ジミが火をつけたのは、ギターだけじゃなかった。

Jimi Hendrix/First Rays Of The New Rising Sun(Remaster)

Jimi Hendrix/First Rays Of The New Rising Sun(Remaster)

ジミ・ヘンドリックス
『ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』

(金)発売

2LP

SIJP 163~4 
¥6,380(税込)
  • ◆完全生産限定盤
  • ◆輸入盤国内仕様
  • ◆最新リマスター
  • ◆解説:ジョン・マクダーモット、小出斉、歌詞・対訳付

『ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』開封の儀

ジミ・ヘンドリックス『ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』

SIDE ONE

  1. 自由
  2. イザベラ
  3. ナイト・バード・フライング
  4. 天使
  5. 鏡の部屋

SIDE TWO

  1. ドリー・ダガー
  2. イージー・ライダー
  3. 流浪
  4. ビギニングス

SIDE THREE

  1. ステッピング・ストーン
  2. 僕の友達
  3. 直進
  4. ヘイ・ベイビー(ニュー・ライジング・サン)

SIDE FOUR

  1. アース・ブルース
  2. アストロ・マン
  3. 嵐の中に
  4. ベリー・バトゥン・ウィンドウ

最新リマスターによる 輸入盤LP2枚組に日本版ブックレットを付属した 完全生産限定盤!

1970年、ジミ・ヘンドリックスが亡くなる寸前までニュー・アルバムのために録音していた音源を基に編まれた1997年発表作。生前の契約問題が災いし不完全な形で発表されていた音源をラスト・レコーディング作としてまとめたのはジミの信頼も厚かったエンジニア、エディ・クレイマー。彼は最新のテクノロジーを駆使しジミの意向を最大限に活かした作品に仕上げており、やっと本来の姿に整ったアルバムとして評価が高い。

SIDE ONE-①②③、SIDE TWO-①②、SIDE THREE-①③、SIDE FOUR-①②と、見事なばかりのファンク・ロック・ナンバーが並んでいる。亡くなるまで彼が追求していたのがこの方向性だということの表れだろう。そして、その間に配された珠玉のバラード、SIDE ONE-④やSIDE TWO-③も光る。特に「天使」は、代表曲「リトル・ウィング」と同時期に書かれ、長く温められていたもので、この上ない哀しさと美しさを放っている。死後、約30年を経ようとしている時期の発売ながら、名演が並ぶ今作をジミの最高傑作にあげる人も多い。

最新リマスターによる輸入盤LP2枚組に解説・歌詞・対訳をまとめた日本版ブックレットを付属した完全生産限定盤。

▼『クライ・オブ・ラヴ』に収録されていた「天使」はこちら

自らの音楽に対する 絶対の自信を胸に、
ジミは聴衆を未知の音楽世界へと 誘おうとしていた

1970年9月にジミが早世したため、アルバムは完成を見なかった。仕上がっていれば、我々の胸にどれほど強烈なインパクトを残せたのか。今となっては想像するしかない。『ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』の中にジミ・ヘンドリックスが思い描いた壮大な夢は、ついに叶わなかった。バンドのメンバーとしてジミと誰よりも近しかった盟友ミッチ・ミッチェルとビリー・コックスでさえ、彼が生きていれば2枚組LPにどの曲を選んだのか、はっきりとはわからなかった。ジミが残した膨大なテープの中には数々の宝が、そして発展途上だった新たな素材のさまざまな姿が残されている。「ヘヴン・ハズ・ノー・ソロウ」「ヴァリーズ・オブ・ネプチューン」、ボブ・ディランの改作「ドリフターズ・エスケイプ」はいずれも、1970年の実り多き夏に生まれたものだ。「ディス・リトル・ボーイ」「ロコモーション」など、手書きの簡単な譜面だけが残っているものもあり、スタジオ録音の存在は確認されていないが、ジミの肉筆の間から魅惑的なアイデアの萌芽が見て取れる。最終決定を下す前にジミが逝ってしまったため、アルバム『ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』には「ドリー・ダガー」「ナイト・バード・フライング」「イージー・ライダー」といった完成品と、最後の仕上げを待つばかりだった楽曲が同居している。

Jimi Hendrix AIP

ただ、本作の17曲から確実に言えることがある。ジミ・ヘンドリックスの創造力はさらなる活性化のただ中にあった、ということだ。自らの音楽に対する絶対の自信を胸に、ジミは聴衆を未知の音楽世界へと誘おうとしていた。その新たな世界では、彼の偉大なる功績とロックとR&Bをブレンドした独自の手法が自由に混ざり合うはずだった。たとえば「ドリー・ダガー」の洗練されたファンクには、「フォクシー・レディ」や「ウェイト・アンティル・トゥモロー」の軽妙さが息づいていた。「直進」や「自由」「焼け落ちた家」の激しさの奥からは、「焼け落ちた家」にあったヘンドリックスの真摯なメッセージが、かすかだが確実に聞こえてきた。「イージー・ライダー」や「鏡の部屋」から噴き出す強力なエネルギーは、1970年代と80年代のファンク・ブーム到来を予言していた。

1968年3月のセッションで録られた「僕の友達」を除けば、残りの16曲はすべてあの激動の4カ月間にエレクトリック・レディ・スタジオでゼロから作られた、あるいは一から作り直されたものだ。本作の17曲はどれも、ジミの死後にリリースされた最初の4枚のアルバムのうち3枚に収録されていたものだ。未解決だった契約上の問題のせいで、ジミが温めていた2枚組LPの計画は潰され、彼が残した楽曲群は散り散りになり、1971年の『クライ・オブ・ラヴ』と『レインボウ・ブリッジ』、1972年の『戦場の勇士たち』に収められた。どういうわけか、そのほとんどは長らく本来の姿で聞くことができなかったが、今回ついに、エレクトリック・レディ・スタジオで録ったオリジナル・マスターテープのデジタル・リマスタリングが叶った。もちろん、リミックスなど余計なものはいっさい加えられていない。


▲ジミ・ヘンドリックス 『ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』ジョン・マクダーモットの解説から一部抜粋/MASA ITO)よりテキスト抜粋。フル・ヴァージョンは実際の商品でお楽しみください。


Judas Priest

JIMI HENDRIX
ジミ・ヘンドリックス

 1942年11月27日にアメリカ・シアトルで生まれた、不世出のギタリスト、ジミ・ヘンドリックス。1966年にロンドンへ渡り、ノエル・レディング(b)、ミッチ・ミッチェル(ds)とともにザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを結成。第一弾シングル「ヘイ・ジョー」は全英6位を記録するという華々しいデビューを飾り、1967年作アルバム『アー・ユー・エクスペリエンスト?』は最高2位を記録、英国中が注目するロックスターとなったジミは、アメリカに凱旋帰国しモンタレー・ポップ・フェスティバルに出演を果たす。その後もエクスペリエンスとして『アクシス:ボールド・アズ・ラヴ』『エレクトリック・レディランド』(全米1位)の計3作を発表し、1969年ウッドストック・フェスティバルではトリを務め伝説的なライヴを残した。1970年にはワイト島フェスティヴァルに参加。そのワイト島に出演してからおよそ3週後の9月18日、ロンドンのホテルで昏睡状態に陥り急死。享年27才。その短いキャリアながら、ギターという楽器の可能性を拡大しながら創造した作品の数々は、ロックとは何かを提示し、世代を越えて数多くのアーティストに影響を与え続けている。2003年のローリング・ストーン誌では《歴史上最も偉大なギタリスト》の第1位に選ばれるなど、最高のロックギタリストとして評価されている。

日本オフィシャル・サイト
www.sonymusic.co.jp/artist/jimihendrix/

海外オフィシャル・サイト
jimihendrix.com/

  • ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル1967』
  • ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
    『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル1967』

    好評発売中★英文解説(ジェフ・スレイト)の完全翻訳、歌詞&語り・対訳付

    CD▶SICP6552 ¥2、640(税込)
    LP▶SIJP155 ¥4,180(税込)

世界規模での名声を獲得する直前のジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを記録した、歴史的ライヴ。この新たな音源は、公式リリースはもちろん、ブートレッグとしてもまったく世に出ていないものだ!「キリング・フロア」「キャットフィッシュ・ブルース」「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」「ファイア」他全10曲収録。エンジニアのエディ・クレイマーが音源を修復し、バーニー・グランドマンがマスタリングを務めた。


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