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『毎木7ライヴ・フィルム・フェス』9/28『See Far Miles Tour Part II Live at Yokohama Arena 1993』上映 田中裕二(爆笑問題)&佐野元春登壇トークショー(新宿バルト9)の模様をレポート!
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毎木7ライヴ・フィルム・フェスティヴァル2023
ライヴに拘ったEPICレーベルからこれまで発表された80~90年代の珠玉のライヴ・フィルム7作品を全国19都市24カ所の映画館にて、9月21日(木)より毎週木曜よる7時から7週連続一夜限定上映するイベント『EPIC レコード創立45周年記念 毎木7ライヴ・フィルム・フェスティヴァル2023 -THE LIVE IS ALIVE!-』。その第二弾・佐野元春『See Far Miles Tour Part II Live at Yokohama Arena 1993』新宿バルト9での上映にて行われた田中裕二(爆笑問題)&佐野元春トークショーのレポートをお届けします。
トーク・イベントで佐野が「僕もバンドもがんばりました」と語ったステージが、こんな大画面で、こんなリアルで熱い音響で楽しめることこそが凄い、と言うべきだろう。
EPICレーベル創立45周年記念上映企画第2弾として先週木曜日にスタートした「毎木7ライヴ・フィルム・フェスティバル2023」。2週目のこの日は、佐野元春1993年のライヴを収めた『See Far Miles Tour Part II Live at Yokohama Arena 1993』が全国各地の映画館で上映され、東京・新宿の新宿バルト9では上映前に、佐野の大ファンで知られる爆笑問題の田中裕二、そして佐野元春本人が登壇してスペシャル・トークを展開した。
『See Far Miles Tour Part II Live at Yokohama Arena 1993』は、佐野が1992年に発表したアルバム『SWEET 16』を携えて行ったツアーのファイナル公演を収めたもので、デビュー当初からともに活動してきたバンド、THE HEARTLANDとのライブ・パフォーマンスの一つのピークを捉えた映像作品としてファンの間では知られているが、93年にリリースされたそのパッケージ作品に8曲が追加され、さらには最新デジタル・リマスタリングを施したアップ・コンバート版での上映だ。
この映像作品が収録された90年代前半は、1981年にアメリカでMTVが開局したことに端を発する音楽映像へのニーズの高まりや、80年代後半のバンド・ブームの影響で日本の音楽シーンでもライヴ映像の収録機会が増え、そのなかでEPICレーベルの映像制作をリードした坂西伊作をはじめ、林渉や翁長裕ら気鋭の映像作家が意欲的に作品を相次いで発表。この『See Far Miles Tour Part II Live at Yokohama Arena 1993』にはカメラマンとして参加している井出情児や、矢沢永吉、尾崎豊らの作品で知られる佐藤輝らの、ひと世代上の成果も踏まえながら新しい音楽ライヴ映像の可能性を広げていった時期だ。翁長や林は、坂西の作品やお互いの作品にもカメラマンとして参加してセンスをぶつけ合い、文字通り切磋琢磨しながら数々の名作を生み出していったが、特にこの90年代前半の時期にはアーティストの敢えて後ろ姿を収めたカットを効果的に使うことで、そのアーティスト独自の音楽性、そしてアーティスト自身の存在感を表現することを競い合っていたと言われる。それを踏まえてこの作品を見ると、オープニングのバンドの演奏が始まったのを聴きながら、舞台袖でステージに出ていくタイミングを待ちきれない様子の佐野の後ろ姿からの、ステージのセンターに立つスタンド・マイクに飛び込むように走り寄って1曲目を歌い始める佐野の表情で、ある意味では最初のクライマックスを迎える。ライヴに出かけて最初の音を聴いた瞬間に、その夜が特別な時間になることを直感するのと同じ感覚に捉われるからだ。ディレクターの川崎幹雄は坂西の薫陶を受けた直系のEPIC映像制作スタッフ。イズムは引き継がれているとも言えるが、単純に1曲目からすごいライブ・パフォーマンスが展開されているということか。トーク・イベントで佐野が「僕もバンドもがんばりました」と語ったステージが、こんな大画面で、こんなリアルで熱い音響で楽しめることこそが凄い、と言うべきだろう。
こんな上映が続くなんて、いよいよ毎週木曜日の夜は熱くなっていきそうだ。
文:兼田達矢 撮影:山本佳代子
↑↑↑↑『毎木7ライヴ・フィルム・フェスティヴァル2023』スペシャルサイトはこちら↑↑↑↑
トーク・イベントで佐野が「僕もバンドもがんばりました」と語ったステージが、こんな大画面で、こんなリアルで熱い音響で楽しめることこそが凄い、と言うべきだろう。
EPICレーベル創立45周年記念上映企画第2弾として先週木曜日にスタートした「毎木7ライヴ・フィルム・フェスティバル2023」。2週目のこの日は、佐野元春1993年のライヴを収めた『See Far Miles Tour Part II Live at Yokohama Arena 1993』が全国各地の映画館で上映され、東京・新宿の新宿バルト9では上映前に、佐野の大ファンで知られる爆笑問題の田中裕二、そして佐野元春本人が登壇してスペシャル・トークを展開した。
『See Far Miles Tour Part II Live at Yokohama Arena 1993』は、佐野が1992年に発表したアルバム『SWEET 16』を携えて行ったツアーのファイナル公演を収めたもので、デビュー当初からともに活動してきたバンド、THE HEARTLANDとのライブ・パフォーマンスの一つのピークを捉えた映像作品としてファンの間では知られているが、93年にリリースされたそのパッケージ作品に8曲が追加され、さらには最新デジタル・リマスタリングを施したアップ・コンバート版での上映だ。
この映像作品が収録された90年代前半は、1981年にアメリカでMTVが開局したことに端を発する音楽映像へのニーズの高まりや、80年代後半のバンド・ブームの影響で日本の音楽シーンでもライヴ映像の収録機会が増え、そのなかでEPICレーベルの映像制作をリードした坂西伊作をはじめ、林渉や翁長裕ら気鋭の映像作家が意欲的に作品を相次いで発表。この『See Far Miles Tour Part II Live at Yokohama Arena 1993』にはカメラマンとして参加している井出情児や、矢沢永吉、尾崎豊らの作品で知られる佐藤輝らの、ひと世代上の成果も踏まえながら新しい音楽ライヴ映像の可能性を広げていった時期だ。翁長や林は、坂西の作品やお互いの作品にもカメラマンとして参加してセンスをぶつけ合い、文字通り切磋琢磨しながら数々の名作を生み出していったが、特にこの90年代前半の時期にはアーティストの敢えて後ろ姿を収めたカットを効果的に使うことで、そのアーティスト独自の音楽性、そしてアーティスト自身の存在感を表現することを競い合っていたと言われる。それを踏まえてこの作品を見ると、オープニングのバンドの演奏が始まったのを聴きながら、舞台袖でステージに出ていくタイミングを待ちきれない様子の佐野の後ろ姿からの、ステージのセンターに立つスタンド・マイクに飛び込むように走り寄って1曲目を歌い始める佐野の表情で、ある意味では最初のクライマックスを迎える。ライヴに出かけて最初の音を聴いた瞬間に、その夜が特別な時間になることを直感するのと同じ感覚に捉われるからだ。ディレクターの川崎幹雄は坂西の薫陶を受けた直系のEPIC映像制作スタッフ。イズムは引き継がれているとも言えるが、単純に1曲目からすごいライブ・パフォーマンスが展開されているということか。トーク・イベントで佐野が「僕もバンドもがんばりました」と語ったステージが、こんな大画面で、こんなリアルで熱い音響で楽しめることこそが凄い、と言うべきだろう。
こんな上映が続くなんて、いよいよ毎週木曜日の夜は熱くなっていきそうだ。
文:兼田達矢 撮影:山本佳代子
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