最新リマスター+レア音源満載のCD2枚組、日本独自形態の豪華仕様
(中略)リリースから四半世紀、かつジョージの突然の死から6年が経過した今、『オールダー〈リミテッド・コレクターズ・エディション〉』としてリイシューされる。まずはその概要を説明しておこう。海外では、アナログ2枚組、もしくはアナログ3枚+CD5枚で構成されたデラックス・リミテッド・エディション・ボックスセットのふたつのヴァージョンで発売されるが、日本盤は、ジャケットを含めて独自仕様のCD2枚組となる。
CD1にはアルバム本編11曲を、CD2にはボックスセットのCD2(’97年にリリースされた『オールダー』再発盤のボーナスCD『Upper』)及びCD3~5(レア音源集)から、15曲を厳選して収録。CDシングルやカセット・シングルに収められていたこれら15曲のうち、①~⑩と⑫(①②③④⑦⑫はラジオOAやプロモーションのために用意されたシングル曲の短縮ヴァージョン、⑤⑥⑧⑨⑩はリミックス)は長らく流通していなかった貴重な音源だ。②はラジオ・エディットと題されているものの事実上のリミックスで、ザ・ギャップ・バンドの「Burn Rubber on Me(Why You Wanna Hurt Me)」をサンプリングした①と⑫は念のために補足しておくと、「Star People」と「The Strangest Thing」をシングル・カットするにあたってそれぞれ再録されたヴァージョンをベースにしている。
ちなみに、5曲にクレジットされているリミキサーのフォースライトとは、ほかにも様々な名義を持つプロデューサー/キーボーディスト/DJのピーター・グリードールのこと。『オールダー』でプログラミングを担当した彼はほかにも多数のアーティストの作品に参加しており、ペット・ショップ・ボーイズの準メンバー的な存在でもある。 他方の⑪と⑮は、『Upper』やベスト盤『Twenty Five』(06年)にも収められていた「Spinning the Wheel」のB面曲で、⑬はワム!の‘85年発表のヒット曲を、本作で活躍した共作者/共同プロデューサーのジョン・ダグラスがファンキーにアップデートした新装版だ。過去を振り返りたがらなかったジョージだが、解散10周年を迎えたことが契機になったのだろうか? 『オールダー』のモードとは異なるサウンドがここではいい意味でコントラストを成しており、最終的にはワム!の『ザ・ベスト』(’97年)にも収められた。そして⑭の「Desafinado」は、エイズ関連の様々な支援を行なうために企画されたチャリティ・コンピレーション・シリーズ『Red Hot』の第9弾にして、ブラジル音楽にフォーカスした『Ret Hot+Rio』(’96年)に彼が提供したボサノヴァの古典のカヴァー。作曲者はジョビン、ニュートン・メンドーサが作詞したポルトガル語の歌詞を、アストラッド・ジルベルトとのデュエットで歌っている……。
▲ジョージ・マイケル『オールダー リミテッド・コレクターズ・エディション』(SICP31544-5)ライナーノーツ(新谷洋子)より抜粋。完全版は商品をお求めのうえお楽しみください。
映画 『ジョージ・マイケル:フリーダム<アンカット完全版>』 が、 全国8都市で7/8(金)一夜限りの特別上映決定!
『ジョージ・マイケル:フリーダム <アンカット完全版>』劇場予告編
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2016年12月25日に、53歳という若さでこの世を去ったジョージ・マイケルが生前最後に取り組んでいたドキュメンタリー映画 『ジョージ・マイケル:フリーダム<アンカット完全版>』 が、全国8都市11劇場にて、7月8日(金)の一夜限定で特別上映されることが明らかになった。2017年の第30回東京国際映画祭にて同じく一夜限定で上映された幻の作品が、5年の時を経て<アンカット完全版>として遂に再びファンのもとに届けられるというわけだ。
『ジョージ・マイケル:フリーダム<アンカット完全版>』 はジョージのキャリア全般を網羅しつつも、激動の時期に焦点を当てている。ポップ・スターとして未曾有の世界的成功を収めたソロ・デビュー・アルバム 『FAITH』(’87年)の熱狂後、シンガーソングライターであることに特化した 『リッスン・ウィズアウト・プレジュディス Vol.1』(’90年)を制作するまでの期間と、のちに続く、最高裁まで争った所属レコード会社との有名な確執を描く一方で、恋人のアンセルモ・フェレッパの死に対する心の内を語っている様子も伺える。ジョージ本人がナレーションを担当する本作では、彼の人生におけるこの波乱に満ちた時期について本人の口から語られる。彼がどのようにして、それまで常識とされていたレコード契約のあり方に立ち向かい、個人及びアーティストとしての自由を獲得する為に孤独に闘ったのか、そして彼がいかに音楽業界のルールを書き換えることに貢献し、のちの音楽史に最も影響を与えたアーティストの一人となったのかがわかる。同時に彼がなぜ表舞台から退き、名声に背を向けたのかも語っている。
この長編ドキュメンタリー作品には、アカデミー賞候補にもなったデヴィッド・フィンチャー監督が手がけた「Freedom! '90」 に登場した5人の元祖スーパーモデル達、ナオミ・キャンベル、クリスティー・ターリングトン、シンディ・クロフォード、タチアナ・パティッツ、リンダ・エヴァンジェリスタが登場し、あの歴史的ミュージック・ビデオの撮影秘話について初めて語っている。本作にはまた、スティーヴィー・ワンダー、エルトン・ジョン、ナイル・ロジャース、マーク・ロンソン、リアム・ギャラガー、トニー・ベネット、メアリーJ・ブライジ、俳優のリッキー・ジャーヴェイス、同じく俳優/司会者のジェームズ・コーデン、芸術家のトレイシー・エミン、モデルのケイト・モス、ファッション・デザイナーのジャン=ポール・ゴルチェといった、多くの各界の著名なレジェンド達がジョージの友人として登場する。本作の監督を務めたのは、ジョージ・マイケルとデヴィッド・オースティン。
個人として、アーティストとしての自由を獲得するために孤独に闘い、 音楽業界に革命を起こした天才ジョージの遺作ドキュメンタリー。映画『ジョージ・マイケル:フリーダム<アンカット完全版>』 TOHOシネマズ新宿ほか全国8都市で7月8日(金)限定上映
劇場情報はコチラ⇒https://www.culture-ville.jp/georgemichael