デビューアルバム『かくれんぼ』 35周年イヤーに放つ、シンセ回帰のメロディアスな2019年型ポップ・アルバム! 2年ぶりの来日公演も決定!!
ハワード・ジョーンズ|トランスフォーム
HOWARD JONES TRANSFORM
エレクトロニカの先駆者にして、ポップ・シーン屈指のメロディ・メイカー/ソングライターとして知られるハワード・ジョーンズ。常に試行錯誤を繰り返し、音楽に革新をもたらしてきたハワードの進化の到達点にして原点回帰(彼のトレードマークであるシンセ満載のアレンジが施されたメロディアスなポップ・ソングへの回帰)と言える最新アルバムが登場!!
ハワード・ジョーンズから日本のファンへのコメント
「アルバムを作るたび、実験的な新しいことに挑戦してきた。でもこうしてシンセに戻ってみると、とても居心地がいいんだ。ファンからは昔のようなシンセ・アルバムをまた作ってほしいと言われていたので、無意識にそれに応えたのかもしれない。作っていてとても楽しめたよ。」
そう本人が語るように『トランスフォーム』は、常に試行錯誤を繰り返し、音楽に革新をもたらしてきたハワードの原点回帰、すなわち彼のトレードマークであるシンセ満載のアレンジが施されたメロディアスなポップ・ソングへの回帰と言える作品となっている。収録曲の中には、2016年に公開された映画 『イーグル・ジャンプ/Eddie The Eagle』のために書き下ろした「Hero In Your Eyes」、「Eagle Will Fly Again」も含まれている。映画で描かれた1988年という年が、まさしく彼が世界の音楽シーンを席巻した時期と合致していた事が、曲作りにも大いに役立ったとハワードは語る。
「どちらの曲も80sフレーバーを持っているんだ。<Hero In Your Eyes>を書く上で用いたサウンドは、僕が80年代初めに行なっていたワンマン・エレクトロ・ライヴで用いたのと同じだったよ。」(映画本編での使用のみでリリースされなかったこの曲をハワードは新たにレコーディング/ミックスし直し、より今の時代の感性に合うヴァージョンに作り上げている。)
同時に、本作ではエレクトロニカ界の天才BT(ブライアン・トランソー)と、アルバム・タイトル曲「Transform」を含む3曲でコラボ。「彼の存在に大きな“インスピレーションと影響”を与えられた」とハワード本人が言う通り、二人が共作した3曲はどれも、ハワードのトレードマークとも言うべき作曲スタイルがBT流の新たな解釈で紡がれており、”今の時代の感性”がはっきりと伝わってくる。
- 品番:SICX-30071 / 価格:¥2400+税
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- 収録曲
- 01. ザ・ワン・トゥ・ラヴ・ユーThe One To Love You
- 02. テイク・アス・ハイアーTake Us Higher
- 03. ビーティング・ミスター・ネグBeating Mr. Neg
- 04. トランスフォームTransform
- 05. ヒーロー・イン・ユア・アイズHero In Your Eyes
- 06. ティン・マン・ソングTin Man Song
- 07. アット・ザ・スピード・オブ・ラヴAt The Speed Of Love
- 08. イーグル・ウィル・フライ・アゲインEagle Will Fly Again
- 09. マザーMother
- 10. ステイ・ウィズ・ミーStay With Me
- -------日本盤 Bonus track------
- 11. テイク・アス・ハイアー (12インチ・ミックス)Take Us Higher (12” Mix)
- 12. ビーティング・ミスター・ネグ (12インチ・ミックス)Beating Mr. Neg (12” Mix)
- 13. ヒーロー・イン・ユア・アイズ (12インチ・ミックス)Hero In Your Eyes (12” Mix)
- 14. ティン・マン・ソング (12インチ・ミックス)Tin Man Song (12” Mix)
- 15. レヴェル・ビュー・チルLevel View Chill
- BT (from All Hail The Silence)参加曲:M1, M4, M7
<Howard Jones 2019 JAPAN TOUR>
【大阪】 7/31(水) ビルボードライブ大阪(1日2回公演)
【東京】 8/2 (金) ビルボードライブ東京(1日2回公演)
【東京】 8/3 (土) ビルボードライブ東京(1日2回公演)
ハワード・ジョーンズ UKオフィシャル・インタビュー
35年前、チャート首位に輝いたアルバム『かくれんぼ』でデビューして以来、彼は“80年代半ばのシンセポップ人気を決定づけた一人” と呼ばれ、常に試行錯誤を繰り返し、音楽に革新をもたらしてきた。そのハワード・ジョーンズが新作『Transform』でいかにみずからのルーツに立ち返ったかを語る。
話し始めて10分もしないうちに、私達の会話は今の時代、決して避けては通れない”インターネット” の話題に及んだ。「これまで生きてきた中で受けた影響では、ネットの力が一番大きいね」と語る64歳のジョーンズがいるのはサマセットの自宅だ。「人類がどれほど破壊的な(破滅に向かう)可能性を秘めているか、同時にどれほど素晴らしいことも出来るか、それを知れるのは非常に面白いよ。インターネット上で形成されるコミュニティや人間関係、正当な理由のために立ち上がる人々…。人間の何たるか、そのパンドラの箱を開けたと言ってもいいね」
新作『Transform』が言及するのは、常にスイッチ・オン状態のモバイルな現代社会の中、日々パーソナル・アイデンティティーと葛藤する人間について。ハワードは、なろうと思えば”YouTubeトレンド仕掛け人”になったり、”ツイッターのフォロワー数4千万人”をほこることも可能かもしれないが、たとえそうなったとしても自分は「昔ながらの自分」のままだろうと語る。同様のテーマを打ち出しながら、荒涼とした世界を展開していたアルバム(例えばレディオヘッドの『OKコンピューター』やボウイの『ダイアモンドの犬』)とは異なり、ハワードが今作で目指したのは”誰かの背中を押す”ことなのだ。
「人っていうのは、自分達で変化を起こすことができるものなんだ」と熱い口調で語るハワード。「誰よりも、自分たち自身が主導権を握り、活発に、取り組むことが可能だ。そのことを強く意識して作ったのが今回のアルバムなんだ。人類へのエールというか。どんな状況にいようと、状況を変えられるのは自分であって、誰かがやってくれるわけじゃない。主導権は自分で握らなきゃならないんだ。」ハワードが仏教徒になり、26年になる。そのことが彼の思考プロセスのみならず、音楽にも影響を与えただろうか?と私は尋ねた。「ああ、そう思うよ」と彼は頷く。「午前6時に起床し、1時間お経を唱え、毎日自分自身のネガティヴさと向き合って戦うんだ。仏教のおかげでどれだけ僕は助けられたか。人は一人一人、素晴らしい可能性を秘めているのだということを僕に気づかせてくれたんだよ」
音楽的な意味で『Transform』はハワード曰く「自分自身のエレクトロニックなルーツ」すなわち、彼のトレードマークであるシンセ満載のアレンジを施されたメロディアスなポップ・ソングへの回帰だ。「アルバムを作るたび、色々な新しいことに挑戦してきた」とハワードが例に挙げたのは2009年に発表され、ピアノとストリングスをふんだんに使ったアルバム『オーディナリー・ヒーローズ』だ。「でもこうしてシンセに戻ってみると、とても居心地がいいんだ。ファンからは昔のようなシンセ・アルバムをまた作ってほしいと言われていたので、無意識にそれに答えたのかもしれない。作っていてとても楽しめたよ。」1曲め、ポジティヴィティ溢れるナンバー「The One To Love You」でいきなりパンチを食らわしたあとは「Take Us Higher」、そしてタイトルも素晴らしい「Beating Mr. Neg」(*ミスター・ネガティヴィティに打ち勝つ)に続き、シンセビート、大音量で誇らしいリフ、心高まる歌詞を持つ「Transform」へと続く。「とにかくアップビートなアルバムにしたかったのでバラードテンポの曲は2曲しかない」という。1曲は「Mother」、もう1曲は「At The Speed Of Love」。どちらもヴォーカリストとしてのハワードの域を一層押し広げている。
『Transform』の歯切れ良く明瞭なプロダクションを作り出しているのは、最新ソフトウェアやハードウェアといった先端テクノロジーと共に、ヴィンテージなアナログ・シンセだ。また今回ハワードとチームを組んだのは、グラミーのノミネート経験もある、今をときめくアメリカ人プロデューサー、BTだ。彼の存在に大きな”インスピレーションと影響”を与えられたとハワードが言う通り、二人のコラボ楽曲からは”今の時代の感性”がはっきりと伝わってくる。
「使えるものはそれこそ何でも全部使った」。そう笑うハワードの、エレクトロニック関係の知識は相当なものだ。部屋に積み上げられたケーブルだらけのモジュラーシンセのメーカーと型番をスラスラと口にする彼の姿が想像できる。「キーボード奏者で良かった、そう思えるエキサイティングな時代だよ、今は。常に前に進もうとはしているが、若手の才能あるエレクトロ・ミュージシャンと競うつもりもないんだ。」一瞬言葉をつぐむと、慎み深い口調でハワードは続ける。「そうしなくとも、自分が楽しいと思えている。初期の頃の僕がしていたのはまさにそれなんだよ。」ハワードこそ、ワンマン・エレクトロ・バンドを実現した初のソロ・アーティストだ。ドラムマシンとキーボードで一人の人間が出来ることの限界を、自ら越えようとしていたのだ。「違いは、他人と競うのではなく、ベストなヴァージョンの自分でいようとしてた、と言うことさ」
しかし1984年にリリースされた『かくれんぼ』で、ハワードはミュージシャン仲間と競うどころではない、それ以上の業績を残した。向こう3年間、彼の曲はラジオとチャートを独占。全英でTop40シングルを10曲も叩き出した。「ニュー・ソング」「ホワット・イズ・ラヴ?」「パールと貝がら/Pearl In The Shell」「君を知りたくて/Like To Get To Know You Well」といった曲で80年代半ばのエレクトロ系クラブを賑わし、ハワードには確実なファンがついた。彼らはそれから35年経った今も熱心にサポートしてくれている。
「過去のヒット曲がグレードアップして、今回のニュー・アルバムのサウンドに至ったんだ。」そう言うハワードは、新曲をツアーで試すことが楽しみでたまらないといった様子だ。「視覚的にもサウンド的にも最高を追求したライヴにしたいよ。バンドの後ろのスクリーンに流す映像を今、制作している最中だ。僕自身も深く関わっている。その映像を連動させた、ライティングにも凝ったショウになるだろう!」
そうやって多くの時間と労力をライヴ作りに割くのと同時に、ハワードが熱心に取り組んでいるのは自身のレーベルだ。『Transform』もそこからのリリースとなる。「いずれすべてが一つになって、自分でもびっくりするくらいうまく行けばいいね」とハワードは笑う。「それが僕の願いだよ。」到底、楽には行かないだろうが、これまで彼が達成してきたことを考えれば、それが出来る人間がいるのだとしたら、それはハワード・ジョーンズをおいて他にいない。
Howard Jones(ハワード・ジョーンズ)
1955年2月23日生まれ。イングランド出身。’83年10月、シングル「ニュー・ソング」でデビューし全英3位を記録。2ndシングル「ホワット・イズ・ラヴ?」も全英2位と連続ヒットを記録し、1stアルバム『かくれんぼ』は全英1位に輝く。当時最先端のシンセサイザーを駆使しながらポップで親しみやすいサウンドを作り出す新鋭としてシーンのフロントに躍り出る。盛況のMTVムーヴメントのなか、アメリカでは第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンに乗って人気が爆発、80年代の全米ヒットチャートを賑わせる。独特なヘアスタイルも話題となり、日本ではアイドルとしても人気を博し『ミュージック・ライフ』など洋楽誌の表紙も飾っている。’87年には日本武道館公演も大成功。’90年代以降もエレクトリック・ポップ、シンセポップの代表的アーティストとして活躍し現在に至る。