ソニー自社一貫生産アナログレコード、ボブ・ディランの第2弾は1963年発表のセカンド・アルバムで、全米チャートでは22位だったものの、全英1位を獲得した出世作だ。公民権運動や反戦運動を通じて広く歌われ、ディランの名を一躍世界に知らしめるきっかけとなったプロテスト・ソングA-①「風に吹かれて」やA-⑥「はげしい雨が降る」。社会性のあるこうした歌は当時の恋人スーズ・ロトロの影響があったようで、彼女の姿はアルバム・ジャケットに登場するばかりでなく何曲かのラヴ・ソングの中にも見え隠れする。アイルランド民謡をアレンジしたA-②「北国の少女」など、どの歌においても豊かなストーリーを紡ぎ出し、詩人としての才能を開花。フォーク時代の傑作にして、ディランの代表作の一枚である。