全編音楽に合わせて展開される映画『ベイビー・ドライバー』の選曲は全てエドガー・ライト監督自身が行なっている。脚本も手がけた監督は「主人公のベイビーと同様、音楽が僕を動かす。シーンのイメージにぴったりくる曲がなければ、僕は映画のシーンの脚本を1つとして描く事は出来なかった。」と語るほど音楽が重要な位置を占めている。今回発売される続編企画は、サントラ第1弾に未収録だった重要なナンバーとスティーヴン・プライスのスコア、劇中のセリフやシーンの効果音をふんだんに盛り込んだ新リミックスで構成されている。プロデューサーはOsymyso。スティーヴン・プライスは1977年生まれのイギリスの作曲家で、『ゼロ・グラビティ』(13)の音楽でアカデミー賞を受賞している実力派。また映画本編には流れなかったものの、監督にとって “ベイビー・ドライバー”を作る原点となったミント・ロワイヤルの「ブルー・ソング」(2002)がアルバムの最後を締めくくる。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』『アタック・ザ・ブロック』などを手がけた、英国出身のエドガー・ライト監督の最新作『ベイビー・ドライバー』。公開早々、大ヒットを記録中だが、今作はエドガー・ライトが「巨匠ウォルター・ヒル監督へのトリビュート作だ」と公言するカー・アクション映画だ。
この映画でアンセル・エルゴートが演じる主人公は天才的なドライビング・センスを買われ、犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若きドライバーで通称“ベイビー”。ベイビーが最高のテクニックを発揮するための小道具は、なんと完璧なプレイリストが揃っているiPod。子供の頃の事故の後遺症で耳鳴りが激しい彼だが、音楽にノって外界から完璧に遮断されると、耳鳴りは消え、イカれたドライバーへと変貌する・・・。
ベイビーが覚醒する完璧なプレイリストとは・・・音楽が大きなファクターとなる映画だけに、サウンドトラックにはジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン、ザ・ビーチ・ボーイズ、ザ・コモドアーズ、T. Rex、ベック、ブラー、スカイ・フェレイラ等によるスタイリッシュな30曲が並ぶ。そして映画のエンディングに流れるのは今作のヒントになったのではと想像できるサイモン&ガーファンクルの「ベイビー・ドライバー」。S&Gの傑作として知られる『明日に架ける橋』に収録されていたご機嫌なナンバーだ。