- ●1998年のグラミー年間最優秀アルバムに輝く『タイム・アウト・オブ・マインド』の未発表集がブートレッグ・シリーズに登場
- ●傑作『タイム・アウト・オブ・マインド』の与えた影響を振り返りつつ、全体を新たな視点で見つめ直す発売25周年企画
- ●2022 リミックスはダニエル・ラノワが録音後に加えた効果や処理が除かれ、歴史的名作を新たな切り口で提示する
- ●スタンダード・エディションは2022リミックスと、厳選された未発表12曲のアウトテイクとオルタネイト・ヴァージョンを収める
- ●デラックス・エディションは2022リミックスと、初期&別ヴァージョン、ライヴ、レコーディング・セッションのアウトテイクを収録
- ●デラックス・エディションに付属の輸入ブックには貴重な未発表のアーティスト写真、各国のジャケット写真や資料を掲載
- ●デラックス・エディションには約4万3千字、スタンダード・エディションには約3万7千字を超える詳細な解説付
ボブ・ディラン
『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』
スタンダード・エディション
世界同時発売
Blu-Spec CD 2/SICP31589‐90(2枚組)/¥4,180(税込)
●未発表写真と解説掲載のカラー・ブックレット(60P)
●英文の完全翻訳・書下ろし解説・歌詞・対訳付の日本版ブックレット(68P)
DISC 1 - 2022 リミックス
- ラヴ・シック
Love Sick - ダート・ロード・ブルース
Dirt Road Blues - スタンディング・イン・ザ・ドアウェイ
Standing in the Doorway - ミリオン・マイルズ
Million Miles - トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン
Tryin' to Get to Heaven - ティル・アイ・フェル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー
'Til I Fell in Love with You - ノット・ダーク・イェット
Not Dark Yet - コールド・アイアンズ・バウンド
Cold Irons Bound - メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ
Make You Feel My Love - キャント・ウェイト
Can't Wait - ハイランズ
Highlands
DISC 2 - スタジオ・セッションのアウトテイク
- ウォーター・イズ・ワイド
The Water Is Wide (8/19/96)– traditional – arranged by Bob Dylan - レッド・リヴァー・ショア (ヴァージョン 1)
Red River Shore – version 1 (9/26/96) - ダート・ロード・ブルース (ヴァージョン 1)
Dirt Road Blues – version 1 (1/12/97) - ラヴ・シック (ヴァージョン 1)
Love Sick – version 1 (1/14/97) - トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン (ヴァージョン 2)
Tryin’ to Get to Heaven – version 2 (1/12/97) - メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ (テイク 1)
Make You Feel My Love – take 1 (1/5/97) - キャント・ウェイト (ヴァージョン 1)
Can’t Wait – version 1 (1/21/97) - ミシシッピ (ヴァージョン 2)
Mississippi – version 2 (1/11/97) - スタンディング・イン・ザ・ドアウェイ (ヴァージョン 2)
Standing in the Doorway – version 2 (1/13/97) - ノット・ダーク・イェット (ヴァージョン 1)
Not Dark Yet – version 1 (1/11/97) - コールド・アイアンズ・バウンド
Cold Irons Bound (1/9/97) - ハイランズ
Highlands (1/16/97)
▼デラックス・エディション開封の儀
-
ボブ・ディラン
『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』
デラックス・エディション〈完全生産限定盤〉世界同時発売
Blu-Spec CD 2/SICP31581‐5(5枚組)/¥22,000(税込)
●輸入パッケージ(豪華写真集+5CD収納パック+外箱)
●日本版ブックレット(英文解説翻訳・書下し解説・歌詞・対訳収録)
●高品質Blu-spec CD2(5枚組) -
DISC 1 - 2022 リミックス
- ラヴ・シック
Love Sick - ダート・ロード・ブルース
Dirt Road Blues - スタンディング・イン・ザ・ドアウェイ
Standing in the Doorway - ミリオン・マイルズ
Million Miles - トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン
Tryin' to Get to Heaven - ティル・アイ・フェル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー
'Til I Fell in Love with You - ノット・ダーク・イェット
Not Dark Yet - コールド・アイアンズ・バウンド
Cold Irons Bound - メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ
Make You Feel My Love - キャント・ウェイト
Can't Wait - ハイランズ
Highlands
- ラヴ・シック
-
DISC 2 - アウトテイク & オルタネイト
- ウォーター・イズ・ワイド
The Water Is Wide (8/19/96, Teatro) – traditional – arranged by Bob Dylan - ドリーミン・オブ・ユー
Dreamin' of You (10/1/96, Teatro) - レッド・リヴァー・ショア (ヴァージョン 1)
Red River Shore – version 1 (9/26/96, Teatro) - ラヴ・シック (ヴァージョン 1)
Love Sick – version 1 (1/14/97, Criteria Studios) - ティル・アイ・フェル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー (ヴァージョン 1)
'Til I Fell in Love with You – version 1 (10/3/96, Teatro) - ノット・ダーク・イェット (ヴァージョン 1)
Not Dark Yet – version 1 (1/11/97, Criteria Studios) - キャント・ウェイト (ヴァージョン 1)
Can't Wait – version 1 (1/21/97, Criteria Studios) - ダート・ロード・ブルース (ヴァージョン 1)
Dirt Road Blues – version 1 (1/12/97, Criteria Studios) - ミシシッピ(ヴァージョン 1)
Mississippi – version 1 (1/11/97, Criteria Studios) - ティル・アイ・フェル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー (ヴァージョン 2)
'Til I Fell in Love with You – version 2 (1/16/97, Criteria Studios) - スタンディング・イン・ザ・ドアウェイ (ヴァージョン 1)
Standing in the Doorway – version 1 (1/13/97, Criteria Studios) - トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン (ヴァージョン 1)
Tryin' to Get to Heaven – version 1 (1/18/97, Criteria Studios) - コールド・アイアンズ・バウンド
Cold Irons Bound (1/9/97, Criteria Studios)
- ウォーター・イズ・ワイド
-
DISC 3 - アウトテイク & オルタネイト
- ラヴ・シック (ヴァージョン 2)
Love Sick – version 2 (1/14/97, Criteria Studios) - ダート・ロード・ブルース (ヴァージョン 2)
Dirt Road Blues – version 2 (1/20/97, Criteria Studios) - キャント・ウェイト (ヴァージョン 2)
Can't Wait – version 2 (1/14/97, Criteria Studios) - レッド・リヴァー・ショア (ヴァージョン2)
Red River Shore – version 2 (1/19/97, Criteria Studios) - マーチン・トゥ・ザ・シティ
Marchin' to the City (1/5/97, Criteria Studios) - メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ(テイク 1)
Make You Feel My Love – take 1 (1/5/97, Criteria Studios) - ミシシッピ(ヴァージョン 2)
Mississippi – version 2 (1/11/97, Criteria Studios) - スタンディング・イン・ザ・ドアウェイ (ヴァージョン 2)
Standing in the Doorway – version 2 (1/13/97, Criteria Studios) - ティル・アイ・フェル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー (ヴァージョン 3)
'Til I Fell in Love with You – version 3 (1/16/97, Criteria Studios) - ノット・ダーク・イェット (ヴァージョン 2)
Not Dark Yet – version 2 (1/18/97, Criteria Studios) - トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン (ヴァージョン 2)
Tryin' to Get to Heaven – version 2 (1/12/97, Criteria Studios) - ハイランズ
Highlands (1/16/97, Criteria Studios)
- ラヴ・シック (ヴァージョン 2)
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DISC 4 - ライヴ(1998-2001)
- ラヴ・シック (ライヴ・イン・バーミングハム、1998)
Love Sick (6/24/98, Birmingham, England) - キャント・ウェイト (ライヴ・イン・ナッシュヴィル、1999)
Can't Wait (2/6/99, Nashville, Tennessee) - スタンディング・イン・ザ・ドアウェイ (ライヴ・イン・ロンドン、2000)
Standing in the Doorway (10/6/00, London, England) - ミリオン・マイルズ (ライヴ・イン・アトランティック・シティ、1998)
Million Miles (1/31/98, Atlantic City, New Jersey) - トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン (ライヴ・イン・バーミングハム、2000)
Tryin' to Get to Heaven (9/20/00, Birmingham, England) - ティル・アイ・フェル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー (ライヴ・イン・ブエノスアイレス、1998)
'Til I Fell in Love with You (4/5/98, Buenos Aires, Argentina) - ノット・ダーク・イェット (ライヴ・イン・シェフィールド、2000)
Not Dark Yet (9/22/00, Sheffield, England) - コールド・アイアンズ・バウンド (ライヴ・イン・オスロ、2000)
Cold Irons Bound (5/19/00, Oslo, Norway) - メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ (ライヴ・イン・ロサンゼルス、1998) ●
Make You Feel My Love (5/21/98, Los Angeles, California) - キャント・ウェイト (ライヴ・イン・オスロ、2000)
Can't Wait (5/19/00, Oslo, Norway) - ミシシッピ(ライヴ・イン・ワシントン、2001)
Mississippi (11/15/01, Washington, D.C.) - ハイランズ (ライヴ・イン・ニューキャッスル、2001)
Highlands (3/24/01, Newcastle, Australia)
●既にミニ・アルバム『Things Have Changed ~ DYLAN ALIVE! VOL.3』で発表済の音源
- ラヴ・シック (ライヴ・イン・バーミングハム、1998)
-
DISC 5 - ボーナス・ディスク†
- ドリーミン・オブ・ユー (テル・テイル・サインズ)
Dreamin' of You – Tell Tale Signs (10/1/96, Teatro) - レッド・リヴァー・ショア (テル・テイル・サインズ、ヴァージョン 1)
Red River Shore – Tell Tale Signs, version 1 (1/19/97, Criteria Studios) - レッド・リヴァー・ショア (テル・テイル・サインズ、ヴァージョン 2)
Red River Shore – Tell Tale Signs, version 2 (1/8/97, Criteria Studios) - ミシシッピ (テル・テイル・サインズ、ヴァージョン 1)
Mississippi – Tell Tale Signs, version 1 (9/96, Teatro) - ミシシッピ (テル・テイル・サインズ、ヴァージョン 3)
Mississippi – Tell Tale Signs, version 3 (1/17/97, Criteria Studios) - ミシシッピ (テル・テイル・サインズ、ヴァージョン 2)
Mississippi – Tell Tale Signs, version 2 (1/17/97, Criteria Studios) - マーチン・トゥ・ザ・シティ (テル・テイル・サインズ、ヴァージョン 1)
Marchin' to the City – Tell Tale Signs, version 1 (1/5/97, Criteria Studios) - マーチン・トゥ・ザ・シティ (テル・テイル・サインズ、ヴァージョン 2)
Marchin' to the City – Tell Tale Signs, version 2 (1/6/97, Criteria Studios) - キャント・ウェイト (テル・テイル・サインズ、ヴァージョン 1)
Can't Wait – Tell Tale Signs, version 1 (10/1/96, Teatro) - キャント・ウェイト (テル・テイル・サインズ、ヴァージョン 2)
Can't Wait – Tell Tale Signs, version 2 (1/5/97, Criteria Studios) - コールド・アイアンズ・バウンド (テル・テイル・サインズ、ライヴ)
Cold Irons Bound – Tell Tale Signs, live (6/11/04, Bonnaroo Music Festival) - トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン (テル・テイル・サインズ、ライヴ)
Tryin' to Get to Heaven – Tell Tale Signs, live (10/5/00, London, England)
†ボーナス・ディスクの収録曲は既に『テル・テイル・サインズ:ブートレッグ・シリーズ第8集』で発表済の音源
- ドリーミン・オブ・ユー (テル・テイル・サインズ)
傑作『タイム・アウト・オブ・マインド』全体を新たな視点で見つめ直す
ブートレッグ・シリーズの最新章となる第17集は、ディランのキャリア中期を代表する傑作『タイム・アウト・オブ・マインド』が、1997年9月30日のオリジナル盤発表以来、25年にわたって音楽界に与えつづけてきた影響をあらためて称賛するため、作品全体を新たな視点で見つめ直すことを意図して企画されたものだ。『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ』では、収録曲のそれぞれが、これまで公開されることのなかった1996年、テアトロでの、ボブ・ディラン(ヴォーカル、ギター、ピアノ)、ダニエル・ラノワ(ギター、オルガン)、トニー・ガーニエ(ベース)、トニー・マングリアン(ドラムス、パーカッション)によるセッションで生まれた、いわば原型とも呼べる状態から、ディランと彼のツアー・メンバーが1998年から2001年にかけてステージで残した熱気あふれるライヴ・パフォーマンスの数々(こちらもやはり、これまで公開されることのなかったもの)へと進化していく様子を克明に追っていく。
1996年、ダニエル・ラノワとのデモ・レコーディングで、アルバム化の可能性を探り始める
1996年はじめのことだ。1990年の『アンダー・ザ・レッド・スカイ』以来、オリジナル曲で固めたアルバムを発表していなかったボブ・ディランは、ソングライティングへの取り組みを開始し、8月から10月にかけて、カリフォルニア州オクスナードのテアトロ・スタジオで、ダニエル・ラノワ(1989年発表のアルバム『オー・マーシー』をプロデュースしていた)とデモ・レコーディングを行ない、アルバム化の可能性を探った。そして1997年1月、ディランはセッションの拠点をマイアミのクライテリア・スタジオに移し、『タイム・アウト・オブ・マインド』のレコーディングを本格的にスタートさせている。この時点でディランは著名なセッション・プレイヤーやツアー・バンドのメンバーもスタジオに迎え、最終的には、バッキー・バクスター(アコースティック・ギター、ペダル・スティール)、デューク・ロビラード(ギター、エレクトリック・ギブソンL-5)、バート・ブリット(マーティン・アコースティック、フェンダー・ストラトキャスター)、シンディ・キャッシュダラー(スライド・ギター)、トニー・ガーニエ(ベース・ギター、アップライト・ベース)、オージー・マイヤーズ(ヴォックス・オルガン・コンボ、ハモンドB3オルガン、アコーディオン)、ジム・ディキンソン(キーボード、ウーリッツァー・エレクトリック・ピアノ、パンプ・オルガン)、そして3人のドラマー(ジム・ケルトナー、ブライアン・ブレイド、デイヴィッド・ケンパー)らが顔を揃えた。
▼未発表テイク「ラヴ・シック(ヴァージョン2)」(1997年1月14日、クライテリア・スタジオで録音)のリリック・ビデオは以下
『タイム・アウト・オブ・マインド』は、ディランの作品世界で新たな支柱に!
そのセッションから生み出された『タイム・アウト・オブ・マインド』は、ディランが築き上げてきた作品世界の新たな支柱となっていく。収録曲の「ラヴ・シック」、「コールド・アイアンズ・バウンド」、「ノット・ダーク・イェット」は多くのファンから支持されてコンサートの定番となり、また、ビリー・ジョエル、ガース・ブルックス、ニール・ダイアモンド、アデルなど数多くのアーティストにカヴァーされた「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」は、グレイト・アメリカン・ソングブックの新たなスタンダードという地位を確立している。そして、『タイム・アウト・オブ・マインド』は1998年のグラミー賞授賞式で年間最優秀アルバム賞を獲得し、最優秀コンテンポラリー・フォーク・アルバムにも選ばれた。さらにディランは、「コールド・アイアンズ・バウンド」でロック部門最優秀男性ヴォーカル・パフォーマンス賞も手にしている。
聴き手と演奏者の距離を可能なかぎり縮めること。
『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ』デラックス&スタンダード・エディションのディスク1には、『タイム・アウト・オブ・マインド』オリジナル盤収録11曲の2022年リミックスが収められている。リミックスを手がけたのは、ブラウアー・サウンド・スタジオのマイケル・H・ブラウアー。音楽評論家のスティーヴン・ハイデンはライナーノーツでこう書いている。「スタジオにいたミュージシャンたちが実際にどのように演奏してアルバム全体を仕上げていったかがわかるようなサウンドにリミックスされている。ラノワが録音後に加えた効果や処理は除かれているのだ。しかしそれは、四分の一世紀前に複数部門でグラミーを獲得している名作をつくり替えてしまうことを意図した行為ではない。偉大な芸術作品を見つめ直し、新たな視点で提示しようとした結果なのだ。オリジナル作品のサウンドは神秘的で謎めいたものだったが、2022年版の『タイム・アウト・オブ・マインド』では、聴き手と演奏者の距離を可能なかぎり縮めることに主観が置かれている。また、この2022年リミックス版『タイム・アウト・オブ・マインド』は、ディランのレコーディング作品としてははじめて、イマーシヴ・オーディオ(立体音響)でも提供される予定だ。
『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ』デラックス・エディションのディスク2とディスク3に収められているのは、貴重なアウトテイクとオルタネイト・ヴァージョン。いずれも『タイム・アウト・オブ・マインド』のために書かれたオリジナル曲だが、1997年発表時のソングリストには含まれなかった「ドリーミン・オブ・ユー」、「レッド・リヴァー・ショア」、「ミシシッピ」(のちにあらためて録音したヴァージョンが2001年の『ラヴ&セフト』に収められた)、「マーチン・トゥ・ザ・シティ」も収録されている。そして、もう1つの未発表パフォーマンスが、スコットランド起源のトラディショナル・フォーク・ソングをディラン自身のアレンジで歌った「ウォーター・イズ・ワイド」。『タイム・アウト・オブ・マインド』を締めくくる叙事詩的な「ハイランズ」の前触れともいえるこの曲が、ディスク2のオープニングに据えられている。
デラックス・エディションのディスク4に収められているのは、『タイム・アウト・オブ・マインド』収録曲のライヴ・パフォーマンス。1998年から2001年にかけて残された音源のなかから選ばれたもので、ツアー・バンドの顔ぶれは、ラリー・キャンベル(ギター、マンドリン、ペダル・スティール、スライド・ギター)、バッキー・バクスター(ペダル・スティール、スライド・ギター、1998〜1999)、チャーリー・セクストン(ギター、2000〜2001)、トニー・ガーニエ(ベース)、そして、デイヴィッド・ケンパー(ドラムス)となっている。1998年5月21日ロサンゼルス収録の「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」は、「シングス・ハヴ・チェンジド」のマキシ・シングルに収められていたものだが、それ以外のディスク4収録曲は、いずれも、完全未発表のヴァージョンだ。
ファンへのボーナスとも呼べるディスク5には、オリジナル版の『タイム・アウト・オブ・マインド』からは外された曲と、「コールド・アイアンズ・バウンド」と「トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン」の素晴らしいライヴ・ヴァージョンで構成されている。これらの12曲は、2008年リリースのブートレッグ・シリーズ第8集『テル・テイル・サインズ : レア・アンド・アンリリースト 1989-2006』に収められていたものだ。
ボブ・ディラン
『タイム・アウト・オブ・マインド』
(1997年)
Blu-Spec CD 2/SICP30584/¥2,310(税込)
●完全生産限定盤
●紙ジャケット仕様
●解説・歌詞・対訳付
●2013年リマスター
- ラヴ・シック
- ダート・ロード・ブルース
- スタンディング・イン・ザ・ドアウェイ
- ミリオン・マイルズ
- トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン
- ティル・アイ・フェル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー
- ノット・ダーク・イェット
- コールド・アイアンズ・バウンド
- メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ
- キャント・ウェイト
- ハイランズ
Bob Dylan (ボブ・ディラン)
風に吹かれて、転がる石のように約半世紀・・・ロックの時代を作り、そして変革し、様々な人々の人生に影響を与え続け、自ら進化し続ける“ロック界最重要アーティスト”ボブ・ディラン。1941年5月24日、ミネソタ州デュルースで生誕。現在81歳。本名ロバート・アレン・ジマーマン。1962年にアルバム『ボブ・ディラン』でデビュー。翌年、歴史的プロテスト・ソング「風に吹かれて」を含む『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』を発表。その後フォークからロックへの転換は物議を醸し、『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』『追憶のハイウェイ61』『ブロンド・オン・ブロンド』といった60年代を代表する歴史的名盤を発表。ロックの殿堂入り、グラミー賞、ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞(主題歌賞)他、数多くの賞も受賞。
全世界アルバム・トータル・セールスは1億2500万枚を超え、39作のオリジナル作品、ライヴやコンピレーションを合わせると60タイトルを超え、600曲以上の自作曲、そして世界中で2千回以上のライヴを行い、半世紀以上に渡って常に第一線で活躍している唯一のアーティスト。過去11度のグラミー賞受賞(1991年にはグラミー特別功労賞受賞)、1982年には「ソングライターの殿堂」入り、1988年には「ロックの殿堂」入りを果たした。また「ライク・ア・ローリング・ストーン」は米ROLLING STONE誌にてロック史上最高のシングルに選定。2008年4月、音楽界では初めてとなるピューリッツァー賞(特別賞)を受賞。1990年にはフランスの芸術文化勲章、2000年にはスウェーデンのポーラー音楽賞を受賞したほか、セント・アンドルーズ大学(スコットランド)やプリンストン大学(米ニュージャージー州)をはじめとするいくつもの大学で博士号などを多数受賞している。2012年にはオバマ米大統領から文民最高位の「大統領自由勲章」授与。2016年にノーベル文学賞の授賞が発表される。
『タイム・アウト・オブ・マインド』は1998年グラミー賞最優秀アルバム賞受賞。2001年、映画「ワンダー・ボーイズ」のための書き下ろし曲「シングス・ハヴ・チェンジド」ではゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞の両主題歌賞を受賞。また、2004年10月に出版された回想録「ボブ・ディラン自伝」(日本では2005年発売)は世界的なベストセラーとなり、ニューヨーク・タイムズ紙のベスト・セラー・リストにも19週間挙げられていた。2005年の映画『ノー・ディレクション・ホーム』、2008年、6人の豪華俳優がディランを演じる映画『アイム・ノット・ゼア』(ケイト・ブランシェッドはゴールデン・グローブ賞を受賞)と錚々たる面々がディランをカヴァーしたそのサントラ盤など新しいイメージで大きな話題を呼んだ。
近年では、2012年にディランの自作曲を収録した現段階での最新のアルバムとなる『テンペスト』発表。2015年にはフランク・シナトラが主に歌ったグレイト・アメリカン・ソングブックのカヴァー集『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』発表。その後、第二弾『フォールン・エンジェルズ』(2016年)、第三弾『トリプリケート』(2017年)と3作連続発表した。
2010年代に入ると来日公演が頻繁に行なわれるようになる。2010年3月には通算6度目となる来日公演、初のライヴハウス公演となるZeppツアー、2014年にも通算7度目の来日公演、2度目のZeppツアーが行なわれる。その2年後の2016年にも通算8度目となる来日公演を行ない(ライヴハウスではなくホール公演となる)、その最終公演であった2016年4月28日の横浜公演が、来日通算100回目の日本でのライヴとなった。
2016年10月、「米国の歌の伝統に、新たな詩的表現を創造した」という理由でノーベル文学賞を受賞し、大きな話題を呼ぶ。
2018年2月、武道館での日本初公演から40周年を迎える。
2018年、2年振りの来日公演は、日本のロック・フェス初参戦のFUJI ROCK FESTIVALとなり、最終日となる7月29日のヘッドライナーを務めた。来日記念盤となる『ライヴ:1962-1966~追憶のレア・パフォーマンス』を日本先行発売。
11月には傑作『血の轍』制作時の未発表をまとめた“ブートレッグ・シリーズ”の第14集『モア・ブラッド、モア・トラックス』を発売。
2019年2月「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」を主題歌にした、池井戸潤原作映画『七つの会議』が公開され、大ヒットを記録。
6月にはNetflixオリジナル映画『ローリング・サンダー・レヴュー:マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』の配信に合わせ、CDボックス『ローリング・サンダー・レヴュー:1975年の記録』を世界同時発売。 11月、ジョニー・キャッシュとのセッションをフィーチャーした『トラヴェリン・スルー(ブートレッグ・シリーズ第15集)』、世界同時発売。
11月、『タイム・アウト・オブ・マインド』を物語の重要な鍵とした映画『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』の公開。
2020年1月、ティモシー・シャラメ主演、ジェームズ・マンゴールド監督映画『Going Electric(tbc)』制作のニュースが流れる。2021年公開か?
3月25日、日本独自企画の来日記念盤でCD2枚組『日本のシングル集』発売
3月27日、8年振りの新曲「最も卑劣な殺人」を突然デジタル配信する
4月1日、日本で一番最初に発売されたシングル盤「サブタレニアン・ホームシック・ブルース / シー・ビロングズ・トゥ・ミー」を限定にて復刻発売
4月、ノーベル文学賞受賞後初の、9度目の日本ツアー15公演を予定していたが新型コロナウイルス感染症拡大の状況を受け中止となる
4月17日、再び新曲「アイ・コンテイン・マルチチュード」を突如デジタル配信
5月8日、3週後に再び予告なく新曲「偽預言者」の配信と新作『ラフ&ロウディ・ウェイズ』の発売を発表
7月8日、ノーベル文学賞受賞後、初の新曲による最新作『ラフ&ロウディ・ウェイズ』発売(USは6月19日発売)
6月、『ラフ&ロウディ・ウェイズ』は、イギリス、アイルランド、ノルウェー、オランダ、ニュージーランド、ドイツ、スイス、オーストリアで初登場1位。全米は初登場第2位。
2021年2月、ジョージ・ハリスンとの貴重なセッション等を収録した『1970』、世界同時発売。
5月24日、80歳の誕生日を迎える。
7月18日(日本時間7月19日)、Shadow Kingdomと題されたコンサートが期間限定で配信開始
9月17日、『スプリングタイム・イン・ニューヨーク : ブートレッグ・シリーズ第16集』スタンダード・エディションが世界同時発売。デラックス・エディション (5枚組)の発売日は9月22日。
11月2日、『ラフ&ロウディ・ウェイズ・ワールド・ワイド・ツアー 2021~2024』がスタート
2022年1月、ボブ・ディラン、全ての原盤権をソニー・ミュージックが獲得
3月19日、ボブ・ディランはレコード・デビュー60周年を迎える
4月、デビュー60周年記念第一弾は60年代の名盤をアナログ・レコードで三ケ月に渡って発売
5月10日、ボブ・ディラン・センター、オクラホマ州タルサで開館
10月、デビュー60周年記念第二弾は『グレーテスト・ヒット』をアナログ・レコードで三ケ月に渡って発売
11月1日、2016年のノーベル文学賞受賞後初となる著書『The Philosophy of Modern Song』を海外で出版。翻訳本『ソングの哲学』は岩波書店より2023年春の発刊予定
2023年1月27日、ブートレッグ第17集『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ(1996-1997)』が世界同時発売
祝・レコード・デビュー60周年記念、著名人の皆様が選んだ「私の1曲」はこれだ!
《参加頂いた皆様(50音順、敬称略)》
第一弾●井上陽水、小倉エージ、菅野ヘッケル、曽我部恵一、高橋“Tack”辰雄、東京ボブ、奈良美智、ピーター・バラカン、六角精児
第二弾●●天辰保文、いしわたり淳治、浦沢直樹、北中正和、佐藤良成、中川五郎、みうらじゅん、鈴木圭介、湯浅学
第三弾●●●麻田浩、大塚まさじ、亀渕昭信、小室等、佐藤良明、友部正人、三浦久、湯川れい子、和久井光司
第四弾●●●●あがた森魚、オカモトコウキ、後藤正文、萩原健太、茂木欣一