三宅良二の、情熱を込めて届ける民謡のうたごえ 三宅良二 『伝-Den-』

三宅良二の、情熱を込めて届ける民謡のうたごえ 三宅良二 『伝-Den-』

2019124発売
¥1,364 +税 MHCL-2833

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高木ブー×三宅良二 スペシャル対談 公開中 対談はこちら▶

津軽民謡、相撲甚句、そして「安来節」など故郷島根県の民謡を中心に取り組み、活動を展開している民謡歌手 三宅良二。その芯のある声の張りと艶で、1991年「津軽民謡全国大会」に優勝するなど、数々の民謡大会で優勝・入賞を受けている。

本作品は、東日本大震災を風化させないようにと三宅本人が作詞した『津軽小原節 -鎮魂-』『相撲甚句 –鎮魂-』を、また交通安全をテーマに、「津軽じょんがら節」に「相撲甚句」を挿入した『交通安全じょんがら節』、そして踊りの地方としても使える『津軽三下り』を収録。

先人達が唄いついできた民謡を受け継ぎ 新たな息吹を注ぎ、唄い続ける三宅良二の、“民謡”そして“ふるさと”への熱い思いがあふれる、渾身の1枚。


― 収録曲 ―

  1. 交通安全じょんがら節
  2. 津軽小原節 -鎮魂-
  3. 津軽三下り
  4. 相撲甚句 -鎮魂-
  5. 交通安全じょんがら節 (オリジナル・カラオケ)
  6. 津軽小原節 -鎮魂- (オリジナル・カラオケ)
  7. 津軽三下り (オリジナル・カラオケ)
  8. 相撲甚句 -鎮魂- (オリジナル・カラオケ)

― 演奏 ―

  • 津軽三味線 : 工藤 武
  • 尺八 : 米谷 智
  • 太鼓 : 美鵬成る駒
  • 掛声 : 西田美和
  • 唄 : 三宅良二
1. 交通安全じょんがら節 青森県民謡/作詞 : 三宅良二
昨今の交通事故のニュースに心痛めた三宅が、民謡が好きな年配の方々にも届けばと、交通安全の啓蒙目的に作詞した曲。津軽民謡の中でも代表的な津軽じょんから節に、相撲甚句を挿入したもので、内容が分かりやすいと好評の1曲。
2. 津軽小原節 -鎮魂- 青森県民謡/作詞 : 三宅良二
毎年3月11日を迎えるたびに流れるニュースや、東北太平洋沿岸地域を訪れるたびに思う「忘れちゃならない孫子に伝えよ」と、あの出来事を風化させまいという気持ちから、三宅が作詞し、津軽小原節でも哀愁感のある、「中節」で唄った曲。鎮魂への思いを、三宅は大切に唄っている。
3. 津軽三下り 青森県民謡
「津軽じょんがら節」「津軽よされ節」「津軽小原節」の津軽三つものに、「津軽あいや節」「津軽三下り」を加えて津軽五大民謡といわれている。その一つ、「津軽三下り」は、三味線の調子(調弦)が三下りで、一の糸を上から下へ「ひゅーん」と奏でる、哀愁のある音色が特徴。踊り用のサイズで収録。
4. 相撲甚句 -鎮魂- 作詞 : 三宅良二
江戸時代から力士の間で唄われ親しまれてきた相撲甚句。独特の掛け声、「ハアードスコイドスコイ」の元は「どす声どす声」とか。ご当地の名所旧跡を織り込んだものや世相を風刺したもの等々、その数は二百を超える。この時代に生きた者として、東日本大震災を風化させないようにとの思いで三宅が歌詞。

伝-Den-

三宅良二

発売日 : 2019124

価格 : ¥1,364 +税

品番 : MHCL-2833

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高木ブー × 三宅良二
スペシャル対談

『8時だョ!全員集合』のオープニングテーマの「チョットだけョ!全員集合!!」は北海道の民謡「北海盆唄」の替え歌なんですよね (三宅良二)

そうそう、ドリフに民謡が入ってきたのは、加藤(茶)がうまく歌えたから。そもそもドリフターズって、オリジナルの曲がほとんどないんだから(笑) (高木ブー)

1991年の「津軽民謡全国大会」での優勝を皮切りに、数々の民謡大会で優勝・入賞を果たしている民謡歌手、三宅良二。津軽民謡、相撲甚句、そして「安来節」など故郷島根県の民謡を中心に歌っている三宅が、12月4日に「津軽じょんがら節」に「相撲甚句」を挿入した交通安全がテーマの「交通安全じょんがら節」を収めたCD作品『伝-Den』をリリースした。近年、社会問題となっている高齢者による交通事故も取り上げ、交通安全の意識を啓蒙する三宅と、安全意識の高まりから運転免許を返納した高木ブーとのスペシャル対談が実現。交通問題からドリフターズ、『8時だョ!全員集合』、民謡、ハワイアンと話が多岐にわたったが、ふたりの根底にはこれ以上、悲しい事故は起きてほしくないという切実な思いがあった。

高木ブー そもそも三宅さんはどうして「交通安全じょんがら節」という曲を作ろうと思ったの?

三宅良二 テレビや新聞で報道されているように、最近特に高齢者による交通事故が増えて、色々と考えさせられることが多くなっていたんです。私の兄が警察に勤務していた関係で、交通安全のイベントに出演させてもらう機会があったのですが、どうにかしてもっと交通安全を啓蒙できないかと考えたところ、自分の生業である民謡は高齢者にとって親しみやすいものだから民謡にして歌ってみようと思ったんです。

高木ブー それはいいところに目をつけたね。民謡を知らない高齢者なんて、いないわけだから。交通事故自体は減少する傾向にあるけど、高齢者の事故が目立つようになってきた。事故の内容も悲しいものが多いしね。だから娘に言われたんです。僕が万が一事故を起こしたら、ドリフターズでやってきた55年をすべて失ってしまうって。僕たちのコントを見て笑っていた子どもたちも裏切ってしまうことになる。自宅の前が小学校の児童の通学路になっていて、事故を起こしたら取り返しのつかないことになるって気付かされて返納することにしたの。免許更新まで半年ほどあったんだけど、それを待たずに返納に行きました。

三宅良二 免許を返納するにはなかなか踏ん切りがつかないものですが、高木さんは娘さんの言葉に耳をしっかりと傾けられて決心したんですね。

高木ブー 期限が切れてからでも良かったんだけど、そのときはそのときだからね。もしかしたら運転続けようと思っちゃうかもしれないから、スパッと返納した。でも、僕が返納第一号じゃないんだけど、返納した際にセレモニーをやっていただいたんです。そこに小池百合子都知事から警視総監まで出席されて、小倉(智昭)さんが司会されてという大がかりなものになってびっくりした。この間、加藤も返納してましたが怒ってましたよ。俺のときは何もなかったって(笑)。

三宅良二 (笑)。それは一大セレモニーですね! でも、その後運転したくなりませんでしたか?

高木ブー なった(笑)。その式典の後に最後に運転してみてはどうですか? とTBSの緑山スタジオで新車を運転させてくれたの。公道を走らないので免許はいらないから。そうしたら乗り心地がいいんだよね、やっぱり新車は。ちょっと心の中で後悔しちゃった(笑)。でも、年齢もひとつの基準になるし、高齢になって自分の運転が少しでもおかしいなと感じたら返納を意識した方が絶対いい。地方で公共の交通機関がなくて生活の足になっている場合はなかなか難しいと思うけど、事故を起こしてしまったら元の子もない。僕が娘から声をかけてもらったように周りの家族も気にしてもらえるといいね。本人も家族も納得して、にっこり笑っての返納にしてほしい。 ところで、三宅さんはまだ返納する年齢には見えないけど今、おいくつなの?

三宅良二 昭和39年生まれの55歳です。

高木ブー あれ、オリンピックの年じゃない(笑)。僕がドリフターズに加入した年だ。その年の9月16日に入ったんだよね。小野ちん(小野ヤスシ)が15日にドリフを辞めたから、その翌日から。それまでは自分がリーダーのバンドでジャズ喫茶によく出演していたんですよ。ある時、長さん(いかりや長介)のバンドと一緒になることがあって、おもしろいことをやってるなと思っていたら、こっちに入らないかと長さんから誘われて。自分のバンドもあるし、いやだなあと思っていたのにしつこく説得されて入っちゃった(笑)。それからは’66年にザ・ビートルズの前座もやったし、『8時だョ!全員集合』『ドリフ大爆笑』と続いていき、ウクレレ奏者にもなった今に至るわけなんだけど。

三宅良二 もちろん見ていました、『8時だョ!全員集合』。たくさん笑わせてもらいました。オープニングテーマの「チョットだけョ!全員集合!!」は北海道の民謡「北海盆唄」の替え歌なんですよね。ほかにも秋田音頭を原曲にした「のってる音頭」、宮城県の「大漁唄い込み」の「大変うたい込み」、福島県の「常磐炭坑節」の「冗談炭坑節」など、ドリフは民謡をたくさん歌っていてびっくりしました。

高木ブー そうそう、民謡の替え歌が多かったね。昔は子供もなじみがあったから、民謡は。ドリフに民謡が入ってきたのは、加藤(茶)がうまく歌えたから。そもそもドリフターズって、オリジナルの曲がほとんどないんだから(笑)。替え歌ばっかりで。『飛べ!孫悟空』で使われた「ゴーウェスト」くらいじゃないかな、オリジナルで知られているのは。

三宅良二 どうしてドリフは民謡が多かったんですかね? 民謡歌手としてはすごく気になるところなんですが。

高木ブー いやいや、そんなのわからないよ、だって僕が決めるわけじゃないんだから(笑)

三宅良二 そうですよね(笑)。でも、ドリフのおかげで民謡を知らなくても自然と民謡が入ってきた功績は大きいと思います。加藤さんの節回しもすばらしいですし。

高木ブー 5人が持ち回りで歌っているけど、やはり加藤が中心だから。しかも民謡のような音楽を歌うのがうまかったし、合いの手の入れ方、ノリも加藤が一番だったから民謡が続いたんじゃないかな。僕はカントリーも歌っているけど、カントリーもカントリーならではの節回しやノリがある。もちろんハワイアンも。ハワイが50番目の州になって、「ブルー・ハワイ」なんかのポピュラーやジャズがハワイアンに入ってきたけど、やっぱり民謡と同じだよね。ハワイ語で歌われるハワイアンは特に民謡としての魅力が強い。あとは「16トン」もそう。炭鉱労働者の過酷な仕事を歌った、まさにアメリカの「炭坑節」なわけですから。

三宅良二 いや、本当にそう思います。その国の土地土地で庶民が歌い続けてきたのは、すべて民謡ですから。民謡と簡単に言っても嬉しいとき、悲しいとき、楽しいときに歌う曲、お座敷や宴会で盛り上げるために歌う曲もある。ハワイアンも同じだと思います。日本の民謡は三味線ですが、ハワイアンはウクレレ。やはり国ごとに伴奏する楽器も独特のものがありますよね。

高木ブー 僕も三味線弾きますよ。ドリフターズで津軽三味線をみんなで合奏していたから。『新春かくし芸大会』での演物だしものに決まったから強制的にやらされた(笑)。10月くらいから先生に教わって、本番になる頃には弾けるようになって。三味線は3棹持ってますよ。その後も弾いてるのは志村(けん)くらい。偉いよね、今も舞台で弾いてるから。

三宅良二 今度、是非ご一緒して演奏したいですね。高木さんがウクレレを弾いて歌うハワイアンと私が三味線で歌う民謡と。実は今日、高木さんにお会いできるということで、高木さんを歌った相撲甚句を作ってきたんです。ぜひ聴いていただけませんでしょうか。

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高木ブー ありがとうございます。いい声だった。僕の人生がギュッと凝縮されていたね(笑)。僕は毎年8月に育った柏市で「Hawaiian Festival in Kashiwa」というイベントをやってるんだけど、今度一緒にどう?

三宅良二 本当ですか! 僕も今は千葉県在住ですので、柏で歌えるのはうれしいです。それまでにこの相撲甚句に柏のことを入れておきます。ぜひハワイアンと民謡の競演を実現させたいですね。

インタビュー・文/油納将志  写真・塩坂芳樹(otonano編集部)

高木ブー●コメディアン・ミュージシャン・俳優。1933年3月8日生まれ。東京都出身。160cm。O型。ザ・ドリフターズのメンバーとして『8時だョ!全員集合』『ドリフ大爆笑』などに出演し国民的人気を誇る。ウクレレ・ミュージックの第一人者としても数多くの作品を発表。個性あふれる活動を続けるエンタテインメント・シーンの重鎮。

高木ブー otonanoサイト www.110107.com/s/oto/artist/70000765
高木ブー オフィシャルサイト izawaoffice.jp/artist/takagi.php

プロフィール

三宅良二 (みやけ・りょうじ)

島根県邑南町矢上(旧石見町)出身。
津軽民謡・安来節等のふるさとの民謡と相撲甚句を中心に取り組む。津軽民謡全国大会優勝、南部牛追唄全国大会優勝、その他農林水産大臣賞、県知事賞など、数々の民謡コンクールにて優勝・入賞。平成4年NHKオーディション合格、平成6年ビクターレコードより「民謡ミニアルバム」発売。
平成11年「民謡ミニアルバムⅡ」発売。後援会「民謡 三宅良二を育てる会」発足。平成27年より「浅草に安来節とどじょう掬いが帰って来た」公演、平成28年より「津軽民謡新春公演」を主催するなど、唄いつがれてきた民謡を受け継ぎ、また自身で作詞した民謡を唄うなど新たな息吹を注ぐ活動を展開。現在、みやけ会・多摩相撲甚句会を主催。公益財団法人日本民謡協会師範教授、NPO法人青森民謡協会役員、一般社団法人日本民謡プロ協会会員。

【経歴】  
平成3年(1991) 津軽民謡全国大会 優勝
平成4年(1992) NHKオーディション合格
平成5年(1993) 南部牛追い唄全国大会 優勝
同 年  日本コロムビア民謡全国大会 優勝
平成6年(1994) ビクターレコードより「民謡ミニアルバム」発売
平成11年(1999) ビクターレコードより「民謡ミニアルバムⅡ」発売
平成13年(2001) 中国・南寧国際民歌音楽祭 日本代表として参加
平成19年(2007) ベトナム・ホーチミン 日越親善大会 参加
平成30年(2018) 「尺八ワールドフェスティバル ロンドン大会」に唄と三味線で参加

三宅良二 オフィシャルサイト www.yasugibushi.jp


伝-Den-

三宅良二

発売日 : 2019124

価格 : ¥1,364 +税

品番 : MHCL-2833

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