『あぶない刑事』の音楽の魅力は、映像やセリフなどとシンクロした選曲でカタルシスを感じつつも、音楽だけで聴いても、生活の様々なシチュエーションで"あぶ刑事気分"を味わえる。そんなシンプルな楽しみが大きかったりします。

あぶ刑事における音楽、特にヴォーカル曲の殆どは、曲の途中やメロディーから入るのではなく、イントロから使われています。今回の『あぶない刑事 NON STOP BEST』は、当初の打合せで、例えばこんな内容という案が出てきた時に、ショート・ヴァージョンに短縮編集する場合、リズムを通したつなぎでカッコ良ければ、曲の途中から収録するのも有り、というのもありました。しかし、実際にそういう観点でつなぎがカッコいい箇所を探して、MIX（今回の場合は曲をつなぐこと）を試してみても、どうも違和感がありました。それはやはり、『あぶない刑事』各作品の映像から受けてきた音楽の印象が、イントロありきのものが強かったからかなと。これがCDを買って聴いてみた人ならば、より強く残っているんじゃないかなと考えて、一部の例外を除いて、曲の途中から収録することは止めました。普通のJ-POP、ヴォーカル曲と違うのは、イントロも含めて映像を彩っている音楽なので、イントロをカットすると音楽による『あぶない刑事』の世界観を損なってしまうことを再発見、再確認しました。

今回の『あぶない刑事 NON STOP BEST』、いわゆるNON STOP MIXを組むにあたって、どこをどう切ってどうつなぐかは、そこを重視しました。 次の曲とのつなぎありきのエディット（音の編集）なので、1曲ごとに聴くと、曲の最後がカットアウト気味になっている曲もありますが、曲のアタマは殆ど生かして、曲の最後と次の曲のアタマが食い合うクロスフェードも最低限にとどめることにしました。それで NON STOP 感を出すというのはかなり難儀ですが…。各ディスクをお聴きになって頂ければと思います。

難儀と言えば、CDに封入のブックレットは、短縮編集したショート・サイズでも歌詞はフルコーラス分を掲載して表紙込みの32ページです。ブックレットには歌詞下に収録アルバム、アルバム未収録曲については初リリースとなったシングルの発売日、品番などのデータも掲載していますが、1曲ごとの楽曲紹介文は掲載不可能でした。なので、この特設サイトにWebライナーノーツとしてアップします（詳しすぎるファンの方にはユルいかもしれませんが、サービスと思ってご容赦下さい）。