イタリアを代表するプログレッシヴ・ロック・バンド、バンコ(バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ)の3年ぶり15作目の新作。1972年に『ファースト(Banco Del Mutuo Soccorso)』でメジャー・デビューしてから50周年の記念盤という位置づけにもなっている。イタリア人なら誰もが一度は熱中したという古典叙事詩『狂えるオルランド(Orlando Furioso)』をモチーフにしながら、人間に不可欠なさまざまな「愛のかたち」を表現した壮大なコンセプト作品。
BANCO DEL MUTUO SOCCORSO「Cadere O Volare 」(Lyric Video)
バンコ
『オルランド~愛のかたち』
2022年9月23日発売 全世界同時発売
品番:SICP 31554 / 税込¥2,750 / 高品質Blu-spec CD2
オリジナル・ライナー:ヴィットリオ・ノチェンツィ(翻訳付)/
解説:片山 伸 / 歌詞・対訳付
「落つべきか飛ぶべき(Cadere O Volare)」
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■収録曲
- Proemio プロローグ
- La Pianura Rossa 赤い平原
- Serve Orlando Adesso 今、オルランドが求められてる
- Non Mi Spaventa Più L'amore もう愛を恐れない
- Non Serve Tremare 震える必要はない
- Le Anime Deserte Del Mondo 世界の見捨てられた魂
- L'isola Felice 幸せな島
- La Maldicenza 陰口
- Cadere O Volare 落つべきか、飛ぶべきか
- Il Paladino 騎士(パラディン)
- L'Amore Accade 愛は自ら訪れるもの
- Non Credere Alla Luna 月を信じるな
- Moon Suite 組曲「月」
- Come È Successo Che Sei Qui なぜ君がここに
- Cosa Vuol Dire Per Sempre 永遠とは何か
1972年のデビュー作『ファースト』以来、
最も野心的なコンセプト・アルバム
『オルランド~愛のかたち』
バンコ(バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ)にとって、50周年を祝うと同時に1972年のデビュー作『ファースト』以来、おそらく最も野心的なコンセプト・アルバムをリリースするのに絶好の機会がやってきた。新作のタイトルは『オルランド~愛のかたち』。ヴィットリオ・ノチェンツィは息子ミケランジェロと作詞家のパオロ・ローリ(Paolo Logli)と共に、この新作の音楽的コンセプトに何年も前から取り組んできた。実在する16世紀の一大叙事詩『狂えるオルランド(Orlando Furioso)』を様々な曲を通して語り、事実や理想も描写するというのは至難の業だった。スタジオでの膨大な作業の結果はこの壮大なアルバムに完全な形で現れており、本作はプログレッシヴ・ロック・ファンに新たな指針を与えることだろう。本作は伝統的なプログ・ロックが、サウンドとスピリットの現代的な融合へと進化することがいかに可能であるかを決定的に実証している。新作のジャケットには、バンコのユニークなロゴ兼ブランドとなったアイコン「貯金箱」が使われている。『オルランド~愛のかたち』は2022年9月23日に全世界同時発売される。
BANCO DEL MUTUO SOCCORSO「La Pianura Rossa」(Lyric Video)
■現メンバー
ヴィットリオ・ノチェンツィ
Vittorio Nocenzi
(p/key/vo)
フィリッポ・マルケジアーニ
Filippo Marcheggiani
(g)
ニコラ・ディ・ギア
Nicola Di Già
(rhythm g)
マルコ・カポジ
Marco Capozi
(b)
ファビオ・モレスコ
Fabio Moresco
(ds)
トニー・ダレッシオ
Tony D’Alessio
(lead vo)
■バンコの歴史
バンコ(バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ)の歴史が始まったのは1969年。ヴィットリオとジャンニのノチェンツィ兄弟が当時爆発しつつあったプログレッシヴ・ロック・シーンに魅了され、インスピレーションを得たことがきっかけだった。1971年にはローマのカラカラ・ポップ・フェスティヴァルに参加し、そこで知り合ったフランチェスコ・ディ・ジャコモ(vo)を含む3人のメンバーを迎え入れ、バンコの初期陣営が完成した。
バンコの『ファースト(Banco Del Mutuo Soccorso)』は1年後の1972年にリリースされた。「安息の鎮魂曲」、「魔術師の園」、「変身」といった不朽の名曲が収録されている。同年、2作目にして初のコンセプト・アルバム『ダーウィン(Darwin!)』をリリース。アルバムはダーウィンの進化論を中心に構想と作曲が行われた。1973年の『自由への扉(Io Sono Nato Libero)』までの初期3部作は、イタリアン・プログレッシヴ・ロック黄金時代有数の創造性と影響力を持つアルバム群と考えられている。1975年には英マンティコア・レコードから初の英語盤『イタリアの輝き~バンコ登場(Banco)』をリリースし、世界デビューを果たしている。
世界的にプログレッシヴ・ロックが衰退した1980年代、バンコはポップ・フィールドに活動の場を移し、1983年にはシングル「モビー・ディック」が歴代最大のヒットとなるなど、苦悩の時代を乗り切っている。1991年には『ファースト』と『ダーウィン』を再レコーディングした『Da Qui Messere Si Domina La Valle』をリリースして復活の狼煙を上げ、以降現在までイタリアン・ロック界における不動の地位を確立している。2014年2月にフランチェスコ・ディ・ジャコモが自動車事故のため他界し、2015年7月にはリーダーのヴィットリオ・ノチェンツィが脳出血で倒れ、さらに同年10月にはロドルフォ・マルテーゼ(g)が病死するなどの不幸な出来事がバンドを襲っている。
2017年には新たなメンバー構成による新生バンコとして活動を再開。メンバーはヴィットリオ・ノチェンツィ(kbd)、フィリッポ・マルケッジャーニ(g)、ニコラ・ディ・ジャー(g)、マルコ・カポジ(b)、ファビオ・モレスコ(ds)、トニー・ダレッシオ(vo)という6人編成となった。この新しいラインナップによる25年ぶりのアルバム『トランシベリアーナ~シベリア横断、人生の旅路』を2019年にリリースし、完全復活を果たしている。そしてこの作品よりも前から着手されていたプログレッシヴ・ロック・オペラ大作『オルランド~愛のかたち』がようやく完成し、2022年9月23日に世界同時発売される。
●バンコ日本公式サイト https://www.sonymusic.co.jp/artist/Banco/