‘03年作品。実際の活動はおよそ３年という、宝石のような貴重な期間の集大成と呼ぶに相応しいアルバム。このＣＤ２枚組にはヒットや代表曲のオリジナル音源を始めとしてLIVE音源もふんだんに収録し、ジャニスの魂を感じることが出来る全31曲に及ぶ内容だ。圧倒的な唱法とキャラクターから生み出される類まれな表現力・・・今も輝きを放ち続けている。

‘68年作品。モンタレー・ポップ・フェスティバルのステージで衝撃を与えたジャニスが、一躍世界のロック・ファンにその名を知らしめた名作。ビッグ・ブラザー＆ホールディング・カンパニーと共にR&B、ブルース、ジャズ・フィーリングをブレンドした強烈無比なロック・ヴォーカルで聞くものを圧倒する。「サマータイム」「心のカケラ」「愛する人が欲しい」など名演が収録され、アルバムは８週間全米NO.1に輝き66週間もチャートにとどまる大ヒットを記録した。このあとジャニスはビッグ・ブラザーを離れ、自身のグループであるコズミック・ブルース・バンドを結成する。

‘69年作品。本作はゴールド・レコードに輝く『チープ・スリル』に続くCBSレーベルでのセカンド・アルバムで初のソロ名義作品となった。ビッグ・ブラザーを脱退し新たにコズミック・ブルース・バンドを結成、自らのサウンドを求めて次のステップへと進化するジャニスの意欲に溢れたスタジオ録音作は、全米チャート最高5位を記録。収録されたのはジャズのスタンダードやニーナ・シモンのレパートリー、自作のブルース・ナンバー等で、R&Bに一層傾倒していくジャニスがその並はずれた声のレンジとパワーを歌に注ぎ込む。

‘71年作品。ジャニスの死後まもなく発表された遺作となるスタジオ・レコーディング。やっと出会えた理想のプロデューサー、ポール・ロスチャイルドとのスタジオ・セッションを通じ、ジャニスの才能が無限に広がっていく最中にドラッグの過剰摂取により死亡。ブルースやゴスペルをベースに自由奔放に自己表現した今作は、全米チャート９週連続第１位を獲得し、シングル・カットされた「ミー・アンド・ボビー・マギー」も第１位を獲得。尚、アルバム・タイトル『パール』はジャニスが好んだニックネームだ。

『ザ・パール・セッションズ』はこちら

‘72年作品。ジャニスの死後2年を経て、LP2枚組で発売されたライヴ・アルバムで、ビッグ・ブラザー＆ザ・ホールディング・カンパニー、フル・ティルト・ブギー・バンドとの演奏を収録。ステージに立ち、観客を前に歌うことが喜びであったジャニスのパフォーマンスの素晴らしさを伝える作品だ。音源はそれぞれのライヴ・イベントの製作者から提供されたものを使用しており、彼女のステージをリアルに再現したドキュメントとのような内容に仕上っている。全米ではアルバム・チャート最高４位を記録した。

‘82年発表。ジャニスの死後、未発表のライヴ素材やスタジオ録音のアウトテイクのみならず、インタビューやプライベート録音までもが発掘される。本作に収められた歌は全て未発表で、貴重なセッションが収録された。中でもトッド・ラングレンがプロデューサーとして参加し、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドと録音をした「ワン・ナイト・スタンド」は、今作のハイライトだ。他にはウィンターランドでのライヴや「アメイジング・グレイス」など貴重な音源がまとめられた。