ex.COSA NOSTRAのボーカリストでシンガーソングライターの鈴木桃子、初のベスト・アルバム『SONGS OF MOMOKO SUZUKI as herself and as COSA NOSTRA』

1990年代における日本のクラブシーン~渋谷系ムーブメントの代表的グループのひとつ、COSA NOSTRA(コーザ・ノストラ)に在籍し、ソウルフルで卓越したボーカル・スキルと、ネイティブである英語詞/日本語詞を巧みに歌いこなす先駆的存在として一目置かれてきた鈴木桃子。

本作は、 COSA NOSTRA時代の作品群よりセレクトした楽曲17曲と、グループ脱退後の2001年よりスタートした“鈴木桃子”名義でのソロ・ワークからの選曲による16曲を収録した2枚組のベスト盤となる。

鈴木桃子 Premium Peach Party!2020年2月10日@渋谷Pleasure Plesure
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Songs of MOMOKO SUZUKI & COSA NOSTRA〜鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ
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SONGS OF MOMOKO SUZUKI as herself and as COSA NOSTRA

Songs of MOMOKO SUZUKI as herself and as COSA NOSTRA
品番 : MHCL-30591~30592
価格:¥4,000+税
仕様:Blu-SpecCD2 / 2枚組全33曲収録
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  • Disc1 MOMOKO SUZUKI SOLO SELECTION
  • 01.On A Natural High 作詞:鈴木桃子 作曲:鈴木桃子、Char 編曲:Char
  • 02.With Your Kisses 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:小松秀行
  • 03.Friends & Lovers 作詞:鈴木桃子 作曲:川口大輔 編曲:I.S.O、川口大輔
  • 04.Here And Now 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:Char
  • 05.I’m A Believer 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:小松秀行
  • 06.星と海のワルツ 作詞:鈴木桃子 作曲・編曲:清水ひろたか
  • 07.Come On Over 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:佐々木潤
  • 08.Angel Blue 作詞:鈴木桃子 作曲・編曲:小松秀行
  • 09.For You 作詞:鈴木桃子 作曲・編曲:小松秀行
  • 10.赤いバラ 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:YANAGIMAN
  • 11.静かな日々 作詞・鈴木桃子 作曲:佐々木章 編曲:YANAGIMAN
  • 12.Under The Same Sky 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:佐々木潤
  • 13.Kiss Me Please 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:Maestro-T
  • 14.涙に花束を 作詞・鈴木桃子 作曲・編曲:KO-ICHIRO
  • 15.Endless Summer 作詞:鈴木桃子 作曲・編曲:小松秀行
  • 16.Heartbeat 作詞:鈴木桃子 作曲・編曲:小松秀行
  • Disc2 MOMOKO SUZUKI‘s COSA NOSTRA SELECTION
  • 01.Girl Talk 作詞:鈴木桃子 作曲:桜井鉄太郎、鈴木桃子 編曲:桜井鉄太郎
  • 02.Share Your Love 作詞:鈴木桃子 作曲・編曲:佐々木潤
  • 03.Jolie 作詞・作曲:Al Kooper 編曲:COSA NOSTRA
  • 04.PEACE & HAPPINESS 作詞:鈴木桃子 作曲:KANAME 編曲:COSA NOSTRA
  • 05.Blueberry Sky 作詞:鈴木桃子 作曲・編曲:KANAME
  • 06.SWEET CHILD 作詞・作曲・編曲:COSA NOSTRA
  • 07.Say Goodnight 作詞:鈴木桃子 作曲:桜井鉄太郎 編曲:COSA NOSTRA
  • 08.Always Remember 作詞:鈴木桃子 作曲:KANAME 編曲:COSA NOSTRA
  • 09.Be Yourself 作詞:鈴木桃子 作曲・編曲:佐々木潤
  • 10.COMMUNICATION 作詞:鈴木桃子 作曲:KANAME 編曲:COSA NOSTRA
  • 11.Picture Your Future 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:COSA NOSTRA
  • 12.Love Kitten 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:桜井鉄太郎
  • 13.MARMALADE 作詞:鈴木桃子 作曲:佐々木潤 編曲:COSA NOSTRA
  • 14.Living For Tomorrow 作詞・作曲:鈴木桃子、小田玲子、KANAME 編曲:KANAME
  • 15.WORLD GO ROUND 作詞:鈴木桃子 作曲:鈴木桃子、桜井鉄太郎 編曲:COSA NOSTRA
  • 16.Raise Your Hand 作詞:鈴木桃子 作曲:長田定男 編曲:長田定男、佐々木潤
  • 17.Flower 作詞・作曲:鈴木桃子 編曲:佐々木潤

“COSA NOSTRA SELECTION”では、FM局やクラブ界隈を席巻した数々のヒット・チューンや、CMソングやテレビドラマのオープニング曲などに多数起用され話題を呼んだ楽曲が収められるほか、“SOLO SELECTION”では、ギタリストのCharとのコラボレーション曲が含まれるなど、鈴木桃子自身による選曲でバラエティに富んだ音楽性においても一貫して彼女のボーカルとヒューマニティーが光る珠玉の作品に仕上がっている。

鈴木桃子はコーザ・ノストラ加入前の1989年に“MOMOKO”名義でのアーティスト・デビューを果たしており、今年2019年にデビュー30周年を迎え、本作は記念すべきアニバーサリーを飾るリリースとなる。
さらにそれ以前には“北代桃子”名義でアニメ『シティーハンター』に挿入歌で参加しており、今春公開の 『場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』でも楽曲起用され、再び高い注目を集めているところだ。

鈴木桃子

2019年5月24日(金)には目黒ブルースアレイ・ジャパンにて<Songs of MOMOKO SUZUKI & COSA NOSTRA〜鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ>の開催が決定している。本公演ではベスト盤からの選曲を中心に、30年間の音楽活動を振り返りレアな楽曲も披露する予定で、ひときわスペシャルな一夜になりそうだ。
“太陽のような人”と称される通り、その明るさと朗らかさではつらつとしたイメージの鈴木桃子だが、大病を克服し今回が復帰第一弾のソロ・ライブでもある。ベスト盤で彼女の軌跡を辿りながら、一段と元気な姿で新たなステージに上った今の鈴木桃子をぜひライブで確かめてほしい。

鈴木桃子 Premium Peach Party! ライブレポート

ex.COSA NOSTRAのボーカリストで現在はソロのシンガーソングライターの鈴木桃子が去る2020年2月10日、渋谷Pleasure Pleasureにてデビュー30周年を記念したワンマン・ライブ<Premium Peach Party!>を開催した。ゲストにCOSA NOSTRAの盟友・小田玲子と佐々木潤、さらに野宮真貴(ex.ピチカート・ファイヴ)を迎え、”渋谷系揃い踏み”のスペシャルな顔ぶれと共に、アニバーサリーに相応しいプレミアムでプレシャスな一夜の模様をお届けする。

オープニングはとびきりポップで胸弾むソロ楽曲「Friends&Lovers」で幕を開け、桃子が満開の笑顔で登場、場内は瞬時にハッピーなオーラに包まれる。前回公演のベスト盤リリース・ライブと同じ盤石のバック・ミュージシャンに加え、今回はゆうき&たろうによるコーラス陣を迎えたことで、より華やかかつ洗練されたサウンドが実に心地良い。「お久しぶりー、会いたかったよ!」の言葉と共に次曲「Marmalade」へ、心躍るポップチューンの連投にオーディエンスはハンドクラップと共に着席スタイルをものともせず身体を揺らしている。

曲明けには、規模を大きくしてのホール公演を迎えられた感謝の気持ちを述べ、メンバー紹介を経て、「With Your Kisses」「Angel Blue」「So Happy」と歴代の珠玉のラブ・ソングを披露。彼女が各時代に紡いできたこれらの楽曲達を並べて堪能すると、傑出したシンガーでありながら非常に優れたソングライターでもある事を改めて思い知る。とりわけ「So Happy」は二十歳の頃に書いたとは思えぬ渋さと風格漂うブルージーなバラードだが、当時の彼女自身がこの先も長い年月を掛けて歌い続けていく事を予見していたかのように、今の彼女にしっくり来るのだ。

続くMCでは<鈴木桃子ヒストリー>と題して、彼女が歌い始めたきっかけから現在までを振り返る貴重なエピソードを展開。有名広告代理店でのOL兼業シンガー時代やCOSA NOSTRA加入秘話などを笑いを交えつつ語る中、 「自分は良い人に恵まれる才能がある」―周囲への感謝と共に、まさに鈴木桃子そのものを表すその一言が印象的だった。

続いて彼女のキャリアの上で欠かせない側面のひとつ、旧姓・北代桃子名義で発表したアニメ『シティーハンター』挿入歌の「FOOTSTEPS」を披露。昨年2019年に劇場版、及び実写版フランス映画が公開、リバイバル大ヒットを果たした際に同曲が30年超を経て再起用された言わば”奇跡の1曲”で、この曲を目当てに足を運んだ多くのファン達は歓喜に溢れていた。

ここからはゲスト・コーナー、一人目はCOSA NOSTRA時代の盟友・佐々木潤が登場。DJセットとのセッションで、二人が手掛けたコーザのチルアウトな名チューン「Be Yourself」では場内がスタンディングとなりメロウなグルーヴに酔いしれワイパーが沸き起こる。そして”これから二人で新ユニット始動”を宣言し、その名義が<Visible Tangible Love>と発表。史上初披露となる第一弾楽曲「Cosmic Angel」はビター&スウィートかつスタイリッシュなハウス・チューンで、その煌めく近未来感が今後の新展開に期待を募らせずにはいられない。

二人目のゲストは、「長年尊敬する”クイーン・オブ・渋谷系”!」と桃子の呼びかけで野宮真貴が登場。桃子がピチカート・ファイヴ作品へコーラス参加や英詞提供など関わりはあったものの、意外な事にステージ初共演となる両者。二人のハーモニーが実に好相性な「きみみたいにきれいな女の子」、弾けるポップに胸が高鳴る「Happy Sad」を披露。野宮真貴の艶やかな佇まいと凛としたその歌は眼福そのもので、念願の共演に桃子自身も嬉しそうだが、オーディエンスからも長い長い幸せな溜息がこぼれていた。

さらに三人目のゲスト、「私のソウルメイト」と呼び込まれたのはCOSA NOSTRAのツイン・ボーカルのパートナー小田玲子、9カ月前のベスト盤リリース・ライブでの久々の共演が大好評を博し、各所からの熱いリクエストに応えての再登場だ。コーザのナンバー「Springtime Kiss」「Sweet Child」と、二人のボーカルがひときわ光る楽曲を披露。桃子・玲子が揃ってステージに並ぶ光景はノスタルジーに終始せず、音楽と共に今をポジティブに美しく生きる二人が実に眩く、歌に新たな息吹をもたらして響いてくる。次に「レコーディングではスカパラ・ホーンズが参加してくれたけど、今日は違うホーンズを呼びました、ノストラ・ホーンズ!」…と呼び込みしたかと思わせて、おもむろに桃子・玲子が取り出したのは、かつてコーザのライブでたびたびお目見えしていた楽器・カズー。「心のきれいな人にはこれがトランペット、トロンボーンに聴こえるはず」と笑いを誘って「Communication」へ。続いてライブ映えするスーパーポップなキラー・チューン「Let’s Sing and Dance」で熱気と高揚がみるみると帯びていく。「もっとコーザノストラの曲、聴きたいー?」と桃子の声掛けに客席から大きなリアクションが返ると「Girl Talk」へ。CMソングに起用されFM局を席巻したコーザの代表的ナンバー、観客も”Never gonna fall in love”のフレーズを共に口ずさみ一体感がさらに増していく。極めつけは「Living For Tomorrow」、コーザ随一のロック・チューンは腰に来るグルーヴと合わせ、クールに変幻する桃子・玲子のステージングが魅惑的だ。アウトロではコーザのライブでのお約束、「Peace, Unity, Love!」の合言葉で最高潮の盛り上がりを見せ本編を終えた。

アンコールでは桃子が改めて感謝とこれからの想いを語り、「笑顔でいられたら大抵のことは乗り越えられる」と、闘病を経て見事復活を遂げた彼女ならではの胸に響くひとことを述べ、「Share Your Love」へ。COSA NOSTRAの象徴的楽曲のひとつであるこの詞とメロディーは、今この時代にこそ共感したい、人々の心を豊かにする普遍的なメッセージだ。そして「ずっと歌を届け続ける」という桃子自身の意志を強く感じさせる気高さを備えた堂々の歌いっぷりであった。オーラスはゲスト全員を呼び込み「Jolie」を披露、客席は総立ちとなりシンガロングで多幸感に満ちた光景が広がる中、笑顔と胸いっぱいの愛と最高の音楽に溢れた一夜が幕を閉じた。

鈴木桃子の今後の予定は、2020年4月10日(金)代官山LOOPにて、ZOOCOや国岡真由美と共に90年代音楽をフィーチャーしたライブ・イベント<FLASH BACK 90’s Vol.2>へ出演する。さらにCOSA NOSTRA作品群のサブスクリプション配信開始、及びアナログ・リリース決定がアナウンスされた。リリース時期は追って決まり次第の発表だが、これを機に小田玲子と共にCOSA NOSTRAを歌う機会が増えそうな予感に期待が高まるばかりだ。

文:上田優子

【鈴木桃子 Premium Peach Party!2020年2月10日@渋谷Pleasure Plesure】

[メンバー]

鈴木桃子(Vo)河野伸(Key)高田真(Dr)大神田智彦(B)石成正人(G)坂井"Lambsy"秀彰(Per)ゆうき&たろう(Cho/ダイナマイトしゃかりきサ〜カス)

[スペシャル・ゲスト]

野宮真貴(ex.ピチカート・ファイヴ)小田玲子(ex.COSA NOSTRA)佐々木潤 (ex.COSA NOSTRA)

Songs of MOMOKO SUZUKI & COSA NOSTRA〜鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ
元コーザ・メンバーやChar等豪華ゲスト集結!!ライブレポート

鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ模様

ex.COSA NOSTRAのボーカリストでシンガーソングライターの鈴木桃子の、ソロワークとCOSA NOSTRAの各楽曲群からセレクトした2枚組ベスト・アルバム『MOMOKO SUZUKI as herself and as COSA NOSTRA』のリリース記念ライブが、去る2019年5月24日に目黒ブルースアレイ・ジャパンにて行われた。彼女のデビュー30周年のアニバーサリーも兼ねた本公演には豪華なゲストも駆け付け、節目にふさわしいプレミアムな一夜となったその模様をレポートする。

鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ模様

「お待たせ!みんな元気?久しぶり!」の挨拶を皮切りに、M-1「I’m Believer」の心弾むハッピーなポップ・チューンで第1部のステージが幕を開けた。彼女がステージに現れた瞬間、まるで太陽のような朗らかなオーラが空間いっぱいに広がっていく。1曲目を歌い終えるや否や「感無量です」と胸がいっぱいの様子でのMCに続き、この春劇場公開されたアニメ映画『シティーハンター』の挿入歌「FOOT STEPS」を自身のキャリア史上初披露。同曲は彼女が10代の頃に“北代桃子”名義で歌唱したもので、映画の大ヒットの余波でこの曲を生で聴ける事を期待して駆け付けたファンは歓喜に沸いている。

ここでバンド・メンバーの紹介を終えると、二人目の女性コーラスが壇上に呼び込まれ、ツイン・コーラスが桃子の双子の娘たちであることが明かされ会場から驚嘆の声が上がる。M-3「With Your Kisses」、M-4「Friends and Lovers」と、美麗なコーラスワークが映えるメロウ&アップテンポな楽曲を続けて披露し、実のファミリーだけあって声の混ざり具合、親和性の高さがこの上ない。何よりも3人でハーモニーを重ね合わせる光景には感動すら覚え、幸せな気持ちで聴き惚れてしまう。

鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ模様

ここで今夜のスペシャル・ゲストの一人目、「とっても大切な親友」と呼び込まれたのは、COSA NOSTRAのツイン・ボーカルのパートナー、小田玲子だ。ステージに立つのは久しぶりという玲子は「ただいま!」と満開の笑顔で登場し、二人が久々に並ぶこの場景はとびきりスペシャルでプレシャスでありながら、普段通りのごく自然な形のような不思議な感覚になる。ひとしきり再会の喜びを表した後、M-5「Sweet Child」を披露。共に母になった二人が揃ってこの歌を唄うと、かつてとはひと味違う、慈愛に満ちたハートウォーミングな情感が胸に響く。続いてM-6「Marmarade」、心躍るひときわポップでスイートなナンバーにスタンディングはもとよりテーブル席の観客も思わず身体を揺らしている。

続いて二人目のゲスト、COSA NOSTRAのベーシストKANAMEが登場。M-7「Flower」は桃子のメイン・ボーカルに玲子・KANAMEのコーラスがアーシーなサウンドとあいまって、心地良い開放感がどこまでも広がっていく。そしてKANAMEのベース・ラインが強烈なインパクトを放つM-8「Living For Tomorrow」、COSA NOSTRA随一のロック・ナンバーでグルーヴ全開に高揚感が一気に高まっていく。エンディングではコーザのライブで恒例の“Peace,Unity,Love!”の合言葉で会場の一体感が最高潮に達し、ファースト・ステージの幕が閉じた。

ステージは第二部へ突入。M-9「静かな日々」をコーラス・Seiraを伴って、リラックスした雰囲気ながらも丁寧に歌を紡いでいく。Seiraが1フレーズをソロで歌うシーンもあり、美しき母娘共演に思わず顔がほころんでしまう。

鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ模様

ここで更なるスペシャル・ゲスト、サプライズでギタリストのCharが登場。かつて桃子がレギュラーを務めていたFM番組の企画で、Charを迎え楽曲制作をコラボレートしたという間柄だ。和やかなMCを交わした後、二人で共作したM-10「On a Natural High」は、サビでクロスするCharと桃子のボーカルが聴く者の心に染みわたっていく。続いて共にフェイバリット・ソングとして挙げるカバー曲のM-11「Time After Time」、桃子のソロ・アルバムでCharがサウンド・プロデュースを手掛けたブルージーなナンバー、M-12「Here and Now」を披露。途中、少々スリリングながらも息の合ったインプロビゼーションの掛け合いも実に秀逸で、互いの共通項とも言える英詞/日本語詞を巧みに表現するシンガー同士、シンパシーを感じ合うミュージシャン・シップに溢れたセッションとなった。

鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ模様

夢のような共演に至福の余韻をたっぷりと残しながらCharとのコラボレーションを終え、入れ替わりに小田玲子が再登場しCOSA NOSTRAコーナーPart.2へと続く。”モモコ・レイコ”が二人揃ってこそ!のゴキゲンなスーパーポップ・チューン、M-13「Spring Time Kiss」はくるくると入れ替わる二人のキュートなボーカルとハーモニーは未だ健在と実感。そして”Never gonna fall in love”のフレーズでおなじみM-14 「Girl Talk」、アル・クーパーのカバーでCOSA NOSTRAによってリバイバルを果たしたM-15 「Jolie」と、続けざまにコーザの代表的ヒット・ソングを披露し、90年代のキラキラしたミュージック・シーンが現代にアップデートして目の前で奏でられる歓びにファンも感涙だ。そして、MCでは桃子が昨年の自身の癌闘病の日々を振り返り、大病を克服し大好きな歌がまた歌えること、今日このステージに立てた事に感謝を述べ、「生きててよかった!」の言葉に会場から大きな拍手が贈られた。本編ラストはM-16「Share Your Love」、COSA NOSTRAが発信してきた数多くのメッセージの中でも、このフレーズはとりわけ今この時代にこそ胸に響く。桃子と玲子の伸びやかなサビに合わせて観客も口ずさみながら場内がワイパーで一体となり、大団円を迎えてセカンド・ステージ終幕となった。

鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ模様

アンコールでは桃子・玲子が登場しオーラスとなる曲は「Always Remember」、”Sunshine&Moonlight”と称される、二人の対となるボーカル・スタイルが心地良く共存するミディアム・バラードで、過去・現在・未来が交差し様々な思いを馳せる、今宵のラストにふさわしい1曲だ。奇しくも令和の新時代の始まりとリンクする歌詞に、COSA NOSTRAは先見性と普遍性ーいつだって一歩先を進んだ音楽やメッセージを世に送り出し、時空を超えて今もなお共感性を生む、そんな音楽集団であることに改めて感嘆する。エンディングではビートルズの「ヘイ・ジュード」をオマージュしたメロディーでシンガロングが場内を美しく響き渡り多幸感に満ち溢れる中、今宵のステージが幕を閉じた。

なお、鈴木桃子の今後の予定は2019年6月13日(木)札幌ELMANGOにてベスト盤のリリース記念ライブをスペシャル・バンドセットで行うほか、NHK-FM『夜のプレイリスト』にて6月18日(火)~6月22日(土)の5日間、パーソナリティーとしての出演が決定している。ラジオDJ経験豊富な桃子のトークが存分に堪能できるほか、自身がセレクトしたフェイバリット・アルバムを紹介し彼女の音楽性やルーツをより深く窺い知れるプログラム、ぜひともチェックしてほしい。

文:上田優子 写真:大宮浩平

【Songs of MOMOKOSUZUKI&COSA NOSTRA 鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ】

鈴木桃子(Vo)

[サポート・ミュージシャン]

河野伸(Key)高田真(Dr)大神田智彦(B)石成正人(G)坂井“Lambsy”秀彰(Per)Miumi(Cho)Seira(Cho)

[スペシャル・ゲスト]

小田玲子(Vo/ex.COSA NOSTRA)KANAME(B/ex.COSA NOSTRA)Char(G/Vo)

  • <セットリスト>
  • [1st Stage]
  • M-1 I’m a Believer
  • M-2 FOOT STEPS
  • M-3 With Your Kisses
  • M-4 Friends and Lovers
  • M-5 Sweet Child(w/小田玲子)
  • M-6 Marmalade(w/小田玲子)
  • M-7 Flower(w/小田玲子,KANAME)
  • M-8 Living For Tomorrow(w/小田玲子,KANAME)
  • [2nd Stage]
  • M-9 静かな日々
  • M-10 On a Natural High(w/Char)
  • M-11 Time After Time(w/Char)
  • M-12 Here and Now(w/Char)
  • M-13 Spring Time Kiss(w/小田玲子)
  • M-14 Girl Talk(w/小田玲子)
  • M-15 Jolie(w/小田玲子)
  • M-16 Share Your Love(w/小田玲子)
  • [Encore]
  • Always Remember(w/小田玲子)

◆ライブ・スケジュール

2019年6月13日(木) @札幌ELMANGO

<Songs of MOMOKO SUZUKI &COSA NOSTRA〜鈴木桃子ベスト盤リリース記念ライブ>

OPEN 19:00 START 19:30

前売3,500円 当日4,000円(各・別途ドリンクオーダー)

出演:鈴木桃子+Special Band Set

[山本一(Sax&Fl)細川尚来(D)森田貴裕(B)稲田憲子(Key&cho)斉藤森五(G)]

◆ラジオ出演情報

NHK-FM 『夜のプレイリスト』

2019年6月18日(火)~6月22日(土)午前0:00~0:50

https://www4.nhk.or.jp/yoruplaylist/

◆鈴木桃子オフィシャルサイト

鈴木桃子

鈴木桃子

東京都出身。3月14日生まれ。魚座 A型。

幼少期に通算8年間ワシントンD.C.とニューヨークで過ごす。
高校生の頃よりバンドで歌いながらプロのミュージシャンを夢見る。
大学生の時にライブハウスで歌っていたところを某音楽事務所にスカウトされ、その関係で北代桃子名義でアニメ『バツ&テリー』や『シティハンター』の挿入歌を歌い作詞を手がける。
大学卒業後、某外資系広告代理店に就職するもライブ活動を続けていたところ再びスカウトされミュージシャンの道へ。

会社に在籍しながら1989年にワーナーミュージックより、MOMOKO名義でアルバム「How I Wish」でデビュー。『OL兼業歌手』として話題を呼ぶ。以後1枚のクリスマスアルバム、2枚のシングルをリリース。
その後退社して、1993年に渋谷系クラブユニットCOSA NOSTRAのボーカルとして本格的に音楽活動を開始。1993年から2000年までの間にシングル11枚、アルバム10枚をリリース。1996年にリリースしたシングル「GIRL TALK」はJ-WAVEの年間チャート1位を獲得。同曲リミックス盤はUKでもリリースされる。多数のテレビCMや番組に楽曲が使用され注目を集める。

2000年出産を機にCOSA NOSTRAを脱退後、2001年より鈴木桃子としてのソロ活動をスタート。シングル「With Your Kisses」、アルバム「Happiness」「Makin' Music Makin' Love」、そしてミニアルバム『Endless Summer』をリリース。
自身の活動以外にもフィーチャリングボーカルとして多数のコンピレーションやアーティストの作品にも参加。
ソングライターとしても和田アキ子、CHAR、DJ HASEBE、PUFFY吉村由美、Fantastic Plastic Machineなど多くのアーティストに作詞を主に曲を提供している。