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ゲイリー・ムーア
ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット

2021428 日本先行発売(海外:2021年4月30日)
SICX 30100/¥2,640(tax in)

●高品質Blu-spec CD2

●オリジナル歌詞・対訳付

●英文ライナーノーツ対訳付

●解説付

Sony Music Shopで購入

未発表曲、初スタジオ・テイク、別アレンジ再録音源などを収めた、没後10年にして初の未発表スタジオ音源アルバム。

アイルランドが生んだ孤高のギタリストにして“泣きのギター”の代名詞的存在、ゲイリー・ムーアが2011年2月6日に58才という若さでこの世を去って早10年が過ぎた。魂の入りまくったマシンガン・ピッキングとむせび泣きの極致といえる哀愁のメロディーは色褪せることなく今もなおロック・ファンの心を揺さぶり続けている。そんなゲイリー・ムーアの没後初となる未発表スタジオ音源で構成されたニュー・アルバム『ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット』(How Blue Can You Get)が4月28日(水)に日本先行で発売される。

アルバムには、これまでライヴ音源でしか聴くことができなかったフレディ・キングのカヴァー「アイム・トア・ダウン」のスタジオ・テイク、2月に先行公開されたゲイリー・ムーア節炸裂バラード「イン・マイ・ドリームズ」、完全別アレンジの再録音源「ラヴ・キャン・メイク・ア・フール・オブ・ユー」(オリジナル・テイクは2002年発売の『コリドーズ・オブ・パワー』リマスター盤にボーナス・トラックとして初収録。元々この曲は楽曲提供を受けた坂上忍の1984年のアルバムに収録、翌’85年には浜田麻里もカヴァー)やエルモア・ジェイムスのカヴァー「ダン・サムバディ・ロング」(ゲイリー・ムーアによるオリジナル・テイクは2006年のアルバム『オールド・ニュー・バラッズ・ブルース』収録)、B.B.キングの1964年ヒット曲のカヴァーで本作のタイトル・トラック「ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット」、アイルランドのチャリティ・アルバム提供曲で本人名義の作品には未収録の「リヴィング・ウィズ・ザ・ブルース」など全8曲収録。

各楽曲の録音時期は不明ながら、内容的には1990年のヒット・アルバム『スティル・ゴット・ザ・ブルース』以降ゲイリー・ムーアが心血を注いだブルース・ロックの秘蔵アーカイヴとなっており、本作が公式音源としては最後の未発表音源集になる可能性が高いという。

【収録曲】

  1. I'm Tore Down
    アイム・トア・ダウン
  2. Steppin’ Out
    ステッピン・アウト
  3. In My Dreams
    イン・マイ・ドリームズ
  4. How Blue Can You Get
    ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット
  5. Looking At Your Picture
    ルッキング・アット・ユア・ピクチャー
  6. Love Can Make A Fool OF You
    ラヴ・キャン・メイク・ア・フール・オブ・ユー
  7. Done Somebody Wrong
    ダン・サムバディ・ロング
  8. Living With The Blues
    リヴィング・ウィズ・ザ・ブルース

Musicians:
Gary Moore: Vocals & Guitar
Pete Rees: Bass (All tracks except “Looking At Your Picture”)
Vic Martin: Keys (All tracks except “Looking At Your Picture”)
Darrin Mooney: Drums on “I’m Tore Down”, “In My Dreams” and “Done Somebody Wrong”
Graham Walker: Drums on “Steppin’ Out”, “How Blue Can You Get”, “Love Can Make A Fool Of You” and “Living With The Blues”


Album Credits:
Roger King: Drum Loops & Programming on “Looking At Your Picture”
All tracks engineered by Chris Tsangarides, except for “Steppin’ Out” by Andy May and Graham Lilley, and “Looking At Your Picture” by Ian Taylor

“In My Dreams”, How Blue Can You Get”, “Love Can Make A Fool Of You”, “Done Somebody Wrong” mixed by Gary Moore and Chris Tsangarides “Looking At Your Picture” mixed by Gary Moore and Ian Taylor

Album mixed and Mastered by Richard Digby Jones
Photography by Jesse Wild/Guitarist Magazine
Artwork by Roy Koch


Record Label:
Mascot Label Group / Provogue Records


ゲイリー・ムーア
ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット
【アナログ盤】12inch

2021428 発売
PRD76461/¥3,526(tax in)

●ライト・ブルー盤<180g>

●完全生産限定盤

●EU輸入盤

●初回のみ日本制作「帯」付

Sony Music Shopで購入

それにしても、何故、これだけの出来栄えの曲をお蔵入りにさせていたのだろうか。謎である。

さて、この注目のアルバム『HOW BLUE CAN YOU GET』である。2021年2月19日、まず、“In My Dreams”が突然、公開された。既に、2009年12月のライヴを収録した『LIVE IN LONDON』が発売されており、それがこのアルバム登場のプロローグになった形である。それにしても、情報が全く漏れてこなかったから、“In My Dreams”が公開されて、驚いたファンが多かったのではないか。日本盤を発売するソニーミュージックによれば、このアルバムの情報を入手し、2週間の交渉を経て、合意から3日後に、アルバム発売のステイトメントの公表に踏み切ったという。一気に状況が動いたという流れだ。“In My Dreams”が、ゲイリー節炸裂で、名曲“Parisienne Walkways”や“The Loner”などを想起させる素晴らしい曲だったことから、没後10周年の節目に企画されたこのアルバムに対するファンの期待はどんどん膨らんでいった。それにしても、何故、これだけの出来栄えの曲をお蔵入りにさせていたのだろうか。謎である。

伊藤政則

今一度ゲイリー・ムーアが描いた未来に立ち返ってみようではないか。

(中略)1980年代を通して、ゲイリー・ムーアはついにソロ・キャリアによる成功を達成し、ヨーロッパから日本に至る国々で多くのファンを獲得した。“Wild Frontier”というアルバムはゲイリーのケルト・ルーツへの賛歌であり群衆に敬意を表したものでもあった。アルバム“Run For Cover”からのヒット・シングル“Out In The Fields”に加え、“Wild Frontier”は母国が抱える問題や、暴力と悲劇のアイルランドの悲しみの物語についてのゲイリー自身による解釈だった。2011年2月に突然亡くなったゲイリーはまさにその頃、自らの刺激的なスタイルを再構築しようとしていたのだ。

1980年代の末期、当時流行のジャンルであったヘアメタル(LAメタル)に飽き飽きしていたゲイリーは、代わりにインスピレーションと新たな焦点を求め、彼本来の心の音楽に回帰した。レーベルからは単に契約外のサイド・プロジェクトと見なされていたゲイリーの1990年のアルバム“Still Got The Blues”は結果的には彼の最大のヒット作となった。長年のファンは、アルバムのタイトル・ソングは初めてのデートやプロポーズ、その他の情熱的な男女関係を意味するものだと気付いていた。

ゲイリーにとって、それは適切なタイミングで出した適切なアルバムだった。ブルース・ブラザーズの映画やジョン・リー・フッカーの世界的にヒットしたアルバム“The Healer”、スティーヴィー・レイ・ヴォーンの人気の台頭などによってブルースが周期的なブーム期にあった。途中幾度かの変遷があったものの、アルバート・キング、B.B.キング、アルバート・コリンズなどとの共演の機会を得たゲイリーは、最後の日々をブルース一筋に突き進み、残されたキャリアを輝かせる結果となった。

1982年、ゲイリーはアルバム“Corridors Of Power”の中で“I Can’t Wait Until Tomorrow”をリリースした。残念なことに、彼にはもう明日はない。しかしながら、彼の過去のカタログには、願わくは現在および未来の世代の音楽ファンたちが、単に優れたギタリストであるのみならず極めて才能豊かな一人のミュージシャンの芸術性を楽しみつつ、新たな発見や再発見をしていくための内容の濃い優れた作品が数多くある。今一度ゲイリー・ムーアが描いた未来に立ち返ってみようではないか。

ハリー・シャピロ

▲『ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット』ライナーノーツよりテキスト抜粋。
フル・ヴァージョンは実際の商品でお楽しみください。

同時発売! 最後の日本公演の約5か月前、
2009年12月に開催された放熱のロンドン公演を収録!

『ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット』と同日発売で、日本未発売のライヴ・アルバム『ライヴ・フロム・ロンドン』(Live From London)も発売される。海外で2020年1月に発売された本作は、他界する14か月前となる2009年12月2日のロンドンはO2アカデミー・イズリントンでのパフォーマンスを収録。最後の日本公演(2010年4月22日~4月28日)の約5か月前でもあり、ファンの間で国内盤化が待たれていた名演である。当日のセットリストもJ.B.レノアのカヴァー「モジョ・ブギー」を中盤に挿入している以外は2010年ジャパン・ツアーと全く同じとなっている。彼の最後の雄姿を観た人も見逃した人にとっても、この作品はゲイリー・ムーアが晩年に見せた絶品ライヴの貴重な記録と言えるだろう。

ゲイリー・ムーア
ライヴ・フロム・ロンドン

2021428 発売
SICX 30103/¥2,640(tax in)

●高品質Blu-spec CD2

●英文ライナーノーツ対訳付

●解説付

Sony Music Shopで購入

【収録曲】

  1. Oh, Pretty Woman
    オー・プリティ・ウーマン
  2. Bad For You Baby
    バッド・フォー・ユー・ベイビー
  3. Down The Line
    ダウン・ザ・ライン
  4. Since I Met You Baby
    シンス・アイ・メット・ユー・ベイビー
  5. Have You Heard
    ハヴ・ユー・ハード
  6. All Your Love
    オール・ユア・ラヴ
  7. Mojo Boogie
    モジョ・ブギー
  8. I Love You More Than You'll Ever Know
    アイ・ラヴ・ユー・モア・ザン・ユール・エヴァー・ノウ
  9. Too Tired/Gary's Blues 1
    トゥー・タイアード/ゲイリーズ・ブルース1
  10. Still Got The Blues
    スティル・ゴット・ザ・ブルース
  11. Walking By Myself
    ウォーキング・バイ・マイセルフ
  12. The Blues Is Alright
    ザ・ブルース・イズ・オールライト
  13. Pariseienne Walkways
    パリの散歩道

Musicians:
Gary Moore: Vocals & Guitar
Vic Martin: Keys
Peter Rees: Bass
Steve Dixon: Drums


Album Credits:
Recorded at The O2 Islington Academy (London on December 2nd, 2009)
Mixed and mastered by Ben Findlay at Shed Studio, Frome, Somerset
Photography by Sam Scott-Hunter
Artwork by Roy Koch

Record Label: Mascot Label Group / Provogue Records

『ライヴ・フロム・ロンドン』が『ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット』と同時に日本発売となることは、この国のファンにとって特別な意味を持つことだろう。

本作『ライヴ・フロム・ロンドン』は2009年12月2日、ロンドン“O2イズリントン・アカデミー”でのライヴを収めたアルバムだ。生前最後のスタジオ・アルバムとなった『バッド・フォー・ユー・ベイビー』(2008)に伴うワールド・ツアーの一環として行なわれたこの公演は日本公演の5ヶ月前のもので、演奏曲目・ステージ・パフォーマンス共に似通っている。海外では2020年1月に発売となった本作が2021年4月、未発表スタジオ音源集『ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット』と同時に日本発売となることは、この国のファンにとって特別な意味を持つことだろう。

山﨑智之

▲『ライヴ・フロム・ロンドン』ライナーノーツよりテキスト抜粋。
フル・ヴァージョンは実際の商品でお楽しみください。

■Gary Moore (ゲイリー・ムーア)

1952年4月4日、北アイルランドのベルファスト出身。10歳の頃にギターを弾き始め、ジョン・メイオール、ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、ピーター・グリーンなどに夢中になる。

‘68年、当時フィル・ライノットがヴォーカルを務めていたスキッド・ロウに16歳で加入、フィル・ライノット脱退後の’70年にアルバム『スキッド』を、翌年2ndアルバム『34時間』をリリースしプロとしてのキャリアがスタートする。その後バンドを脱退、自身のバンドであるザ・ゲイリー・ムーア・バンドを結成し『グラインディング・ストーン』を発表する。フィル・ライノットに誘われ一時的にシン・リジィに参加した後、ジャズ・ロック・バンドのコロシアムⅡを結成し3枚のアルバムをリリース。’77年に再びシン・リジィのツアーに参加、翌年正式加入する。シン・リジィと並行してソロ活動を開始したゲイリーは’78年に初のソロ名義アルバム『バック・オン・ザ・ストリーツ』を発表。フィル・ライノットをヴォーカルに迎えたシングル「パリの散歩道(Parisienne Walkways)」が全英シングル・チャートで8位を記録するヒット曲に。シン・リジィの傑作9thアルバム『ブラック・ローズ』のツアー中にバンドを脱退し新たにG-FORCEを立ち上げるも、アルバム1枚を残して解散する。

‘82年にヴァージン・レコードに移籍しソロ第2弾となる『大いなる野望(Corridors Of Power)』を発表。日本でも大ヒットを記録し、翌年初来日公演を果たす。’85年のアルバム『ラン・フォー・カヴァー』からは再びフィル・ライノットを迎えゲイリーとのツイン・ヴォ-カルをとったシングル「アウト・イン・ザ・フィールズ」が全英シングル・チャートで5位の大ヒットを記録。’87年、故郷アイルランドをテーマにし、故フィル・ライノット(’86年没)へ捧げた『ワイルド・フロンティア』を、’89年 にオジー・オズボーンがゲスト参加(「レッド・クローンズ」のリード・ヴォーカル)したことでも話題となった『アフター・ザ・ウォー』を発表。

‘90年、それまでのハード・ロック路線から一転、自身の音楽的ルーツへと回帰した『スティル・ゴット・ザ・ブルース』を発表。アルバムは全世界で300万枚を超える大ヒットとなり、全米でも初のゴールド・ディスクを獲得、タイトル・トラックは「パリの散歩道」と並ぶ代表曲となる。’92年には憧れのアルバート・コリンズ、B.B.キングがゲスト参加した『アフター・アワーズ』を発表。’94年、元クリームのジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーと組んだ衝撃のスーパー・トリオ、BBMを結成しアルバム『アラウンド・ザ・ネクスト・ドリーム~白昼夢』を発表。ピーター・グリーンに捧げた『ブルース・フォー・グリーニー』を’95年に発表した後、モダン・ミュージックへのアプローチを試み、’97年にドラムンベースを取り入れた『ダーク・デイズ・イン・パラダイス』を、’99年にビッグ・ビートを取り入れた『ディファレント・ビート』を発表するもそれらは商業的な成功には至らなかった。

2001年の『バック・トゥ・ザ・ブルース』ではタイトル通り再びゲイリーらしいブルース・ロック・サウンドに回帰。‘02年、ベースに元スカンク・アナンシーのキャス・ルイス、ドラムスにプライマル・スクリームのダリン・ムーニーと組んだトリオ編成のスカーズ名義でジミ・ヘンドリックスを彷彿とさせるラウドなブルース/ファンク・サウンドのアルバムを発表。’07年、尊敬するブルース・アーティストのカヴァーを含むブルース・ロック・アルバム『クローズ・アズ・ユー・ゲット』を、‘08年に生前最後のアルバム『バッド・フォー・ユー・ベイビー』を発表する。’10年4月に実に21年ぶりの来日公演が実現(4月22日東京、23日名古屋、26日大阪、27、28日東京)、これが最後のジャパン・ツアーとなる。

2011年2月6日、休暇で訪れていたスペインのエステポナにて心臓発作で急逝。享年58。