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落語立川流の新鋭による、伝統と革新が響き合う初CD集。
落語立川流の新鋭による、伝統と革新が響き合う初CD集。
新作落語で注目を集め、コント好きのお笑いファンからの人気も高い立川吉笑。
NHK新人落語大賞をはじめとし数多くの落語コンテストで大賞を受賞し、2025年6月には真打昇進することも決定。
「次世代の落語家」として注目され、さらなる飛躍が期待される新進気鋭の若手噺家です。
本作は、落語家人生はじまりの地である高円寺で2024年に収録した代表作6席を収録。
高円寺で撮り下ろした写真と本人による演目解説、師匠である立川談笑からのエールを掲載したブックレット付き。
落語立川流の新鋭、落語の未来を担う噺家の渾身の初CDを、どうぞお楽しみください。
◆レコメンド from 街裏ぴんく◆
「ぷるぷる」
アホすぎて最高です!! ぷるぷる男はぷるぷる状態になったことに大した絶望を感じていない様子で、ぷるぷるぷるぷる! と饒舌に恋愛相談をしたりする。どうやら本物の「アホ」のようだ。吉笑さんの演じ方でそのアホさに拍車が掛かりちょっと可愛さすら感じてくる。そしてアホも一線を越えると「恐怖」に変わるということを最後の最後に親方が証明してくれた。この雲一つない晴天のようなカラッとした狂気はどうやって生み出せるものなんだろうか。「一人相撲」
街裏ぴんく(漫談家)
いやヤバい奴しかおらんやんけ! 聞く奴、走らせる奴、走る奴。「江戸まで走らせる」という衝撃の事実に面食らう暇もなく話はどんどん歪んでく。さらには「足速い奴、頭悪い」という大偏見、「到着遅いほど話術上がる」という怖い道理が、まるで当然かのように納得させにかかってきて頭がどうにかなりそうで、どこまでもこの世界について行きたくなりました! やがて最後の一人が説明し始めたところで到着したのは世界の向こう岸!落語が無限なのか、立川吉笑が無限なのか。
◆レコメンド from Aマッソ加納◆
「だんさんのゾーンはどてらいで」
Aマッソ加納(芸人)
奉公に来た若者に、先輩が「仕事に集中しすぎた主⼈」をこう説明する。
初めて「ぞおん」をYouTubeで観た時、この⼀⾔で爆笑した。
そしてここに⽴川吉笑の魅⼒が詰まっている気がする。
彼の秀でた⾔語感覚で江⼾と現在が愉快に交差し、創作落語の花⽕が「バーン!」と打ち上がっているように感じたのだ。
もちろんこの「バーン!」はゾーンに⼊っているか否かで聞こえ⽅が違う。
どんな演芸も、⽣で観る良さに敵うものはない。
しかしどんな形になろうと、担い⼿が諦めないでいてくれたからこそ届くものがある。
CDでも。動画でも。
落語の歴史なんてわからない。
しかしこういった⾯⽩い創作に触れ、「なんか落語これからも続いていきそ〜〜!」とスマホ画⾯を⾒ながら勝⼿にワクワクしたことも、事実なのである。
◆レコメンド from 水野良樹◆
伝統を受け継ぎ、革新を担う。
水野良樹(いきものがかり、HIROBA)
でも、逆説的だけれど、
このひとには、過去も未来もないのだと思う。
立川吉笑が身を置くのは、消えては現れる、うたかたの今のみだ。
彼が受け継ぐ“伝統”は博物館に並んだ、死んだ過去だろうか。
彼が担う“革新”は余ったるい夢物語としての、空虚な未来だろうか。
否。いやいや、違うだろう。冗談じゃない。
立川吉笑は、落語を“今”として語るのではないか。
落語を“今”として生かすのではないか。
今、今、今。
これまでだって常に脈々と、落語は蠢くように生きてきた。
先達がつないできたその呼吸に
なかば溺れながら身を委ねて
このひとは、伝統と革新の渦の中で、踊るのだと思う。
立川吉笑『落語傑作選 2010-2024』
2024年11月6日発売
品番:MHCL-3100~1
価格:¥3,600(税込)
《収録演目》
DISC.1
1. ぷるぷる(20:30)
2. ぞおん(18:50)
3. くじ悲喜(34:21)
DISC.2
4. 一人相撲(21:16)
5. 狸の恩返しすぎ(13:58)
6. 床女坊(22:36)
収録/2024年5月6日「吉笑祭」(座・高円寺2)
立川吉笑(たてかわきっしょう)
落語家。1984年生まれ。京都市出身。立川談笑門下一番弟子。2010年11月6日、立川談笑に入門。わずか1年5ヵ月のスピードで二ツ目に昇進。
2022年11月、落語立川流としては17年ぶりとなるNHK新人落語大賞を50点満点で受賞。
2023年7月~11月、銀座博品館劇場で5ヶ月連続『立川吉笑 真打トライアル』を開催。
(ゲスト:7月立川志の輔、8月春風亭昇太、9月春風亭一之輔、10月三遊亭白鳥、11月立川談春)
2025年6月、『一般社団法人 落語立川流』発足後、初の真打に昇進予定。
古典落語的世界観の中で、現代的なコントやギャグ漫画に近い笑いの感覚を表現する『擬古典〈ギコテン〉』という手法を得意とする。
春風亭昇々・瀧川鯉八・玉川太福が所属する創作話芸ユニット『ソーゾーシー』のメンバー。
Photo:三嶋義秀(Styrism inc.)、武藤奈緒美、橘蓮二
Art Direction & Design:羽角聡子(サトリデザイン)
Illustration:西村友宏(STUDIO IDU)
Production Cooperation:齋藤 慧(のんき計画)、座・高円寺、高円寺銀座商店会協同組合
Special Thanks:
幽体コミュニケーションズ、太田ヒロシ(ヒダリ)、写真BAR白&黒、高円寺純情商店街の皆様
瀧川鯉八(名司会)、立川笑王丸、藤井昌志