全曲アンガス・ヤングと故マルコム・ヤングの共作。
そして、ブライアン・ジョンソン、フィル・ラッド、クリフ・ウィリアムズの正式復帰に、
前作に続いてヤング兄弟の甥スティーヴィー・ヤングがマルコムのポジションに。
考え得るベストな布陣で我らがAC/DCが帰ってきた!
宇宙断トツで最強/最大のロックンロール・サンダー、6年振りのパワーアップ帰還! 結成以来、ただひたすら同じスタイルでロックンロールし続けた結果、全アルバムの累計セールスが2億枚という圧倒的存在としてロックの頂点に鎮座するAC/DC。メジャー・デビュー後に発表したすべてのアルバムがミリオンセラーを記録するなど破格のキャリアを歩んできた彼らだが、2014年の前作『ロック・オア・バスト』時には様々な困難に見舞われていた。フィル・ラッドの逮捕、ブライアン・ジョンソンの聴覚障害によるツアー離脱、さらにクリフ・ウィリアムズの引退表明。そしてファンにとって何より悲しい衝撃が、バンドの創始者であり、弟アンガス・ヤングと二人三脚でバンドを牽引してきたリズム・ギターの天才、マルコム・ヤングの他界である。稀代のリフメイカーだったマルコムの死は途方もなく大きな喪失感をバンドとファンにもたらしたが、彼らは前進することを選んだ。本作はマルコムとアンガスが全曲手掛け、まったくもって変わらない、いやむしろブライアン、フィル、クリフの正式カムバックによって、みんなでマルコムのロック魂を引き継いでいくんだという一段と屈強(パワーアップ)な決意表明がアルバム全編に漲っている。たとえ演奏には参加してなくとも、マルコムが遺してくれた黄金のギターリフは、このバンドが存続する限り永遠に息づくのだ。
【収録曲】
- 1. Realize /
リアライズ - 2. Rejection /
リジェクション - 3. Shot In The Dark /
ショット・イン・ザ・ダーク - 4. Through The Mists Of Time /
スルー・ザ・ミスツ・オブ・タイム - 5. Kick You When You’re Down /
キック・ユー・ウェン・ユア・ダウン - 6. Witch’s Spell /
ウィッチズ・スペル - 7. Demon Fire /
ディーモン・ファイアー - 8. Wild Reputation /
ワイルド・レピュテーション - 9. No Man’s Land /
ノー・マンズ・ランド - 10. Systems Down /
システムズ・ダウン - 11. Money Shot /
マネー・ショット - 12. Code Red /
コード・レッド
All Songs Composed by Angus Young & Malcolm Young
All Lyrics Written by Angus Young & Malcolm Young
Lead Guitar: Angus Young
Lead Vocals: Brian Johnson
Bass Guitar: Cliff Williams
Drums: Phil Rudd
Rhythm Guitar: Stevie Young
Produced by Brendan O'Brien
Engineered by Mike Fraser At The Warehouse Studio (Vancouver B.C., Canada)
Mixed by Mike Fraser At Henson Recording Studios (Los Angeles, CA) / Brendan O'Brien
Mastered by Ryan Smith At Sterling Sound
▲AC/DC「Shot In The Dark」(Official Video)
『BACK IN BLACK』から40周年を迎えた2020年、
AC/DCは長い沈黙を破って注目のアルバム『POWER UP』を発表する。
(中略)今年、デビュー45年を迎えたAC/DCは、常に順風満帆の活動を継続させてきたわけではない。初期の彼らはライヴ・バンドとして地道にコンサート活動を続け、ラジオやテレビ番組にも積極的に出演し、AC/DCというバンドの存在を徹底的にファンに知らしめる、草の根運動を展開してきた。主戦場だったイギリスやヨーロッパで、やっと芽が出始めてきたのは1979年発表の 『HIGHWAY TO HELL』の頃ではないか。そして、同年8月、復活したTHE WHOのウェンブリー・スタジアム公演のサポートに迎えられ、メジャーの華麗なるスポットが当たる場所で、彼らはその比類なきパワーを発揮するようになった。しかし、好事魔多しとはよく言ったもので、1980年、突然ボンが亡くなってしまう。当時のインタヴューなどを見てみると、マルコムとアンガスの絶望感は、計り知れないものがあったことが判る。その逆境を乗り越えて発表されたのが、ボンに捧げたアルバム『BACK IN BLACK』だった。前を向いて、ひたすら前進するしかない。マルコムとアンガスは、その屈強な精神性を音楽の中に流し込み、時代の扉を開けていくのである。
「BACK IN BLACK」から40周年を迎えた2020年、AC/DCは長い沈黙を破って注目のアルバム『POWER UP』を発表する。このアルバムは亡きマルコムへの追悼作品という色合いが強い。実は、生前、マルコムはアンガスと共に沢山の曲のアイディアを残している。前作『ROCK OR BUST』では、健康上の問題からマルコムは既にバンドを離れていたが、アンガスとの共作曲は以前の曲と同様にフレッシュなエナジーに満ちていた。この『POWER UP』でも同様のアプローチでソングライティングの作業が進められたものと思われる。ニュー・アルバムは、今や鉄壁のチームとも言える、ブレンダン・オブライエンのプロデュース、そして、マイク・フレイザーのミックスで仕上げられている。このチームでのアルバム制作は3作連続ということになる。アンガスのみならず、メンバー全員が、ブレンダンの仕事ぶりをいたく気に入っているようだ。時間をかけずに常にスムーズにレコーディングを進めるやり方がバンドに合っているらしい。レコーディングは2018年に秘密裡にスタートしている。しかし、ヴァンクーヴァーのウェアハウス・スタジオにメンバーが出入りしている姿が、近所に住むファンに目撃され、世界中が騒然となった。そして、レコーディングが終了し、ミックスも終わった段階で、ブレンダンは「しばらく時間を空けてから、完成したアルバムを聴いてみたらどうか」とアンガスに助言している。客観的な視点でアルバムを聴いてみる必要があると。数か月後、ニュー・アルバムを聴いたアンガスは、「素晴らしいアルバムだ!」と思った。マルコムとアンガスがこのバンドを始めた時、AC/DCらしさをどの様に表現し、どう貫いていくかを真剣に考えていた。ニュー・アルバムを聴いたアンガスは、既に確立されているそのAC/DCらしさが、さらに際立った形で凝縮されていることに驚き、「POWER UP」というアルバム・タイトルを思い付いた。パワフルにして、瑞々しいサウンド。そして、生々しいプレイ。メンバーの底知れぬ集中力が、新たなマジックを生み出していた。
▲AC/DC『パワーアップ』ライナーノーツ(文・伊藤政則/MASA ITO)よりテキスト抜粋。フル・ヴァージョンは実際の商品でお楽しみください。
AC/DC
1973年、オーストラリアでマルコム・ヤングとアンガス・ヤング兄弟を中心に結成し、1975年にアルバム『ハイ・ヴォルテージ』でデビュー。最高傑作との呼び声も高い6thアルバム『地獄のハイウェイ』(’79年)が全米チャートでキャリア初のトップ20入りするなど世界中で人気上昇中にあった’80年、ヴォーカルのボン・スコットが他界してしまう。新ヴォーカリストとして加入したブライアン・ジョンソン初参加アルバム『バック・イン・ブラック』(’80年)が全世界で空前絶後の大ヒットとなり、全英チャート1位、全米チャート4位(その後5ヶ月間トップ10をキープ)など、一躍世界最高峰のバンドの仲間入りを果たす。『バック・イン・ブラック』はこれまで全世界で推定5,000万枚を売り上げ、オリジナル・アルバムのセールスとしてはマイケル・ジャクソンのアルバム『スリラー』に次ぐ記録と言われている。以降もコンスタントにアルバム・リリースと大規模なワールド・ツアーを行ない、それらによってブレイク以前の作品を含むすべてのオリジナル・アルバムがマルチ・ミリオン・セラー(200万枚以上)を達成する。現時点での最新アルバムとなる『ロック・オア・バスト』(’14年)は全英・全米チャート共に初登場3位、世界13か国で1位を獲得するなど、いまだ世界中で絶大なる人気を誇っている。’16年のワールド・ツアーにおいてブライアン・ジョンソンが聴力障害治療のためツアーから離脱、アクセル・ローズ(ガンズ・アンド・ローゼズ)が自ら志願しピンチ・ヒッターを務めたことも大き話題となった。そして‘17年11月、AC/DCサウンドの要を担いながらも痴呆症治療のため’14年にバンドを脱退していた天才リズム・ギタリストのマルコム・ヤングが他界、世界中に大きな衝撃が走ったのは記憶に新しいところ。アルバム全作品のトータル・セールスは、全米のみで7500万枚以上(ロック・バンドとしてアメリカ音楽史上歴代5位、全ジャンルのアーティスト中10位)、全世界で推定2億枚という破格の成功を収めている真のロックンロール・モンスターである(2019年7月更新/日本公式サイトより抜粋)。
●AC/DC 日本公式サイト www.sonymusic.co.jp/artist/ACDC