ありがとう、いつまでも踊ってくれるかい?
LEONARD COHENレナード・コーエン
- ●直輸入盤仕様●完全生産限定●解説・歌詞・対訳付
- 品番:SICP6238 / 定価:¥2400+税
- Sony Music Shopで購入
- 収録曲
- 1.ハプンズ・トゥ・ザ・ハート
- 2.ムーヴィング・オン
- 3.ナイト・オブ・サンティアゴ
- 4.サンクス・フォー・ザ・ダンス
- 5.イッツ・トーン
- 6.ザ・ゴール
- 7.パペッツ
- 8.ザ・ヒルズ
- 9.リッスン・トゥ・ザ・ハミングバード
レナードは生きている!
新作『サンクス・フォー・ザ・ダンス』はB面曲やアウトテイクを収録した記念品的コレクションではなく、エキサイティングで活力に溢れた新曲を収録した予期せぬ収穫であり、稀有なるアーティスト、レナード・コーエンの最終作品の継続ともいえるもの。レナードは2016年に亡くなったが、まだまだ健在であるのを実感できる作品となった。
父親の死後7ヶ月、息子のアダム・コーエンはレナードの家から通りを行ったところにある自宅裏庭の改装されたガレージにこもり、ふたたび父親の声と向き合って仕事に没頭していた。親子のかつてのコラボレーションである2016年作『ユー・ウォント・イット・ダーカー』から残っていた荒削りな音のスケッチ、ときとしてたんなる声にすぎないようなものがあって、レナードは息子にこうした断片的な仕事を完成させるよう頼んでいたのだ。
この傑出した新作はさまざまな場所で作られている。偉大なスパニッシュ・ラウードの奏者で過去8年間のツアーでレナードのステージに同行したハビエル・マスは、バルセロナからロサンジェルスに飛んで、レナード自身のギターを使う事で彼の魂を捉えた。ベルリンではピープル・フェスティバルという音楽イベントにアダムが友人や仲間を招き、その耳や才能を貸してもらった。ダミアン・ライスとレスリー・ファイストが歌い、アーケイド・ファイアのリチャード・リード・パリーがベースを弾いた。ザ・ナショナルのブライス・デスナーがギターを弾き、作曲家のダスティン・オハロランがピアノを弾いた。ベルリンに拠点を置く合唱隊、カンタス・ドムスが歌い、スターゲイズ・オーケストラが演奏した。モントリオールでは有名なプロデューサーのダニエル・ラノワが参加し、簡素なアレンジを美しく豊かなものに仕上げた。前作のサウンドで重要な役割を担ったシャール・ハショメイム合唱団が1曲に参加、さらにパトリック・ワトソンが共同プロデューサーとして比類ない才能を1曲で披露している。ロサンジェルスに戻って、レナードの情熱の守り人であるジェニファー・ウォーンズがバックボーカルを歌い、ベックがギターと口琴で参加した。『ユー・ウォント・イット・ダーカー』を見事にレコーディングしミックスしたマイケル・チャベスが、エンジニアリングとミキシングを手がけている。
そうして生まれた『サンクス・フォー・ザ・ダンス』は、レナード・コーエンのサウンドの本質を強烈なまでに思い起こさせる彼の最新アルバムだ。
「彼の言葉につける音楽を作曲・アレンジする中で、私たちは彼のもっとも独特な音楽的特徴を選びました。ずっと彼と一緒にいられるように」とアダム・コーエンは言う「新作でもっとも感動させられるのは、聞いた人のビックリしたような反応です。『レナードは生きている!』とひとりひとり、誰もが言うんです」。
『サンクス・フォー・ザ・ダンス』は思いがけない祝福そのもの、美と力の賜物そのものだ。レナード・コーエンの声は静められてはいない。その踊るような躍動は今なお続いている。
「サンクス・フォー・ザ・ダンス」(訳詞より一部抜粋)
素晴らしかった、速かった
私たちは最初で、最後だった
快楽の寺院の前で並んでいたとき
でも緑は実に緑で
青は実に青だった
私は実に私で
あなたは実にあなただった
そしてその危機は軽かった
羽毛の如く
踊ってくれてありがとう
苦しかった、素晴らしかった
楽しかった
たくさん踊ってくれてありがとう
ワン・トゥ・スリー、ワン・トゥ・スリー、ワン
訳:三浦久
バイオグラフィ
1934年9月21日、ケベック州モントリオールに生まれる。
1951年、マギル大学に入学し、詩人としてのキャリアを積む。1961年に出版した詩集「The Spice-Box of Earth 」で詩人として知られる様になる。1960年代には主に詩人、小説家として活動。1967年、シンガー・ソングライターとしてのプロ・デビューを目指すためアメリカに拠点を移す。ジュディ・コリンズが歌ったコーエンの曲「スザンヌ」がヒット、注目を集める。1968年に1stアルバム『レナード・コーエンの唄』をリリース。商業的な大ヒットには至らなかったが、シンガー・ソングライターとしてのコーエンの名を広く知らしめた。以後40年以上に渡り、コンスタントにアルバムをリリース、全世界で2,300万枚以上のアルバムを売り上げており、第一線で活躍を続けていた。今までに14枚のオリジナルのアルバム(ライヴ盤を含めると21枚)、12冊の本を発表。カヴァーされた歌は世代、国境を越えて1300におよぶ。2008年にはロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)入りを果たす。また、2011年6月にはスペインでの最高賞であるアストゥリアス皇太子賞(The Prince of Asturias Awards)の文学部門を受賞するなど、数々の名誉ある賞を獲得。世代、国境、ジャンルを超え、世界中で高い評価を得ているアーティストである。2016年『ユー・ウォント・イット・ダーカー』を発表後の11月に急逝。享年82、だった。
『ユー・ウォント・イット・ダーカー』
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