エミー賞® やグラミー賞® 受賞歴のあるトム・ジムニー監督によるエルヴィスのドキュメンタリー映画が2018年4月14日に米国の有料ケーブルテレビHBOで初放映され、その後も各国でもTVオンエアーされる予定となっている。映画は、エルヴィスの人生とキャリアを通じて撮影されたレア映像を使用することにより、エルヴィスの特異な音楽的視点をあらゆる複雑さから探索している注目の作品。ブルース・スプリングスティーン、トム・ペティなど、エルヴィスに影響を受けたアーティストのインタビューも含まれている。
今回リリースする『ザ・サーチャー~オリジナル・サウンドトラック』には、エルヴィスがポピュラー・カルチャーに絶大な貢献をしてきた中で反映されていた幼少期のブルースやカントリーのルーツや影響から、1976年にグレイスランドで行われたジャングル・ルームでのレコーディング・セッションまでを追い、エルヴィスの魅力的な芸術性の発展に焦点を置いた、映画の音楽的中核にあるエルヴィスのヒット曲、パワフルな歌唱、レアな別ヴァージョンなどが収録されている。
日本盤としてリリースするCD3枚組のデラック・エディションは55曲のエルヴィスの楽曲に加え、マイク・マクレディ(パール・ジャム)が手がけたオリジナル・スコアから抜粋したセレクション、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの「さらばふるさと」、そしてエルヴィスにインスピレーションを与えた楽曲(R&Bやカントリーの名曲や、エルヴィスの母親グラディス・プレスリーの歌う「ホーム・スウィート・ホーム」など)を収録。レア写真、ウォーレン・ゼインズ執筆のライナー・ノーツ、トム・ジムニー監督の寄稿文を収録したオールカラーの40ページのブックレットも付属されている。
トム・ジムニー監督の寄稿文には「サウンドトラックは初めから心の中にあった。私はただ映画を作っているのではなく、私がかねてからそうしてきたのと同じように、映画を観たという経験を完成させたい人のために編纂する音源集について考えていたのだ。幸いソニーの友人たちが、私と『ザ・サーチャー』のチームにこのコレクションを作る機会を与えてくれた。もう何年もこのことを考えてきた。私にとってこのコレクションは映画の一部なのだ」と記している。
また、ウォーレン・ゼインズのライナー・ノーツの中で、「つまりこのコレクションで手に入るのはグレイテスト・ヒットのパッケージだけでなく、1曲1曲キュレーションを施したアーティストのポートレイトなのだ」、「時には過ちを犯し、ある時は業界に惑わされ、またある時は自分自身のアーティストとしての自由から切り離されてしまった自分に気づく一方、パフォーマンスに身を捧げるという行為の中にまるで自分自身に欠けていた部分を見いだすかのように、常に一貫して勇敢に自分を捧げていたひとりのアーティスト。彼の声にある真実は、最終的には探求者(searcher)のサウンドだった。彼はその過程の中で、アメリカ音楽の広く美しい眺めに見いだされるどんなものにも見劣りしないカタログを築き上げたのだ」と記している。
ブルース・スプリングスティーンがドキュメンタリーの中で考察しているように、エルヴィス・プレスリーは殿堂入りしたミュージシャンの中でも独自のカテゴリーに属していた。「創意の美しさの虜になったパフォーマーたちの音を聴く。彼らがどこに向かっているのかあまり分からず、彼らが何をやっているのかも正確には分からないままに」とスプリングスティーンは語っている。「その音楽が奏でられている真っ最中に発見するというだけで…聴き手は未開の地に出ることができる。そしてそこはとても新鮮で心躍る場所なんだ」。
「彼は神のご加護を受けているのさ」とトム・ペティは語っている。「彼は俺たち全員にとっての光だった。俺たちは全員、最初に戦いに挑んだ彼に借りがある。ロード・マップなど持っていなかった彼は、すべきこととすべきでないことの道を築いたんだ。そして俺たちは、後にあらゆる騒動がやってきたからといって、ひとりの偉大なアーティストをなかったことにするという過ちを犯してはならない。あの素晴らしい、素晴らしい音楽という、彼の生み出したとても美しく悠久なものに聴き耽るべきなんだ」。
1935年1月8日生まれ、ミシシッピー州イースト・テュペロ出身。1954年「ザッツ・オール・ライト」でメンフィスのサン・レコードからデビュー。56年に移籍したRCAからのファースト・シングル「ハートブレイク・ホテル」が初の全米No.1となり、キング・オブ・ロックンロールの歴史が始まる。1977年に42歳の若さで亡くなるまで、最高のエンタテイナーとして23年間に渡りスーパースターの座に君臨。18曲のビルボードNo.1シングルを誇り、50枚のアルバムをTOP40に送り込んだ不世出のアーティスト。生涯推定総収入43億ドル(死亡時まで)、今日までに売り上げたレコード枚数は推定10億枚と言われている。一昨年、生誕80年を記念したロイヤル・フィルハーモニーとの共演作品は英国で第1位を獲得。各国でも大ヒット、150万枚のセールスを記録する。昨年リリースした第二弾も英国では前作に続き第1位を獲得。これはソロ・アーティストとして史上最多となる13作目の1位獲得という記録である。
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