1.シングス・ハヴ・チェンジド ★
センターでヴォーカル。声を抑えた歌い方ながらしっかりとしたヴォーカルなので歌詞が聞き取りやすい。
ご機嫌なのか左足でリズムを取りながら歌う。間奏ではなんとちょっと踊った。
2.シー・ビロングズ・トゥ・ミー
ディランはセンター。自信のある歌い方で言葉が大変解り易い。
音のバランスが良いからだろうか、ヴォーカルがしっかりと聞こえるのだ。観客のじっと耳を傾けている姿が印象的。
3.ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシン ★
ディランはピアノでヴォーカル。喉の調子が明らかに良い。
ハッキリとした歌い方が曲全体のクオリティを高め充実の内容となった。曲の後半にかけて演奏に熱を帯びてきた。
4.ホワットル・アイ・ドゥ
センターでヴォーカル。ディランが歌い始めると歓声が上がる。
だいぶ余裕を持たせた歌い方をしており、最後はお決まりの左腰の上に左手を乗せ見えを切った。
5.デューケイン・ホイッスル★
ディランはピアノでヴォーカル。昨夜同様、音を探すようにそれぞれが自由な演奏を繰り広げジャム風のイントロになった。
声に張りが合ってバンドの面々を引っ張っているようだ。そして何よりも彼らは楽しそうに演奏している。
6.メランコリー・ムード
センターでヴォーカル。チャーリーのギターが憂鬱なムードを生み出し、ディランは一切崩したりひねる事無く正面から歌う。
あっという間に終わる曲だけにもう少し酔いしれていたい欲望だけが残る。
7.ペイ・イン・ブラッド
センターでヴォーカル。シャープな演奏だけに切れ味がひときわ心地よい。
ヴォーカルも思い切った歌い方をしているので広いホールの空間を効率的にならしているようだ。
上手くまとまったからだろう、曲終りにシセリのほうをさっと指さす決めのポーズをする。
8.アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
センターでヴォーカル。メロディが流れると拍手と歓声が起こる。
ディランがこの曲を歌うのを待ち焦がれていたようだ。別人になりきるくらい気持ちを乗せて歌っている。
誠に素晴らしい出来で勝ち誇ったような「どうだ!」のポーズも飛び出す。
9.ザット・オールド・ブラック・マジック
センターでヴォーカル。明るくなった会場で軽快に飛ばしながら歌う。
緩急のつけ方が巧みで声の細やかな表情までもが伝わってくる。楽しくなる歌と演奏だ。
10.ブルーにこんがらがって ★
センターでヴォーカル。チャーリーと何やら話した後にイントロのギターが始まる。
サラッとした歌い方を聴いていると大分リラックスしているようだ。
左足でリズムを取りながらのハーモニカ演奏は喜びを感じるものだ。ピアノに移ってエンディングをしめる。
ステージ中央に歩き、日本語で「みなさん、ありがとー」、そして英語で休憩を告げる。
・
・
11.ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パットン)★
ディランはセンター。ディランはこの曲を語るように歌い始め凄みを利かせながら盛り上げてゆく。
リズムを取りながらウロウロしステップを取るのは歌に入り込んでいるからだろう。アクション大きめのしめのポーズで曲を終えた。
12.ホワイ・トライ・トゥ・チェンジ・ミー・ナウ
センターでヴォーカル。切なげなスティールギターの音色が流れると拍手が沸き起こる。
そこには万感の思いを込め、感情に流されること無く丁寧に歌うディランがいる。観客の反応が良い。
13.アーリー・ローマン・キングズ
ピアノ演奏でヴォーカル。淡々としながらも気持ちがのったヴォーカルで、バンドをグイグイ引っ張っていくような演奏が誠に素晴らしい。
後半に向けて徐々にグルーヴし、客席から掛け声が出るくらいアツくなった。
14.ザ・ナイト・ウィ・コールド・イット・ア・デイ
センターでヴォーカル。声を駆使して崩したりすること無く、歌そのものをそのまま歌っている。
だからであるからだろう。心に直接訴える素晴らしいヴォーカルとなった。
15.スピリット・オン・ザ・ウォーター
ピアノ演奏とヴォーカル。今夜はこの曲においても歌詞を丁寧に歌っている。
落ち着いたヴォーカルにクールなバンド、足でリズムを取るノリノリのディランと控え目なチャーリーのギタープレイ。
チャーリーは必殺フレーズを連発するもののスチュのギターとの音量のバランスが取れておらず、残念だ。
16.スカーレット・タウン
センターでヴォーカル。歌に合わせた照明がいっそう不気味さを醸し出している。
コントロールしながらも凄みのある声で歌の世界を見事に表現した。チャーリーのギターソロでステージ中央をフラフラと。
17.オール・オア・ナッシング・アット・オール
センターでヴォーカル。声のひだまでが聞こえてきそうなくらいに研ぎ澄まされた歌となった。チャーリーのギターソロが奇跡的なフレーズを連発する。
18.ロング・アンド・ウェイステッド・イヤーズ ★
センターでヴォーカル。声が気持ち良いくらいに伸びて、煽るように歌う事で徐々にバンドも観客もアツくなってゆく。非常に素晴らしい出来栄えに喝采を浴びながら曲は終わる。
19.枯葉
センターでヴォーカル。歌い始めると大きな拍手が起こる。数多くの先達がこの曲をカヴァーしたのだが、最も正しいカヴァーは俺の歌だと言わんばかりの自負を感じる。
もはやカヴァーを超えていると言ったほうが正しいのだが。
・
・
ステージは暗転して後半を終了
・
・
20.風に吹かれて ★
ピアノ演奏とヴォーカル。鳴り響くバイオリンに合わせて演奏が始まる。
僅かながら歌い方を変えてはいるものの今夜は力強い歌唱だ。自作の曲をスタンダードとして取り上げた趣がある。
21.ラヴ・シック
センターでヴォーカル。スチュの弾くギターの音量がやや大きいせいか、バランスがやや不満だ。
情けない内容の歌を挑みかかるようにロックしながら歌う74歳はそういない。
・
・
エンディングを迎えたメンバーたちはステージセンターへ。ディランは何度もうなずきながら客席を見回して消えていった。
(曲目の★印は『ディラン・リヴィジテッド』収録曲です)