OUTLINE
2017年、デビュー30周年を迎えた“エレファントカシマシ”。彼らが長年にわたり“日本最高のロック・バンド”として高い評価を得ている大きな要因のひとつに「ライヴ」が挙げられるのは言うまでもないだろう。長いキャリアで彼らが行ってきたライヴの中には、「伝説」と称するに値するものがいくつか存在している。遡ること29年前、1988年9月10日に渋谷公会堂で行われた電熱ライヴは、まさにその中の筆頭と言うべきだろう。この日のステージを余すところなく捉えた貴重なライヴ・フィルムが29年の時を経て奇跡的に発掘、『エレファントカシマシ~1988/09/10渋谷公会堂~』として7月26日にBD/DVD発売されることになった。その発売に先駆け、ライヴハウスZepp Tokyo(東京)、Zepp Namba(大阪)の2会場にて一夜限定でプレミア上映されることとなった。
1988年3月のデビューからわずか半年。発表時には無謀との声も上がっていたと言われるこの渋谷公会堂公演。ライヴの発案、ステージ・プランなど、すべてが当時EPICレーベルで音楽映像制作の第一人者として才能を発揮していた故・坂西伊作氏の独断によって進められた。バンドに極めて強い思い入れを持つ坂西氏が用意したのは驚愕のステージであった。剥き出しになった無機質な舞台。バンドが登場し、おもむろに演奏が始まるが、客席の電気がついたままの状態で曲が進んでいく。このシチュエーションをバンド・メンバーが事前に知っていたかどうかは憶測の域を出ないが、ある意味異様な空間で繰り広げられる演奏力は強く闘争的で、それが凄まじい圧力に変わる。随所でヴォーカル宮本浩次の感情が露わになる。呆然とする観客とバンドが繰り出す闘争心に呼応して圧力を押し返す観客。異常な空気感が会場を支配する。エレファントカシマシの闘争史の始まり物語る怒涛の全14曲、緊迫の70分。そして終演まで客電が落ちることはなかった。
この伝説的ライヴは16mmフィルムのカメラ5台で全編撮影、音はデジタル・マルチテープで録音されたが、特に映像は、これまで「ファイティングマン」「ふわふわ」の2曲が放送・パッケージ収録等で陽の目を見るに過ぎなかった(音源は2012年リリース「THE ELEPHANT KASHIMASHI deluxe edition」に全編収録)。ライヴから29年経過した今年、映像・音源を最新技術によりレストア・リマスタリングされ、故・坂西伊作監督のもとで才能を研き、彼の感性を受け継ぐ大沢昌史氏のディレクションにより、伝説が70分完全ノーカットver.で蘇る。
日本屈指のライヴハウスZepp Tokyo(東京)とZepp Namba(大阪)にて行われる一夜限りの特別上映は、ライヴハウスZeppのライヴPA音響システムを使っての圧倒的な音圧と大音量、4K対応のハイスペックな映写と15m×9mの巨大スクリーンで、まるでライヴを観ているような臨場感を演出。まさしく88年のあの場所にタイムスリップができる。ご家庭では絶対味わうことはできない『ダイナミックな音圧』『ライヴ級の大音量』『迫力の大画面』で、88年のエレファントカシマシの音を全身で感じることができる貴重な機会。またとないこのチャンスを絶対お見逃しなく!!