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第305回 萩原健太のotonanoラジオ#187

2023/05/02 公開

山下久美子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

山下久美子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

山下久美子

BYE BYE BLACKBIRD

『JAZZ "N" KUMIKO』

山下久美子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

山下久美子

シャンプー

『JAZZ "N" KUMIKO』

山下久美子さんをゲストに迎えて(その1)

3.

山下久美子

LOVIN' YOU

『JAZZ "N" KUMIKO』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#187

『ポップ・フィールドのアーティストによるジャズ・スタンダート名演集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. We Three (My Echo, My Shadow And Me) / Paul McCartney

山下久美子さんをお迎えして、最新アルバム『Jazz’n’Kumiko』についてたっぷりお話をうかがった『otonanoラジオ』。ぼくも久美子さんに会うのが、まじ久々だったもので大いに盛り上がってしまいましたが(笑)。何よりも、久美子さんが彼女ならではのキュートな歌声で往年のジャズ・スタンダードを歌うという、その設定を聞くだけでわくわくしてしまう新作アルバムが素敵で。楽しいひとときでした。来週もお楽しみに。というわけで、今回のプレイリストは久美子さん同様、ポップ・フィールドで活躍するアーティストがジャズ・スタンダードを歌った名演を古今の洋楽からいろいろ集めてみました。ジャズ・シンガーが歌うのと違って、ポップ・シンガーの場合、インプロヴィゼーション的なフェイクを入れることなく楽曲そのものの良さみたいなものをまっすぐ伝えてくれるパフォーマンスが多くて。久美子さんの新作も含めて、そういうアプローチがいいなぁと思います。まずはこの人、ポール・マッカートニー。2012年にダイアナ・クラールのピアノをバックに録音されたアルバム『キス・オン・ザ・ボトム』から、1940年にインク・スポッツやフランク・シナトラがヒットさせたこの曲をどうぞ。
2. Just In Time / Rickie Lee Jones

久美子さんもちょっと意識したというリッキー・リー・ジョーンズは、これまでも時折ジャズ・スタンダードを歌ったり、ジャズっぽいアレンジを導入したりしてきましたが。この4月、全曲スタンダード・ナンバーをカヴァーした新作アルバム『ピーシズ・オヴ・トレジャー』をリリースしました。というわけで、その中からディーン・マーティンのヒット曲としておなじみの「ジャスト・イン・タイム」を。
3. Why Try To Change Me Now / Bob Dylan

こちらも4月、久々の来日を果たして大いに盛り上がったボブ・ディラン。彼も2015年から2017年にかけて、フランク・シナトラのレパートリーを中心とするスタンダード・ナンバーばかり歌ったアルバムを3作リリースしています。そのシリーズ第1弾となった2015年のアルバム『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』から1曲セレクトしてみました。
4. Love Is Here To Stay / Brian Wilson

20世紀の米国を代表する名作曲家のひとり、ジョージ・ガーシュウィン。彼を敬愛するブライアン・ウィルソンが、2010年、ガーシュウィンが残した名曲群を“リイマジン=再考”、つまり独自の切り口でカヴァーした1枚『ブライアン・ウィルソン・リイマジンズ・ガーシュウィン』より。1938年、映画『華麗なるミュージカル(The Goldwyn Follies)』のために書き下ろされた名曲です。
5. Teach Me Tonight / James Taylor

ジェイムス・テイラーもちょいちょいカヴァー・アルバムを制作しているけれど。全編ジャズ・スタンダードもので固めた1枚は2020年の、ずばり『アメリカン・スタンダード』が初でした。そのアルバムから多くのシンガーがカヴァーしてきたこの名曲を。ジェイムス・テイラー自身は1954年にダイナ・ワシントンが歌ったヴァージョンが好きだと言ってました。
6. You're My Thrill / Joni Mitchell

難病を克服して、今年の夏、ブランディ・カーライルのサポートの下、ツアーを再開するという噂のジョニ・ミッチェル。彼女も2000年、ゴージャスなオーケストラをバックに自作曲やスタンダード・ナンバーを歌ったアルバム『ボス・サイズ・ナウ』をリリースしています。その中から今回は、ビリー・ホリデイやドリス・デイ、ジュリー・ロンドンらの名唱でおなじみのこの曲を。
7. How Deep Is the Ocean / Eric Clapton

エリック・クラプトン。この人も4月、なんと100回目の日本武道館公演を行なったばかり。すごい。と、そんな彼が2010年にリリースしたアルバム『クラプトン』は自作曲だけでなく、ブルースのカヴァーとか、シャンソン「枯葉」のカヴァーとか、何でもかんでも入った盛りだくさんの1枚でした。そんな中から、前出ジョージ・ガーシュウィンと並ぶ米国の偉大な作曲家、アーヴィング・バーリンが1932年に書いた名スタンダードのカヴァーをどうぞ。
8. Lullaby In Ragtime / Harry Nilsson

フランク・シナトラの座付きアレンジャーとしても知られる名匠、ゴードン・ジェンキンス指揮による壮麗なオーケストラをバックに、ハリー・ニルソンがスタンダード・ナンバーばかりを歌った1973年の超名盤『夜のシュミルソン(A Little Touch of Schmilsson in the Night)』より。1959年の映画『5つの銅貨(The Five Pennies)』の挿入歌です。
9. I Get Along Without You Very Well / Chrissie Hynde

ジョージ・ガーシュウィン、アーヴィング・バーリンと並ぶ名作曲家、ホーギー・カーマイケルの作品。これもフランク・シナトラ、チェット・ベイカー、ビリー・ホリデイなどいろいろな人が歌い継いでいる名曲ですが、今日はプリテンダーズのリード・シンガー、クリッシー・ハインド姐さんが2019年にリリースしたカヴァー・アルバム『ヴァルヴ・ボーン・ウォー』に収められていたヴァージョンで。
10. I Got It Bad And That Ain't Good / Carly Simon

ちょっと渋めのスタンダード・ナンバーのカヴァーを中心に構成されたカーリー・サイモン、1981年のアルバム『トーチ』より。デューク・エリントン作のナンバーです。
11. Gee Baby Ain't I Good To You / Taj Mahal

ブルースの怪人、タジ・マハール。彼が偶然にも、前出リッキー・リー・ジョーンズやわれらが久美子さんと同時期にリリースしたスタンダード・カヴァー・アルバム『サヴォイ』より。ナット・キング・コールやビリー・ホリデイでおなじみ、必殺のバラードです。
12. Dream / Ringo Starr

ポップ・フィールドのアーティストが全編ジャズ・スタンダードをカヴァーするアルバムを出した最初の例はこの人かも。リンゴ・スターがビートルズ解散直後、1970年にリリースした初ソロ・アルバム『センチメンタル・ジャーニー』はそういう意味でも画期的な1枚でした。というわけで、その中からビートルズの育ての親、ジョージ・マーティン編曲によるこの名曲を。

解説:萩原健太

山下久美子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第304回 萩原健太のotonanoラジオ#186

2023/04/25 公開

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

1.

佐野元春

誰かが君のドアを叩いている

『SWEET16 30th Anniversary Edition』

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

2.

佐野元春

ボヘミアン・グレイブヤード(See Far Miles Tour Part II Live at 横浜アリーナ 1993.1.24)

『SWEET16 30th Anniversary Edition』

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

3.

佐野元春

また明日...

『SWEET16 30th Anniversary Edition』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#186

『Day After Day~1972年、16歳、気になる洋楽ポップス16』

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1. I Saw The Light / Todd Rundgren

先週に引き続き佐野元春さんをお迎えして、オリジナル・アルバムの発売30周年を祝う強力なボックスセット『SWEET16 30th Anniversary Edition』のお話で盛り上がった『otonanoラジオ』。ということで、今週のプレイリストも16歳にこだわっていきましょう。ぼくは佐野さんと同じ1956年の早生まれで。同い年。ということもあって、子供のころからきっと同じような音楽体験をしてきたのだろうと思います。なので、佐野さんとぼくが16歳だった年、1972年に流行っていた洋楽ポップスの中から気になる曲を並べてみました。このプレイリスト、いつもは全12曲のセレクションにしているのだけれど、今回はここもシックスティーンにこだわって、全16曲でいきます。もちろんぼくの独断で選ばせてもらった曲たちではありますが、たぶん佐野さんもどこかで同じ曲を聞きながら胸を躍らせていたことと思います。で、まずはトッド・ラングレン。当時、日本では『瞳の中の愛』という邦題で知られていた曲です。1972年に全米16位まで上昇しました。
2. Saturday In The Park / Chicago

1972年に最高全米3位にランク。シカゴの中心メンバー、ロバート・ラムが独立記念日のセントラル・パークの光景を綴りながら、反戦のメッセージをこめたナンバーです。日本でも大ヒットしました。
3. Family Affair / Sly & The Family Stone

これは前年1971年にリリースされ、暮れに全米1位に輝いた曲。1972年になってからもしぶとくチャートに居残り続けた名曲です。グループ名義になっているものの、実際のレコーディングは中心メンバーのスライ・ストーンがヴォーカルとベースとドラムマシン、ボビー・ウーマックがギター、ビリー・プレストンがキーボードをそれぞれ担当。抑制の効いたファンクという、なんとも不思議なグルーヴを生み出しています。
4. Coconut / Harry Nilsson

この年、1972年にハリー・ニルソンが放った最大のヒットはバッドフィンガーの作品をカヴァーした「ウィズアウト・ユー」ですが。それは超有名で誰もが耳タコだと思うので、同じ、前1971年のアルバム『ニルソン・シュミルソン』からのシングル・カット曲であるこちらをあえてセレクト。1972年に全米8位にランクしました。
5. Brandy (You're a Fine Girl) / Looking Glass

ルッキング・グラスは米ニュージャージーで結成されたバンド。1972年にこの曲を見事全米1位に送り込んだものの、その後はヒットが続かず静かにシーンから消えてしまった一発ヒット屋です。が、この一発ヒットがとてつもなくでかく、この年に生まれた女の子の名前の1位に“ブランディ”が輝いたほどでした。
6. I'll Take You There / The Staple Singers

R&Bの名門スタックス・レコードを代表するゴスペル・ソウル・グループ、ステイプル・シンガーズの代表曲。1972年の全米ナンバーワン・ヒットです。
7. Heart Of Gold / Neil Young

これも1972年の全米ナンバーワン・シングル。ニール・ヤングを世界的なスターにした特大ヒット・アルバム『ハーヴェスト』からのシングル・カット曲です。日本でも『孤独の旅路』という邦題で大ヒットしました。
8. Rocket Man (I Think It's Going to Be a Long Long Time) / Elton John

火星に向けてひとりで旅立つ宇宙飛行士の心情を描いた1曲。レイ・ブラッドベリの同名短編小説に触発された作品だとか。1972年に全米6位にランクしました。
9. Let's Stay Together / Al Green

前出スタックス・レコードと並ぶ米南部ソウルの名門、ハイ・レコードの看板スター、アル・グリーンの代表曲。1971年の暮れにリリースされて翌72年にかけて全米1位にのぼりつめた名曲です。
10. Everything I Own / Bread

素晴らしいメロディメイカー、デヴィッド・ゲイツ率いるポップ・バンド、ブレッドが1972年に全米5位に送り込んだナンバー。コード進行が絶妙です。
11. Day After Day / Badfinger

ビートルズの弟分バンドとして人気を博したバッドフィンガーが1972年、全米4位にランクさせた曲。プロデュースはジョージ・ハリスン。
12. Too Late To Turn Back Now / Cornelius Brothers & Sister Rose

1972年の全米年間チャートの1位に輝いたのはロバータ・フラックの「愛は面影の中に(The First Time Ever I Saw Your Face)」。今回ちょっと思うところがあってセレクトから外しちゃいましたが、この曲、もともとは1969年にレコーディングされたもので。1971年になって映画の主題歌に起用されたのをきっかけに改めてシングル・カットされ、大ヒットしました。それと同じように、もともと1970年にいったんシングル発売されたものの、そのときはまったくヒットせず、1972年に別レーベルから再発されたとき全米2位にランクしたのが、コーネリアス・ブラザーズ&シスター・ローズによる本曲でした。
13. Precious & Few / Climax

これも1971年暮れにリリースされ、翌72年にかけて全米3位まで上昇したポップ・ヒット。日本では「そよ風にキッス」という邦題でリリースされました。
14. Brand New Key / Melanie

この曲も発売されたのは1971年半ば。その後、徐々にヒットの波が広がり、同年暮れから1972年アタマにかけて全米1位に輝きました。邦題は「心の扉をあけよう」。もともとベジタリアンでずっと断食を続けていたメラニーさんが、ある日、我慢しきれなくなってハンバーガー・ショップに飛び込み爆食いをしてしまったとき急に思いついた曲なのだとか。
15. Alone Again (Naturally) / Gilbert O'Sullivan

前述したロバータ・フラックの「愛は面影の中に」とともに1972年を代表する特大ヒット曲。全米1位の座に計6週間輝きました。
16. American Pie / Don Mclean

1959年2月9日、バディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパーという3アーティストの若い命を奪った悲劇の飛行機墜落事故の日のことを“音楽が死んだ日”と歌い、その日の思い出をきっかけに、音楽が人々を笑顔にしていた佳き時代を切なく回想した名曲。世代によってはマドンナのカヴァー・ヴァージョンのほうがおなじみかも。8分を超える長尺曲ゆえ、シングル・カットされたときはA面B面にパート1、パート2という形で切り分けられていました。これも1972年の全米ナンバーワン・ヒット。ちなみに、1993年1月24日に行なわれた佐野さんのコンサート・ツアー“See Far Miles Tour PartⅡ”最終日の横浜アリーナ公演。開演前の客入れBGMでもこの曲がかかっていました。懐かしい…。

解説:萩原健太

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第303回 萩原健太のotonanoラジオ#185

2023/04/18 公開

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

1.

佐野元春

ミスター・アウトサイド

『SWEET16 30th Anniversary Edition』

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

2.

佐野元春

スウィート16

『SWEET16 30th Anniversary Edition』

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

3.

佐野元春

レインボー・イン・マイ・ソウル

『SWEET16 30th Anniversary Edition』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#185

『Sweet Little Sixteen~古今アメリカ「16歳もの」集』

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1. Sweet Little Sixteen / Chuck Berry

佐野元春さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。1992年の大傑作アルバムの発売30周年を記念して編纂されたボックスセット『SWEET16 30th Anniversary Edition』をめぐって盛り上がりました。というわけで、今週のプレイリストは“シックスティーン”に注目。番組の中でも話題になりましたが、佐野さんの「スウィート・シックスティーン」だけでなく、ポップ・ヒストリーには“16歳”をテーマにした名曲がたくさん存在します。そういう古今の“16歳もの”を集めてプレイリスト作ってみました。今回はアメリカの曲ばかりセレクトしましたが、やっぱりアメリカの16歳は特別。日本では16歳だと二輪の免許のみだけれど、アメリカでは16歳になると車の免許が取れるようになるし、女の子は盛大なスウィート・シックスティーンのパーティが催せるし、結婚もできるようになるし…。まさに子供から大人への第一歩を踏み出す瞬間。だからこそ、そんな瞬間をとらえたティーンエイジャー向けのポップ・ソングは無数に存在します。中でもロックンロール・ヒストリーに燦然と輝く代表曲がこれ。1958年に全米2位まで上昇したチャック・ベリーの「スウィート・リトル・シックスティーン」です。ビーチ・ボーイズの「サーフィンUSA」の元歌としてもおなじみかも。
2. Sweet 16 / Green Day

グリーン・デイが2012年にリリースされたナンバー。ビリー・ジョー・アームストロングが自分の妻、エイドリアンに“君はいつまでもぼくにとってスウィートな16歳さ”と歌うごきげんなロックンロールです。タイトルのみならず、“キッズたちは大丈夫”というフレーズも佐野さんとつながるような…。
3. Happy Birthday, Sweet Sixteen / Neil Sedaka

これまた超有名な16歳ものオールディーズ・ヒットです。1961年、全米6位。「すてきな16才」という邦題で日本でも大ヒットしました。ちなみにイントロの印象的なコーラス・フレーズ、日本ではつい“シャーララララー”と歌ってしまいがちですが、これ、ほんとは“トラーララララー”です。ご注意を…って、何に?(笑)
4. It Hurts To Be Sixteen / Andrea Carroll

前曲「すてきな16才」に対するアンサーソングです。邦題は「なみだの16才」。16歳を迎え大人になると寂しくても泣けなくなっちゃったり、いろいろ複雑なのよ…という乙女心をキュートに綴っています。1963年に全米45位という地味な戦績で終わっているものの、1960年代ガール・ポップ・ファンの間で根強く支持されている名曲。竹内まりやのカヴァーなどもおなじみでしょう。作者はロニー・グロスマンとクレジットされていますが、これ、ニール・セダカの変名だとか。
5. Sixteen Blue / The Replacements

ザ・リプレイスメンツが1984年に発表したナンバー。ティーンエイジャーならではの混乱、気まずさ、退屈さ、不安などが歌われています。
6. Sixteen Candles / The Crests

1958年、ホワイト・ドゥーワップ・グループのザ・クレスツが全米2位に送り込んだナンバー。大好きなガールフレンドの16歳の誕生日を祝う超甘々な名曲です。リード・ヴォーカリスト、ジョニー・マエストロの伸びやかなヴォーカルが最高。
7. Sweet Sixteen / Destiny's Child

ビヨンセがかつて在籍していたことでおなじみ、デスティニーズ・チャイルドが1999年にリリースしたナンバー。16歳にして早くも大きな人生の決断を迫られている女の子に歌いかけています。
8. You're Sixteen / Johnny Burnette

1960年から61年にかけて全米8位まで上昇したキュートな曲。リンゴ・スターによるカヴァー・ヴァージョンも1970年代に大ヒットしたので、そちらでご存じの方も多いかも。ジョニー・バーネット・ヴァージョンのほうには「夢みる16歳」という邦題が付けられていました。
9. Heartaches At Sweet Sixteen / Kathy Linden

かつて日本では“ケーシー・リンデン”と誤表記されていた女性シンガー、キャシー・リンデンが1959年に発表した曲。本国アメリカではシングルB面曲だったためまったく注目されずに終わりましたが、イントロの“♪ヤヤヤンヤン……”というキャッチーなフレーズが日本では大受け。1960年代に大ヒットしました。
10. Sixteen / Iggy Pop

ちょっとやばめの16歳讃歌も。イギー・ポップが16歳の男の子のことを歌ったらしき1977年のナンバーです。
11. Sweet Sixteen / B.B.King

ブルースもあります。B.B.キングが1959年に全米R&Bチャート2位に送り込んだ代表作のひとつ。16歳で家出した女の子にひと目ぼれしたものの冷たくされて、何もかもうまくいかないと世を恨む男の心情、みたいな? ブルースやなぁ…。
12. Only Sixteen / Sam Cooke

最後はサム・クックの歌声で締めましょう。1959年に全米15位にランクした名曲。スプリームス、ドクター・フックなどをはじめ多くのアーティストがカヴァーしていますが、やはり究極は作者でもあるサム・クックのヴァージョンです。1950年代末には、16歳じゃ恋をするにはまだ早かったということが伝わってきます。

解説:萩原健太

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第302回 萩原健太のotonanoラジオ#184

2023/04/11 公開

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)『果てしないこと』B面

今週のオンエア曲

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)『果てしないこと』B面

1.

古内東子

girl

『果てしないこと』

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)『果てしないこと』B面

2.

古内東子

Savon

『果てしないこと』

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)『果てしないこと』B面

3.

古内東子

ひとりよがり

『果てしないこと』

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)『果てしないこと』B面

4.

古内東子

1AM

『果てしないこと』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#184

『B面1曲目!LP時代の洋楽名曲たち』

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1. Uptown Girl / Billy Joel

古内東子さんをお招きして、先週に引き続き最新アルバム『果てしないこと』のお話をたっぷりうかがった「otonanoラジオ」。『果てしないこと』は6月にアナログLP化もされるということで、先週がLPのA面にあたる1曲目から4曲目まで、今週がB面にあたる5曲目以降を聞いたわけですが。その中でも話題になったのが“B面1曲目”。再生メディアがCDの時代に入って音楽ファンが失ってしまった楽しみのひとつが、B面の1曲目という存在なのでありました。1曲目をかけてから一気にラストまでつながっているCDとは違って、A面とB面に分かれているLPの場合、A面1曲目をかけて片面の再生が終わると途中で盤をひっくり返して、またB面の1曲目から再生をリスタートするという手順を踏んでいた。場合によっては最初からB面だけ聞くなんてこともあったし。そういう意味でもB面のトップに入っている曲というのはA面1曲目と同じくらい重要な存在だったのでありました。古内さんの『果てしないこと』の場合、それが「girl」になるわけですが。そういう、かつてとても魅力的だったB面の1曲目という場所に位置していたLP時代の洋楽名曲たちを、今日はざっくり12曲セレクトして並べてみました。けっこうかっこいい曲がB面1曲目に収められていたんだなってことがわかってもらえるかも。というわけで、まずはビリー・ジョエルから。1983年の大ヒットLP『イノセント・マン』のB面1曲目に入っていたごきげんなヒット・チューンです。
2. Freedom / Wham!

続いてはワム!が1984年にリリースしたセカンドLP『メイク・イット・ビッグ』のB面1曲目に収められていたこの曲を。もちろんジョージ・マイケル作。
3. Born To Run / Bruce Springsteen

われらがボス、ブルース・スプリングスティーンが1975年にリリースした大出世作『明日なき暴走(Born to Run)』のタイトル・チューンもLPではB面の1曲目に収められていました。
4. Come Get To This / Marvin Gaye

ぼくが個人的にいちばん好きなB面1曲目かも。マーヴィン・ゲイが1973年にリリースした名盤『レッツ・ゲット・イット・オン』のLP、B面トップに収められていた「夢を追いかけて(Come Get to This)」。アルバムのタイトル・チューンがシングルとしても大ヒットして超有名なもんで、ちょっとワリを食っている感じもしますが、こちらの曲もタイトル・チューンに続いてシングル・カットされて全米21位、R&Bチャート3位にランクしたヒット曲です。
5. The Boxer / Simon & Garfunkel

サイモン&ガーファンクルが1970年にリリースした特大ヒット・アルバム『明日に架ける橋(Bridge over Troubled Water)』のB面1曲目。A面の1曲目には必殺のアルバム・タイトル・チューンが収められてたわけですが、こちらの曲も実はアルバムに大きく先駆けて前年春にリリースされ、全米トップ10入りを果たしています。
6. When Doves Cry / Prince

プリンスの1984年のアルバム『パープル・レイン』のB面1曲目はこの曲でした。邦題は「ビートに抱かれて」。これもアルバムに先駆けてシングル・カットされプリンス初の全米ナンバーワンに輝いたナンバー。ベースレスのアレンジに当時ぶっとんだものです。
7. Here Comes The Sun / The Beatles

世界でもっとも有名なB面1曲目かも。ビートルズが1969年にリリースしたLP『アビー・ロード』のB面トップ。A面アタマはジョン・レノン&ポール・マッカートニー作の「カム・トゥゲザー」でスタートするのだけれど、B面はこのジョージ・ハリスン作品でスタート…という、このオルタナ感もまたB面という存在の魅力です。
8. Beat It / Michael Jackson

マイケル・ジャクソンが1982年に放ったモンスター・アルバム『スリラー』のLP、B面トップはこのアルバムを象徴するこの大ヒット曲でした。邦題は「今夜はビート・イット」。
9. Dress You Up / Madonna

今日のプレイリストは1980年代半ばのアルバムからの曲が多いのだけれど、この時期を境に世の中がCD時代へと変わっていくわけで。そう思うと、1980年代半ばくらいがLPを想定してアルバム制作が行なわれていた最後の時期ということになるのかも。この曲もそんな時期、1984年の大ヒット作、マドンナの『ライク・ア・ヴァージン』のLP、B面1曲目でした。
10. She’s A Rainbow/ The Rolling Stones

ローリング・ストーンズのLPのB面1曲目にも名曲が多い。1968年の『ベガーズ・バンケット』は「ストリート・ファイティング・マン」、1969年の『レット・イット・ブリード』は「ミッドナイト・ランブラー」、1971年の『スティッキー・フィンガーズ』は「ビッチ」など。今日は1967年の『サタニック・マジェスティーズ』のB面1曲目。「シーズ・ア・レインボウ」をどうぞ。
11. Family Man / Daryl Hall & John Oates

ホール&オーツ、1982年のアルバム『H2O』のB面1曲目はこれ。マイク・オールドフィールド作品のカヴァーでした。ホール&オーツ・ヴァージョンはアルバムからの3つめのシングルとして翌年大ヒットしました。
12. You've Got A Friend / Carole King

そして最後のB面1曲目。キャロル・キングが1971年にリリースした永遠の名盤『つづれおり(Tapestry)』のB面アタマはこの超名曲「君のともだち(You've Got a Friend)」でした。といっても、この曲のヒット・シングルはジェイムス・テイラーによるもので、キャロルさん自身のヴァージョンはシングル・カットされていませんが、やっぱりこのキャロル・キング・ヴァージョンが沁みます。素晴らしきかな、B面1曲目!

解説:萩原健太

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)『果てしないこと』B面

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第300回 萩原健太のotonanoラジオ#183

2023/04/04 公開

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

今週のオンエア曲

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

1.

古内東子

Soda

『果てしないこと』

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

2.

古内東子

電光石火

『果てしないこと』

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

3.

古内東子

素肌

『果てしないこと』

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

4.

古内東子

果てしないこと

『果てしないこと』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#183

『マイ・フェイヴァリット古内東子 from Album Tracks 1993-2002』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 彼の背中 / 古内東子

古内東子さんをゲストにお招きした『otonanoラジオ』。新作アルバム『果てしないこと』についてあれこれうかがいました。古内さんは何度も番組に出てくださっていて、そのつどいろいろプレイリストを作らせてもらってきたのですが、そういえば古内さんのレパートリーからのベスト選曲っていう基本的なやつをやっていなかったなと今さらながら気づきまして(笑)。今週のプレイリストはそれやります。といっても古内さんのベスト・アルバムとかも普通にストリーミング配信されているので、シングル曲など代表曲はそっちにまかせて。今回はぼくの好きな古内さんのアルバム・トラックを選んでみました。古内さんは2003年、FLIGHT MASTERに移籍するまで、ソニー・レコードにオリジナル・アルバム10作、サントラ1作、カヴァー盤1作…という感じで、ベスト盤以外に12作のアルバムを残しているので、こりゃちょうどいい、と(笑)。その12作から1曲ずつ、年代順にぼくの好きな古内ナンバーを並べました。まずは1993年4月にリリースされたデビュー・アルバム『SLOW DOWN』から「彼の背中」。新たな一歩を踏み出すために別れを決めた女の子の複雑に揺れる思い、みたいな? 大学1年生だったころの東子ちゃんが初々しく歌います。
2. もしかしたら / 古内東子

1992年11月リリースのセカンド・アルバム『Distance』より。おなじみcobaさんのメランコリックなアコーディオンと吉川忠英さんのほのぼのしたウクレレの音色に乗せて、去ってしまった恋人へのなんとも切ない思いを綴ったナンバーを。
3. もっと / 古内東子

1994年のアルバム『Hug』より。つい先日亡くなった有賀啓雄(ベース)と、やはり10年近く前に亡くなった宮田繁男(ドラム)という今は亡き名手二人によるグルーヴがさりげなく素晴らしい。歌われているのはこれまた、思いに反して失ってしまった恋へのやるせない気持ちです。
4. できるだけ / 古内東子

初のニューヨーク録音による1995年のアルバム『Strength』より。オマー・ハキム(ドラム)、ウィル・リー(ベース)、ボブ・ジェイムス(ピアノ)、ニック・モロキ(ギター)らごきげんな顔ぶれがバックアップしています。もちろんこれも失恋の歌で。シングル・カットされたアルバム・タイトル・チューンのシングルのカップリング曲でもありました。
5. 置き去りの約束 / 古内東子

1996年のアルバム『Hourglass』より。日本録音が半分、海外録音が半分という1枚でしたが、この曲は海外もの。ジェイムス・ギャドソン(ドラム)、デヴィッド・T・ウォーカー(ギター)、ジェリー・ヘイ(トランペット)、ポーリーニョ・ダ・コスタ(パーカッション)ら名手を従えての1曲です。もちろん、またまたあきらめきれない恋の終わりが描かれてます。“I know I will keep lovin' you”ってコーラスが切ないっす。
6. ブレーキ / 古内東子

1997年のアルバム『恋』より。これはなんとも複雑な恋の始まりというか、友達から恋人へと変わる曖昧な境界線のようなものを描いた1曲でした。
7. 本当ね / 古内東子

テレビ・ドラマ『オトナの男』の劇中音楽を収録した1997年のサウンドトラック・アルバム『Night and Day』より。遠く離れた恋人への揺れる思い、かな?
8. ぎりぎりまで / 古内東子

1998年の海外録音アルバム『魔法の手』より。新たな恋の始まりの瞬間を迎えながら、なんとも慎重に、必要以上に臆病になってしまっている女の子の心情を、ポール・ハンフリー(ドラム)、デヴィッド・T・ウォーカー(ギター)、レニー・カストロ(パーカッション)らがバックアップしています。
9. 意外と簡単に / 古内東子

1999年のアルバム『winter star』より。カルロス菅野(パーカッション)、前嶋康明(キーボード)らラテン系の名手を従え、さらにエポをデュエット・パートナーに迎えて、熱い恋愛まっただ中のラブラブな女友達に対する思いをちょっとシニカルにぶちまけたナンバー。
10. くすり指 / 古内東子

2000年のアルバム『Dark ocean』より。実にややこしい片想いの形を、中西康晴のピアノに乗せて淡々と綴ります。ちょっとじっとり怖いかも…(笑)。
11. SHOWER ME WITH YOUR LOVE / 古内東子

2001年のカヴァー・アルバム『CRAZY FOR YOU』より。ビートルズ、マドンナ、ホール&オーツ、フィル・コリンズ、アイズレー・ブラザーズ、ギャップ・バンド、ジェッツ、ペブルズ、ワム!などの楽曲を歌いまくった1枚でしたが、その中から今回はサーフィスが1988年に放ったヒットのカヴァーを。
12. あってみたい人 / 古内東子

2002年のアルバム『10stories』より。もう二度と恋なんかしないと頑なに思い込んでいた女の子が、ついに新しい恋にめぐりあって、閉ざしていた心を開こうとしている瞬間を描いたこの曲で古内東子プレイリストを明るく締めくくりましょう(笑)。ここでも中西康晴のエレクトリック・ピアノがごきげんです。

解説:萩原健太

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第300回 萩原健太のotonanoラジオ#182

2023/03/28 公開

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

今週のオンエア曲

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

1.

ムーンライダーズ

SKELETON MOON (Session1)

『Happenings Nine Months Time Ago in June 2022』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

2.

ムーンライダーズ

Work without Method (Session4,Ver2)

『Happenings Nine Months Time Ago in June 2022』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

3.

ムーンライダーズ

Jam No.2 in Z Minor and Major (Session10)

『Happenings Nine Months Time Ago in June 2022』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#182

『追悼プレイリスト|岡田徹が提供したムーンライダーズ楽曲集』

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1. Waltz for Postwar.B / ムーンライダーズ

ムーンライダーズの鈴木慶一さんをお迎えした『otonanoラジオ』。今週はライダーズの新作『Happenings Nine Months Time Ago/ in June 20』についてたっぷりお話をうかがいました。全編インプロ。間もなく結成50周年を迎えるライダーズがまだまだ新境地に挑み続けていることを思い知らせてくれる衝撃作でした。ただ、ライダーズ・ファンにとっては悲しいお別れの報せも。去る2月、デビュー以来のオリジナル・メンバーのひとり、岡田徹さんが73歳で他界。というわけで、今週のプレイリストは岡田徹さんを偲びます。ライダーズのアルバムに岡田さんが提供したたくさんの楽曲の中からぼくの好きな12曲をピックアップして並べてみました。ポップさとアヴァンギャルドな感覚とが絶妙なバランスで共存する岡田さんの個性を改めて味わってみてください。 まずは1曲目。2005年のアルバム『P.W Babies Paperback』の冒頭に収められていた短いインスト・ナンバーです。もちろん作曲:岡田徹です。
2. 夕暮れのUFO、明け方のJET、真昼のバタフライ / ムーンライダーズ

続いては2009年のアルバム『Tokyo 7』より。作詞:鈴木慶一、作曲:岡田徹というソングライター・チームによる作品です。
3. 紅いの翼 / ムーンライダーズ

1977年のアルバム『ムーンライダーズ』より。アルバム冒頭を飾っていた人気曲です。作詞・作曲:岡田徹。
4. ハロー マーニャ小母さん / ムーンライダーズ

2011年のアルバム『Ciao!』より。作詞:鈴木慶一・岡田徹、作曲:岡田徹。反核のメッセージを密かに忍ばせた慶一さんの歌詞と、岡田さんによる牧歌的なメロディがイマジネイティヴに交錯する1曲です。
5. スタジオ・ミュージシャン / ムーンライダーズ

岡田さんは鈴木博文さんとのコンビでもたくさんの名曲を残しています。そんな1曲。1978年の名盤『ヌーベル・バーグ』に収められていた作詞:鈴木博文、作曲:岡田徹によるナンバーです。
6. 水の中のナイフ / ムーンライダーズ

これも作詞:鈴木博文、作曲:岡田徹。さまざまな映画のタイトルの下、その映画の架空のサウンドトラックを作るというコンセプトで制作された1980年のアルバム『カメラ=万年筆』より。1962年のロマン・ポランスキー監督作品に触発された1曲です。
7. 9月の海はクラゲの海 / ムーンライダーズ

結成10周年を迎えた1986年にリリースされたアルバム『DON'T TRUST OVER THIRTY』より。メンバー全員が30歳代に突入したことに引っかけて、この皮肉なタイトルがつけられたのだとか。そこに収められていた作詞:サエキけんぞう、作曲:岡田徹というソングライター・チームによる楽曲です。
8. ダイナマイトとクールガイ / ムーンライダーズ

1992年のアルバム『A.O.R. (Adult Only Rock’n Roll)』より。作詞:鈴木慶一、作曲:岡田徹。
9. Vintage wine Spirits, and Roses / ムーンライダーズ

2006年のアルバム『MOON OVER the ROSEBUD』より。これも作詞:鈴木慶一、作曲:岡田徹の作品です。
10. G.o.a.P / ムーンライダーズ

作詞:鈴木慶一、作曲:岡田徹の作品をさらに。1984年のアルバム『アマチュア・アカデミー』の収録曲です。
11. さよならは夜明けの夢に / ムーンライダーズ

こちらは作詞:鈴木博文、作曲:岡田徹。1977年のアルバム『イスタンブール・マンボ』より。
12. ウェディング・ソング / 鈴木慶一とムーンライダーズ

そして最後は、ぼくが個人的にいちばん好きな岡田徹作品。まだ“鈴木慶一とムーンライダーズ”名義でリリースされたファースト・アルバム、1975年の超名盤『火の玉ボーイ』から、作詞:鈴木慶一&岡田徹、作曲:岡田徹による名曲です。あがた森魚さんのヴァージョンでもおなじみかも。岡田さん、素敵な曲をたくさんたくさんありがとうございました。

解説:萩原健太

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第299回 萩原健太のotonanoラジオ#181

2023/03/21 公開

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

今週のオンエア曲

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

1.

大滝詠一と鈴木慶一(冗談ぢゃねーやーず)

ゆうがたフレンド (USEFUL SONG)

『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

2.

大滝詠一

いかすぜ!この恋

『大瀧詠一 乗合馬車 (Omnibus) 50th Anniversary Edition』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

3.

No Lie-Sense

チョンボマンボ

『駄々録〜Dadalogue』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

4.

デーボ

ビックリハウス音頭(take 4)

『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#181

『Monster Mash ~音だけ聞いても楽しめるノヴェルティ・ソング集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Monster Mash / Bobby "Boris" Pickett & The Crypt-Kickers

鈴木慶一さんを迎えてノヴェルティ・ソングをめぐって思いきり盛り上がった今週の『otonanoラジオ』、いかがでしたか? 慶一さんが今回ヴァーチャル・デュエットで参加した大滝詠一さんもこのノヴェルティ・ソングってやつが大好きで。誰よりも深く研究していらっしゃいましたが。日本ではなかなかこのノヴェルティ・ソングというものの実体が理解されていない感触もあり。単なるコミック・ソングとはちょっと違うその魅力を少しでも体感していただくため、今週のプレイリストは本場米国のノヴェルティ・ソング特集です。といっても代表的なノヴェルティ・ソングの中には歌詞に重きを置いたものも多く、音だけ聞いているとフツーだったりするものもあるので、今回は歌詞を抜きにして音だけ聞いても楽しめるものを中心にセレクトしてみました。まずは1962年にリリースされて以来、ハロウィーンを盛り上げる定番曲として長く愛され続けているこの曲から。マッド・サイエンティストが作り上げたモンスターが、ある夜、起き出して“モンスター・マッシュ”なる新しいダンスを披露するというごきげんなロックンロール。狼男やドラキュラたちとパーティで大いに盛り上がります。1962年の全米ナンバーワン・ヒット。
2. Stayin' Alive / Jonathan & Darlene Edwards

ノヴェルティ・ソングには“ヘタ歌”ものというのがあって。その最高峰。といっても実際に歌っているのは歌のうまさにかけては定評のあるジャズ・ヴォーカリスト、ジョー・スタッフォード。彼女は歌がうますぎてレコーディングのとき予定よりも早く歌入れが終わってしまい、スタジオ時間が余ってしまうことが多かったのだとか。そんな空き時間に夫であるアレンジャーのポール・ウェストンとともにお遊びで演じたのが“ジョナサン&ダーリー・エドワーズ”という架空の夫婦デュオ。ジョー・スタッフォードが完璧な歌唱力を駆使して絶妙に下手な歌を歌い、ポール・ウェストンがこれまた絶妙にキーボードでちょっとだけミスタッチをして音を外しながら、なんとも気持ちの悪い世界を作り上げています。基本的にはジャズ・スタンダードを取り上げることが多いのですが、今回はおなじみ、ビージーズのディスコ・ヒットをカヴァーした1979年の音源を。最高に気持ち悪いっすよ(笑)。
3. Banana Boat (Day-O) / Stan Freberg

ノヴェルティ・ソングの王者といえば、1950年代に20曲近い全米ヒット・シングルを放ったこの人、スタン・フリーバーグです。これは1957年のヒット。ハリー・ベラフォンテでおなじみ「バナナ・ボート」のレコーディング風景をコント仕立てにしたものです。ベラフォンテ並みに声がでかいのが売りのジャマイカ人シンガーが歌っていると、ビートニクスを気取ったボンゴ奏者とモメまくる。毒グモのことを描いた歌詞を歌うなとか、声がでかすぎるとか、あれこれ文句をつけまくった結果、シンガーはなんとスタジオの外に出て歌うことになってしまい、最後はなんと…? というストーリー。お楽しみください。
4. The Flying Saucer / Buchanan & Goodman

番組の中でかかった大滝詠一「いかすぜこの恋」は、エルヴィス・プレスリーの曲のレパートリーのタイトルをずらっと並べて、なんとなくストーリーを組み立てて歌ったものでしたが、このブキャナン&グッドマンの1956年の大ヒット曲「ザ・フライング・ソーサー」は、当時のヒット曲のフレーズをちょっとずつつなぎ合わせて、空飛ぶ円盤が地球を襲撃するどたばたニュースを綴ったもの。全米3位まで上昇する大ヒットを記録しました。ブキャナン&グッドマンはこの後も同じ手法でたくさんのノヴェルティ・ヒットを飛ばしています。
5. Gitarzan / Ray Stevens

この人もたくさんノヴェルティ・ヒットを誇るレイ・スティーヴンス。無数の代表曲の中から、今回は1969年のヒット「ギターザン」を。ちょうどその当時ヒットしていたジェリー・リードの「ギター・マン」に、“ア〜アア〜”のシャウトでおなじみ、ジャングルの王者、ターザンを引っかけたファンキーなノヴェルティ・ソングです。他にも「スウィンギング・オン・ア・スター」とか「ハニー・チャイル」とかヒット曲の要素を引用しながら、ターザンと、パートナーのジェーンと、マスコットの猿であるチーターとが賑やかに掛け合います。当時見事に全米トップ10入りを果たしました。
6. Delicious / Jim Backus

人気俳優ジム・バッカスが1958年に放った、これまた強力なノヴェルティ・ヒット。酔っ払うと何でもかんでもおかしくなって笑いが止まらなくなることがありますが。とにかくそれをえんえんやっただけの曲。男女がおしゃれなバーでシャンパンを飲みながらただただ言葉を交わして笑い合っていて。聞いているこちらまでつられて笑いの渦に巻き込まれていく、という、とんでもない名演です。
7. Disco Duck / Rick Dees & His Cast of Idiots

米メンフィスのディスクジョッキーだったリック・ディーズが、1976年、当時のディスコ・ミュージック・ブームを皮肉るような形でリリースしたノヴェルティ・ディスコもの。ダンス・パーティに参加した男が、アヒルのような珍妙なダンスを披露していたら、それがディスコで大当たりしてしまった、みたいなくだらない内容です。ディスコ・ビートに乗って繰り出されるドナルド・ダックみたいな声が大受けして、全米ナンバーワンに輝きました。
8. Hello Muddah, Hello Faddah (A Letter from Camp) / Allan Sherman

クラシック音楽を素材にしたノヴェルティものの代表作です。メロディはポンキエッリのオペラ『ラ‐ジョコンダ』より「時の踊り」。そこにとある少年が両親宛に綴った手紙の文面を乗せて歌っています。内容は、キャンプ・グラナダなるとんでもないサマー・キャンプ場で、キャンプ仲間が行方不明になったり、とんでもない病気にかかったり、散々な目に合っているというもの。しかし、やがて雨がやんで楽しい日々が始まって、文面の最後、この手紙のことは忘れてください…と締めくくられます。1963年に全米2位にランクしました。
9. Cocktails For Two / Spike Jones & His City Slickers

日本のコミック・バンドの草分け、ハナ肇とクレイジーキャッツもお手本にしていたコミック・バンドの帝王、スパイク・ジョーンズ&ヒズ・シティ・スリッカーズの音源もひとつ。おなじみのスタンダード・ナンバー「カクテル・フォー・トゥー」を題材に、楽器じゃない道具を楽器のように使いながら、効果音満載のヴァージョンへと生まれ変わらせています。これぞノヴェルティ・ソングの基本形。1944年に全米4位にランクしました。
10. Tip Toe Thru' the Tulips With Me / Tiny Tim

“変顔”ならぬ“変声”もノヴェルティ・ソングの大きな武器。ウクレレを弾きながら独特のファルセットであらゆる曲を歌いこなすタイニー・ティムも“変声”の代表選手でしょう。1920年代に作られたおなじみのナンバーを1968年にカヴァーして大ヒットさせました。
11. Constipation Blues / Screamin' Jay Hawkins

ブルースの怪人、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスにも名作ノヴェルティ・ナンバーが多いのですが。中でも、1969年にリリースされたこの曲は超強力。「便秘のブルース」という直訳タイトルで当時日本盤シングルも出ていました。“世の中には愛とか、失恋とか、孤独とかを歌った曲がたくさんあるけれど、誰も本当の痛みについて歌ったことはない。俺がそれを聞かせてやる”という前口上に続いて、本格的なブルース演奏がスタート。それに乗って、“うおーっ!”とか“レット・イット・ゴー!”とか“ペイン・ダウン・インサイド”とか“スプラッシュ!”とか、力みまくり、とんでもないシャウトを繰り出すナンバーです。お食事時は避けてお聞き下さい。内容はともあれ、一級品のブルース・ナンバー!
12. They're Coming To Take Me Away, Ha-Haaa! / Napoleon XIV

レコーディング・エンジニアのジュリー・サミュエルズが、ナポレオンの末裔“ナボレオン14世”を名乗って1966年にお遊びで録音した1曲。愛犬に去られた男が精神に異常をきたしてクレイジーな世界へと突入していく、なんともイカれたナンバーで、当時ことごとく放送禁止処分を受けたものの、それがまた話題を呼び全米3位にランクすることになった最強、いや最凶、いやいや最狂のノヴェルティ・ソングです。邦題は「狂ったナポレオン,ヒヒ,ハハ…」。ヴァリ・スピードを駆使したレコーディングがいかにもエンジニアならではです。

解説:萩原健太

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第298回 萩原健太のotonanoラジオ#180

2023/03/14 公開

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

今週のオンエア曲

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

1.

シーナ&ロケッツ

ROUGHNECK BLUES

『HAPPY HOUSE』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

2.

シーナ&ロケッツ

フリクション・ドライブ

『NEW HIPPIES』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

3.

シーナ&ロケッツ

MAKOTO IS MY LOVE (TOMORROW BEACH)

『@ heart』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

4.

ジェフ・ベック・グループ

迷信嫌い

『トゥルース』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

5.

ベック・ボガート&アピス

アイム・ソー・プラウド

『ベック・ボガート&アピス』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

6.

ジェフ・ベック・アンド・ジョニー・デップ

ドント・トーク

『18』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#180

『I’m So Proud ~ジェフ・ベックのカヴァー・プレイ集』

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1. She's A Woman / Jeff Beck

鮎川誠、そしてジェフ・ベック。日英を代表するグレイトなギタリストの追悼特集をお届けした「otonanoラジオ」。お二人とも、ギターという楽器を身体の一部として一体化させたようなプレイが印象的でした。心からご冥福をお祈りします。鮎川さんに関しては悲報が届いた直後、ぼくのブログのほうで追悼プレイリストを上げさせてもらいました。シーナ&ザ・ロケッツのナンバーの中からぼくが大好きな鮎川さんのギター・プレイを堪能できる曲をセレクトしたもの。もしよろしければそちら(https://apple.co/3JsDLjQ)も聞いてみてください。というわけで、こちらのプレイリストではジェフ・ベックのプレイにスポットを当てます。番組でもラストに、ベックがギターで見事にカヴァーしたビーチ・ボーイズ作品「ドント・トーク」をお送りしましたが、ぼくは彼のカヴァー・ヴァージョンが大好き。本当に幅広いジャンルの曲を、まさに彼の“声”とも言うべきギターで見事に“歌いこなして”みせる感じが、もう究極です。そんなカヴァーものの中から12曲だけピックアップして並べてみました。まずはビートルズのナンバーから。ビートルズの育ての親でもあるジョージ・マーティンにプロデュースを依頼した1975年の大傑作アルバム『ブロウ・バイ・ブロウ』に収められていた名演です。
2. People Get Ready / Jeff Beck with Rod Stewart

1985年のアルバム『フラッシュ』より。かつてジェフ・ベック・グループのリード・ヴォーカルをつとめていた旧友ロッド・スチュワートと再タッグを組んで、カーティス・メイフィールドが作ったインプレッションズのゴスペルライクなヒット曲をソウルフルにカヴァーしてみせました。
3. Hound Dog / Jeff Beck & Jed Leiber

1992年にリリースされた映画『ハネムーン・イン・ベガス』のサントラ・アルバムより。“史上初のブルー・アイド・ソウル・ブラザー”の異名をとる偉大なプロデューサー/ソングライター・チーム、リーバー&ストーラーが黒人女性シンガー、ビッグ・ママ・ソーントンに提供した名曲です。この曲はエルヴィス・プレスリーのヴァージョンが大ヒットしていて、ジェフ・ベックもそのエルヴィス・ヴァージョンをまるまるインストに置き換えてカヴァー。歌の部分はもちろん、途中のギター・ソロまでフル・コピーしていて、超ごきげんです。作者のひとり、ジェリー・リーバーの息子であるジェド・リーバーとの共演でした。
4. Tonight I'll Be Staying Here with You / Jeff Beck Group

第二期ジェフ・ベック・グループが1972年にリリースしたアルバム『ジェフ・ベック・グループ』から、ボブ・ディランの作品「今宵はきみと」のカヴァー。
5. Love Is Blue (L'amour Est Bleu) / Jeff Beck Group

後年、プッチーニの歌劇『トゥーランドット』のアリア「誰も寝てはならぬ」までドラマチックにカヴァーして、とてつもない音楽的な幅を見せつけてくれたジェフ・ベックですが。その幅広さは活動初期から不変。1968年に本曲、ポール・モーリア楽団が全米1位に送り込んだ哀愁のイージー・リスニング・ナンバー「恋はみずいろ」をカヴァーしてシングル・ヒットさせています。ブルース・ロックとかフュージョンとかだけじゃない。あらゆるジャンルの素晴らしい音楽をジェフ・ベックはぼくたちに紹介し続けてくれたのでした。
6. Race With The Devil / Jeff Beck & The Big Town Playboys

ジェフ・ベックが子供のころから憧れていたロックンロール・ギタリストのひとり、クリフ・ギャラップへの敬愛をぶちまけた1993年のアルバム『クレイジー・レッグス』より。ギャラップがリード・ギタリストをつとめていたジーン・ヴィンセント&ザ・ブルー・キャップスが1956年に放ったヒットのカヴァーです。ヨーロッパで人気のネオ・ロカビリー・バンド、ビッグ・タウン・プレイボーイズを従えて、これまたフル・コピーで聞かせています。
7. I'm So Proud / Beck, Bogert & Appice

元ヴァニラ・ファッジの超強力リズム・セクション、ティム・ボガート&カーマイン・アピスと組んだベック、ボガート&アピスとして1973年にリリースした唯一のスタジオ・アルバム『ベック、ボガート&アピス』より。前出「ピープル・ゲット・レディ」同様、インプレッションズがヒットさせたカーティス・メイフィールド作品のカヴァーです。
8. Sleep Walk / Jeff Beck

1985年、映画『ポーキーズ・リヴェンジ』のサントラ盤から。サント&ジョニーの古いインスト・ヒットのカヴァー。オリジナル・ヴァージョンのスティール・ギターのニュアンスをベックが見事に再現して聞かせます。
9. How High The Moon(Live) / Jeff Beck

ジェフ・ベックにとってのギター・ヒーローは、前出、クリフ・ギャラップとか、エルヴィス・プレスリーのバック・バンドの一員だったスコッティ・ムーアとか、初期ロックンロールのギタリストが多いのですが。実はロックンロール以前の名ギタリスト、レス・ポールからの影響もとても強いです。ヤードバーズ時代の名演として知られる「ジェフズ・ブギー」とか、もろにレス・ポールのフレージングを真似していました。と、そんな尊敬するレス・ポールのレパートリーをカヴァーしたのが本曲。2010年のライヴ・ヴァージョンですが、オリジナルのレス・ポール&メアリー・フォードのヴァージョン同様、イメルダ・メイの多重コーラスを舞台上のテープレコーダーで再生しながらのパフォーマンスです。
10. Hi-Heel Sneakers / Jeff Beck & Jed Leiber

前出「ハウンド・ドッグ」でも共演していたジェド・リーバーとのレコーディングをもうひとつ。日本では『ウェルカム・トゥ・サイゴン』なる邦題で映画公開された1992年の豪TVミニ・シリーズのサントラ・アルバム 『フランキーズ・ハウス』より。R&Bシンガー、トミー・タッカーのヒット「ハイヒール・スニーカーズ」を、またまたイントロのギター・フレーズからフル・コピーで聞かせます。
11. Over The Rainbow / Jeff Beck

「誰も寝てはならぬ」も収められていた2010年のアルバム『エモーション・アンド・コモーション』より。1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』に主演したジュディ・ガーランドが歌った超名曲です。ベックはハーモニクスのロング・トーンを鳴らしたまま、ギターのトレモロ・アームだけ使って音程をコントロールするなど、超絶テクニックを駆使しながら感動的に聞かせます。
12. Caroline No / Jeff Beck & Johnny Depp

そしてラストは、番組でもオンエアした「ドント・トーク」同様、ビーチ・ボーイズの名盤『ペット・サウンズ』からのナンバーを。ジョニー・デップとの連名でリリースされた2022年のアルバム『18』に収められていたカヴァー・ヴァージョンです。泣けます。

解説:萩原健太

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第297回 萩原健太のotonanoラジオ#179

2023/03/07 公開

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

今週のオンエア曲

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

1.

高橋幸宏

Drip Dry Eyes

『ニウロマンティック〜ロマン神経症〜』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

2.

高橋幸宏

BIJIN-KYOSHI AT THE SWIMMING SCHOOL

『音楽殺人』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

3.

高橋幸宏

THE APRIL FOOLS

『薔薇色の明日』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

4.

Smith

Baby It's You

『A Group Called Smith』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

5.

Love

My Little Red Book

『Love』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

6.

Burt Bacharach

Please Explain

『At This Time』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#179

『A House Is Not A Home ~バート・バカラックのリード・ヴォーカル・トラック集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. A House Is Not A Home / Burt Bacharach

バート・バカラックと高橋幸宏、今年に入って相次いで亡くなった米日それぞれを代表するポップス・クリエイターの追悼特集をお届けした今週の「otonanoラジオ」。これからも彼らが残してくれた素晴らしい作品をずっと愛し続け、聞き続けていきたいですね。と、そんな思いをプレイリストにも託して、今週はバート・バカラックの特集をお送りします。この人はマジカルな名曲をそれこそ無数に残したソングライターとして超有名なわけですが。実は時折、自らアーティストとしてリリースしたソロ・アルバムやコンサートでちらっとリード・ヴォーカルを聞かせることがありました。特にうまいってわけでもないのですが、ハスキーな、なんとも味わい深い歌声で。ぼくはそれが大好きでした。というわけで、今週のバカラック・プレイリストは彼がリード・ヴォーカルを聞かせているトラックを12曲集めてみました。まずは1967年のアルバム『リーチ・アウト』から。ディオンヌ・ワーウィックやルーサー・ヴァンドロスの名唱でおなじみのこの曲を。
2. Make It Easy On Yourself / Burt Bacharach

1969年のアルバム『メイク・イット・イージー・オン・ユアセルフ』から。そのタイトル・チューンを。ジェリー・バトラーやウォーカー・ブラザーズのヒット曲としておなじみです。
3. Hasbrook Heights / Burt Bacharach

1971年のアルバム『バート・バカラック』から。このバカラック・ヴァージョンがオリジナル。翌年になってからディオンヌ・ワーウィックも取り上げている。
4. Raindrops Keep Fallin' On My Head (Live In Japan, May 7, 1971) / Burt Bacharach

1971年5月7日、今はなき東京・新宿厚生年金会館で行なわれたバカラックの初来日公演の模様を収めたライヴ・アルバム『ライヴ・イン・ジャパン』より。B.J.トーマスが歌って大ヒットした超おなじみの「雨に濡れても」です。
5. Alfie (Live In Japan, May 7, 1971) / Burt Bacharach

『ライヴ・イン・ジャパン』からもう1曲。曲アタマの部分をちらっと歌うだけですが(笑)。シラ・ブラック、シェール、ディオンヌ・ワーウィックなどのレパートリーとしておなじみです。スティーヴィー・ワンダーのハーモニカによるインスト・ヴァージョンも最高!
6. Something Big / Burt Bacharach

ここから4曲は1973年のアルバム『リヴィング・トゥゲザー』の収録曲。まずはマーク・リンゼイへの提供曲を自ら歌ったヴァージョンです。
7. The Balance Of Nature / Burt Bacharach

『リヴィング・トゥゲザー』より。ディオンヌ・ワーウィックへの提供曲です。
8. Lost Horizon / Burt Bacharach

『リヴィング・トゥゲザー』より。1973年の映画『失われた地平線』のためにバート・バカラック&ハル・デヴィッドが提供した主題歌の自演版です。映画のサウンドトラックではショーン・フィリップスが歌っていました。
9. I Might Frighten Her Away / Burt Bacharach

もう1曲『リヴィング・トゥゲザー』から。これも映画『失われた地平線』のために書き下ろされた曲の自演版で、映画のサントラではダイアナ・リーとジェリー・ホイットマンがデュエットしていました。
10. The Look Of Love (Live in Sydney) / Burt Bacharach

2008年1月のオーストラリア公演の模様を収めたライヴ・アルバム『ライヴ・アット・ザ・シドニー・オペラ・ハウス』より。ダスティ・スプリングフィールドのヒット曲としておなじみのナンバーを。
11. Wives And Lovers (Live in Sydney) / Burt Bacharach

もう1曲『ライヴ・アット・ザ・シドニー・オペラ・ハウス』より。ジャック・ジョーンズに提供したヒット曲です。
12. Lie Back & Think Of England / Burt Bacharach

最後は1997年の映画『オースティン・パワーズ』のために提供した楽曲のバカラックによるピアノ&ヴォーカル・デモ。今月リリースされたばかりのアルバム『ザ・ソングス・オヴ・バカラック&コステロ』で世に初お目見えした未発表音源です。

解説:萩原健太

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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