人間国宝柳家小三治
新CD6ヶ月連続発売!!
朝日名人会ライヴシリーズ 柳家小三治1~6 CD2枚組 各¥3,333+税
CD発売記念イベント対談ダイジェスト公開!!
柳家小三治・京須偕充との対談イベントのダイジェスト映像とイベントレポートを掲載!!
柳家小三治「朝日名人会ライヴCDシリーズ」の新譜リリースが決定しました。
1999年から2011年までの朝日名人会での口演を厳選、2枚組CDに収録し、6ヶ月連続で発売。
CDとしては2007年発売以来12年ぶり、商品パッケージとしても2013年に発売されたDVD『落語研究会柳家小三治大全〈下〉』から実に5年ぶり。
人間国宝になってから初のリリースとなる今シリーズは、近年の小三治の新音源がまとめて発売されるという待望の商品となります。
<6タイトルに購入特典>
特典として柳家小三治特製ポストカードをプレゼント!
6タイトルそれぞれに、6パターンのオリジナル写真で作成した
小三治師匠のレアな表情が楽しめるポストカードをご用意しました。
※各店舗初回導入分のご用意となりますので、ご購入前にご確認ください。
- 朝日名人会シリーズ131柳家小三治1『猫の皿/長短』
- 収録:2007年 7月21日 第 71回2008年 7月19日 第 81回
- 2019年6月26日発売 / 品番:MHCL 2807~8
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- 朝日名人会シリーズ132柳家小三治2『青菜/鰻の幇間』
- 収録:2011年 6月18日 第110回2001年 6月23日 第 18回
- 2019年7月24日発売 / 品番:MHCL 2809~10
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- 朝日名人会シリーズ133柳家小三治3『付き馬/二番煎じ』
- 収録:2000年12月16日 第 14回1999年12月11日 第 6回
- 2019年8月21日発売 / 品番:MHCL 2811~12
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- 朝日名人会シリーズ134柳家小三治4『厩火事/品川心中』
- 収録:2010年10月16日 第103回2010年 3月20日 第 97回
- 2019年9月25日発売 / 品番:MHCL 2813~14
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- 朝日名人会シリーズ135柳家小三治5
『ま・く・ら「あの人とっても困るのよ」』 - 収録:2002年 7月14日 第 27回
- 2019年10月30日発売 / 品番:MHCL 2815~16
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- 朝日名人会シリーズ136柳家小三治6
『ま・く・ら「人形町末広の思い出」』 - 収録:2002年 7月14日 第 27回
- 2019年11月27日発売 / 品番:MHCL 2817~18
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朝日名人会ライヴCDシリーズ6ヶ月連続発売記念 「柳家小三治の会」
柳家小三治12年ぶりのCD発売を記念し、
落語一席に加え制作プロデューサー・京須偕充との対談イベントを開催!!
CD発売記念イベント対談ダイジェスト公開!!
イベントレポート
2019年10月3日、有楽町朝日ホールにて『朝日名人会ライヴCDシリーズ6ヶ月連続発売記念「柳家小三治の会」』が開催された。6月26日より毎月1タイトルずつ2枚組CD計6作をリリースし、11月発売分にてひとまず完結となった新編『柳家小三治 朝日名人会シリーズ』の発売記念として行われたこの落語会。久しぶりのCD発売という話題もあいまって約800席のチケットが発売早々に完売となっていた。
小三治9番目の弟子にあたる三之助による開口一番「酔っ払い」に続いて登場した小三治は、発売中のシリーズ一作目にも収録されている「長短」を口演。もちろん「今日はどういう日なのか知らないで出てきました」という第一声から、小三治ワールド全開の長大な「ま・く・ら」が展開された。久しぶりにCDを出すことになったが、どちらかと言えばレコード会社に騙されたようなもの、と身も蓋もないコメントから始まり、弟子への小言や師匠から受けた小言の話、今も参加しているという中学の同窓会の話、さらには映画『男はつらいよ』50周年記念イベントのトークショーに出演した話に至ったあたりで、舞台袖のマネージャー氏から「そろそろ噺を始めてください」と催促される一幕も。気ままに自在に展開していく「ま・く・ら」、決して大仰に抑揚をつけない、まさしく枯淡の境地というべき「長短」ともに、絶妙な間合いで笑いを誘いながら満場の観客を惹きつけてやまない、“小三治落語”その現在形の真骨頂を見せてくれた。
中入りを挟んでの後半は、この『朝日名人会ライヴCDシリーズ』のプロデュースを手掛けた京須偕充氏とのトークショーが行われた。ふたりの出会いに始まり、圓生や志ん朝などの作品を経て京須プロデュースによる小三治の録音が行われるまでの経緯を語っている。やはり高座での「ま・く・ら」よろしく話の内容が、絶妙な笑いをともないながらあちこちに脱線していったが、最後は噺家としての“枯れ方”から小三治の現在とこれからのありようについて、高座ではおそらくまず聞くことができないであろう内容が語られるなど、実に貴重なひとときだったと言っていいだろう。
今年で落語家としてちょうど60年、真打昇進から数えてちょうど50年という節目のタイミングとなっている小三治。トークショーの最後では「自分がこれからどう変わっていくのか、自分でも楽しみにしている。少なくとも100歳まで、どう見せていくかを考えている」といったコメントも飛び出したが、落語家としての現在の充実ぶりとともに、決してそこに安住しない挑戦者であり続ける決意も感じられた。
この日の小三治の「ま・く・ら」にも噺にも言えることだが、「ま・く・ら」であれば思いついたままのテーマを理論的に組み立てることなく展開させていくし、本題の噺にしても最小限の身振りと抑揚で口演している。にもかかわらず否応なく「ま・く・ら」の内容に惹き込まれてしまうし、噺に入るとしゃべっているのは小三治その人なのに噺の舞台/風景/人物造形といったものがリアルに喚起される。この動画でも圓生、文楽、そして師匠である小さんを引き合いに出しながら語っているが、その時々の自分が感じたことを実に素直に、しかし自身の中で徹底的に咀嚼して芸へと昇華させているからこそ現在の小三治があるのだと感じられる。
落語とは、着物姿でひとり正座し、扇子と手ぬぐいという小道具と上半身だけの限られた動きで多くの役を演じ分けながらひとつの世界観を作り上げていく、非常に制約の多い芸である。だがその制約ゆえに、そこに何かを足していくのではなく、むしろ引き算で組み立てる芸を極めた先にあるのが“枯れた”味わいであり、現在の小三治のスタイルになっているのではないかと思う。今回完結したシリーズは1999年から2011年までの実演を収めているが、その境地に至るプロセスをじっくりと感じ取ることができるはずだ。