ボブ・ディランのレコード・デビュー60周年を記念した日本独自企画は、カッティングからプレスまで自社一貫生産のアナログレコードだ。1971年発売、全米最高14位を記録したベスト・アルバム第二集は、'63年以降に発表された歌の中から代表曲とヒット曲をLP2枚組まとめたもの。フォークシンガーとして脚光を浴びるようになったディランはその音楽スタイルを柔軟に革新的に目まぐるしく変遷させロックミュージックに多大な影響を与えて芳醇なものにしていったが、そんな経過を俯瞰できる内容だ。海賊盤でその存在が知られていたが公式には未発表だった5曲やシングルのみで発売された曲を始めとして全21曲を収め、単なるベストとは異なるアルバムとしてロングセラーを続けている。バングラデシュ・コンサートで撮影された、ディランのアイコン足りうる印象的なジャケットも素晴らしい。