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第374回 萩原健太のotonanoラジオ#257

2024/09/03 公開

優河さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

優河さんをゲストに迎えて(その1)

1.

優河

泡になっても

『Love Deluxe』

優河さんをゲストに迎えて(その1)

2.

優河

Don't Remember Me

『Love Deluxe』

優河さんをゲストに迎えて(その1)

3.

優河

Sunset

『Love Deluxe』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#257

『優河さんの歌声にインスパイア!日本の女性シンガー・ソングライターたち』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 灯火 / 優河

 優河さんをお招きした『otonanoラジオ』。9月4日リリースの新作アルバム『Love Deluxe』のこと、2018年以来活動をともにしている“魔法バンド”のこと、東名阪で行われるツアーのことなど、楽しいお話をたくさんうかがいました。

 優河さんもそうですが、日本の音楽シーンには独特の雰囲気と世界観をたたえた女性シンガー・ソングライターがひしめいていて。音楽ファンとしてはうれしい限り。というわけで、今週のプレイリストは、優河さんの歌声に触発されて、ぼくの脳裏を次々よぎった日本の女性シンガー・ソングライターたちのナンバーを思いつくままに、ほんの一部ではありますが、並べてみました。まずは優河さんから。ひとつ前のアルバム、2022年の『言葉のない夜に』にも収録されていたこのシングル・ナンバーから。テレビ・ドラマ『妻、小学生になる。』の主題歌としてもおなじみの曲です。
2. Super Me / sugar me

 シンガー・ソングライター、寺岡歩美のソロ・プロジェクト“sugar me”。今年の3月、コロナ禍での妊娠・出産を経て4年ぶりにリリースされたニュー・アルバム『SUPER ME』からそのタイトル・チューンです。
3. Movie Light / 柴田聡子

 今年の2月に出た7作目のアルバム『Your Favorite Things』より。優河とタッグを組む魔法バンドの一員でもある岡田拓郎がこちらでもプロデュース/ミックスを手がけています。
4. 狂った手 / mei ehara

 独特のベッドルーム・ポップ感覚でおなじみ、mei eharaが2017年、キセルの辻村豪文のプロデュースの下でリリースしたファースト・メジャー・アルバム『sway』からのナンバーです。
5. ゆらゆら / YeYe

 オーストラリア在住のシンガー・ソングライター、YeYeが2017年にリリースしたアルバム『MOTTAINAI』より。映画『恋とさよならとハワイ』の主題歌でした。
6. ユニコーン / 原田郁子

 クラムボンの原田郁子が2008年にリリースしたセカンド・ソロ・アルバム『ケモノと魔法』より。曲はもちろん原田さんですが、作詞は友部正人。
7. The Bell / Predawn

 シンガー・ソングライター、清水美和子のソロ・プロジェクト、Predawn。2022年、5年ぶりにリリースされたアルバム『The Gaze』からの1曲です。初期のアコースティック・ギター弾き語り系から一歩進んだアンサンブルが印象的でした。
8. 寄り道 / 角銅真実

 マリンバ、パーカッション、ギター、バンジョーなど多彩な楽器を操るマルチ・インストゥルメンタリストとして多くのサポートワークも行っている角銅真実。ソロ・パフォーマーとして通算3作目、メジャーからのデビュー作となった2020年のアルバム『oar』からのナンバーです。
9. Hank / 中村佳穂

 中村佳穂、2022年のサード・アルバム『NIA』からの先行シングルとしてリリースされたナンバー。アコギと歌声の静かなコラボレーションが新鮮でした。
10. 月明かり / カネコアヤノ

 カネコアヤノが去年リリースした6作目のフル・アルバム『タオルケットは穏やかな』より。“僕もあなたも許されてる”というフレーズが切実に耳に残ります。
11. つきひ / 浮

 ナイロン弦ギターを爪弾くシンガー・ソングライター、米山ミサのソロ・ユニット、浮(ぶい)。2020年のシングル曲です。数年後、アルバム『あかるいくらい』に収められたものとは別ヴァージョン。
12. しゅー・しゃいん / 寺尾紗穂

 ラストは寺尾紗穂の最新シングルを。間もなくリリースされる2年ぶりの新作アルバムのタイトル・チューンでもあります。

解説:萩原健太

優河さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第373回 萩原健太のotonanoラジオ#256

2024/08/27 公開

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

1.

UGUISS

きみは夜の月

『きみは夜の月』

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

3.

UGUISS

Route 16

※Live At Shibuya Club Quattro, 30th May 2024

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

3.

UGUISS

Lunch Break

※Live At Shibuya Club Quattro, 30th May 2024

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#256

『鳥の名前がバンド名についているグループ集』

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1. My Back Pages / The Byrds

 先週に引き続き再始動したUGUISSから佐橋佳幸(ギター)、冨田麗香(ヴォーカル)のお二人をお招きした『otonanoラジオ』。今週も賑やかで楽しかったですね。新曲リリース、ライヴに続いて今後のさらなる活発なバンド活動が楽しみです。というわけで、今週のプレイリスト。UGUISSにちなんで、鳥の名前がバンド名についているグループの特集です。ポップ・ミュージックの世界で“バード・グループ”というと、普通はフラミンゴスとかペンギンズとかカージナルズとかオリオールズとかクロウズとかレイヴンズとか、そういうドゥーワップ〜R&B系のバンドを指すのですが、UGUISSが目指している英米ロックの世界にもごきげんなバード・グループがいっぱいいます。今回はそういう方面のバンドを集めてみました。

 まずはずばり“鳥”をそのままストレートにバンド名に冠したこの人たち、ザ・バーズ。当時は“Beetle(カブトムシ)”を元に“Beatles”としたり、“Monkey(猿)”を元に“Monkees”としたり、動物の名前のスペルをあえて変えるのが流行していたのですが、この人たちも“Bird(鳥)”ではなく、あえて“Byrds”とスペルを変えておりました。本曲は1967年のシングル。ボブ・ディランの曲を独自のフォーク・ロック・サウンドでカヴァーしたものです。
2. Happy Hour / The Housemartins

 “Housemartin”というのはイワツバメのこと。というわけで、イギリスのインディ・ロック・バンド、ザ・ハウスマーティンズが1986年にリリースした大ヒット・シングルをどうぞ。
3. Hard To Handle / The Black Crows

 続いてはカラス。“Crow”。前述した通り、ドゥーワップの世界にはザ・クロウズというずばりのヴォーカル・グループがいますが、ロックの世界では断然この人たちが有名かな。ジョージア州アトランタで結成されたブラック・クロウズ。この曲はオーティス・レディングによるR&Bがオリジナルですが、ブラック・クロウズはそれを1990年のデビュー・アルバムでカヴァー。シングル・カットもしてリバイバル・ヒットさせました。
4. Good Time / Owl City & Carly Rae Jepsen

 “Owl(フクロウ)”の名前を自らのソロ・ポップ・プロジェクトに冠したアダム・ヤング。そんなアウル・シティがカイリー・レイ・ジェプセンと組んでリリースした2012年のポップ・ヒットです。
5. Heart Full Of Soul / The Yardbirds

 “Yardbird”というのは、ずばり鳥の名前というわけではなく、普通は囚人というか、囚われの身みたいな状態の人を表す言葉らしいのだけど、庭で飼っている鶏とかを表す場合もあるみたいなので、ここにセレクトしてみました。エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジら、いわゆる三大ギタリストが歴代在籍していたことでもおなじみのブリティッシュ・ロック・バンド、ヤードバーズ。そんな彼らが、ジェフ・ベック在籍期、1965年に放ったヒット・シングルです。
6. Mr. Jones / Counting Crows

 カラスをもうひとつ。米サンフランシスコのバンド、カウンティング・クロウズが1993年にリリースしたデビュー・シングルを。
7. Doesn't Somebody Want To Be Wanted / The Partridge Family

 アンディ・パートリッジとかイアン・パートリッジとか、音楽の世界でもちょいちょい聞く苗字の“Partridge”。これ、ヤマウズラの英語名でもあるのだとか。というわけで、パートリッジ姓の家族バンドを主人公にしたTVドラマ・シリーズ『パートリッジ・ファミリー』から生まれた1971年のヒット曲を聞いてみましょう。歌っているのは主人公、キース・パートリッジ役のデヴィッド・キャシディです。
8. Wide Open Spaces / The Chics

 かつては“ディクシー・チックス”と名乗っていた女性3人組、ザ・チックス。先日の米民主党大会でも国歌を歌ったり、大活躍してましたが。“Chick”というのは“Chicken(ニワトリ)”のこと。近年のコンプラの下ではどうなのか、よくわからないけれど、昔からいかしたおねーちゃんのことを“チック”と呼んだりもしてました。そんな彼女たちがディクシー・チックス時代、1998年に放った大ヒットを。
9. Wagon Wheel / The Old Crow Medicine Show

 さらにカラス。“Crow”って単語が入っているバンド名は思いのほか多いです。古き良きアメリカの伝統音楽であるカントリー、ブルーグラス、フォーク、ブルースなどを巧みに取り込みつつ1998年から米ナッシュヴィルを拠点に活動するオールド・クロウ・メディスン・ショーもそのひとつ。この曲はメンバーのひとり、ケッチ・シーコアがボブ・ディランが未完成のまま放っておいた曲を海賊盤で聞いて、それを補作する形で完成させたナンバーです。
10. Blue / The Jayhawks

 “Jayhawk”というのは、半分がアオカケスで半分がタカの架空の鳥のことだとか。そんな架空の生き物の名前を冠して活動するのが米ミネアポリスで結成されたザ・ジェイホークス。本曲は1995年のシングル曲です。
11. Come Saturday Morning / The Sandpipers

 “Sandpiper”はシギのこと。そんな鳥の名前をグループ名につけていたのが、メキシコ風味とかハワイのムードとか、そういう軽いエキゾチシズムを漂わせたソフトなコーラスで売ったザ・サンドパイパーズです。1969年から70年にかけてヒットしたこの曲をどうぞ。
12. The Best Of My Love / Eagles

 で、ラストはUGUISSというバンド名の直接的なインスピレーションになっているのだと思われるこの人たち、イーグルス。鷲っすね。アメリカを象徴する鳥でもあります。1975年に全米1位に輝いた名曲をお聞きください。

解説:萩原健太

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第372回 萩原健太のotonanoラジオ#255

2024/08/20 公開

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

1.

UGUISS

Sweet Revenge

『UGUISS (1983-1984) ~40th Anniversary Vinyl Edition~』

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

2.

UGUISS

きみは夜の月

『きみは夜の月』

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

3.

UGUISS

Cry Again(この指とまれ)

※Live At Shibuya Club Quattro, 30th May 2024

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#255

『古今東西!再結成バンドの“新曲”集』

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1. 無敵のヴァレリー / BARBEE BOYS

 再結成/再始動したUGUISSから、ギターの佐橋佳幸、ヴォーカルの冨田麗香、おふたりをお迎えした『otonanoラジオ』。いかがでしたか? サハシが来る回はいつも賑やかで楽しいですね。1983年にデビューを飾ったものの、思い描いたような活動を続けることができず、残念ながらアルバム1枚だけ残して翌年、解散してしまったUGUISS。そんなある種の無念を、今、40年の歳月を経て晴らすかのようにUGUISSは再結成して、ツアーして、なんと新曲までレコーディングして配信リリース。新たなヴォーカリスト、麗香さんと、強力なサポートであるDr.kyOnを加えた新体制で、これからも活動していくとのこと。楽しみですね。

 というわけで、今週のプレイリストは、いろいろあっていったんは解散したものの、時を置いて再結成して新曲をレコーディングしたバンド集。洋邦取り合わせてセレクトしてみました。まずはバービー・ボーイズ。UGUISSが解散した1984年にデビューして、1992年に解散。その後、ライヴのために何度かスペシャルな形でメンバーが再結集したことがありましたが、2019年、本格的にバンド活動を再開。29年ぶりのニュー・アルバム『PlanBee』をリリースしました。本曲はそのアルバムからの先行シングルです。
2. 神様と仲なおり / REBECCA

 レベッカも1984年デビュー組。1991年に解散。その後、1995年に阪神・淡路大震災の復興支援を目的に再結成ライブを行ったり、紅白歌合戦に出演したり、新曲をリリースしたり、機会があるごとに再結成してくれています。この曲は2000年にリリースされた再結成シングル。
3. Boys & Girls / サディスティック・ミカ・バンド

 UGUISSはオリジナル・デビュー時にヴォーカルを務めていた山根栄子さんが若くして他界してしまったこともあり、渡辺美里がスペシャル・ヴォーカリストを担当する形で再結成したり、今回のように冨田麗香が新加入したり、再結成のたびにフロントを担う“バンドの顔”が変わっていますが。それと同じパターンがサディスティック・ミカ・バンド。1972年のデビュー当初は、リーダーである加藤和彦の奥さまだったミカがヴォーカルを務めていましたが、その後、加藤夫妻が離婚したこともあり1975年に解散。1985年に松任谷由実をリード・シンガーに据え、ライヴのために“サディスティック・ユーミン・バンド”として再結成。1989年には桐島かれんをヴォーカルに再々結成。そして2006年には木村カエラをヴォーカルに再々々結成。今回は桐島かれん加入時、1989年にリリースされた再結成アルバム『天晴』からの先行シングル曲をどうぞ。
4. Can't Be Satisfied / リトル・フィート

 洋楽ものも。1969年に結成、1971年にレコード・デビュー、1979年に中心メンバーだったローウェル・ジョージの脱退〜他界によって解散してしまったリトル・フィート。が、1987年、残されたオリジナル・メンバーたちを中心に再結成。以降、メンバーチェンジを繰り返しながらも現在まで、レコーディングに、ライヴに、着実な活動を続けています。オリジナル活動期よりも再結成以降の活動のほうが長いバンドの代表です。ということで、今年リリースされた再結成後10作目のオリジナル・スタジオ・アルバム『サムズ・プレイス』より、大先輩マディ・ウォーターズのブルースのカヴァーを。
5. ザギンデビュー / ユニコーン

 1987年にデビュー、1993年に解散。2009年に再結成してアルバム『シャンブル』をリリース。以降も着実にアルバム・リリースやライヴを続けています。本曲は『シャンブル』に収められていた奥田民生作品。
6. Queer Notions / Tin Pan

 1973年に細野晴臣(ベース)、鈴木茂(ギター)、林立夫(ドラム)、松任谷正隆(キーボード)という、後の大物たち4人が結成したバンド“キャラメル・ママ”を母体に、発展的に誕生したミュージシャン集団が“ティン・パン・アレー”。その再結成プロジェクトが2000年、“Tin Pan”という名義の下で実現しました。メンバーは松任谷さん以外の、細野、鈴木、林という顔ぶれ。アルバム『Tin Pan』をリリースして、ライヴ・ツアーも行いました。このツアーには今週の番組ゲスト、佐橋佳幸も参加。バンマスを務めていました。と、そんな再結成アルバムから、矢野顕子をゲスト・ヴォーカルに迎えたこの曲をどうぞ。
7. どんまい / 米米CLUB

 1985年、レコード・デビュー。1996年、解散。2005年に再結成して、現在もライヴにレコーディングに活動を継続中。この曲は2013年にリリースされた映画主題歌です。
8. The Doctor / ドゥービー・ブラザーズ

 再び洋楽。1970年から1982年までのオリジナル活動期もメンバーチェンジを繰り返しながら音楽性をくるくる変え続けたドゥービーズですが。1987年に再結成してからも、多彩なメンバーが次々出入りを繰り返しながら、レコーディングに、ライヴに、活発に活動しています。本曲は1989年にリリースされた再結成後第一弾アルバム『サイクルズ』からのシングル・ナンバー。みんなが待ち望んでいた再結成でもあり、全米トップ10ヒットを記録しています。
9. オードレイ! / FLYING KIDS

 ぼくも審査員を務めていたバンド・オーディション番組『平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国』への出演をきっかけに、1989年、デビューを飾ったフライング・キッズ。1998年にいったん解散しましたが、2007年に再結成して今も活動中です。アルバムも定期的にリリースしていますが、本曲は今のところ最新作にあたる2020年の『そしてボクら、ファンキーになった』の収録曲。
10. ALL THE YOUNG DUEDS / LAZY

 後にラウドネスで大ブレイクすることになる高崎晃と樋口宗孝や、アニソンの第一人者、影山ヒロノブを含むラインアップで、1973年から1981年まで、“和製ベイシティ・ローラーズ”などと呼ばれつつポップな活動をしていたのがレイジー。1997年の再結成後は解散してからメンバーたちがそれぞれ追求した路線を合体させたハードなアニソンなどで大いに話題を巻き起こしました。本曲は1998年にリリースされた17年ぶりのオリジナル・アルバム『HAPPY TIME』より。彼らのルーツのひとつ、モット・ザ・フープルのレパートリーのカヴァーです。作者はデヴィッド・ボウイ。
11. トレーラー・ハウスで / 甲斐バンド

 1974年にメジャー・デビュー。1986年に解散。1996年以降、何度かの再結成〜活動休止を経て、結成35周年にあたる2009年からは現在までバンドとしても活動を継続中です。本曲は1999年にリリースされたシングル。
12. Hole In The World / イーグルス

 最後は洋楽で。1971年にデビューして、大ヒットを連発したものの、中心メンバーのグレン・フライとドン・ヘンリーの不仲がピークを迎えた1980年に活動停止したイーグルス。1982年に正式に解散しました。その後、1994年に再結成。アルバムを出したり、ワールド・ツアーを行ったり。2016年にグレン・フライが他界してからも息子のディーコンが後を引き継ぎ活動を続けてきました。が、そのディーコンも2022年に脱退を発表。現在展開中の“ザ・ロング・グッドバイ・ツアー”を最後に解散すると言われています。本曲はそんな彼らが再結成後、2003年に放ったヒット曲。

解説:萩原健太

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第371回 萩原健太のotonanoラジオ#254

2024/08/13 公開

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

1.

南佳孝

プールサイド

『My Favorite Selections』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

2.

南佳孝

スタンダード・ナンバー

『My Favorite Selections』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

3.

南佳孝

スローなブギにしてくれ(I want you)

『Silkscreen』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#254

『マイ・ベスト・オブ・南佳孝~1973-1988』

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1. 摩天楼のヒロイン / 南佳孝

 先週に引き続き、南佳孝さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。50年前にデビューなさったときに大きなショックを受けて、以来ずっと聞き続けてきた一ファンとして、個人的に本当にうれしい機会でした。世の中、夏休みの時期ですが、このタイミングで、クニモンド瀧口(RYUSENKEI)が選曲/ミックスしたCD『ISLAND CAFE meets 南佳孝』や、過去の名盤の再発などに接して、改めて佳孝さんの魅力を多くの音楽ファンに再検証してほしいなと心から願います。ぼくも微力ながら、そのちょっとした助けとなれるように、個人的な“ベスト・オブ・南佳孝”、選んでみました。まあ、デビューして半世紀という佳孝さんだけに、アルバムの数も膨大。全部を視野に入れると選びきれないので、発売順に行けるところまで、各オリジナル・アルバムから1曲ずつ、計12曲をピックアップしたセレクションです。

 まずは1973年のデビュー・アルバム『摩天楼のヒロイン』から、そのタイトル・チューンです。これ、けっこう長い曲で。曲の前半、まるで映画のサウンドトラックのような、イマジネイティヴな演奏で綴られているのですが。この大胆でおしゃれな構成も含めて、当時、ぼくたちはうれしいショックを覚えたのでした。佳孝さんの紡いだメロディはもちろん、松本隆さんの歌詞も、矢野誠さんの編曲も、ノスタルジックでドリーミーで、でもどこか心に痛くて…。当時本当に画期的でした。
2. 月夜の晩には / 南佳孝

 1976年のセカンド・アルバム『忘れられた夏』より。サンバのグルーヴをポップな形で取り入れた曲で、こういうラテン要素の採り入れ方も当時、とても新鮮でした。翌年、サーカスがデビュー・シングルとしてこの曲をカヴァーしました。作詞・作曲:南佳孝。
3. ブルー・メロディー / 南佳孝

 1978年の大傑作アルバム『SOUTH OF THE BORDER』の収録曲です。このアルバムには来生えつこ作詞の「夏の女優」や「プールサイド」、松本隆作詞の「朝焼けにダンス」、ユーミン作詞の「日付変更線」など、超名曲が満載されているのですが、今回は佳孝さんご本人が作詞も手がけたこの曲を。番組の収録の際、ぼくはこの曲が大好きで、アルバムが出たころ、こればっかり聞いていたというエピソードをお話ししたとき、佳孝さんがなんと生歌をちらっと聞かせてくれて、大いに盛り上がりました(笑)。
4. Sleeping Lady / 南佳孝

 デビュー・アルバムに続いて、ほぼ全曲を松本隆が作詞を手がけた1979年のアルバム『SPEAK LOW』より。このアルバムの収録曲としては、後に郷ひろみが「セクシー・ユー」というタイトルでカヴァーした「モンロー・ウォーク」がいちばん有名っぽいですが、今回はあえてこっちの曲で、ひとつ。
5. 風にさらわれて / 南佳孝

 1980年のアルバム『MONTAGE』より。シングル・カットもされたナンバーです。作詞・作曲:南佳孝。
6. 涙のステラ / 南佳孝

 大ヒット曲「スローなブギにしてくれ(I WANT YOU)」”を含む1981年のアルバム『SILKSCREEN』より。「スローなブギ…」に続くシングルにもなりました。作詞:松本隆、作曲:南佳孝。
7. 夏服を着た女たち / 南佳孝

 1982年、ニューヨークで録音されたアルバム『SEVENTH AVENUE SOUTH』より。やはり松本隆が作詞を手がけた1曲です。アーウィン・ショーの傑作短篇小説のタイトルを流用するあたりもかっこよかったです。
8. 素足の女 / 南佳孝

 1983年のアルバム『Daydream』より。作詞:来生えつこ、作曲:南佳孝。この時期からアレンジャーに井上鑑が加わり、このアルバムでは全曲の編曲を手がけています。
9. 冒険王 / 南佳孝

 再び松本隆が全曲を作詞した1984年のアルバム『冒険王』より。このアルバムには清水信之、川島裕二、大村雅朗ら多彩なアレンジャーが関わっていますが、この曲でデビュー当時を思わせる映画のサウンドトラック的なアレンジを提供しているのは井上鑑です。
10. ジョンとメリー / 南佳孝

 全曲を作詞:松本隆、作曲:南佳孝、編曲:井上鑑のトリオで作り上げた1986年のアルバム『LAST PICTURE SHOW』より。「ラスト・ショー」「突然炎のごとく」「大人は判ってくれない」「理由なき反抗」「華麗なるギャツビー」「避暑地の出来事」など、往年の名作映画のタイトルを冠した曲ばかりで構成された1枚でしたが、そんな中からダスティン・ホフマンとミア・ファロー主演による1969年の名画のタイトルを冠した1曲を。
11. A Day / 南佳孝

 1987年のアルバム『VINTAGE』より。作詞:来生えつこ、作曲:南 佳孝。
12. Backstroke Swimmer / 南佳孝

 ラストは1988年のアルバム『DAILY NEWS』よりこの曲を。作詞を手がけている小泉亮というのは、プロデューサーとしておなじみ、須藤晃さんの別名です。というわけで、佳孝さんのキャリア初期のオリジナル・アルバムから1曲ずつセレクトした12曲。この後も佳孝さんは素敵なアルバムをたくさんたくさんリリースなさっているので、その辺りはぜひ各自でチェックしてみてください。

解説:萩原健太

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第370回 萩原健太のotonanoラジオ#253

2024/08/06 公開

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

1.

南佳孝

クレッセント・ナイト~80時間風船旅行

『ISLAND CAFE meets 南佳孝』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

2.

南佳孝

夏の女優~スローなブギにしてくれ (I want you)

『ISLAND CAFE meets 南佳孝』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

3.

南佳孝

夜間飛行

『SOUTH OF THE BORDER』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#253

『1970年代の日本のポップ・ミュージック・セレクション』

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1. おいらぎゃんぐだぞ / 南佳孝

 南佳孝さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。クニモンド瀧口(RYUSENKEI)が選曲/ミックスした『ISLAND CAFE meets 南佳孝』のこと、過去に佳孝さんが残した名盤の再発のこと、ライヴのこと…など、いろいろうかがいました。番組内でもちらっと話しましたが、ぼくは1973年9月、東京の今はなき文京公会堂で行われた、はっぴいえんどの解散コンサート“ラスト・タイム・アラウンド”で、その第一部に登場してきたデビューしたばかりの佳孝さんを見て大いにショックを受けた世代。ロックでもない、フォークでもない、もちろん歌謡曲でもない、それまで日本のポップ・シーンにはなかったノスタルジックで柔軟で豊かな音楽性のとりこに一瞬でなりました。コンサートの後、ソッコーで南佳孝さんのデビュー・アルバム『摩天楼のヒロイン』をゲットしたっけ…。あれからもう50年以上。それだけに、直接、佳孝さんから当時のことなども含めていろいろお話が聞けて、もう夢見心地の『otonanoラジオ』でありました。

 というわけで、今週のプレイリストは、そんな南佳孝さんがデビューにショックを受けた1970年代にぼくが好んで聞いていた、ロックでもない、フォークでもない、日本のポップ・ミュージックのセレクション。まずは南佳孝さんご本人の曲から。アルバム『摩天楼のヒロイン』のオープニングを飾っていたナンバーです。作詞:松本隆、作曲:南佳孝。架空のハリウッド映画のサウンドトラックを思わせる矢野誠さんのアレンジも当時、とても新鮮でした。
2. 朝寝坊 / 大滝詠一

 大滝さんの場合、アーティスト名としては簡単な“滝”の字を使った“大瀧詠一”、ソングライターとかプロデューサーとか、そういうスタッフ名としてはむずかしい“瀧”の字を使った“大瀧詠一”という表記を使い分けていらっしゃいましたが、さらにややこしいことに1972年の初ソロ・アルバムのタイトルはむずかしいほうの『大瀧詠一』だったりして。どうすりゃいいんだ…って感じですが(笑)。そのややこしい初ソロ・アルバムの収録曲です。南佳孝登場以前にこの種の音楽性を飄々と聞かせてくれていたのは、やはり大滝さんでした。作詞・作曲:大瀧詠一。
3. CHINESE SOUP / 荒井由実

 ユーミンが1975年にリリースしたサード・アルバム『コバルト・アワー』より。プロデュースを手がけていた未来の夫、松任谷正隆の実弟、松任谷愛介によるフィドルを効果的にフィーチャーしたノスタルジックな音楽性が新鮮でした。歌詞はおっかないけど。作詞・作曲:荒井由実。
4. 午後のレディ / 鈴木慶一とムーンライダーズ

 慶一さんのソロ・アルバムのような、ムーンライダーズのファースト・アルバムのような、実に微妙な大傑作、『火の玉ボーイ』の収録曲。おしゃれでジャジーなテイストが当時ものすごく新鮮でした。作詞・作曲:鈴木慶一。
5. ろっかばいまいべいびい / 細野晴臣

 番組の中で佳孝さんがちらっと話してくれたことですが。『摩天楼のヒロイン』を作ろうとしているとき、松本隆さんが“こういう感じの曲、細野さんもソロ・アルバムでやってるんだよね”と教えてくれたそうで。それ、たぶんこの曲のことかなと思って選曲しました。佳孝さんのデビューのちょっと前、1973年5月にリリースされた細野さんの初ソロ・アルバム『HOSONO HOUSE』の収録曲です。作詞・作曲:細野晴臣。
6. 真夜中のロックンロール・ダンス / 佐藤奈々子

 1977年に出た佐藤奈々子のデビュー・アルバム『Funny Walking』の収録曲。このアルバムは個人的に初めて“佐野元春”という名前をソングライター・クレジットで見た1枚としても忘れられない存在です。作詞:佐藤奈々子、作曲:佐藤奈々子&佐野元春。大野雄二さんのジャジーなアレンジもかっこよかったです。
7. ムーンライト・シンギィング / 岡本一生

 ソングライターとしておなじみの岡本朗さんが“岡本一生”という名義で活動していたころ、1978年に放ったデビュー・アルバムのタイトル・チューン。今は“ムーンライト・シンギング”という表記でストリーミングされてますが、オリジナル・アルバムでは“ムーンライト・シンギィング”という表記でした。作詞・作曲:岡本一生。岡本一生さんは1982年にジャズ系の名手が全面バックアップした『ファイブ・オクロック・シャドウ』という傑作アルバムもリリースしているのだけれど。それは残念ながらストリーミングされていないみたい。配信解禁、あるいは再発、心から願います。
8. 恋の日記 / ハイ・ファイ・セット

 これは洋楽のカヴァーものですが。番組にもゲストでいらしてくださったことがある村井邦彦さんがプロデュースしたハイ・ファイ・セット、1977年に海外録音されたオリジナル・アルバム4作目『ザ・ダイアリー』のタイトル・チューンです。ニール・セダカが1958年に放ったヒットのカヴァー。作詞:ハワード・グリーンフィールド、日本語訳詞:岩谷時子、作曲:ニール・セダカ。ボブ・アルシヴァーが手がけたコーラス・アレンジが極上でした。
9. ウエディング・ソング / あがた森魚

 あがた森魚さんが1976年にリリースした2枚組『日本少年〜ヂパング・ボーイ』より。このアルバム、プロデュースが細野晴臣&矢野誠。バックアップしているのがムーンライダーズを中心とする面々。大作でした。そんなアルバムから、作詞:鈴木慶一&岡田徹、作曲:岡田徹による名曲を。
10. 五線紙 / 竹内まりや

 これだけはちょっと新しめで1980年作品。新しくないか(笑)。まりやさんのサード・アルバム『LOVE SONGS』に収められていた名曲です。作詞:松本隆、作曲:安部恭弘。コーラスの扱い方にかけては定評があった宮田茂樹さんのいい仕事ぶりが堪能できます。
11. 8分音符の詩 / 鈴木茂

 大滝さん、細野さんに続いて、はっぴいえんどのメンバーだった鈴木茂さんの曲も。茂さんが1976年にリリースしたセカンド・ソロ・アルバム『ラグーン』からの1曲です。作詞はやはり元はっぴいえんどの松本隆、作曲は茂さん。
12. ピストル / 南佳孝

 最後も佳孝さんで。やはり『摩天楼のヒロイン』の収録曲。番組内でも話しましたが、ぼくは特にこの曲のコード進行と、浮遊感に満ちたメロディと、やばい歌詞の取り合わせに思いきりやられたものです。作詞:松本隆、作曲:南佳孝。

解説:萩原健太

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第369回 萩原健太のotonanoラジオ#252

2024/07/30 公開

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

今週のオンエア曲

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

1.

ブルース・スプリングスティーン

ボーン・イン・ザ・U.S.A.

『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

2.

ブルース・スプリングスティーン

カヴァー・ミー

『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

3.

ブルース・スプリングスティーン

涙のサンダー・ロード

『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

4.

ブルース・スプリングスティーン

ジャージー・ガール

『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#252

『Glory Days~ボブ・クリアマウンテンMIX集 80s』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Glory Days / Bruce Springsteen

 ブルース・スプリングスティーンが1984年にリリースした大ヒット・アルバム『ボーン・イン・ザ・USA』の発売40周年を記念して、9月25日、7インチ紙ジャケット仕様で日本独自にリリースされる予定の『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』を特集してお送りした『otonanoラジオ』。1985年4月の初来日公演から数カ月後、1985年8月に地元ニュージャージーのジャイアンツ・スタジアムで行われたライヴをまるごと全29曲収めたボーナス・ディスク3枚を最新リマスターのオリジナル・アルバムと抱き合わせた4枚組! 当時のスプリングスティーン&Eストリート・バンドのライヴでの無敵の勢いを番組でもたっぷり楽しませてもらいました。この『ボーン・イン・ザ・USA』というアルバムの特大ヒットを後押ししたのは間違いなく当時のスプリングスティーン親分のライヴでの熱狂だったわけですが。

 でも、それだけじゃなく。『ボーン・イン・ザ・USA』というアルバムの魅力は、ギターのみならずシンセサイザーなども迷いなく多用した1980年代メイン・ストリーム・ロックの王道とも言うべきスケール感たっぷりの堂々たる音像。この圧倒的なサウンドが、当時30歳代半ばというパフォーマーとしてある種の絶頂期にあったスプリングスティーンの強烈にパワフルな歌声と合体して、とてつもない傑作アルバムが生まれたのでした。そして、この音を米ニューヨークのヒット・ファクトリーとパワー・ステーションという名門スタジオでレコーディング/ミキシングしたエンジニアがボブ・クリアマウンテンという男。現在もアメリカを代表するレコーディング・エンジニアとして活躍する名匠、ボブクリさんの腕なくしてはこの傑作は生まれ得ませんでした。ボブクリといえば、彼が長年ハウス・エンジニアを務めていたパワー・ステーション・スタジオならではの豪快なエコー感を活かしたファットなサウンドが売りですが、本作はそんなボブ・クリアマウンテン・サウンドが最初の頂点を極めたアルバムとしても記憶されるべき1枚なのです。

 というわけで、今週のプレイリストは『ボーン・イン・ザ・USA』というアルバムを大傑作へと導いた影の功労者でもあるボブ・クリアマウンテンが、1980年代にエンジニアとしてミックスを手がけた作品の中からぼくが好きなものを12曲ピックアップしたセレクション。まずは『ボーン・イン・ザ・USA』の収録曲で、今回の番組では欠けられなかったこの曲を。シングル・カットもされて翌1985年に全米トップ5に突入するヒットを記録しました。
2. Summer Of '69 / Bryan Adams

 ボブ・クリアマウンテンが1980年代にプロデュースおよびミキシングを手がけた代表的アーティストといえば、ブライアン・アダムス。彼の成功劇を語るうえでも、ボブクリ・サウンドが果たした貢献は忘れられません。というわけで、『ボーン・イン・ザ・USA』と同じ1984年に大ヒットしたブライアン・アダムスのアルバム『レックレス』から、このシングル・カット・ナンバーを。
3. Out Of Touch / Daryl Hall & John Oates

 これも1984年にボブ・クリアマウンテンが手がけた特大ヒットのひとつ。ホール&オーツのアルバム『ビッグ・バム・ブーム』からのシングル・カット曲です。
4. Start Me Up / The Rolling Stones

 ちょっと時期を前に戻して、1981年のヒット。キース・リチャーズのキャッチーなギター・リフからチャーリー・ワッツの強烈なスネアへ…という、えらくかっこいいイントロもいきなりボブクリ・サウンド。痛快!
5. China Girl / David Bowie

 これは1983年の大ヒット・アルバム『レッツ・ダンス』からのシングル・カット曲。プロデューサー、ナイル・ロジャースが編み上げたポップでファンキーなサウンドをボブ・クリアマウンテンが見事にまとめています。
6. If This Is It / Huey Lewis & The News

 ヒューイ・ルイスの出世作『ピクチャー・ジス』(1982年)も『スポーツ』(1983年)も、やはりボブ・クリアマウンテンがミックスを手がけた名盤でした。今回は『スポーツ』のほうから、シングル・カットもされたこの曲を。
7. I Knew The Bride (When She Used To Rock And Roll) / Nick Lowe

 続いてはそのヒューイ・ルイスがプロデュースを手がけたニック・ロウのナンバー。1985年のアルバム『ザ・ローズ・オヴ・イングランド』からの先行シングルとしてリリースされたごきげんなロックンロールです。
8. You Ought To Love Me / Narada Michael Walden

 ボブクリさんはナラダ・マイケル・ウォルデンとも1970年代末から仕事していて。この曲を含む1982年のアルバム『コンフィデンス』でも、パワー・ステーション・スタジオで録音された何曲かでその手腕を発揮していました。
9. Drag Me Down / The Boomtown Rats

 ボブ・ゲルドフ率いるブームタウン・ラッツがオリジナル活動期の最後にリリースしたアルバム、1985年の『イン・ザ・ルッキング・グラス』からのナンバーです。レコーディングを手がけたのは別のエンジニアみたいですが、ミックスはボブクリが担当しました。
10. Everything I Need / Men At Work

 1985年のアルバム『トゥー・ハーツ』からのシングル・カット曲。ドラムのサウンド処理がなんともボブクリしています。
11. Alive And Kicking / Simple Minds

 1985年から86年にかけて世界中でヒットしたナンバー。7作目のアルバム『ワンス・アポン・ア・タイム』からのシングル・カットでした。
12. More Than This / Roxy Music

 ボブ・クリアマウンテンの手腕を世に広めるうえで大きな役割を果たした1枚が、ロキシー・ミュージックの1982年作品『アヴァロン』でした。メロウな感触とグルーヴィなビートとを絶妙なバランスで合体させた1枚でしたが、そこからのシングル・カット曲で1980年代のボブ・クリアマウンテン・ミックス集を締めくくりましょう。

解説:萩原健太

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第368回 萩原健太のotonanoラジオ#251

2024/07/23 公開

坂本龍一『NEO GEO』特集

今週のオンエア曲

坂本龍一『NEO GEO』特集

1.

坂本龍一

NEO GEO

『NEO GEO』

坂本龍一『NEO GEO』特集

2.

坂本龍一

RISKY

『NEO GEO』

坂本龍一『NEO GEO』特集

3.

坂本龍一

SHOGUNADE

『NEO GEO』

坂本龍一『NEO GEO』特集

4.

坂本龍一

OKINAWA SONG -CHIN NUKU JUUSHII-

『NEO GEO』

坂本龍一『NEO GEO』特集

5.

坂本龍一

AFTER ALL

『NEO GEO』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#251

『hibari~ベスト・オブ・坂本龍一』

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1. THE END OF ASIA / 坂本龍一

 坂本龍一が1987年、初めて世界向けてリリースした大傑作アルバム『NEO GEO』。その最新リマスター&最新カッティングによる180グラム重量アナログLPに、イギー・ポップをヴォーカルに迎えた「リスキー」の12インチ・シングル、東京とニューヨークでそれぞれ行なわれたツアーの映像を収めたブルーレイ2枚を組み合わせた4枚組ボックスがこのほどリリースされるということで。otonanoラジオも軽く『NEO GEO』特集、お届けしました。イギー以外にも、ビル・ラズウェル、ブーツィ・コリンズ、スライ・ダンバーらすごい顔ぶれを従えた1枚で。かっこよさはいまだ色褪せず。すごいアルバムでした。

 というわけで、今週のプレイリスト。これはもうストレートにベスト・オブ坂本龍一でいきましょう。坂本教授がソロ名義で残したオリジナル・アルバムの中には配信されていないものもちょこっとあったりして。全作品を見渡した中からセレクトすることはできなかったのですが。それでも大方は配信されているので、そこからぼくが好きな曲を、アルバム1作ごとにそれぞれ1曲ずつ、年代順に並べてみました。まずは1978年、リアルタイムに誰もが衝撃を受けた教授の初ソロ作『千のナイフ』から、YMOのライヴでもよく披露されていたこの曲を。同じ年に細野晴臣がリリースした傑作アルバム『はらいそ』の収録曲「ウォリー・ビーズ」とメロディ的に呼応しているようで、当時大いに盛り上がって聞いたものです。
2. Thatness And Thereness / 坂本龍一

 1980年のセカンド・ソロ・アルバム『B-2ユニット』より。ソロ名義のアルバムで教授が初めて自身のヴォーカルを披露したナンバーです。聞く者の心の深いところに沁み渡る浮遊感に満ちたメロディです。
3. Relâché / 坂本龍一

 1981年のアルバム『左うでの夢』より。糸井重里、矢野顕子、かしぶち哲郎らを作詞に迎えたヴォーカルもの中心のアルバムでしたが、今回はそこからエイドリアン・ブリューのギターなども交えたインスト曲を。ただし翌年、ロビン・スコットのヴォーカルをダビングして「JUST ABOUT ENOUGH」という別タイトルでEPでリリースされています。
4. Merry Christmas Mr.Lawrence / 坂本龍一

 教授のソロ作となるとこの曲を外すわけにはいかないのですが。まあ、みなさん、例の映画サントラ・ヴァージョンのほうはもう何度も何度もお聞きのことと思いますから、今回はあのサントラの曲を教授のピアノ演奏で再演した1983年のアルバム『Coda』に収録されていたヴァージョンでどうぞ。
5. きみについて / 坂本龍一

 1984年のアルバム『音楽図鑑』より。教授がフェアライトを本格的に使った1枚としても当時話題になりました。スタジオで自動筆記的に思い浮かんだ曲を記録したアルバムということで、教授の多面性がよく表われたアルバムでした。この曲の作詞は糸井重里。
6. ADELIC PENGUINS / 坂本龍一

 1985年のアルバム『エスペラント』より。テクノとエスノとアンビエントが渾然と渦巻くこのアルバムから、アート・リンゼイのノイズ・ギターなどもフィーチャーしたこの曲を。
7. ウィ・ラヴ・ユー / 坂本龍一

 1986年の『未来派野郎』はなぜかストリーミングされていないので、飛ばして。次の『NEO GEO』は番組で特集したのでこれも飛ばして。1989年のアルバム『ビューティ』より。ロバート・ワイアット、ロビー・ロバートソン、ユッスー・ンドゥール、アート・リンゼイなどともに、ぼくが大好きなビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンが、人脈的に何の関係もなさそうなのに参加していたことに当時えらく驚いたものです。ブライアンならではのハーモニーも途中ちらっと顔を出すこの曲を聞きましょう。ローリング・ストーンズのレパートリーのカヴァーです。
8. 二人の果て / 坂本龍一

 1991年の『ハートビート』もストリーミングされていないのでスキップ。次は1994年の『スウィート・リヴェンジ』からいきます。今井美樹とのデュエットでシングル・カットされたこの曲。作詞は大貫妙子。
9. 愛してる、愛してない / 坂本龍一

 続いては1995年の『スムーチー』より。前曲と同趣向のデュエット曲で、こちらのお相手は中谷美紀。作詞はこれも大貫妙子。
10. Opus / 坂本龍一

 1997年の『ディスコード』はストリーミングなし。ということで次の1998年作品『BTTB』より。オープニングを飾っていた美しいピアノ・ピースです。1999年には中谷美紀がヴォーカル・ヴァージョンも発表しています。
11. Ngo (Bitmix) / 坂本龍一

 2004年、久々にリリースされたソロ・アルバム『キャズム』より。
12. Hibari / 坂本龍一

 この後も教授は何作もソロ・アルバムをリリースしていますが、いつものように12曲プレイリストってことで、今回は2009年のアルバム『out of noise』のオープニングを飾っていたこの曲で締めます。ピアノ演奏をループさせて、少しずつずらしながら、やがてそれがまたひとつになっていくという、不思議な1曲です。2023年の映画『怪物』でも使われていました。

解説:萩原健太

坂本龍一『NEO GEO』特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第367回 萩原健太のotonanoラジオ#250

2024/07/16 公開

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

今週のオンエア曲

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

1.

リンダ・キャリエール

Love Celebration

『Linda Carriere』

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

2.

リンダ・キャリエール

Loving Makes It So

『Linda Carriere』

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

3.

リンダ・キャリエール

Laid Back Mad Or Mellow

『Linda Carriere』

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

4.

リンダ・キャリエール

Vertigo

『Linda Carriere』

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

5.

リンダ・キャリエール

Child On An Angel's Arm

『Linda Carriere』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#250

『細野晴臣が提供した女性シンガー楽曲集』

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1. ラムはお好き? / 吉田美奈子

 1977年、アルファミュージックの下、細野晴臣がプロデュースした幻のアルバム『リンダ・キャリエール』を特集してお届けした『otonanoラジオ』。後にダイナスティのメンバーとして世に出るリンダさんに、細野さんをはじめ、山下達郎、佐藤博、吉田美奈子、矢野顕子らが楽曲を提供し、日本で制作されながら、当時はお蔵入りしてしまった伝説の1枚で。ぼくもさる筋からの流出音源で長年楽しませてもらってきたものですが(笑)。そのオフィシャル・リリースが、アルファミュージック創立55周年プロジェクトの一環としていよいよ実現。ということで、番組ではいち早く収録曲のあれこれを楽しませていただきました。  で、今週のプレイリスト。どんな切り口でセレクトしようか、いろいろ考えましたが。今回は細野さんに着目。リンダ・キャリエールのアルバムでも細野さんはプロデュース/アレンジ/演奏だけでなく、作品も4曲提供なさっています。その流れで、細野さんが提供した女性シンガーの楽曲ってやつをざっくり12曲集めてみました。もちろん、もっともっとたくさんの曲がありますけど、ぼくが好きな曲の中からとりあえず…という雑なプレイリストです(笑)。ざっくり年代順に並べてみました。まずはリンダ・キャリエールのアルバムにも2曲提供なさった吉田美奈子さんに細野さんが提供したこの曲。1976年の名盤『フラッパー』に収められていたナンバーです。作詞:吉田美奈子、作曲:細野晴臣。
2. 私自身 / いしだあゆみ

 続いては1977年、作詞家・橋本淳のプロデュースの下、細野さんをはじめ、鈴木茂、林立夫、矢野顕子、岡田徹、佐藤博、吉田美奈子、山下達郎、羽田健太郎、萩田光雄らが結集して、人気シンガー、いしだあゆみをバックアップしたアルバム『アワー・コネクション』のオープニングを飾っていた作品です。作詞:橋本淳、作曲:細野晴臣。細野さんのベースもかっこいいです。
3. 夢色グライダー / やまがたすみこ

 のちに井上鑑夫人になるシンガー・ソングライター、やまがたすみこが1977年にリリースしたアルバム『フライング』より。プロデュースは松本隆。作詞:松本隆、作曲:細野晴臣、編曲:鈴木茂という、はっぴいえんど勢揃いの1曲です。
4. 輝くスターリー・ナイト / 竹内まりや

 待望のニュー・アルバムのリリースがアナウンスされファンを大いに喜ばせているまりやさん。彼女の1978年のデビュー・アルバム『Beginning』にも細野さんの提供曲が収められていました。オールディーズ風味の素敵な1曲ですが。こちらは作詞:高橋ユキヒロ、作曲:細野晴臣というYMOコンビの作品です。
5. ユー・メイ・ドリーム / シーナ&ロケッツ

 これは女性ソロ・シンガーではなく、バンドものですが。シーナ&ロケッツ、1979年のアルバム『真空パック』からの必殺ナンバー。作詞:柴山俊之&クリス・モスデル、作曲:鮎川誠&細野晴臣です。
6. Wait My Darling / 金井夕子

 1980年のシングル。作詞:大貫妙子、作曲:細野晴臣という魅力的なソングライター・コンビによる1曲です。
7. 赤道小町ドキッ / 山下久美子

 1982年のシングル。大ヒットしました。これも作詞:松本隆、作曲:細野晴臣による名曲です。
8. ガラスの林檎 / 松田聖子

 とはいえ、松本=細野コンビによる最高傑作といえば、やはりこの曲かなー。ご存じの通り、この二人は聖子ちゃんに「天国のキッス」「わがままな片想い」「黄色いカーディガン」「ピンクのモーツァルト」「硝子のプリズム」などたくさんの名曲を提供していますが、やはり1983年のこのヒット・シングルを。
9. 月下美人 / 松本伊代

 もともとはFM特番『細野晴臣の作曲講座』で司会役をつとめていた遠藤京子が作詞して細野さんが作曲した楽曲。で、その続編的特番『松本隆の作詞講座』でそこに別歌詞がついて。それを1985年、松本伊代がシングルとしてリリースしたものです。
10. 連れてってファンタァジェン / 小泉今日子

 1987年のアルバム『ファンタァジェン』より。土屋昌巳のプロデュースの下、ドイツでレコーディングされた意欲作でした。そのオープニングを飾っていたのがこの曲。作詞:安野ともこ、作曲:細野晴臣。
11. 青空挽歌 / 裕木奈江

 1993年のアルバム『旬』より。これも松本=細野作品。
12. カリプソの娘 / 森高千里

 この他にも細野さんは、安田成美、中森明菜、中川翔子、柏原芳恵、戸川純、西村知美、早瀬優香子、藤村美樹、松原みきなどたくさんの女性シンガーに楽曲提供をなさっていますが。いちばんがっちりタッグを組んだのがこの人、森高さんじゃないかな、と。1998年の細野晴臣プロデュースによるアルバム『今年の夏はモア・ベター』は大傑作でした。というわけで、そのアルバムからこの曲を。作詞:森高千里、作曲:細野晴臣。そういえば、テレビCMで共演したりもしてましたねー。

解説:萩原健太

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第366回 萩原健太のotonanoラジオ#249

2024/07/09 公開

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

今週のオンエア曲

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

1.

リトル・フィート

Spanish Moon (Single Version)

『Feats Don't Fail Me Now (Deluxe Edition)』

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

2.

デヴィッド・ボウイ

ヴェルヴェット・ゴールドマイン(ジギー・セッション・アウトテイク)

『ロックン・ロール・スター!』

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

3.

フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション

メモリーズ・オブ・エル・モンテ

『ライヴ・アット・ザ・ウィスキー・ア・ゴーゴー1968』

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

4.

ポール・マッカートニー&ウイングス

ソイリー

『ワン・ハンド・クラッピング』

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

5.

ジョン・レノン

ユー・アー・ヒア(Ultimate Mix)

『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』アルティメイト・コレクション

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#249

『マイ・フェイヴァリット洋楽アルバム[2024上半期編]』

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1. My Golden Years / The Lemon Twigs

 いつもはお迎えしたゲストとともにあれこれ音楽を深掘りしている『otonanoラジオ』ですが。今週はスペシャルってことで。ぼく一人で、最近出た話題の洋楽再発ボックスセットなどを集めてお届けしました。ポール・マッカートニーとかデヴィッド・ボウイとかリトル・フィートとか、油断ならないボックスセットが続々出ていて。番組では紹介できませんでしたが、他にもグレイトフル・デッドとかラスカルズとかジョニ・ミッチェルとか、充実した再発箱だらけで。付いていくだけで、時間的にもおサイフ的にも、もう大変(笑)。もちろんそれだけでなく、新作アルバムも次々リリースされているわけで。いやー、1日が50時間くらいあればいいのに…と、まじ思います。
 てことで、今週のプレイリストは、そんな新作アルバムのほうに注目。今年に入ってから出たたくさんの新作アルバムの中から、今のところぼくが気に入っている12作をだだーっとご紹介します。1作から1曲ずつピックアップして並べてみました。順不同です。
 まずはブライアンとマイケルのダダリオ兄弟による無敵のポップ・ユニット、ザ・レモン・ツイッグスの新作アルバム『ア・ドリーム・イズ・オール・ウィー・ノウ』から。往年のラズベリーズとかを彷彿させるごきげんなパワー・ポップです。
2. Dance With A Stranger / Lake Street Dive

 続いては極上フュージョン・ポップ・バンド、レイク・ストリート・ダイヴ、3年ぶりの新作『グッド・トゥゲザー』から。メンバーチェンジして新ラインアップになってから初の1枚でした。
3. A Tear / The Lostines

 ドリーミーで、でもどこかやばめなオールディーズ風味がたまらないニューオーリンズ本拠の女性2人組、ザ・ロスティーンズの初フル・アルバム『ミート・ザ・ロスティーンズ』のオープニングを飾っていたナンバーです。
4. Dime / Aaron Frazer & Cancamusa

 ごきげんなレトロ・ソウル・バンド、ドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケイションズのドラマー/ソングライターとしてもおなじみ、アーロン・フレイザーのセカンド・ソロ・アルバム『イントゥ・ザ・ブルー』より。チリ出身の女性ドラマー/シンガーのカンカムーサとデュエットしているナンバーです。プロデュースはヒップホップ畑のアレックス・グース。
5. Liberty Print / Camera Obscure

 グラスゴーのインディ・ポップ・バンド、カメラ・オブスキュラが10年ぶりにリリースした新作『ルック・トゥ・ジ・イースト、ルック・トゥ・ザ・ウェスト』より。長年のメンバー、キャリー・ランダー他界後の初アルバム。ほろ苦く切なく、でも彼ららしく軽やかでノスタルジックで。泣けました。
6. Time Flies When You're Having Fun / Dent May & Pearl & The Oysters

 よき頃のAMポップ感覚を受け継ぐロサンゼルスのシンガー・ソングライター、デント・メイの新作『ホワッツ・フォー・ブレックファスト?』より。去年、来日もしたフランス出身ロサンゼルス本拠のインディ・ポップ・デュオ、パール&ジ・オイスターズをゲストに迎えたナンバーです。
7. California / The Courettes Feat. La La Brooks

 これ、実はまだアルバムが出ていない曲。ブラジル人女性のフラヴィアとデンマーク人男性のマーティンというコーリ夫妻によるごきげんにレトロなガレージ・ロックンロール・リヴァイヴァル・ユニット、ザ・コーレッツの新作シングルです。これは出たばっかり。今回はサーフィンものに挑戦! なんと1960年代ガール・グループの代表格、クリスタルズのラ・ラ・ブルックスをゲストに迎え、ワンダーミンツ〜ブライアン・ウィルソン・バンドの中心メンバー、ダリアン・サハナジャをヴォーカル・ミックスに起用して痛快にキメてます。アルバムも早く出してね!
8. Walk Away / Dee C Lee

 スタイル・カウンシルとの活動でもおなじみ、UKソウルの歌姫、ディー・C・リーが26年ぶりにリリースしたアルバム『ジャスト・サムシング』より。スタカン時代の仲間、ミック・タルボットと共作しています。
9. I Don't / Brittany Howard

 アラバマ・シェイクスのフロントを張っていたことでもおなじみ、ブリタニー・ハワードのセカンド・ソロ『ホワット・ナウ』からのナンバー。ますますディープに、繊細に、鋭く、音作りの深みへと身を投じた感じの新作から、ぐっとスウィート・ソウル寄りのこの曲を。
10. Sisters Friends / The High Llamas

 ショーン・オヘイガン率いるポップ・ユニット、ハイ・ラマズが、浮遊感満点の持ち味はそのまま、オルタナティブR&Bやネオ・ソウルからの影響を大幅に採り入れつつ新境地を切り拓いた久々の新作『ヘイ・パンダ』より。英シンガー・ソングライターのレイ・モリスをフロントに立てて、ホームレスの主人公が愛犬を連れて大阪で作られた尺八でストリート・パフォーマンスをしているストーリーを綴った曲です。
11. Beautiful Fools / Jo Harrop The Path Of A Tear Vocal Jazz 0 1

 英ジャズ・シンガー、ジョー・ハロップがラリー・クラインをプロデューサーに迎えた新作『ザ・パス・オヴ・ア・ティアー』の冒頭を飾っていたナンバー。
12. Some Greater Plan (For Claire) / Crowded House

 最後は2020年に新体制で再結集したクラウデッド・ハウスが3年ぶりにリリースした新作『グラヴィティ・ステアーズ』より、現在は正式メンバーからは外れているティム・フィンも曲作り&コーラスで参加した曲を。

解説:萩原健太

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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