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『毎木7ライヴ・フィルム・フェス』11/2 The Street Sliders『天国と地獄 LIVE AT BUDOKAN 1987』上映 ダイアモンド☆ユカイ トークショー(新宿バルト9)の模様をレポート!
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毎木7ライヴ・フィルム・フェスティヴァル2023
ライヴに拘ったEPICレーベルからこれまで発表された80~90年代の珠玉のライヴ・フィルム7作品を全国19都市24カ所の映画館にて、9月21日(木)より毎週木曜よる7時から7週連続一夜限定上映するイベント『EPIC レコード創立45周年記念 毎木7ライヴ・フィルム・フェスティヴァル2023 -THE LIVE IS ALIVE!-』。その最終回/第七弾・The Street Sliders『天国と地獄 LIVE AT BUDOKAN 1987』新宿バルト9での上映にて行われたダイアモンド☆ユカイ トークショーのレポートをお届けします。
HOUND DOGや尾崎豊といった人気アーティストが所属していた当時のマザーにあっても、スライダーズはとりわけ強いスタッフ愛に守られていると感じていたユカイは、そんな彼らが「羨ましかった」とも語った。
EPICレーベル創立45周年記念上映企画第2弾として9月にスタートした「毎木7ライヴ・フィルム・フェスティバル2023」。その名の通り毎週木曜日に上映を重ねて7週目となる今回は、デビュー40周年を迎えた今年、23年ぶりに再集結したThe Street Slidersが1987年1月に行った初めての武道館公演を完全収録した『天国と地獄LIVE AT BUDOKAN 1987』を全国各地の映画館で上映。この武道館公演の演奏は、これまでは10曲入りライヴ・アルバム『THE LIVE!〜HEAVEN AND HELL〜』で聴くことしかできなかったが、今年5月に全21曲を収めた完全版がBlu-rayとCDから成る4枚組作品としてリリースされたばかりだ。
東京・新宿のバルト9では上映前に、この公演でオープニング・アクトを務めたRED WARRIORSからダイアモンド☆ユカイが登壇。進行役の音楽ライター、池上尚志とのトークは、両バンドが所属していた事務所「マザーエンタープライズ」の当時の様子やそのなかでの両バンドの関係性を振り返ることからスタート。ロックを標榜しながらも歌謡曲の要素が色濃いアーティストが多かった当時のシーンにあって、ブルースに根差したロックンロールを追求するスライダーズが同じ事務所だったことは「心強かった」と言うユカイ。「特に、スライダーズはもう出来上がってたから。アート・ワークから話し方まで美意識が完璧だった」。加えて、HOUND DOGや尾崎豊といった人気アーティストが所属していた当時のマザーにあっても、スライダーズはとりわけ強いスタッフ愛に守られていると感じていたユカイは、そんな彼らが「羨ましかった」とも語った。
ちなみに、RED WARRIORSにとっても初体験だった武道館のステージの記憶はあまり憶えていないそうだが、「それよりも、ギターのshakeが転んで照明を壊しちゃって、怒られたんだよね(笑)。美意識が完璧なスライダーズだから、もちろん照明のセッティングも完璧なんだけど、この映像をよく見たら、どこをやっちゃったかわかるよ」
そんな裏話を明かしてくれたからには“どこをやっちゃったか見つけてやろう”と身構えたが、そんなことは2本のマイクが画面に映し出され、その手前のマイクに向かってフレイムインしてきた村越弘明が「ハロー!」と叫び、その向こうのマイクに立った土屋公平とともに♪TOKYO JUNK♪と歌い始めた時点であっさり忘れてしまった。
明確に意図を感じさせるカットを積み重ね、しかし無闇にカット割りすることなく演奏の勘所に的確に反応して展開する映像は文字通りバンドのグルーヴを視覚化し、現場の興奮の渦に観る者を引き込んでいく。36年前に収録されたこの映像が伝えているのは、時代に身を寄せる者はその時代の移り変わりとともに古びてしまうが、何の寄る辺も求めないしなやかにして強靭な彼らのロックンロールはするりと時代をスライドしているという事実だ。おそらく、これから同じだけの時間が経った後で観ても、その印象は変わらないだろう。
真にタフな音楽と、その核心を映像化した名作に魅了された、「毎木」ラスト・デイだった。
文:兼田達矢 撮影:山本佳代子
ザ・ストリート・スライダーズの最新情報はこちら
https://tss40th.com/
↑↑↑↑『毎木7ライヴ・フィルム・フェスティヴァル2023』スペシャルサイトはこちら↑↑↑↑
HOUND DOGや尾崎豊といった人気アーティストが所属していた当時のマザーにあっても、スライダーズはとりわけ強いスタッフ愛に守られていると感じていたユカイは、そんな彼らが「羨ましかった」とも語った。
EPICレーベル創立45周年記念上映企画第2弾として9月にスタートした「毎木7ライヴ・フィルム・フェスティバル2023」。その名の通り毎週木曜日に上映を重ねて7週目となる今回は、デビュー40周年を迎えた今年、23年ぶりに再集結したThe Street Slidersが1987年1月に行った初めての武道館公演を完全収録した『天国と地獄LIVE AT BUDOKAN 1987』を全国各地の映画館で上映。この武道館公演の演奏は、これまでは10曲入りライヴ・アルバム『THE LIVE!〜HEAVEN AND HELL〜』で聴くことしかできなかったが、今年5月に全21曲を収めた完全版がBlu-rayとCDから成る4枚組作品としてリリースされたばかりだ。
東京・新宿のバルト9では上映前に、この公演でオープニング・アクトを務めたRED WARRIORSからダイアモンド☆ユカイが登壇。進行役の音楽ライター、池上尚志とのトークは、両バンドが所属していた事務所「マザーエンタープライズ」の当時の様子やそのなかでの両バンドの関係性を振り返ることからスタート。ロックを標榜しながらも歌謡曲の要素が色濃いアーティストが多かった当時のシーンにあって、ブルースに根差したロックンロールを追求するスライダーズが同じ事務所だったことは「心強かった」と言うユカイ。「特に、スライダーズはもう出来上がってたから。アート・ワークから話し方まで美意識が完璧だった」。加えて、HOUND DOGや尾崎豊といった人気アーティストが所属していた当時のマザーにあっても、スライダーズはとりわけ強いスタッフ愛に守られていると感じていたユカイは、そんな彼らが「羨ましかった」とも語った。
ちなみに、RED WARRIORSにとっても初体験だった武道館のステージの記憶はあまり憶えていないそうだが、「それよりも、ギターのshakeが転んで照明を壊しちゃって、怒られたんだよね(笑)。美意識が完璧なスライダーズだから、もちろん照明のセッティングも完璧なんだけど、この映像をよく見たら、どこをやっちゃったかわかるよ」
そんな裏話を明かしてくれたからには“どこをやっちゃったか見つけてやろう”と身構えたが、そんなことは2本のマイクが画面に映し出され、その手前のマイクに向かってフレイムインしてきた村越弘明が「ハロー!」と叫び、その向こうのマイクに立った土屋公平とともに♪TOKYO JUNK♪と歌い始めた時点であっさり忘れてしまった。
明確に意図を感じさせるカットを積み重ね、しかし無闇にカット割りすることなく演奏の勘所に的確に反応して展開する映像は文字通りバンドのグルーヴを視覚化し、現場の興奮の渦に観る者を引き込んでいく。36年前に収録されたこの映像が伝えているのは、時代に身を寄せる者はその時代の移り変わりとともに古びてしまうが、何の寄る辺も求めないしなやかにして強靭な彼らのロックンロールはするりと時代をスライドしているという事実だ。おそらく、これから同じだけの時間が経った後で観ても、その印象は変わらないだろう。
真にタフな音楽と、その核心を映像化した名作に魅了された、「毎木」ラスト・デイだった。
文:兼田達矢 撮影:山本佳代子
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