER:Drums
FRANC MENUSAN:Indian Percussion
YORIKO GANEKO:Vocal&Sanshin
MISAKO KOJA:Vocal&Sanshin
KAZUMI TAMAKI:Vocal&Sanshin