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『毎木7ライヴ・フィルム・フェス』10/26渡辺美里『misato born IV 愛と感動の超青春ライブ』上映 ビビる大木登壇トークショー(新宿バルト9)の模様をレポート!
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毎木7ライヴ・フィルム・フェスティヴァル2023

 ライヴに拘ったEPICレーベルからこれまで発表された80~90年代の珠玉のライヴ・フィルム7作品を全国19都市24カ所の映画館にて、9月21日(木)より毎週木曜よる7時から7週連続一夜限定上映するイベント『EPIC レコード創立45周年記念 毎木7ライヴ・フィルム・フェスティヴァル2023 -THE LIVE IS ALIVE!-』。その第六弾・渡辺美里『misato born IV 愛と感動の超青春ライブ』新宿バルト9での上映にて行われたビビる大木トークショーのレポートをお届けします。



僕は女子に「貸して」って言われたくて『Flower bed』を買った、みたいなところがありました。どうにかしてモテたいと思ってましたから。貸し借り込みで青春です。過ごし方が一緒、音楽で繋がれるっていいですよね。(大木)

 EPICレーベル創立45周年記念上映企画第2弾として9月21日の木曜日にスタートした『毎木7ライヴ・フィルム・フェスティバル2023』。6週目は、渡辺美里が1989年11月30日に開催した初の東京ドーム公演「live SUPER Flower bed BALL '89−史上最大の学園祭−」の映像に、美里が「青春のバカヤロー!雨のバカヤロー!」と絶叫した嵐の西武ライオンズ球場公演「live SUPER Flower bed BALL '89」をインサートしたライヴ・フィルム『misato born IV 愛と感動の超青春ライブ』を全国各地の映画館で上映。東京・新宿バルト9では、渡辺美里の大ファンだと語るビビる大木が、「Boys kiss Girls」をBGMに登壇。ファンと同じ目線で語る大木の美里愛は、共感の嵐を呼んだ。

「CDデッキが家に来てから音楽自体をよく聴くようになった」という大木が、最初に買ったCDが渡辺美里の『ribbon』(1988年)だったと言う。「美里さんを好きになったことをきっかけに、聴く音楽の幅が広がった」と語る進行役の雑誌「Player」元編集長、北村和孝も大木と同世代。『ribbon』の一曲目を飾る「センチメンタル カンガルー」が本人出演のUCC缶コーヒーのCMソングだった話から、「雑誌の広告の写真を切り抜いていた」と大木が語ると、「同じことしてる〜! かわいかった〜!」と共感。二人ともデレデレ顔だ。続いて、青春期にどっぷりはまった美里の歌の世界と、大人になった今の生活がマッチしてきたと言う大木。「夏になると第三京浜を走りながら「サマータイム ブルース」を聴くっていう、僕の恒例イベントが始まるんですよ」と語ると、観客たちも満面の笑みを浮かべて大きく頷いた。



 今回のフィルム『misato born IV 愛と感動の超青春ライブ』は、“リベンジ”がテーマ。大雨のため、泣く泣く中断せざるをえなかった西武球場公演がベースになって、初の東京ドーム公演へと繋がる。その一連のストーリーが感動を呼ぶ作品だ。「当時の西武球場には行ってなかったので、今日見るのが楽しみです」としながら、大木自身が観に行った西武ドーム公演の思い出も語ってくれた。「美里さんの20回目の最後の西武ドーム(2005年)のことですよ。先程入場の時にかけてもらった「Boys kiss Girls」が僕は一番好きな曲なんですけど、それがメドレーの1曲目だったんです。フルで聴けなかったんですよ」「その後ご挨拶に行って、『美里さん、メドレーはないじゃないですか!』ってクレームを入れました」と熱弁を奮い、会場は大爆笑。「思い入れのある曲って特別なものじゃないですか。冷静に考えると理解できますけど、よく言いましたね」と、北村も驚いた表情を見せた。



 同世代の二人が目尻を下げて「かわいい」と言い合う渡辺美里は、同じ時代を共有できる存在だった。サブスクやYouTubeで聴ける現代は、音楽に対しても自己完結できる時代。だけど、大木が青春期を過ごした時代は、CDの貸し借りで関係性を築くことができる時代だった。「中学の時、クラスの女子から『美里貸してよ』っていうやり取りがあったんですよ。青春ですよね。僕は女子に『貸して』って言われたくて『Flower bed』(1989年)を買った、みたいなところがありました。どうにかしてモテたいと思ってましたから。貸し借り込みで青春です。過ごし方が一緒、音楽で繋がれるっていいですよね」と、会場にいる同士たちに語りかけた。スクリーンの中の渡辺美里は、デビュー4年目の23歳。まさに青春真っ盛り。泣いたり笑ったりする感情豊かな表情と、パワフルな歌声に魅了されっぱなしの70分だった。

文:大窪由香 撮影:山本佳代子




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