あぶない刑事NON STOP BEST

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『あぶない刑事 NON STOP BEST』web版ライナーノーツ(その2)

高島幹雄(本アルバム選曲、編集者)

この原稿がアップになる頃には発売になってます『あぶない刑事 NON STOP BEST』。お楽しみ頂けてますでしょうか? 企画当初の打合せの打ち明け話ですが、本当、これまでの固定観念を壊して、曲と曲のつながり、ノンストップ感を作れるならば、年代順じゃなくてもOKといったアイデアもあり、いろいろと組合せを試してみましたが、『あぶない刑事』の音楽は1986年から90年代、00年代の時代の音で作られている要素も大きいので、その部分でも違和感が出てくるので、素直に、舘ひろし、柴田恭兵のヴォーカル曲を中心にした30年のあぶ刑事音楽ヒストリーを各ディスクで表現するものにもした方が良いかなと、内容制作についての疑問点やアイデアが出る度に発売元の御担当プロデューサーにホウレンソウ確認をしながら進めました。

 

このディスク2 TAKA SIDEの1曲目は、当然ながらエンディング・テーマ「冷たい太陽」の最初期にリリースされたシングルです。しかし、毎回、テレビで見ていたエンディングでの音と明らかに構成が違います。耳になじんだサックスによるイントロが出てくるのが、曲の途中で、冒頭にはありません。各曲をエディットして収録する企画なので、このシングルの音源はTVサイズに似せた編集をして収録しようと思うも、いい編集点がなかなか無い。ならばと、1曲だけモノラルではありますが、同じソニーの系列のレーベルから2012年に発売した『あぶない刑事 TAKA THE BEST』にも収録したホンモノのTVサイズも良い感じの曲と並べて入れて、シングル・レコードでリリースされた「冷たい太陽」は、編集せずにフルサイズにて収録することにしました。

企画が決まった当初は、舘ひろし、柴田恭兵のヴォーカル曲も短縮するする事になっていましたが、この時点で方向転換。YUJI SIDE、TAKA SIDEのそれぞれの主役といえるお2人の楽曲は、使う音源は、1曲だけ「FUGITIVE」の臨場感をより高めるためのイントロのショート化を除いて、全てノーカットで収録という方向が決まりました。

後は選曲した楽曲群をNON STOPでつないでいくDEMOを、マスタリング・スタジオのエンジニアもスタジオでの作業を把握しやすいように、使う音源と編集点のメモも付記した曲目表と共に作成していくうちに、1枚あたり30曲は入るということが判り、30年分の30曲収録となったのです。…という感じで、日本のテレビドラマ・サントラのCDで初めてのNON STOP企画。しかも、濃いファンが多い『あぶない刑事』のこのアルバムは試行錯誤しながら内容が固まっていったのです。

 

さて、その1とダブりますが……CDに封入のブックレットは、短縮編集したショート・サイズでも歌詞はフルコーラス分を掲載して表紙込みの32ページです。ブックレットには歌詞下に収録アルバム、アルバム未収録曲については初リリースとなったシングルの発売日、品番などのデータも掲載していますが、1曲ごとの楽曲紹介文は掲載不可能でした。なので、この特設サイトにWebライナーノーツとしてアップします(詳しすぎるファンの方にはユルいかもしれませんが、サービスと思ってご容赦下さい…くれぐれも…)。

各作品の放映期間、公開日は、その1のYUJI SIDEに記載していますが、この記事単独でも関連情報を判りやすくするために割愛しておりません。

DISC-2 TAKA SIDE

01.冷たい太陽[SINGLE VERSION] / 舘ひろし

日本テレビ系『あぶない刑事』(1986~1987)

東映・日本テレビ提携作品『あぶない刑事』(1987)

1986年10月5日から1987年9月27日まで日本テレビ系毎週日曜夜9時に放映された『あぶない刑事』の第1テレビシリーズ、そして1987年12月12日公開の映画『あぶない刑事』のエンディング・テーマ。前番組『誇りの報酬』最終回の時に放送された予告編で使われたのは「冷たい太陽」でした。

02.Ruby ※ / MAYUMI

日本テレビ系『あぶない刑事』(1986~1987)

第1TVシリーズ放映当時にリリースされた2枚目のアルバム『「あぶない刑事」オリジナル・サウンドトラック総集編』の収録曲。
長崎ロケの第33話「生還」では、バイオパークでの捜査に間奏からヴォーカルが使われています。また第38話「独断」では、終盤の埠頭での銃撃戦にイントロだけ短めに使用など、シリーズ終盤に様々な形で聞こえてきます。

03.BRAVE[M-14](1998 REMIX)[M1] ※ / 作曲・編曲:志熊研三

日本テレビ系『あぶない刑事』(1986~1987)BGM
※『あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98』(1998)のためのステレオ・ミックス

「NON STOP BEST」の選曲にあたっては、放映または公開当時にサントラ盤として発売された曲以外にも、テレビシリーズでおなじみのBGMも要素に加える方が、『あぶない刑事』の30年を1枚に凝縮するにはより良いと思って入れてみました。音源についての詳しい情報はCDのブックレットか、特設サイトに既に上がっている一文をお読み下さい。

04.Night Waves ※ / Tommy Snyder

日本テレビ系『あぶない刑事』(1986~1987)

第1TVシリーズ放映当時にリリースされた2枚目のアルバム『「あぶない刑事」オリジナル・サウンドトラック総集編』の収録曲。ゴダイゴのメンバー、トミー・スナイダーによる作詞、作曲、ヴォーカル曲です。第37話「暴発」にて、犯人を誘拐したタカとユージを捕まえざるを得なくなった港署のメンバーの描写にイントロ部分だけが使用。ヴォーカル部分の初使用は、第46話「脱出」。その終盤、重傷を負ったタカの決死の銃撃戦。第50話「狙撃」で銀星会会長の長尾を狙撃に向かうタカといったシーンでもエモーショナルに響きます。

05.My Sweet Girl ※ / 鈴木雅之

日本テレビ系『あぶない刑事』(1986~1987)

第1TVシリーズ放映当時にリリースされた2枚目のアルバム『「あぶない刑事」オリジナル・サウンドトラック総集編』の収録曲。 第34話「変身」のヤッパの政に扮したユージが港栄海運の二人と飲む店の店内BGM。また、第42話「恐怖」ではダーツ・バーでのタカとユージ、薫の会話のバックに聞こえてきたのがこの曲。

06.Wait And See ※ / 鈴木聖美

日本テレビ系『あぶない刑事』(1986~1987)

あぶ刑事初のアルバム『「あぶない刑事」オリジナル・サウンド・トラック』の収録曲。第1話「暴走」のユージとタカが一人の女性の聞き込み方法をめぐって張り合う形になるシーンが初使用。

07.MINATO POLICE STATION[J](1998 REMIX-3)[M19] / 作曲:舘ひろし 編曲:志熊研三

日本テレビ系『あぶない刑事』(1986~1987)BGM

※『あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98』(1998)のためのステレオ・ミックス

放映当時にリリースのサントラ盤に未収録の楽曲でもっともポピュラーなのがこの曲ではないでしょうか? 港署内で近藤課長(中条静夫)の「瞳ちゃん、お茶!」が聞こえてきそうだったり、埠頭の情景だったり…。舘ひろし作曲によるオープニング・テーマをピアノによるミディアムテンポにアレンジされた楽曲。舘ひろしは、エンディング・テーマはもちろんですが、オープニング・テーマの作曲も手がけて、音楽面でも重要な役割を果たしています。

08.冷たい太陽 [TV SIZE VERSION] *MONO / 舘ひろし

日本テレビ系『あぶない刑事』(1986~1987)

08のピアノによるBGMの次に、第1テレビシリーズにてエンディングの映像で実際に使われた「冷たい太陽 [TV SIZE VERSION]」を収録して、ドラマのラストをイメージしてみました。

09.Fool For Love ※ / Vikki Moss with Paradigm Shift

東映・日本テレビ提携作品『またまたあぶない刑事』(1988)

劇場版第1作のサントラ盤には、ムーディーなバラード曲が無いので、劇場版第2作1988年7月2日公開の『またまたあぶない刑事』に飛びます。 映画開始から約56分の場面。夜が明けていく埠頭。覆面パトカー内で、博美に対してやんわりと真相に迫るユージ。そこへタカが現われると共に、フェイドインしながらこの曲が聞こえてきます。

10.Heart-break Town ※ / Andrea Robinson

東映・日本テレビ提携作品『またまたあぶない刑事』(1988)

タカがいるシーンの音楽ではないですが、楽曲そのもののタッチを優先して収録しました。映画開始約52分くらいの場面。ユージが博美と踊りながら、長峰との関係を聞き出そうとする夜のカフェバーの音楽。その後の約54分のところにある同じバーでの博美とユージの会話のBGM。後のテレビシリーズ『もっとあぶない刑事』でも第20話「迷惑」などに使用されています。

11.WHISPERS AT NIGHT ※ / Vikki Moss

日本テレビ系『もっとあぶない刑事』(1988~1989)

1988年10月7日から1989年3月31日まで、日本テレビ系毎週金曜日、夜8時に、昭和から平成の時代を超えて全25回が放映された『もっとあぶない刑事』のサントラ盤からのセレクト。第2話「攻防」の図書館内における攻防をはじめ、捜査のシーンなどに使用回数が多かったサスペンス・タッチの楽曲です。

12.THE WAY IT FEELS WHEN WE TOUCH ※ / Vikki Moss

日本テレビ系『もっとあぶない刑事』(1988~1989)

第2話「攻防」におけるバーでのタカと遠山礼子(風祭ゆき)の描写や、第22話「暴露」でユージを救出しようと焦るタカなど、多用された楽曲です。

13.翼を拡げて -OPEN YOUR HEART- [SINGLE MIX VERSION] / 舘ひろし

東映・日本テレビ提携作品『またまたあぶない刑事』(1988)

日本テレビ系『もっとあぶない刑事』(1988~1989)

劇場版『またまたあぶない刑事』のエンドロールで初登場。この映画のための新曲として書き下ろされた楽曲。後に放映開始となる『もっとあぶない刑事』でもエンディング・テーマとしても使われます。尚、『またまたあぶない刑事』のサントラ盤収録されている音源は、シングルでリリースされたものよりイントロが長い別ミックスのものです。今回は、映像から聞こえたものと同様の始まり方がするシングル・レコードのミックスの方を収録しています。さらに書くと、「冷たい太陽」のようなモノラルの別録音されたTVサイズは無く、フルサイズから編集してエンディングに使われていました。

14.MYSTERY EYES ※ / Tom Keane

東映・日本テレビ提携作品『もっともあぶない刑事』(1989)

1989年4月22日公開の劇場版第3作『もっともあぶない刑事』のサントラ盤からのセレクト。映画開始か約1時間11分のシーン。早朝、埠頭に止まった車の中。タカとユージが北野から15年前の殺人事件の真相、本田警備局長と銀星会の関係を聞くシーンに薄く聞こえる曲がこれです。

15.WHERE DO YOU GO FROM HERE? ※ / Gail Lopata Lennon

東映・日本テレビ提携作品『もっともあぶない刑事』(1989)

映画開始約1時間22分のクライマックス。25時を過ぎて、県警に北野を届けるというタカとユージ。そこでのトオルとの別れ。タカ「元気でなトオル」、トオル「イヤだなあ、なんかもう会えないみたいじゃないですか」、ユージ「イイ女さがせよ」の会話も印象的。タカとユージは護送車で検問に突入し、警官隊に発砲。その頃、港署では近藤課長の辞表が…。途中で銃や車輛の音をオフにして音楽だけを聴かせる音の演出も見られます。映画の冒頭ではこのインストゥルメンタルも使われる本作のメインテーマといえる楽曲です。

16.夜を抱きしめて / 舘ひろし

日本テレビ系『もっとあぶない刑事』(1988~1989)

この映画の第2ラストシーンともいえるタカとユージがガレキから出てきて「死ぬかと思った」の台詞を受けて、聞こえてくるのがこのエンディング・テーマ。

17.DAY BREAK SOMEONE ※ / 作曲・編曲:大野雄二

東映・日本テレビ提携作品『もっともあぶない刑事』(1989)

1996年9月14日公開の劇場版第4作『あぶない刑事リターンズ』 のサントラ盤収録曲。 映画開始後すぐのナイトシーン。空撮で映し出されるレインボー・ブリッジから横浜ベイブリッジへと上空に場所が変化していく導入から、メインのキャスト、スタッフのクレジットに使われています。

18.AN EVENSONG ※ / Suzi Kim

映画『あぶない刑事リターンズ』(1996)

映画開始から約59分にある深夜の厨子マリーナにおけるブレーメンとタカ、ユージの銃撃戦で使用される楽曲です。

19.DAY BREAK SOMEONE (PART-II) ※ / 作曲・編曲:大野雄二

映画『あぶない刑事リターンズ』(1996)

映画開始から約4分のところ。バンドホテル内のボール・ルームで銃撃戦後に、タカの合図で演奏開始という演出で、曲の途中から使用されています。今回のアルバムは、Web版ライナーノーツのその1にも書いたように、映像でイントロから使われることが多いことに準じて、曲の途中から収録はしていないのですが、この曲は例外的に、タカの合図で演奏が再開される箇所でもある、楽曲の中間部から収録して、場面を再現してみました。また、同じ映画からのセレクションでも、このアルバムでは使用場面の順番には敢えてこだわらずに組んでいます。

20.冷たい太陽 -NEW BLOOD VERSION- / 舘ひろし

映画『あぶない刑事リターンズ』(1996)

エンディングにおけるダイジェスト映像と共にキャスト、スタッフのロール・クレジットが表示されるところに聞こえる「冷たい太陽」のニュー・アレンジ。この映画のために新たに作られたものです。

21.SPARK OF LIFE ※ / LOREN & MASH

映画『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』(1998)

1998年9月12日に公開、劇場版第5作『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』。 開始から約13分にあるバー「POLESTAR」内のシーン。カメラマン志望の恵美(本上まなみ)とタカ、ユージ、カウンターの奥にマスター津山(マイク真木)の会話のバックに聞こえる曲。

22.NEVER MAKE IT EASY※ / LOREN & MASH

映画『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』(1998)

開始から約17分にあるシーン。こちらもバー「POLESTAR」内の音楽として使用。タカ、ユージ、恵美、マスターの津山、そこへ帰国した伊達(加藤雅也)が入ってくる場面。

23.CRY OUT~泣いていいよ~[Movie Ver.] / 舘ひろし with THE COLTS

日本テレビ系『あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98』(1998)

映画『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』(1998)

1998年8月28日放映のTVスペシャルと劇場版第5作との共通のエンディング・テーマ。今回は、映像の長さに合わせて、終盤のリピートがフルサイズよりも1回分少なく編集されたヴァージョンを「CRY OUT~泣いていいよ~[Movie Ver.]」として収録しました。『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』の衝撃的な幕切れも追体験できるのでは無いでしょうか。

24.空の庭 (another recording for the film) / orange pekoe

映画『まだまだ あぶない刑事』(2005)

2005年10月22日公開『まだまだ あぶない刑事』のサントラ盤には未収録で、「空の庭」のカップリングに収録された別ヴァージョン。こちらの方がイントロにあるギターが長めに演奏。韓国・釜山の港を舞台にした冒頭のシーンに使われています。

25.in my arms / 作曲・編曲:遠藤浩二

映画『まだまだ あぶない刑事』(2005)

映画開始から約1時間40分の場面。満員のスタジアムにて爆弾の処理に成功したタカとユージ、そしてトオルが空撮の映像になっていくのに合わせて音楽が使われています。短い楽曲なのでフルサイズで収録。

26.貴女と... / 舘ひろし

映画『まだまだ あぶない刑事』(2005)

大黒ふ頭を歩いていくタカとユージのラストシーンから曲がスタートするエンディング・テーマ。当時公表された舘ひろしのコメントによると、♪貴方と…のフレーズを♪ユージとに変えても成立するとのことです。

27.LONG GOODBYE~さらばあぶない刑事~オープニングテーマ~ / 作曲・編曲:安部 潤

映画『さらば あぶない刑事』(2016)

2016年1月30日公開『さらば あぶない刑事』のサントラ盤から、本作のメインテーマ。サックスをメロディーに用いていることもあり、他の曲とのバランスも考慮して、TAKA SIDEに短縮編集せずに収録しました。

28.NIGHT LOUNGE 2 / 作曲・編曲:安部 潤

映画『さらば あぶない刑事』(2016)

映画開始後約26分。タカと恋人の夏海(奈々緒)がいるラウンジで演奏されるジャズ。こちらも短めの曲なのでノーカット収録です。

29.冷たい太陽 Final Version / 舘ひろし

映画『さらば あぶない刑事』(2016)

スクリーンに近藤課長が登場して、「大バカモノーッ!」の直後から始まるエンディングに聞こえてくるのはもちろんこの曲。ボッサの要素も入った最新にして最後のヴァージョンです。

30.あぶない刑事 / 作曲:舘ひろし 編曲:志熊研三

映画『さらば あぶない刑事』(2016)

TAKA SIDEの終曲も、原点回帰かこのCDのエンドロールがわりなのか、様々なイメージで聞こえるTVシリーズのオープニング曲を、放映当時のサントラ盤収録曲を使ってここに添えました。

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