1975年、アメリカ東部とカナダの小さな会場を中心にライヴ告知を殆どせずに回ったローリング・サンダー・レビュー第一期のツアーを記録した限定のBOXセット。当時はアメリカ建国200年で国内に祝賀ムードが漂う中、アメリカの再発見と巨大化するロックビジネスの軌道修正を目指し、スタートしたツアーだった。三十代半ばを迎えていたディランは『血の轍』や『欲望』等の傑作を発表し、制作におけるピークを極めていた時期で、自由、即興性、創造性、自信に溢れたパフォーマンスがここに記録されている。このレビューに参加したのはジョーン・バエズ、ロジャー・マッギン、アレン・ギンズバーグ、ミック・ロンソンらで、旅回りの一座的なツアーは撮影も同時に行われ、78年に映画『レナルド&クララ』として公開された。今作のCDの内容は、ツアー開始前のリハーサルを収めた3枚、正式録音した5公演をまとめた10枚、そしてレアな音源をコンパイルした1枚を加え全14枚組となるもので、ブートレッグ・シリーズとは異なる発掘企画となる。