LIVE FROM THE GREAT LAWN, CENTRAL PARK, NEW YORK CITY, MAY 26, 1973
キャロル・キング
『ホーム・アゲイン:ライヴ・フロム・セントラル・パーク1973』
米国を代表する女性シンガー・ソングライター、キャロル・キングが1973年5月26日にニューヨークのセントラル・パーク内にあるザ・グレイト・ローンで推定10万人の観客の前で行い大成功を収めた無料凱旋コンサートの模様を収録。公演後50年間未発表のままになっていたもので、今回初お目見えとなる伝説のライヴ。
『つづれおり』の大ヒットで絶大な人気に獲得し、評価的にも商業的にもピークにあったキャロル・キングの姿をとらえた貴重なパフォーマンスとなる。
映像商品(DVD)としてリリースされる長編コンサート・ドキュメンタリー映画『ホーム・アゲイン』はジョージ・スコットが監督を、ルー・アドラーとジョン・マクダーモットがプロデュースを務めている。アドラーが1973年にマルチカメラにより16ミリフィルムで撮影したものの、これまで発表されていなかった映像が完全収録される。パフォーマンス映像の完全収録の他、キングが「ナチュラル・ウーマン」や「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」といったゴフィン&キングのタイムレスな名曲を手がけたことで愛された需要の高いスタッフ・ソングライターから、自らの力でアイコン的なアーティストへと目覚ましい変化を遂げたことにまつわる裏話も収録。
『ホーム・アゲイン:ライヴ・フロム・セントラル・パーク1973』 オフィシャル・トレイラー
このドキュメンタリー映画のプレミア試写会がアブラモラマ(Abramorama)主催のもと、1月19日にニューヨークのIFCフィルム・センターにて開催され、米国では2月9日からザ・コーダ・コレクション(THE CODA COLLECTION)の独占ストリーミングによって一般公開されている。日本では3月26日にWOWOWでオンエアーされた。
ライヴ音源は既に2月10日から配信開始となっているが、今回、そのドキュメンタリー映画がDVDで、ライヴ音源がCDで発売される。
キャロル・キング
『ホーム・アゲイン:ライヴ・フロム・セントラル・パーク1973』
(金)全世界同時発売
DVD、CD共通:解説 萩原健太 / 歌詞・対訳付
《DVD、CD共通収録曲》
- ビューティフル
Beautiful - なつかしきカナン
Been To Canaan - 幸福な人生
Way Over Yonder - スマックウォーター・ジャック
Smackwater Jack - ホーム・アゲイン
Home Again - スウィート・シーズンズ
Sweet Seasons - イッツ・トゥー・レイト
It’s Too Late - ファンタジー・ビギニング
Fantasy Beginning - 道
You’ve Been Around Too Long - 愛
Being At War With Each Other - 愛の日々をもう一度
That’s How Things Go Down - ヘイウッド
Haywood - クワイエット・プレイス・トゥ・リヴ
A Quiet Place To Live - ユー・ライト・アップ・マイ・ライフ
You Light Up My Life - コラソン
Corazón - ビリーヴ・イン・ヒューマニティ
Believe In Humanity - ファンタジー・エンド
Fantasy End - 君の友だち
You’ve Got A Friend
『ホーム・アゲイン:ライヴ・フロム・セントラル・パーク1973』から「ホーム・アゲイン」の映像
LIVE FROM THE GREAT LAWN, CENTRAL PARK, NEW YORK CITY, MAY 26, 1973
1973年、NYセントラル・パーク・コンサートの先駆け、そして伝説 ――
プロデューサーのルー・アドラーとニューヨークのコンサート・プロモーターのレジェンド、デルスナーはセントラル・パークの名高いグレイト・ローンで史上初の無料コンサートを行うことを決めた。このイベントはニューヨークのライヴ・パフォーマンスの状況を一変させ、セントラル・パークで伝説のパフォーマンスが行われる先駆けとなり、今日まで続く一時代の始まりとなった。 キャロル・キングは代表的な名曲と、間もなくリリースされることになっていた1973年のアルバム『ファンタジー』収録曲を披露し、ファンを喜ばせた。キングはこの頃大きな商業的成功を手にしていたにも関わらず、コンサートを行うことはめったになかった。しかしこの特別な機会においては、まずは独りでピアノの弾き語りを行い、後半ではデヴィッド・T・ウォーカー(g)、クラレンス・マクドナルド(Key)、チャールズ・ラーキー(b)、ハーヴィー・メイソン(ds)、ボビー・ホール(perc)、トム・スコット(sax)など、『ファンタジー』のレコーディングの参加したメンバーを含む11人編成の強力なバンドのフロントマンを務めるという、2部編成に分かれたパフォーマンスを披露。
キャロル・キングのコメント
『つづれおり』がものすごくヒットしたから、みなさんに何かお返しがしたいと強く願っていたの。セントラル・パークの、人でいっぱいのグレイト・ローンを臨むステージに出ていったとき、最初の1分間は何だか恐ろしかったわ。でもみんなの歓声が私の方に波みたいに押し寄せてきたの。とにかく愛にあふれていたわ。受け止めきれないくらいたくさん。でも、私がやるべきなのは座ってプレイし始めることだけだって気づいたの。みんな私を観に来ていたからね。どう歌えばいいかはわかっていたから、その通りにしたわ。
プロデューサー、ルー・アドラーのコメント
私たちは何かスペシャルなことをキャロルとニューヨークでやりたいと思っていた。ロン・デルスナーと連絡を取って、キャロルが地元のニューヨークに帰ってくると話したんだ。ここは彼女が育って、音楽で身を立て始めた場所だ。ニューヨークは彼女にとってすべてだったから、彼女はふるさとと熱心なファンの両方に何かお返しがしたいと考えていた。
キャロル・キング
20世紀のポップ・ミュージックの時代においておそらく最も成功した女性ソングライターであろうキャロル・キング。1960年代にはジェリー・ゴフィンと「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」(シュレルズ’61年)、「サヨナラ・ベイビー(Take Good Care of My Baby)」(ボビー・ヴィー’61年)、「ロコ・モーション(The Loco-Motion)」(リトル・エヴァ、’62年)、「アップ・オン・ザ・ルーフ」(ザ・ドリフターズ’62年)、「チェインズ」(ザ・クッキーズ’62年/ザ・ビートルズ’63年)他数十曲のヒットを共作した。’67年には「ナチュラル・ウーマン」がアレサ・フランクリンによって不滅の名曲となった。
’71年のソロ・アルバム『つづれおり(Tapestry)』ではシンガー・ソングライターとして名声を獲得し、グラミー賞®を4部門(レコード・オブ・ザ・イヤー、ソング・オブ・ザ・イヤー、アルバム・オブ・ザ・イヤー、最優秀ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス)受賞した。『つづれおり』は全世界で3000万枚以上を売り上げている。
その他の受賞歴にはソングライターの殿堂入り(’87年)、ロックンロールの殿堂入り(’90年)、BMIアイコン・アワード(’12年)、ガーシュウィン賞(’13年)、ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤー(’14年)、ケネディ・センター名誉賞(2015年)などがある。’21年には(テイラー・スウィフトにより)2度めのロックンロールの殿堂入りを果たし、ソングライターとしてもパフォーマーとしても殿堂入りした初のミュージシャンとなった。
音楽のキャリアに加え、’77年にアイダホに移住したキングは、科学者、環境活動家、各団体と力を合わせ、ロッキー山脈北部の自然や生態系の生物多様性を保護する活動を32年間行っている。彼女は40年近くもの間、木が伐採されることのない国立公園の森と隣り合わせに暮らしてきた。その実体験をキャピトル・ヒル(米国会議事堂)に持ち寄り、種や生息地を保護する必要の切迫性について両政党の議員たちと協力して国民を啓蒙し、ロッキー山脈北部生態系保護法(Northern Rockies Ecosystem Protection Act)の実現につなげた。彼女は1994年、2007年、2009年、直近では2022年と、上院の公聴会で4回証言を行っている。2022年の証言では、機械化され税金によって助成される国有林の伐採が気候変動に拍車をかけること、またアメリカにおける伐採による年間炭素排出量が同国における石炭燃焼による年間炭素排出量に匹敵することを訴えた。