「『洗足学園音楽大学コールファンタジア』の会田麻由(あいだ まゆ)〔一番左〕です。」
「『洗足学園音楽大学コールファンタジア』の加藤詩菜(かとう うたな)〔中央〕です。」
「『洗足学園音楽大学コールファンタジア』の磯山真澄(いそやま ますみ)〔一番右〕です。」
〔加藤〕 『日本名曲アルバム』の番組立ち上げのときに、番組制作の方から大学側に依頼をいただき、田中先生にメンバーを集めていただいて結成されました。当時は卒業生がメインで、2013年4月の、番組最初の放送に出演しました。
〔会田〕 結成当時、私は大学院生でした。
〔磯山〕 私は、在学中でした。
〔加藤〕 私は卒業生として参加しました。
〔会田〕 一番最初は、女声合唱でしたが、あとから混声合唱団になりました。
〔田中先生〕 メンバーは大学の声楽の先生方と相談して、大学の在学生・卒業生の中からお願いしました。大体決まった人数はいますが、そのメンバーに声をかけて、出演できると手を挙げてくれた方が歌っています。会田さん・加藤さん・磯山さんの3人は、いつも出演してくれます。中心になるメンバーは15人ほどで、本日は多くて25人が出演しています。
〔加藤〕 合唱団としての活動は『日本名曲アルバム』がメインですが、有り難いことに番組出演をきっかけに、「テレビ見ました」ということで大学に出演依頼をいただくことが多くなり、ロータリークラブの会で歌わせていただいたり、被災地支援の演奏会にお声がけいただくようになりました。そうしたこともあり、テレビを見てくださっている方にぜひ足を運んでいただこうと、大学の学園祭でイベントを行いました。地域の方々もたくさん見に来てくださるので、嬉しいです。
〔会田〕 おかげさまで、学園祭はいつも満席です。
〔田中先生〕 日本在住のイタリアの方が番組を観てくださり、イタリアに呼んでいただいたので、一昨年前に演奏旅行に行きました。
〔会田〕 いくつかあります。大ホールもありますが、私たちがコンサートを行うときは中くらいのホールを使用します。
〔加藤〕 あと、ブラックホールでは、(私たちは歌っていませんが)ジャズやロック、ミュージカルを専攻している学生が使用しています。その中には、ポップス系のライヴハウスのようなホールもありますが、私たちはクラシカルなほうなので、オーケストラが練習するような広いスペースのあるところを使って練習をしています。
〔会田〕 自分が出演している放送を観て、「フレッシュで明るい歌声だな」という印象に思いました。 卒業後に留学して帰ってきた先輩もいれば、大学2~3年の在学生までいるので、団員の年齢層が幅広いです。学生が、プロで活躍している先輩の隣で歌ってたりするようにしているので、そういう経験はなかなかできないと思いますし、そこは洗足ならではだと思います。
〔磯山〕 番組側やその他の出演依頼があったときには、平日の夕方に練習を行います。皆個人レッスンを行っているので、歌は毎週勉強しつつ、出演が決まったときに集まります。
〔会田〕 私はこの番組のお仕事をいただくまでは、イタリアオペラとかドイツ歌曲など、外国語で歌うクラシックがほとんどでした。番組で日本の抒情歌を歌わせていただいて、日本歌曲を歌うときに、日本語の美しい歌い方や、日本語の綺麗な発音の仕方を、改めて考えさせていただく機会になりました。合唱団に所属しているメンバーで、老人ホームへ演奏に行かせていただいているのですが、そのときに番組で歌った曲を3~4人に構成しなおして歌ったりしています。おかげさまでレパートリーが増えました。
〔加藤〕 私も演奏活動で、地域のコンサートなどのお仕事をいただいたときに、ご来場者がご高齢の方が多いので、この番組でレパートリーとなった曲を、ソロとして歌わせていただくと喜ばれますし、自分がプログラムを作成するときの参考になっていて、自分の中の引き出しがすごく広がりました。私もクラシックの勉強ばかりしていたのですが、昭和の名曲の歌詞はとても深いところから書かれていると、歌っていてすごく感じています。私たちの生まれる前ですが、昭和は激動の時代という印象があります。その時代を生きてきた人たちの、生の心の葛藤というものを感じられることが、詞に書かれていて、その曲を今の私たちがこの年齢で歌うことが、表現の仕方の勉強になります。自分が経験したことのない時代の心情が、なんとなく身近にあるような気持ちで歌うことができます。番組に出演するときにコーラスとして勉強して、収録後に自分のレパートリーとして歌うことで、より深く昭和の人の気持ちを身近に感じられるようになったと、思います。
〔磯山〕 私は、なにより歌詞がストレートだとすごく思いました。イタリア語の曲などを歌わせていただいてきたので、日本語の曲を歌うときに、どうしても音取りから入ってしまうことが多かったのです。番組から収録曲をいただいたときに、まず歌詞を読んでみて、自分で感じた印象から音取りをして、その後にみんなで合わせていきます。そして曲の印象がどんどん自分の中で変わっていくことに、すごく楽しさを感じています。私の父や母よりも年が上の祖父や祖母が、自分たち生きてきた時代の曲を、自分の子供ではなく孫の世代が歌ってくれるということに、とても嬉しさを感じていると聞いて、本当に出演させていただいてすごく幸せだなぁと思います。授業では昔からの名曲を学んで、声楽でクラシックを勉強しますが、番組で歌う曲をいただくことによってたくさんの曲を知ることができるので、自分の引き出しも増えますし、番組で知った曲を教えることもできてうれしいです。色々な方々の思い出や、思いというものも感じながら、歌をやっていてよかったなぁと日々思い、感謝しています。
〔加藤〕 先生方は、「すべての基本は一緒だ」とおっしゃっています。クラシックもポップスもミュージカルも全部同じで、呼吸法も発声法も基本は同じです。そうなると基本というのがクラシックのところにあって、オーソドックスな発声を教えている先生が多いです。 そういう中で基礎を勉強して、ミュージカルを歌う人たちは、基礎の上にミュージカルの歌い方みたいなものを乗せていくのだと思うのです。「もうちょっと地声を多くしてみよう」「もうちょっと張ってみよう」と。 私たちが番組で当時の日本のポップスを歌うときに、もちろん基礎も呼吸も一緒なのですが、響きを明るくしたりしています。 あと、日本語にくらべて、ドイツ語やイタリア語の外国語は深いのですが、日本語は明るかったりするので、「あ」という母音をもうちょっと明るく出そうという、意識の違いで、歌い方を変えています。 ベース(発声)は一緒ですが、クラシックのときの意識、ポップスのときの意識、というような変え方をしています。先生方も、ポップスだからといって、マイクで浅くカラオケのように歌いなさいというような指導は全くなくて、常にちゃんとお腹を支えてとか呼吸をしっかりとってとか、明るい響きで歌いましょう、という指導をいただくので、そこだけ意識して歌っています。
〔加藤〕 まずYouTubeとかで、必ずみんな最初に聴くのですが、聴くと、やっぱり聴かない方がいいといつも思います。歌手ご本人の歌を聴いて、イメージと雰囲気は取り入れるのですけれど、それ以上 聴いてしまうと、抑揚とかがソロと合唱では全く違います。 揺らしているところも、編曲家の先生によって、揺れをきちっと音符で書いてあるときと書いていないときがあります。揺れがきっちり書いてあるときは、それを楽譜通りに歌うことによって、それは抑揚でなくハーモニーとして届けることになると思います。逆に抑揚が書いていないときは、私たちの感情で、より豊かに表現できるように考えることになると思います。昭和の歌謡曲が合唱に合っている、合っていないというよりは、合唱はまず合わせることが第一となるので、私たちはその曲を合唱で歌うことによって、合唱で歌うことの良さを伝えられるといいなぁ、という気持ちで歌うことが多いです。
〔磯山〕 とっても緊張しました。収録して表現というものが映像として残る――歌詞、音、表情として――そういう視点で見たときに、表現が、歌い方だけではなくて、顔の作り方だったり、口の開け方とか、すべて再確認させていただくことができるので、テレビというのはすごいなぁと感じました。テレビの画面の枠に入っていて、その枠の先にはお客様がいらっしゃるということが、最初は驚きでしたし、不安でもありました。
〔会田〕 人との距離ですが、コンサート会場などで合唱をするときは、隣の人がとても近くで歌うことが多いのですが、スタジオの場合は隣の人との距離もありますし、1人1本のマイクがあったりするので、とても緊張します。スタジオは響きがないので、隣の人の歌っている声があまり聴こえてこないことが、不安になりました。 私たちは暗譜で歌っているので、歌詞を間違えないように緊張している目の前に、カメラがドンとあって、かなり近寄ってきたりして、孤独感を感じます。 普段は、スタジオの収録とは違って、目の前にお客様があたたかい目で見守ってくださるので、コンサートはお客様に支えてもらって歌いやすくなっているのだというのを感じました。
〔会田〕 私はDREAMS COME TRUEさんの曲や、サザンオールスターズさんの『いとしのエリー』とか歌ってみたいです。
〔加藤〕 番組の最初の頃は唱歌が多く取り上げられていたと思います。唱歌から時代がだんだん進んでいって今回の収録曲のように美空ひばりさんの曲とかが取り上げられていると思うのですが、また遡って唱歌を歌ってみたいと思っています。
〔磯山〕 同じ放送時間の中で、祖父・祖母世代、親世代、自分たち世代と、それぞれの世代の曲が、ひとつの番組として見られたらいいなぁと思います。「いまどきの子はこういう曲を聴いているのかぁ」とか「こんな曲があったのか」と、同じ時間の中で、色々な世代の曲を聴くことで、「やっぱりこういう曲がいいね」とか「こういうところが発見だね」というのを、ひとつの番組で感じられたらいいなぁと思います。
〔磯山〕 洗足学園音楽大学コールファンタジアの活動を通して、『洗足学園音楽大学』という大学を知っていただけたらと思っております。今後ともよろしくお願い致します。
〔会田〕 いつも観てくださり、応援してくださり、ありがとうございます。この番組を通して 合唱団ができ、今は番組以外にも色々な活動ができていて、すごく嬉しく思っています。コンサートも行なったりしていますので、ぜひ観にきてください。これからも応援をよろしくお願いします。
〔加藤〕 様々な会場で、「いつもテレビを観てるよ」と声をかけていただけるのが、とても嬉しいです。色々なところで、ぜひそういってお声がけいただければ、これからの私たちの励みになりますので、これからも応援をよろしくお願いします。
〔会田・加藤・磯山〕 どこにでも歌いに行きます!呼んでください!
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