長門芳郎セレクション
南青山の骨董通りの一角に音楽好きな若者たちによって、そのレコード・ショップがオープンしたのは、1975年秋のこと。
音楽仲間による提案で、店名は『ハメルンのまだらの笛吹き男』からパイドパイパーハウスと名付けられた。
当時のチラシ(まだフライヤーという呼び方はしなかった)には「いそがしすぎるこの世の中、レコードを探しながらコーヒーでも飲める店があればいい、なんてあれこれ考えつつ創りはじめたのが私たちの小さな店、パイドパイパーハウスです」という文。
CD登場前、配信やスマホ、facebookなんて影も形もない、今振り返れば、のんびりとした時代。
パイドパイパーには素敵な音盤との出会いを求め、まるで笛の音に操られるように多く(いや最初はそんなに多くはなかった)の音楽ファンが集まってきた。