名曲の宝庫、佐野元春90年代アルバム
80年代、「サムデイ」や「ガラスのジェネレーション」といった楽曲で、それまでの邦楽の価値観を覆し、一躍時代のカリスマとなった佐野元春。
しかし、ソングライターとしての真価は、むしろ90年代の曲にある。今回、佐野元春が90年代に発表した全オリジナル・アルバムが、名匠テッド・ジェンセンにより最新リマスタリングで蘇った。
新旧ファンにとって、どのアルバムも新たな発見に満ちた素晴らしい仕上がりになっている。
90年代、言葉とビートをより高い次元で昇華させ、文学的な世界観に深くシフトしていった佐野元春。
今回再リリースされる6作品には、今も心を揺さぶる名曲の数々がある。
時代の流れに捉われず、常にオルタナティヴな精神でメインストリームを駆け抜けてゆく佐野元春の90年代を心ゆくまで聴いてみよう。
挑戦の連続の中で生み出された6作品、トータル・セールス100万枚超
ザ・ハートランドの解散をはじめ90年代は佐野元春にとって最も激動の時期だと言える。
この時期、創作活動以外でも、来たるべき時代を捉えたインターネット・ライヴやオフィシャル・ウェブサイトの立ち上げ、初の全国ネットTV番組への出演、渋谷でのゲリラ・ライヴなど、彼の衝撃的かつ挑戦的な活動は数え上げればきりがない。
こうした中で生み出された6作品のトータル・セールスは100万枚を超える。
80年代アルバムと何ら遜色ない実績を挙げていることも事実である。