当時のインビテーションカードのデザインを復刻しポストカードにしました。※数量限定です。無くなり次第終了になります。
バービーボーイズがデビュー30周年を迎えた。その記念盤は彼らの原点であるデビューから約1年間に焦点を当てたプロダクツで、デビュー・アルバム『1st OPTION』最新リマスター盤とデビュー約1年後に行われた渋谷公会堂ライヴ音源で構成されている。
デビュー・アルバムはアナログ・トラックダウン・マスターテープからの新たなリマスターと高品質CD(Blu-spec CD2)規格により、さらにプラッシュアップした。そして2枚組のライヴ盤CDはまさに圧巻。1985年9月29日渋谷公会堂のライヴ音源を〝無修正・ノーカット″で全編収録。ミックス・エンジニアは現在日本を代表する名エンジニアの渡辺省二郎氏。ノイズや音のトラブルや演奏の粗さも隠さずそのまま収録、しかしながら全編で発せられるとてつもないエネルギーからは、彼らの信念や主張までもが伝わってくる。単なるライヴ盤ではなく「ライヴ・ドキュメント盤」なのである。
本プロダクツを通じて、多くの人がイメージするバービーボーイズとは別の新たな魅力の再発見が必ずできるはずだ。
BARBEE BOYS are...当時のインビテーションカードのデザインを復刻しポストカードにしました。※数量限定です。無くなり次第終了になります。
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×<ブックレット原稿執筆者>
ノーカット/無修正っていう形でこうして初ホールツアーのライヴ音源を世に出せたのがとにかくうれしい。はじめはリリースするつもりではなくて、担当ディレクターが「30年前のライヴを収録したマルチが出てきたから」と開いてくれた試聴会に参加しただけだったんだけど、当時のバービーボーイズに対するこだわりとか、呪縛とかそういうものがスーッとなくなって単純に楽しめたんで、皆にも聴いてもらえたらなと思って。30年前の音源だけど、「あの人は今」じゃなくて「あの時はこう」だから。そして、我々みんなそれぞれ「今もこう」。そんな感じで接してもらえるとうれしい。(いまみちともたか)
最初は「なんで今頃?」っていう思いもあったけど、渋公ライヴ音源の試聴会をスタジオでやって、オープンリールが回った瞬間に鳥肌が立った。それこそ自分がやってたバンドじゃないって思えるくらいに、すごく客観的に聴くこともできたし、一方で確かに自分がやってた"自分の音"っていう自負もあって。そう思えたのは30年目のちょうど今っていうタイミングだからなのかもしれない。この音を聴いてくれたことにとにかく感謝なのと、twitterやFACEBOOKで「何このバンド!?」っていうのをどんどん拡散して、2015年の今、バービー中毒をどんどん増やしてほしい。(杏子)
文:能地祐子
1985年。ちょうど30年前。ずいぶんと昔のことだ。70年代は遠くなり、90年代にはあとちょっと。ちょうど真ん中の給水所みたいな、面白い年だった気がする。この年、『8時だョ!全員集合』が最終回を迎えた。『夕やけニャンニャン』がスタートした。田中角栄が脳梗塞で倒れた。阪神タイガースが日本一になった。松田聖子が結婚した。「スーパーマリオブラザーズ」が発売された。何か時代が変わりつつあることを子供心にも感じていた。が、いずれにしても30年前の話だ。その記憶は概ねぼんやりしていたり、美化されていたり、脳内修正されてしまっていたり。なかなか鮮明に甦ってくるものではない。
けれども、初めてBARBEE BOYSというバンドの存在を知った時のことは不思議とハッキリと覚えている。彼らが放つ"異質"な輝きは本当に印象的だった。きわめて刺激的だった。男女ツイン・ヴォーカル+ロック・トリオという個性的な編成。疾走感あふれるクールなバンド・サウンドとキャッチーなメロディの絶妙なバランス。時にエロティックなメタファーを絡ませた挑発的な歌詞。パンク/ニューウェイブの連中がクラブ・イベントでやっていたような実験的なエッセンスをそのままテレビの歌番組でもウケそうなポップさでやってのけるエンタテインメント性。まさに意外性の連続だった。
1985年の日本のポップ・シーンといえば、バンド・ブーム沸騰前夜。この年の6月に東京・国立競技場で開催されたロック・フェスティバル"国際青年年記念 ALL TOGETHER NOW"には、小田和正、松任谷由実、吉田拓郎、そして再結成された"はっぴいえんど"ら70年代育ちの日本語ロック/ニュー・ミュージック黄金時代オリジネイターたちと、当時80年代を牽引していたサザンオールスターズや佐野元春、チェッカーズらが世代を超えて総結集。日本の音楽ヒストリーがある種の成熟を迎え、次のステップへと向かおうとしていた、そのまっただ中だった。
そんな時代のど真ん中に登場してきたのが、BARBEE BOYSだった。前年9月、シングル「暗闇でDANCE」でデビュー。年が明けて2月にはファースト・アルバム『1st OPTION』をリリースし、さらに秋には本作の蔵出し音源・渋谷公会堂ライヴを含む初ホール・ツアーを敢行していた。その間、すでにセカンド・アルバムの制作にも取りかかっていたというし。デビュー1年目にして、すでにフルスロットルの活躍ぶりだった。
いわゆる"早すぎたバンド"と呼ばれる人たちの、生まれた時代に対する決定的な違和感というのとも違う。時代に対しこれ見よがしに抗っているわけではないのに、その時代ならではの色とはけっして安易に混じり合ったりしない独特の感触…とでもいえばいいのだろうか。彼らを解く手がかりは過去にも現在にもないという感じ。既視感のなさがやけに新鮮だった。突飛というのとも違う。孤高。そんな表現がもっとも近かったかもしれない。
今回新たなリマスタリングを施された彼らの初アルバム『1st OPTION』と、当時の渋谷公会堂ライヴの音源を聴きながら、当時感じた新鮮な異質感がまざまざと甦ってきた。特に、ノーカット版のライヴ音源がすごい。当時、BARBEE BOYSの音はものすごくクールだと感じることが多かったけれど、ステージ上の彼らはまるで違う。こんなにも熱気にも満ちていたのか。この後、自分たちを待ち構えている大旋風など想像する暇もない、どこか新人ならではの無邪気さもたたえたがむしゃらさが溢れている。メジャー・シーンのスケール感と、ライブハウス・シーンでのアングラ感。それまではけっして両立することがなかった二つの価値観が、確かな手応えをもって融和し始めようとしていた瞬間を、私たちはこの21世紀、ここで追体験することができるのだ。
サザン、佐野ら、80年代の始まりとともに頭角を現してきた日本のロック第二世代と、90年代に全盛を極める渋谷系との間。そんな"狭間"でBARBEE BOYSは、周囲のあらゆるものに対してクールな距離感を保ちながら、時代のちょっとだけ先にある現実めがけて熱い疾走を続けていた。聴き手の"意思"を常に問うかのような毅然としたたたずまいがちょっぴり怖くもあり、そして何よりもかっこよかった。
ただならぬ新人バンド、初めのビッグ・ステップの貴重な記録だ。
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2014年にデビュー30周年を迎えるバービーボーイズ。デビューから解散(1984年~1992年)までに制作されたビデオ・クリップをメインに収録した初のミュージックビデオ集DVD。「Blue Blue Rose」「小僧 -Cryin' on the beach」等初商品化映像も多数収録。