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立川吉笑『落語傑作選 2010-2024』2024年11月6日発売!!
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落語立川流の新鋭による、伝統と革新が響き合う初CD集。




落語立川流の新鋭による、伝統と革新が響き合う初CD集。


新作落語で注目を集め、コント好きのお笑いファンからの人気も高い立川吉笑。
NHK新人落語大賞をはじめとし数多くの落語コンテストで大賞を受賞し、2025年6月には真打昇進することも決定。
「次世代の落語家」として注目され、さらなる飛躍が期待される新進気鋭の若手噺家です。
本作は、落語家人生はじまりの地である高円寺で2024年に収録した代表作6席を収録。
高円寺で撮り下ろした写真と本人による演目解説、師匠である立川談笑からのエールを掲載したブックレット付き。
落語立川流の新鋭、落語の未来を担う噺家の渾身の初CDを、どうぞお楽しみください。




  • レコメンド from アフロ◆


    日本全国から若いバンドマンが集う、高円寺の地下。
    誰の胸にも夢が張り付けてあって、互いにそれを語り合い、肩を抱き、励まし合う。
    しかし同時に思う。
    俺だけが特別なんだ、と。
    その願いが音像に、言葉に、咆哮に変わり、アンダーグラウンドに射す微かな光を懸けてしのぎを削る。
    先に地上に摘み上げられた奴らはもう戻らない。
    全身を世の中に晒されて、自分の正体を知ってしまった奴から田舎に帰るらしい。
    俺は何者なのか、それがわからないことが不安で、何よりも救いだったあの頃。
    これはまた、別のクジ箱の中の話だ。

    アフロ(MOROHA)


  • レコメンド from 上田 誠◆


    吉笑さんの創作落語「床女坊」がとにかくすごい。
    僕にとって落語は敷居が高く、吉笑さんはそこをバリアフリーで迎えてくれる人なのだけど、「床女坊」はちょっと図抜けていた。
    落語と論理パズルの融合。あの川渡しクイズのやつ。
    記号としてしか存在しないはずの、ロジカルなふるまいをするあの者たちに、落語的世界の肉付けが与えられたら、それはもう抱腹絶倒システムの完成だ。
    なるほどコントよりも、口先のみにて人物を存在させられる落語の方が、論理パズルとずいぶん相性がいいのだった。
    そもそも落語と「屁理屈」って切っても切れないし。
    なんて思っていたら条件はばかばかしく増え、場合分けのノードはひたすら数学的に忠実にいや増し、そのしち面倒くさい分岐のルートを吉笑さんのよく回る舌がソニック・ザ・ヘッジホッグのごとく駆け抜けていく。
    向こう岸のその向こうまで音速で連れていかれるかと思いきや、きっちりサゲられ、気づけば元の場所でした。

    上田 誠(ヨーロッパ企画)


  • レコメンド from 水野良樹◆


    伝統を受け継ぎ、革新を担う。
    でも、逆説的だけれど、
    このひとには、過去も未来もないのだと思う。
    立川吉笑が身を置くのは、消えては現れる、うたかたの今のみだ。
    彼が受け継ぐ“伝統”は博物館に並んだ、死んだ過去だろうか。
    彼が担う“革新”は余ったるい夢物語としての、空虚な未来だろうか。
    否。いやいや、違うだろう。冗談じゃない。
    立川吉笑は、落語を“今”として語るのではないか。
    落語を“今”として生かすのではないか。
    今、今、今。
    これまでだって常に脈々と、落語は蠢くように生きてきた。
    先達がつないできたその呼吸に
    なかば溺れながら身を委ねて
    このひとは、伝統と革新の渦の中で、踊るのだと思う。

    水野良樹(いきものがかり、HIROBA)


  • レコメンド from 街裏ぴんく◆


    「ぷるぷる」
    アホすぎて最高です!! ぷるぷる男はぷるぷる状態になったことに大した絶望を感じていない様子で、ぷるぷるぷるぷる! と饒舌に恋愛相談をしたりする。どうやら本物の「アホ」のようだ。吉笑さんの演じ方でそのアホさに拍車が掛かりちょっと可愛さすら感じてくる。そしてアホも一線を越えると「恐怖」に変わるということを最後の最後に親方が証明してくれた。この雲一つない晴天のようなカラッとした狂気はどうやって生み出せるものなんだろうか。

    「一人相撲」
    いやヤバい奴しかおらんやんけ! 聞く奴、走らせる奴、走る奴。「江戸まで走らせる」という衝撃の事実に面食らう暇もなく話はどんどん歪んでく。さらには「足速い奴、頭悪い」という大偏見、「到着遅いほど話術上がる」という怖い道理が、まるで当然かのように納得させにかかってきて頭がどうにかなりそうで、どこまでもこの世界について行きたくなりました! やがて最後の一人が説明し始めたところで到着したのは世界の向こう岸!落語が無限なのか、立川吉笑が無限なのか。

    街裏ぴんく(漫談家)


  • レコメンド from Aマッソ加納◆


    「だんさんのゾーンはどてらいで」
    奉公に来た若者に、先輩が「仕事に集中しすぎた主⼈」をこう説明する。
    初めて「ぞおん」をYouTubeで観た時、この⼀⾔で爆笑した。
    そしてここに⽴川吉笑の魅⼒が詰まっている気がする。
    彼の秀でた⾔語感覚で江⼾と現在が愉快に交差し、創作落語の花⽕が「バーン!」と打ち上がっているように感じたのだ。
    もちろんこの「バーン!」はゾーンに⼊っているか否かで聞こえ⽅が違う。
    どんな演芸も、⽣で観る良さに敵うものはない。
    しかしどんな形になろうと、担い⼿が諦めないでいてくれたからこそ届くものがある。
    CDでも。動画でも。
    落語の歴史なんてわからない。
    しかしこういった⾯⽩い創作に触れ、「なんか落語これからも続いていきそ〜〜!」とスマホ画⾯を⾒ながら勝⼿にワクワクしたことも、事実なのである。

    Aマッソ加納(芸人)


立川吉笑『落語傑作選 2010-2024』

2024年11月6日発売

品番:MHCL-3100~1
価格:¥3,600(税込)

《収録演目》

DISC.1

1. ぷるぷる(20:30)
2. ぞおん(18:50)
3. くじ悲喜(34:21)

DISC.2

4. 一人相撲(21:16)
5. 狸の恩返しすぎ(13:58)
6. 床女坊(22:36)

収録/2024年5月6日「吉笑祭」(座・高円寺2)


立川吉笑(たてかわきっしょう)

落語家。1984年生まれ。京都市出身。立川談笑門下一番弟子。
2010年11月6日、立川談笑に入門。わずか1年5ヵ月のスピードで二ツ目に昇進。
2022年11月、落語立川流としては17年ぶりとなるNHK新人落語大賞を50点満点で受賞。
2023年7月~11月、銀座博品館劇場で5ヶ月連続『立川吉笑 真打トライアル』を開催。
(ゲスト:7月立川志の輔、8月春風亭昇太、9月春風亭一之輔、10月三遊亭白鳥、11月立川談春)
2025年6月、『一般社団法人 落語立川流』発足後、初の真打に昇進予定。
古典落語的世界観の中で、現代的なコントやギャグ漫画に近い笑いの感覚を表現する『擬古典〈ギコテン〉』という手法を得意とする。
春風亭昇々・瀧川鯉八・玉川太福が所属する創作話芸ユニット『ソーゾーシー』のメンバー。

Photo:三嶋義秀(Styrism inc.)、武藤奈緒美、橘蓮二
Art Direction & Design:羽角聡子(サトリデザイン)
Illustration:西村友宏(STUDIO IDU)
Production Cooperation:齋藤 慧(のんき計画)、座・高円寺、高円寺銀座商店会協同組合
Special Thanks:
幽体コミュニケーションズ、太田ヒロシ(ヒダリ)、写真BAR白&黒、高円寺純情商店街の皆様
瀧川鯉八(名司会)、立川笑王丸、藤井昌志