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第220回 萩原健太のotonanoラジオ#102

2021/09/14 公開

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

葛谷葉子

TRUE LIES

『MIDNIGHT DRIVIN' -KUZUYA YOKO MUSIC GREETINGS 1999~2021-』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

葛谷葉子

midnight drivin’(新曲)

『MIDNIGHT DRIVIN' -KUZUYA YOKO MUSIC GREETINGS 1999~2021-』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

3.

葛谷葉子

All Night

『MIDNIGHT DRIVIN' -KUZUYA YOKO MUSIC GREETINGS 1999~2021-』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#102

『Believe!~長めのブランクを経た全米チャート上位復活劇!!~』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. スムース / サンタナ(feat. ロブ・トーマス)

自らの歌声で綴った新曲で11年ぶりにシーン復帰した葛谷洋子さん。今週の「otonanoラジオ」はそんな彼女をゲストにお迎えしました。久々の復帰、ということで、それにひっかけてちょっとヒットチャート・マニアっぽいプレイリストをお届けします。ちょっと説明がむずかしいリストなんですが。全米チャートのトップ10圏内にランクしたヒット曲を対象に、前のヒットと久々のヒットとの間のブランクがけっこう長かった曲の特集…という(笑)。まあ、なんだかよくわからないリスト。別に引退していたアーティストが久々にカムバックしてヒット曲を放ったとか、そういうことではなく、活動はちゃんと継続していたものの、しばらく目立ったシングル・ヒットを放っていなかったアーティストが久々にチャート上位に返り咲いた、みたいな、そういうケースを集めてみました。単に記録上の“久々の返り咲き”特集です。まずはサンタナ。1969年にデビューした超ベテランですが、実は全米トップ10ヒットは少なく、なんと全米1位に輝いたのは本曲、1999年にロブ・トーマスをゲスト・シンガーに迎えてリリースした「スムース」が初でした。全米トップ10ヒットとしては1971年に全米4位にランクした「ブラック・マジック・ウーマン」以来。ということで、ブランク28年の久々ヒットでありました。
2. ココモ / ザ・ビーチ・ボーイズ

ビーチ・ボーイズは1960年代、3曲の全米ナンバーワン・ヒットを放っていて。その最後の1曲が1966年の「グッド・ヴァイブレーションズ」。そのあと、全米トップ10ヒットを記録したシングルはそのちょうど10年後、1976年の「ロックンロール・ミュージック」で。そのあと、またしばらくトップ10ヒットがなくなって、1988年、映画『カクテル』の挿入歌「ココモ」でついに全米ナンバーワンに返り咲いた、と。そういうわけで、ここは久々のトップ10ヒットではなく、久々の全米ナンバーワン・ヒットってことで、「ココモ」を聞きましょう。22年のブランクを置いての1位返り咲きです。
3. ラヴ・ネヴァー・フェルト・ソー・グッド / マイケル・ジャクソン&ジャスティン・ティンバーレイク

マイケル・ジャクソン、生前最後の全米トップ10ヒットは2001年の「ユー・ロック・マイ・ワールド」。その後、彼の名前が全米ヒットチャートの10位圏内に復活するのは、亡くなった5年後の2014年、生前、1983年の歌声にジャスティン・ティンバーレイクがヴァーチャル・デュエットをオーヴァーダビングする形で完成した本曲「ラヴ・ネヴァー・フェルト・ソー・グッド」だった。チャート上でのブランク、13年。
4. ユー・ゴット・イット / ロイ・オービソン

先週のプレイリストにも登場したロイ・オービソン。実はこれも先週取り上げた「カリフォルニア・ブルー」同様、ジェフ・リンのプロデュース作品なのだけれど。先週のプレイリストにセレクトしたビートルズの「フリー・アズ・ア・バード」とか、ジョージ・ハリスンの「セット・オン・ユー」とかも、実はヒット・チャート上でトップ10圏内にランクしたのはそれぞれ19年ぶりと15年ぶりだったりして。やはりジェフ・リン、ベテランをプロデュースしてヒットチャートへと返り咲かせる達人なのだなと改めて感服します。で、1989年に全米チャート9位まで上昇したこの曲も、オービソンにとっては1964年に全米ナンバーワンに輝いた「オー・プリティ・ウーマン」以来、25年ぶりの全米トップ10ヒットだった。
5. ビリーヴ / シェール

オートチューンという“新兵器”をポップ・シーンに大流行させるきっかけとなったシェールの「ビリーヴ」。この曲が全米ナンバーワンに輝いたのは1998年のことで、そのひとつ前にシェールが放った全米1位曲「ダーク・レディ」から24年ぶりという快挙だった。シェールに関しては、夫婦デュオ、ソニー&シェールとして最初の全米ナンバーワン・ヒット「アイ・ガット・ユー・ベイブ」を放ったのが1965年で。「ビリーヴ」はそれから33年と232日後の1位曲。史上もっとも長い期間にわたって全米ナンバーワン・ヒットを生み出したシンガーとしても名を残している。
6. 愛にすべてを捧ぐ / ミート・ローフ

ちょっとルール違反なのだけれど。実はシアトリカル・ロックの最高峰、ミート・ローフにとって1970年代最大のヒット・シングルは1978年の「66%の誘惑」で。これ、全米最高11位のヒットで。トップ10入りしていないのだけれど。まあ、カナダとかニュージーランドでは10位内に入っているので、ちょっとした誤差ってことで許してください(笑)。で、その15年後、1993年になってミート・ローフは晴れて初の全米ナンバーワン・ヒット「愛にすべてを捧ぐ」をぶちかましたのでありました。サンタナと同じような感じっすね。めでたし。
7. フォー・ファイヴ・セカンズ / ポール・マッカートニー、 リアーナ、 カニエ・ウェスト

ポール・マッカートニーなんて、もうえんえん途切れることなく全米トップ10ヒットを放ち続けてきたのかと思ったら。そんなことはなくて。1986年に同名映画の主題歌「スパイズ・ライク・アス」を全米7位に送り込んで以来、少なくとも全米チャートにおいてトップ10ヒットはひとつもなし。で、その29年後、2015年になって、なんとカニエ・ウェストとのコラボレーションの下、リアーナをヴォーカルにフィーチャーしたこの曲で全米トップ10に返り咲き。最高4位にランクした、と。ただ、まあ、ポールは曲を共作してアコギを弾いてはいるみたいだけど、あと何してるんだか…(笑)。
8. アイ・ニュー・ユー・ワー・ウェイティング / アレサ・フランクリン&ジョージ・マイケル

ある時期、ジョージ・マイケルがデュエット上手な若者として自分が尊敬する往年の偉大なアーティストたちと共演することで、その先達をヒットチャートに返り咲かせるという、なんというか、こう、親孝行みたいなことをよくやっていて。1987年に全米1位に輝いたこの曲もそのひとつです。ソウルの女王、アレサ・フランクリンとの必殺のデュエット。まあ、アレサはそれなりに全米トップ10ヒットをコンスタントに放ち続けてはいたのだけれど、こと、全米ナンバーワン・ヒットとなると1967年の「リスペクト」以来。20年のブランクを置いての全米ナンバーワン返り咲きでした。
9. 僕の瞳に小さな太陽 / ジョージ・マイケル&エルトン・ジョン

ジョージ・マイケル絡みをもう1曲。といっても、これはいろいろルール無視の選曲です。すみません。主役はエルトン・ジョンで。この曲、もともとはエルトンが1974年に全米2位に送り込んだヒット。それをジョージ・マイケルとデュエットしたライヴ・ヴァージョンで1992年に全米ナンバーワンにランクさせたということで。同じ曲の再ヒットという意味では18年ぶりの快挙。で、エルトンが誰かとデュエットしたナンバーワン・ヒットという意味では、1976年にキキ・ディーとデュエットした「恋のデュエット」以来16年ぶり。厳密に言うと、エルトンはディオンヌ・ワーウィック、グラディス・ナイト、スティーヴィー・ワンダーとの4人共演シングル「愛のハーモニー」で1985年、全米1位に輝いているので、それからだと7年ぶり。と、いろいろな意味合いの“久々”をはらんだ1曲なのでありました。
10. ボディ・アンド・ソウル / トニー・ベネット&エイミー・ワインハウス

もうルールも何もあったもんじゃない感じになってきたので、極端なルール違反をひとつ。大ベテラン、トニー・ベネット。1951年から全米チャートの常連だったベネットさんですが、最後に全米ホット100内にランクした曲は、1967年の「フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ」で。これが全米91位。で、それからなんと流れた歳月43年! 半世紀近いブランクを経て、あのエイミー・ワインハウスとのデュエット「ボディ・アンド・ソウル」を2011年に全米87位に送り込んでヒットチャートに復帰したのでした。これは偉業だから。チャート下位とはいえ、無視できません。
11. ドント・ノウ・マッチ / リンダ・ロンシュタット&アーロン・ネヴィル

続いてはニューオーリンズの至宝、ネヴィル・ブラザーズの一員としてもおなじみのアーロン・ネヴィル。この人、ソロ名義での最後の全米トップ10ヒットは1967年に全米2位にランクした「テル・イット・ライク・イット・イズ」で。それから22年を経た1989年、リンダ・ロンシュタットとのデュエットでバリー・マン作の超名曲「ドント・ノウ・マッチ」を歌い、またまた全米2位に返り咲いたのでありました。
12. ハロー・ドーリー! / ルイ・アームストロング

ラストは、そのアーロン・ネヴィルを凌駕するニューオーリンズの宝、ルイ・アームストロング。この人が若かりしころにはまだ全米ヒットチャートもきちんと整備されていなかったこともあり、そのとてつもない存在感が今ひとつ記録として残っていないところもあるのだけれど。とりあえず古い文献によれば、1932年に「オール・オヴ・ミー」を全米ナンバーワンにランクさせていて。で、その32年後の1964年、62歳のときになんとこの曲「ハロー・ドーリー!」を、折からのビートルズ旋風に負けることなく全米1位にランクさせてみせたのでした。すげえや。

解説:萩原健太

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第219回 萩原健太のotonanoラジオ#101

2021/09/07 公開

リリース50周年記念特集(その3)|ジェフ・リン特集

今週のオンエア曲

リリース50周年記念特集(その3)|ジェフ・リン特集

1.

ELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)

スウィート・トーキン・ウーマン

『アウト・オブ・ザ・ブルー』1977年

リリース50周年記念特集(その3)|ジェフ・リン特集

2.

ELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)

コンフュージョン

『ディスカヴァリー』1979年

リリース50周年記念特集(その3)|ジェフ・リン特集

3.

ELO&オリビア・ニュートン・ジョン

ザナドゥ

『ザナドゥ』1980年

リリース50周年記念特集(その3)|ジェフ・リン特集

4.

ジェフ・リン

Video

『Electric Dreams(Soundtrack)』1984年

リリース50周年記念特集(その3)|ジェフ・リン特集

5.

ジェフ・リン

エヴリ・リトル・シング

『アームチェア・シアター』1990年

リリース50周年記念特集(その3)|ジェフ・リン特集

6.

トラヴェリング・ウィルヴェリーズ

Not Alone Any More

『Traveling Wilburys Vol.1』1988年

リリース50周年記念特集(その3)|ジェフ・リン特集

7.

ジェフ・リンズELO

ホエン・アイ・ワズ・ア・ボーイ

『アローン・イン・ザ・ユニバース』2015年

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#101

『Got My Mind Set On You~ジェフ・リン プロデュース作品集~』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. フリー・アズ・ア・バード / ビートルズ

紙ジャケ仕様でどかっとまとめて再発されるELO/ジェフ・リン特集。いかがでしたか。番組のほうでは基本的にELOかジェフ・リン名義の曲をお届けしましたが、ジェフ・リンはプロデューサーとしても様々なアーティストと組んで名曲をたくさん生み出しています。ということで、今回のプレイリストはプロデューサーとしてのジェフ・リンの仕事集。ジェフ・リンがプロデュースとかソングライティングとかで絡んだ曲の中からぼくの好きなものをあれこれ並べてみました。まずは何と言ってもジョン・レノンが遺した未発表デモに、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターが1995年になってからオーヴァー・ダビングを加えて完成させたこの曲から。ビートルズといえばプロデューサーは名匠ジョージ・マーティンが手がけるのが常なのだけれど、このときは聴覚に問題があったとかで不参加。その代役をつとめたのがジェフ・リンでした。ノッケのリンゴのドラムの音からいきなりジェフ・リン色炸裂です。
2. インフォメーション / デイヴ・エドモンズ

ジェフ・リン同様、イギリス人ながらアメリカ人以上にアメリカン・ロックンロールに精通するマニアックな男、デイヴ・エドモンズ。1983年のアルバム『インフォメーション』はなんとジェフ・リンにプロデュースを依頼。マニアック対決のようなレコーディングが実現しました。そのアルバムのタイトル・チューンです。
3. レット・イット・シャイン / ブライアン・ウィルソン

ELOにも多大な影響を与えたビーチ・ボーイズの中心メンバー、ブライアン・ウィルソンが1988年にリリースした初ソロ・アルバムより。このアルバムでは曲によってラス・タイトルマン、アンディ・ペイリー、レニー・ワロンカーなど複数プロデューサーが参加していたけれど、ジェフ・リンもこの曲にプロデューサー/ソングライターとして力を貸しておりました。
4. セット・オン・ユー / ジョージ・ハリスン

ジェフ・リンは早くに亡くなったジョン以外の元ビートルズのメンバー全員のアルバムにプロデューサーとして参加したことがあるけれど、中でも親しくしていたのがジョージ。前出「フリー・アズ・ア・バード」でジョージ・マーティンの代役をジェフ・リンに…と提案したのもジョージだった。というわけで、ジョージが1987年にリリースしたソロ・アルバム『クラウド・ナイン』より、シングル・カットされて大ヒットしたこの曲を。ジェイムス・レイのヒットのカヴァーです。
5. ユー・ビロング・トゥ・ミー / ブライアン・アダムス

ブライアン・アダムスも2015年、全編新曲のオリジナル・アルバムとしては7年ぶりとなる『ゲット・アップ』をリリースする際、心機一転、プロデュースをジェフ・リンに依頼。初心に返ったかのようなごきげんなロックンロール・フィーリングを取り戻して見せました。そんなアルバムのオープニング・ナンバーを。
6. フォーリング・イン・ラヴ / ランディ・ニューマン

今や映画音楽の世界でも巨匠となったランディ・ニューマン。彼が1988年にリリースしたアルバム『ランド・オヴ・ドリームス』にもジェイムス・ニュートン・ハワード、マーク・ノップラー、トミー・リピューマなど複数プロデューサーが起用されていたけれど、その中にジェフ・リンの名前も。けっこう意外な組み合わせに驚いたものだ。ランディ・ニューマンならではのシニカルなメロディラインとジェフ・リン・サウンドとの共演。お楽しみ下さい。
7. ドント・ゴー・ホエア・ザ・ロード・ドント・ゴー / リンゴ・スター

ジェフ・リンの元ビートルズ・プロデュース・シリーズ。次はリンゴ。1992年にリリースされた10作目のソロ・アルバム『タイム・テイクス・タイム』にはブライアン・ウィルソン、ハリー・ニルソン、ドン・ウォズ、ピーター・アッシャー、フィル・ラモーンなどリンゴのたくさんの音楽仲間がこぞって参加し、力を貸していたけれど、ジェフ・リンもそんな仲間のひとり。いい仕事してました。
8. アイ・ウォウント・バック・ダウン / トム・ペティ

番組でも取り上げたトラヴェリング・ウィルベリーズは、前出ジョージ・ハリスン、後出ロイ・オービソン、そしてボブ・ディランという大物たちに、彼らを敬愛する後続世代の代表であるジェフ・リンとトム・ペティが加わった5人組。そんなウィルベリーズ仲間のひとり、トム・ペティのプロデュースもジェフ・リンは多数手がけています。そんな中から今日は1989年のアルバム『フル・ムーン・フィーヴァー』からのシングル・カット・ナンバーを。ビデオ・クリップにはトム・ペティの他、ジェフ・リン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターも出演していました。
9. ウォーク・アウェイ / デル・シャノン

1988年にロイ・オービソンが他界後、トラヴェリング・ウィルベリーズの新メンバーとして予定されていたのが、「悲しき街角」の大ヒットで日本でも1960年代から大いに人気を博していたロックンローラー、デル・シャノンでした。が、彼もほどなく1990年に他界してしまい計画はお流れに。そんなデル・シャノンのプロデュースもジェフ・リンは手がけていました。デル・シャノンの生前、トム・ペティ、マイク・キャンベルとともに共同プロデュースした音源を集めて、没後の1991年にリリースされたアルバム『ロック・オン』から、そのアルバムのオープニング・チューンを。
10. ザ・ワールド・トゥナイト / ポール・マッカートニー

元ビートルズ・シリーズ。もうひとりはもちろんポール。1997年のソロ・アルバム『フレイミング・パイ』からこの曲を。ポールとジェフ・リンの共同プロデュース。演奏もこのふたりですべての楽器とコーラスをこなしています。
11. フォールディング・チェア / レジーナ・スペクター

オルタナ系シンガー・ソングライターのレジーナ・スペクター。彼女が2009年にリリースしたアルバム『ファー』の中にもジェフ・リンのプロデュース楽曲が4曲収められていました。そのうちの1曲を。ちなみに、レジーナはこのレコーディングのとき、ジェフ・リンの功績をほとんど知らなかったのだとか。世代の違いは恐ろしい…(笑)。でも、そんな世代の違いを超えて素晴らしいコラボが実現したのでありました。
12. カリフォルニア・ブルー / ロイ・オービソン

プレイリストの最後は、番組でも触れたジェフ・リンの重要なルーツ、ロイ・オービソンの歌声で。他界後、1989年に遺作としてリリースされたアルバム『ミステリー・ガール』の中に収められたジェフ・リン・プロデュース作品3曲のうちのひとつ、ロイ・オービソンの朗々とした魅力を堪能できるこの曲で締めくくりましょう。

解説:萩原健太

リリース50周年記念特集(その3)|ジェフ・リン特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第218回 萩原健太のotonanoラジオ#100

2021/08/31 公開

リリース50周年記念特集(その2)|キャロル・キング『Tapestry』編

今週のオンエア曲

リリース50周年記念特集(その2)|キャロル・キング『Tapestry』編

1.

キャロル・キング

イッツ・トゥー・レイト

『つづれおり』 1971年

リリース50周年記念特集(その2)|キャロル・キング『Tapestry』編

2.

ジェイムス・テイラー

君の友だち

『マッド・スライド・スリム』 1971年

リリース50周年記念特集(その2)|キャロル・キング『Tapestry』編

3.

シュレルズ

ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー

『Tonight’s The Night』 1960年

リリース50周年記念特集(その2)|キャロル・キング『Tapestry』編

4.

キャロル・キング

ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー

『つづれおり』 1971年

リリース50周年記念特集(その2)|キャロル・キング『Tapestry』編

5.

アレサ・フランクリン

ナチュラル・ウーマン[1995年LIVE]

『アレサ〜ザ・グレイテスト・パフォーマンス(デラックス)』

リリース50周年記念特集(その2)|キャロル・キング『Tapestry』編

6.

キャロル・キング

ビューティフル

『つづれおり』 1971年

リリース50周年記念特集(その2)|キャロル・キング『Tapestry』編

7.

キャロル・キング

ソー・ファー・アウェイ

『つづれおり』 1971年

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#100

『Now and Forever~キャロル・キング アルバム名曲集[except“TAPESTRY”]』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. ナイチンゲール / キャロル・キング

オリジナル盤発売から50周年を迎えたキャロル・キングの『Tapestry』にスポットを当ててお届けした「otonanoラジオ」、いかがでしたか。『Tapestry』が名盤すぎて、キャロル・キングのベスト盤を作っても半分以上の曲が『Tapestry』の収録曲…なんてこともあったりして。本当に『Tapestry』の凄みを思い知るわけですが。とはいえ、キャロル・キングの他のアルバムだって名盤ぞろい。ということで、今回のストリーミング・プレイリストは、『Tapestry』以外のキャロル・キングのアルバムからセレクトした名曲集です。まずは1974年のアルバム『喜びにつつまれて』のオープニングを飾っていたこの曲から。
2. ブラザー・ブラザー / キャロル・キング

かつて“私のお兄さん”という邦題が付けられていた時期もあったけれど、もちろんこの“ブラザー”はソウルの世界でよく使われる“同胞”といった意味合い。マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」など1970年代初頭に盛り上がった一連のニュー・ソウル系ヒットに触発されながらキャロルが作り上げたソウルフルなナンバーです。1971年のアルバム『ミュージック』より。ミズ・ボビー・ホールによるパーカッションがファンキーな躍動感を生み出している。
3. オンリー・ラヴ・イズ・リアル / キャロル・キング

1976年のアルバム『サラブレッド』の収録曲。1970年代半ばまでのキャロルのアルバムのベースはすべて当時の夫、チャールズ・ラーキーが担当していたのだけれど、この『サラブレッド』から彼は不参加。代わりに名手リーランド・スクラーがベースを弾いていた。私生活も含めたキャロルの人生に大きな転機が訪れつつあったことを反映していたわけだけれど。そう思うと、このタイトルがさらに意味深なものに…。
4. ライス入りチキン・スープ / キャロル・キング

1975年、米CBSテレビのアニメ・スペシャル番組の放映と同時期にリリースされた同名のサウンドトラック・アルバム『おしゃまなロージー』の挿入歌だ。このサントラに含まれているのは、アニメの原作となった絵本の作者モーリス・センダックの文章にキャロルが曲をつけた素敵な楽曲群ばかりだった。
5. ワン・トゥ・ワン / キャロル・キング

キャロルが1982年にリリースしたアルバムの表題曲。かつて1960年代、同じアルドン音楽出版に所属するソングライター仲間でもあったバリー・マン&シンシア・ワイル夫妻の奥さんのほう、シンシア・ワイルとの共作曲だ。
6. 喜びは悲しみの後に / キャロル・キング

1972年のアルバム『喜びは悲しみの後に』より。原題の“ビター・ウィズ・スウィート”とは“苦あれば楽あり”の意味だろうか。失敗も挫折も、後に訪れる喜びの前兆に違いない…というキャロルさんならではのポジティブ志向。過去の悲しみにさえ愛おしいまなざしを向ける彼女の優しさと強さに、静かに励まされるような1曲だ。ちょっと突っかかり気味のチャールズ・ラーキーのベースと、なめらかにドライヴするハーヴィ・メイソンのドラムとが織りなすライト・ファンキー・グルーヴが心地よい。
7. ラヴ・メイクス・ザ・ワールド / キャロル・キング

2001年リリースのアルバムの表題曲。このアルバムではセリーヌ・ディオンやk.d.ラングとデュエットを聞かせていたり、ベイビーフェイスと共作していたり、デイヴッド・フォスターが絡んでいたり、ウィントン・マルサリスを迎えていたり、新たな試みが様々ななされていた。が、それでもぼくたちリスナーの耳に届いてきたのはいつの時代も変わらぬキャロルさんならではの瑞々しさだった。
8. ユー・ジェントル・ミー / キャロル・キング

1曲目に選んだ「ナイチンゲール」同様、1974年のアルバム『喜びにつつまれて』の収録曲。イントロの♪シュビドゥワ、シュビドゥビドゥワ~からして、まさにかつての旦那さま、ジェリー・ゴフィンとのコンビで無数に生み出してきた1960年代ガール・グループのヒットのよう。そんな、ちょっとセンチなガールズ・ポップをしっとり落ち着いた歌声で聴かせることによって、ティーンエイジ・シンガーでは表現しえない永遠のオトメ心を伝えてくれる。
9. ナウ・アンド・フォーエヴァー / キャロル・キング

1992年、ジーナ・デイヴィスやマドンナ、トム・ハンクスらが出演した映画『プリティ・リーグ』の主題歌に起用された名曲。ともに深く豊かな時を過ごした者たちにしか分かりえない友情や絆をテーマに据えた、キャロルらしい1曲だ。
10. ウィークデイズ / キャロル・キング

デヴィッド・T・ウォーカーやハーヴィー・メイソンら腕ききセッションマンたちが多数参加した1973年の意欲作『ファンタジー』の収録曲。
11. ソング・オヴ・ロング・アゴー / キャロル・キング

1971年のアルバム『ミュージック』より。盟友、ジェイムス・テイラーのアコースティック・ギターとコーラスが印象的なナンバーだ。やはりJTとキャロル・キング、この二人の間には何か特別な絆があることを思い出させてくれる。
12. なつかしきカナン / キャロル・キング

1972年のアルバム『喜びは哀しみの後に』の収録曲。カナンというと、旧約聖書で“乳と蜜の流れる場所”と描写される約束の地のことを思い出す方も多いだろう。が、実はこのアルバムのレコーディングにとりかかる直前、キャロルはコネチカット州の田園地帯に農場を買っており、その土地の名前がカナンだったらしい。本曲は、たぶんその両者のイメージを重ね合わせながら作られたものなのだろう。

解説:萩原健太

リリース50周年記念特集(その2)|キャロル・キング『Tapestry』編

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第217回 萩原健太のotonanoラジオ#99

2021/08/24 公開

リリース50周年記念特集(その1)|アニヴァーサリー・エディション編

今週のオンエア曲

リリース50周年記念特集(その1)|アニヴァーサリー・エディション編

1.

ピンク・フロイド

原子心母(b:ミルクたっぷりの乳房)より

『原子心母(箱根アフロディーテ50周年記念盤)』

リリース50周年記念特集(その1)|アニヴァーサリー・エディション編

2.

クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング

ウッドストック(オルタネイト・ヴォーカルズ)

『デ・ジャ・ヴ~50thアニヴァーサリー・デラックス』

リリース50周年記念特集(その1)|アニヴァーサリー・エディション編

3.

ジョニ・ミッチェル

Urge For Going(with Strings)[Blue Session]

『Blue 50(Demo & Outtakes)』

リリース50周年記念特集(その1)|アニヴァーサリー・エディション編

4.

ジョージ・ハリスン

レット・イット・ダウン(2020 Mix)

『オール・シングス・マスト・パス 50周年記念スーパー・デラックス・エディション』

リリース50周年記念特集(その1)|アニヴァーサリー・エディション編

5.

エリック・クラプトン

バッド・ボーイ(エリック・クラプトン・ミックス)

『エリック・クラプトン・ソロ(アニヴァーサリー・デラックス・エディション)』

リリース50周年記念特集(その1)|アニヴァーサリー・エディション編

6.

ビーチ・ボーイズ

フォーエヴァー(2019ア・カペラ・ミックス)

『フィール・フロウズ:サンフラワー&サーフズ・アップ・セッションズ1969-1971』(5CD)[輸入国内盤仕様]

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#99

What’s Going On~リリース50周年記念エディション集[放送延長戦]

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1. ホワッツ・ゴーイン・オン (Coffeehouse Mix) / マービン・ゲイ

最近リリースされた様々な“50周年記念エディション”を特集した今週の「otonanoラジオ」。番組では6組のアーティストの50周年盤から1曲ずつオンエアしましたが、去年から今年にかけて世に出た50周年盤はそれだけじゃとても追いつかないほど。なので、こちらのストリーミング・プレイリストでそれ以外の盤を12作、ご紹介しましょう。まずはマーヴィン・ゲイが1971年に発表した傑作アルバム『ホワッツ・ゴーイン・オン』の50周年企画。3種類がデジタル・オンリーでリリースされてます。オリジナル・アルバムの全収録曲9曲に加えてボーナス・トラックを12曲併録した『ホワッツ・ゴーイン・オン:デラックス・エディション/50周年記念盤』と、初期ミックスによる『ホワッツ・ゴーイン・オン:ザ・デトロイト・ミックス』と、1971年の夏の終わりから秋にかけて録音した14曲のインスト・ジャム集『ファンキー・ネイション:ザ・デトロイト・インストゥルメンタルズ』。今日はその中から、2016年のレコード・ストア・デイに限定リリースされた10インチEPに収められていた表題曲のアンプラグドっぽい“コーヒーハウス・ミックス”を。
2. ホールド・オン (Elements Mix) / ジョン・レノン

1970年12月に出たジョン・レノン『ジョンの魂』の50周年企画もすごかった。ジョージの『オール・シングス・マスト・パス』の50周年リミックスも手がけたポール・ヒックスによる“アルティメイト・ミックス”をメインに、別ミックス、膨大なアウトテイク、スタジオの様子など大量の音源を詰め込んだ6CD+2ブルーレイの8枚組『ジョンの魂:アルティメイト・コレクション〜スーパー・デラックス・エディション』。今回はそこから、音数を大幅に減らしたり意外な音のバランスを引き上げたりしながら新鮮に聞かせる“エレメンツ・ミックス”版の「ホールド・オン」をセレクトしました。
3. メイク・ザ・ワールド・ゴー・アウェイ / エルヴィス・プレスリー

1970年、エルヴィス・プレスリーがテネシー州ナッシュヴィルのRCAスタジオBで数日間ぶっ続けで行なった伝説のマラソン・セッションから50周年という節目を祝うCD4枚組『フロム・エルヴィス・イン・ナッシュヴィル』も素晴らしかった。このセッションで録音されたおよそ40曲のOKテイクから、後日ほどこされたホーンやストリングス、コーラス隊などのオーヴァーダビングを外した生々しいリミックスで、当時のエルヴィスの充実した歌声をいきいきとよみがえらせてみせたボックスセットだった。そこから、1971年のアルバム『エルヴィス・カントリー』の収録曲のアンダブド・ミックスをどうぞ。
4. ザ・シェイプ・アイム・イン (Remix / 2020) / ザ・バンド

ザ・バンドが1970年8月にリリースしたアルバム『ステージ・フライト』の50周年盤も、ちょっと遅れて今年に入ってリリースされた。いろいろなフォーマットで出たけれど、狙い目はずばり2CD+ブルーレイ+1LP+7インチ・シングルという豪華変則5枚組『ステージ・フライト50周年記念スーパー・デラックス・エディション』だ。別ヴァージョンとかツアー先のホテルでのプライベート録音とか1971年の英国でのライヴとか、貴重な音源満載。今日はそこから、名匠ボブ・クリアマウンテンがオリジナル・マルチトラックに立ち返って丁寧にリミックスした新ヴァージョンの「ザ・シェイプ・アイム・イン」を。
5. ワンダリン (Alternate Version) / ニール・ヤング

1970年9月にリリースされたニール・ヤングのソロ・アルバム第3弾の発売50周年を祝う『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ〜50周年記念エディション』からも1曲。オリジナル・アルバムに収められていた11曲に加えて、同時期に書かれた「ワンダリン」が2ヴァージョン、追加されていた。ひとつは以前、どでかい豪華箱『アーカイヴ・ボックスvol.1』に収められて世に出たヴァージョン。もうひとつは別アレンジの未発表アウトテイク。ここでは今回初出となった後者のほうを聞いてみましょう。
6. ウー・チャイルド (2021 Remaster) / ロバータ・フラック

本プレイリストの1曲目に選んだマーヴィン・ゲイの『ホワッツ・ゴーイン・オン』とか、番組でかけたジョニ・ミッチェルの『ブルー50』のように、フィジカルなし、デジタル・オンリーで編纂される50周年記念盤も最近は多くて。サブスク時代ならではだなと思うわけですが。ロバータ・フラックもこのところデジタル・オンリーで初期3作のアルバムのエクスパンデッド・エディションみたいなやつを出しています。その中から1971年に出たサード・アルバム『クワイエット・ファイア』の50周年デジタル・エクスパンデッド・エディションに収められていたボーナス・トラックを1曲聞きましょう。ファイヴ・ステアステップスのヒット曲のカヴァーです。
7. アイ・ゲス・ユー・メイド・イット (Live) / リッチー・フューレイ

これはちょっと変化球的な1曲。人気カントリー・ロック・バンド、ポコが1971年にリリースした大ヒット・ライヴ・アルバム『ライヴ・ポコ(DeLIVErin’)』の収録曲全曲を、2018年、ポコの創設メンバーだったリッチー・フューレイが米ロサンゼルスの伝説的ライヴハウス《トルバドール》で、オリジナル曲順のまま再現した最新ライヴ盤『デリヴァリン・アゲイン』からのナンバーだ。録音されたのは3年前で。これはポコが《トルバドール》に初めて出演してから50年目を祝う記念パフォーマンスだったのだけれど。その音源が『ライヴ・ポコ』の発売から50年目にあたる今年の春にCD化されて世に出た、と。そういうわけです。かつてポコでともに活動したティモシー・シュミットもゲスト参加。
8. テル・ザ・トゥルース (Single Version) / デレク・アンド・ドミノス

番組ではファースト・ソロ・アルバムの50周年エディションを紹介したエリック・クラプトン。彼がそのアルバムの後、結成したデレク・アンド・ドミノス名義による傑作アルバム『レイラ』の50周年エディションも一応、去年の暮れに出ました。でも、40周年版とほぼ同内容だったので、あんまり意味なかったかな。まあ、LP版とか、デジタル・ストリーミング版とかも出たので、本作に改めて接してみたい方には絶好の入門編かも。そんな中から、オリジナル・アルバムには未収録だったフィル・スペクターのプロデュースによる「テル・ザ・トゥルース」のシングル・ヴァージョンを。
9. ジス・タイム・トゥモロウ (Alternate Take, 2020 Mix) / ザ・キンクス

ここ数年、恒例のようになっているキンクスのオリジナル・アルバム50周年記念デラックス版シリーズ。去年の暮れには1970年リリースの意欲作『ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組第一回戦』の50周年記念デラックス・エディションが出た。中心メンバー、レイ・デイヴィスが自らの姿を託したと思われるロック・シンガーが主人公のロック・オペラ的コンセプト・アルバムで。最新リマスターをほどこしたオリジナル・アルバム全13曲に加えて、シングル曲の別ヴァージョン、別ミックス、B面に収められていたアルバム未収録曲、デモ音源、アウトテイク、未発表曲、さらにはレイ・デイヴィスが2010年にデンマーク国立室内楽オーケストと合唱アンサンブルと共演したときのライヴ音源などレア音源、さらには「ローラ」と「エイプマン」のアナログ7インチ・シングル2枚が詰め込まれていた。楽しかった。ということで、そこから1曲、別テイクものを。
10. ビッグ・ボス・マン (Live at the Fillmore West, San Francisco, CA, July 2, 1971) / グレイトフル・デッド

グレイトフル・デッド関連の50周年エディションもこのところ毎年恒例のように出続けているのだけれど。今年は1971年の通称“薔薇ガイコツ”、『グレイトフル・デッド(スカル&ローゼズ)』の50周年エディションが出た。彼らにとっての2作目となる大傑作ライヴ・アルバムに、同時期の未発表ライヴ音源を加えた構成。今回はその未発表もの、1971年7月2日、サンフランシスコのフィルモア・ウェストで収録された未発表ライヴ音源、ジミー・リードのブルースのカヴァーをどうぞ。フィルモア・ウェストはこの2日後、7月4日に閉館してしまうことになるので、これがデッドにとって最後のフィルモア・ウェスト公演の記録ということになる。貴重だー。
11. ロック・ミー・ベイビー / ドアーズ

ドアーズの1970年のアルバム『モリソン・ホテル』の50周年記念エディションは、2CD+1LPという仕様。CDのディスク1がブルース・ボトニックが最新リマスターをほどこしたオリジナル・アルバム。ディスク2が未発表スタジオ・アウトテイク群。そして180グラム重量盤LPによるオリジナル・アルバムが付いていた。今日はその中からブルース・クラシック「ロック・ミー・ベイビー」のジャム音源を。
12. ワイルド・ワールド (Live at the Troubadour, Los Angeles, USA / 1970) / キャット・スティーヴンス

英シンガー・ソングライターのキャット・スティーヴンスが1970年にリリースした傑作アルバム2作の50周年盤も去年暮れに出た。『白いバラ<50周年記念エディション>』と『父と子<50周年記念エディション>』。それぞれ2枚組で、どちらもディスク1にオリジナル・アルバムの最新リマスター、ディスク2にデモやライヴ音源を収めたものだった。というわけで、今回のプレイリストのラストは、『父と子』のほうの50周年エディションから、1970年、リッチー・フューレイのところでも名前が出た米ロサンゼルスのライヴハウス《トルバドール》で収録された「ワイルド・ワールド」の弾き語りヴァージョンで締めましょう。

解説:萩原健太

リリース50周年記念特集(その1)|アニヴァーサリー・エディション編

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第216回 萩原健太のotonanoラジオ#98

2021/08/17 公開

林哲司さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

林哲司さんをゲストに迎えて(その2)

1.

松本伊代

信じかたを教えて

(1986年|作詞:川村真澄/作曲:林哲司/編曲:船山基紀)
『林哲司 melody collection 1983-1994 バップ盤』 2021年8月18日発売

林哲司さんをゲストに迎えて(その2)

2.

伊東ゆかり

SAYONARA

(1982年|作詞:竜真知子/作詞・作曲:林哲司)
『MISTY HOUR』※現在入手困難

林哲司さんをゲストに迎えて(その2)

3.

竹内まりや

イチゴの誘惑

(1981年|作詞:松本隆/作詞・作曲:林哲司)
『Portrait』

★3社共同企画『林哲司 melody collection』2021年夏順次発売!
『1979-2020 ソニー・ミュージックダイレクト盤』 タワーレコード限定発売中!!
竹内まりや「September」ほか全17曲収録。

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#98

『Do Right Woman、Do Right Man~ソングライターのセルフ・カヴァー集~』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. ロックン・ロール・ララバイ / バリー・マン

林哲司さんはソングライターとして他のシンガーに提供したヒット曲を、後になってからちょいちょい自らパフォーマーとしてセルフ・カヴァーなさったりもしていますが。そういうパターンのプレイリスト、選んでみました。ソングライターのある種の“本音”のようなものが垣間見られる自演集。まずは1950年代末からプロのソングライターとして「悲しき足音」「わすれたいのに」「恋はボサノバ」「フラれた気持ち」など無数のヒットを生み出し、グラミーも数々受賞してきた大御所、バリー・マンから。1972年にB.J.トーマスに提供した名曲を、2000年、自身のアルバム『ソウル&インスピレーション』で取り上げたときの自演ヴァージョンをどうぞ。
2. ザ・ドリフター / ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ

特に日本で大人気のロジャー・ニコルズ。“スモール・サークル・オヴ・フレンズ”というヴォーカル・トリオを率いてのアーティスト活動も高く評価されているけれど、本国アメリカでは1960年代末以降、カーペンターズを筆頭とするMOR(ミドル・オヴ・ザ・ロード)系アーティストたちに多くの名曲を提供したソングライターとしておなじみ。今回はハーパース・ビザールに1968年に提供したこの曲を、ほぼ同時期に自らも取り上げてシングル・リリースしたヴァージョンを。
3. ドゥ・ミー・ライト / デスモンド・チャイルド

キッス、ボン・ジョヴィ、エアロスミス、ジョーン・ジェット、リッキー・マーティンなどに超キャッチーで適度にハードなヒット曲を数多く提供してきた売れっ子ソングライター。彼がかつてのバンド仲間だったマリア・ヴィダルに提供した楽曲を、自ら、1991年のアルバム『ディシプリン』で歌ったヴァージョンです。
4. オー・ノー・ノット・マイ・ベイビー / キャロル・キング

この人はむしろ1970年代以降、自らパフォーマーとしての活動のほうがおなじみですが。1960年代はやはりプロの専業ソングライターとして他シンガーに無数の名曲を提供しておりました。本曲は1964年、マキシン・ブラウンに提供したヒット。作者本人にとってもお気に入りの1曲だったようで、1980年のアルバム『パールズ』と2001年の『ラヴ・メイクス・ザ・ワールド』、それぞれでセルフ・カヴァーしています。今回は後者のヴァージョンを。
5. ボーイハント / ニール・セダカ

この人も自らパフォーマーとしての活動でおなじみ。でも、後輩にあたるキャロル・キング同様、1960年代にはちょくちょく他シンガーにも楽曲提供を行なっていました。そのうちのひとつが1961年、コニー・フランシスのために書き下ろした「ボーイハント」。それを作者自ら、2006年、英ロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートで歌ったヴァージョンで味わってみましょう。
6. ワーキング・イン・ザ・コール・マイン / アラン・トゥーサン

ニューオーリンズを代表するプロデューサー/アレンジャー/ソングライターとして1950年代から大活躍してきたアラン・トゥーサン。本曲はもともと1966年、リー・ドーシーに提供したヒット曲ですが、それを1971年、自らのソロ・アルバム『トゥーサン』で取り上げたときのヴァージョンで。
7. ウィチタ・ラインマン / ジミー・ウェッブ

セルジオ・メンデス、ホセ・フェリシアーノ、アンディ・ウィリアムス、ジョニー・マティス、ボビー・ゴールズボロ、レイ・チャールズ、ジェイムス・テイラー、トニー・ジョー・ホワイト、デルズ、R.E.M.など、幅広いジャンルのアーティストによってカヴァーされ続けてきた名曲。もともとは1968年、グレン・キャンベルに提供され大ヒットしたナンバーですが、それを作者ジミー・ウェッブ自身が1972年、英ロイヤル・アルバート・ホールで披露したライヴ・ヴァージョンでどうぞ。
8. アイル・ネヴァー・ニード・モア・ザン・ジス / エリー・グリニッチ

当時夫婦だったジェフ・バリーと組んで、「ビー・マイ・ベイビー」「ドゥ・ワ・ディディ・ディディ」「ダ・ドゥ・ロン・ロン」「ハンキー・パンキー」など永遠のティーン・ポップ・ヒットを多数生み出したエリー・グリニッチ。彼女も自ら何枚かアルバムをリリースしています。「ビー・マイ・ベイビー」のワルツ・ヴァージョンとか興味深い音源も多いのだけれど、残念ながらストリーミングされていないようなので、今回はアイク&ティナ・ターナーに1967年に提供したナンバーを。その翌年、1968年にエリーさん自らが歌ったヴァージョンでどうぞ。
9. 火の玉ロック / オーティス・ブラックウェル

黒人ながら1950〜60年代の白人市場が求めていた親しみやすい手触りとビート感を絶妙なさじ加減で混ぜ合わせた作風で人気を博したソングライター、オーティス・ブラックウェル。エルヴィス・プレスリーに「冷たくしないで」「恋にしびれて」「心の届かぬラブレター」といったビッグ・ヒットを提供した男としてもおなじみですが。今回は1957年、ジェリー・リー・ルイスに提供したロックンロール・ナンバーを。1977年に録音された自演ヴァージョンです。
10. ユー・アンド・ミー・アゲインスト・ザ・ワールド / ポール・ウィリアムス

前出ロジャー・ニコルズとのコンビでも多くのヒット曲を書いたポール・ウィリアムス。本曲はケニー・アッシャーとのコンビで1974年、ヘレン・レディに提供した名曲です。作者ウィリアムス自身も同じ年に自らのアルバム『ヒア・カムズ・インスピレーション』で取り上げていました。そのヴァージョンを。
11. サムシング・ビッグ / バート・バカラック

もはや説明不要でしょう。20世紀のアメリカを代表する名ソングライターのひとり、バート・バカラック。本人名義のアルバムは基本的にインストものが多く、そんなにたくさん歌声を披露してはいないのですが、時々聞かせる、ちょっとしゃがれたクールなヴォーカルにも独特の味があって素敵です。本曲はもともとマーク・リンゼイが1971年に歌った同名映画の主題歌。今回は1973年のアルバム『リヴィング・トゥゲザー』で作者ご本人が歌ったヴァージョンです。
12. ドゥ・ライト・ウーマン・ドゥ・ライト・マン / ダン・ペン

アラバマ州マッスル・ショールズのフェイム・スタジオを本拠に、ジェームス&ボビー・ピュリファイ、パーシー・スレッジ、ジェイムス・カー、ボックス・トップスらに多くの名曲を提供してきたダン・ペン。彼が1967年、ソウルの女王、アレサ・フランクリンに提供した必殺のソウル・バラードを自ら歌ったヴァージョンで今回のプレイリストは締め。1994年のソロ・アルバム『ドゥ・ライト・マン』に収められたセルフ・カヴァー・ヴァージョンです。

解説:萩原健太

林哲司さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第215回 萩原健太のotonanoラジオ#97

2021/08/10 公開

林哲司さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

林哲司さんをゲストに迎えて(その1)

1.

大橋純子&美乃家セントラル・ステイション

Rainy Saturday & Coffee Break

(1977年|作詞:竜真知子/作曲・編曲:林哲司)
『林哲司 melody collection 1977-2015 ポニーキャニオン盤』 2021年7月21日発売

林哲司さんをゲストに迎えて(その1)

2.

稲垣潤一

愛は腕の中で

(1985年|作詞:秋元康/作曲:林哲司/編曲:松任谷正隆)
『NO STRINGS』

林哲司さんをゲストに迎えて(その1)

3.

国分友里恵

Just a Joke

(1983年|作詞:有川正沙子/作曲・編曲:林哲司・山下正)
『Relief 72 hours』

★3社共同企画『林哲司 melody collection』2021年夏順次発売!
『1979-2020 ソニー・ミュージックダイレクト盤』 タワーレコード限定発売中!!

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#97

『So Many Dreams~林哲司ワークス[女性シンガー限定編]~』

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1. 思い出をきれいにしないで / 松本伊代

林哲司さんをゲストにお迎えした「otonanoラジオ」。ということで、プレイリストのほうは直球でいきます。ぼくが好きな林哲司作品集。といっても、ものすごい数の名曲があるわけで。選びきれるはずもないので、縛りをかけます。今回、レコード会社3社から出る“medoly collection”シリーズに収録されていなくて、番組でもかからなかった曲で、女性シンガーへの提供作品の中からの限定セレクション。ということで、まずは伊代ちゃんに林哲司さんが提供した、いわゆる“悲しみ三部作”のラストを飾った1987年のこの曲から。作詞・川村真澄、作曲・林哲司、編曲・船山基紀という鉄壁の布陣です。
2. 涙の形のイヤリング / 中森明菜

明菜ちゃんの林哲司作品というと、なんといっても1984年リリースの「北ウィング」なわけですが。そのシングルB面も好きでした。それがこの曲。作詞・康珍化、作編曲・林哲司です。
3. 象牙海岸 / 竹内まりや

ぼくにとって林哲司といえばRCA在籍時代のまりやさんなのだけれど。中でも大好きだった曲がこれ。1980年のサード・アルバム『LOVE SONGS』に収められていたロカバラードです。作詞・松本隆、作編曲・林哲司。
4. ダブル・デイト / 河合奈保子

そんなまりやさんが作詞を手がけた1曲を。河合奈保子が1983年にリリースした『あるばむ』なるタイトルのアルバムに収められていた作品。まりやさんの「いちごの誘惑」の姉妹編といった感じの1曲です。作詞・竹内まりや、作編曲・林哲司。
5. YOU ARE NOT ALONE / 杏里

林哲司さんが提供した「悲しみがとまらない」で特大ヒットを記録した杏里ですが。そんな「悲しみが…」や「キャッツ・アイ」といったヒット曲をフィーチャーした1983年の傑作アルバム『Timely』から、作詞・康珍化、作編曲・林哲司によるこの曲を。
6. さよならの理由 / 石川ひとみ

1983年リリースのアルバム『プライベート』のオープニング・チューン。石川ひとみの特大ヒット「まちぶせ」の味を発展させたような佳曲です。作詞・竜真知子、作曲・林哲司、編曲・林哲司&山下正。
7. The Last Number / 大橋純子&美乃家セントラル・ステイション

1977年に“大橋純子&美乃家セントラル・ステイション”名義でリリースされ傑作アルバム『Rainbow』には林哲司絡みの名曲がいくつか収められていて、今回編纂されたコンピ“melody collection”シリーズにも選曲されたりしているのだけれど。このプレイリストではこちらのバラードをピックアップ。作詞・竜真知子、作編曲・林哲司。
8. LET'S BOYHUNT / 松田 聖子

聖子ちゃんもいくつか林哲司作品を歌っているけれど、今回は1983年のアルバム『Canary』の収録曲からこの曲を。シチュエーション的にかなり季節外れですが(笑)。作詞・松本隆、作曲・林哲司、編曲・井上鑑。
9. Love Song / 国分友里恵

今度、林さんとイベントで共演する予定の国分友里恵。1983年のアルバム『Relief 72 hours』も林哲司らしさが横溢する仕上がりで、そこから今回のコンピレーション・シリーズにも選曲されておりますが。こちらのプレイリストではさらにもう1曲、この、もう、なんというか、もろボズ・スキャッグスみたいなバラードを。
10. ボーイフレンド / 国実百合

1988年のデビュー当初から林哲司作品を連発していた国実百合。今回はセカンド・シングルにあたるこの曲をセレクトしました。作詞・麻生麗二(売野雅勇、作編曲・林哲司。
11. So Many Dreams / 菊池桃子

ももちゃんも林哲司さんの存在なしに語れないシンガー。今回は1984年のファースト・アルバム『Ocean Side』から、作詞・佐藤純子、作編曲・林哲司による隠れた名曲をどうぞ。
12. One Moon / 小泉今日子

そしてラストはストリングスをバックに配した大人っぽいKYON2のこの曲で。作詞・川村真澄、作曲・林哲司、編曲・朝川朋之。1987年のアルバム『Hippies』のB面ラストを締めていた曲です。

解説:萩原健太

林哲司さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第214回 萩原健太のotonanoラジオ#96

2021/08/03 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

1.

大江千里

THE STREET TO THE ESTABLISHMENT

『LETTER TO N.Y.』2021年7月21日発売

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

2.

大江千里

TOGETHERNESS

『LETTER TO N.Y.』2021年7月21日発売

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

3.

大江千里

PEDESTRIAN

『LETTER TO N.Y.』2021年7月21日発売

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

4.

大江千里

LOVE

『LETTER TO N.Y.』2021年7月21日発売

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#96

『Instrumentals~シンガーソングライターによる“楽器演奏“~』

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1. ルート・ビアー・ラグ / ビリー・ジョエル

大江千里さんをお迎えした「otonanoラジオ」。千里さんはポップ系のシンガー・ソングライターとして大活躍した後、ジャズ・ピアニストへと転身して、以降、素敵なインストゥルメンタル曲をいろいろ届けてくれるようになったわけですが。今週はそれにインスパイアされたプレイリストです。普段は自ら作った曲を自ら歌うことがフツーであるアーティストが、歌ではなく楽器演奏を聞かせている曲の特集。まずはビリー・ジョエルが1974年発表のサード・アルバム『ストリートライフ・セレナーデ』で披露したスピーディで躍動的なピアノ・インストから。
2. マルワ・ブルース / ジョージ・ハリスン

続いてはギター・インスト。ジョージ・ハリスンが遺作となった2002年のアルバム『ブレインウォッシュド』でお得意のスライド・ギターをたっぷり聞かせた曲です。ちなみに、ジョージはビートルズ時代、メジャー・デビュー前に「クライ・フォー・ア・シャドウ」というインスト曲もレコーディングしてます。けっしてウルテクなギタリストではないのだけれど、なんか独特の魅力があるんだよなぁ…。
3. ソング・フォー・ガイ / エルトン・ジョン

1978年のアルバム『シングル・マン』からのシングル・カット曲として全英ヒットを記録したインスト。オートバイ事故のために17歳の若さで亡くなったメッセンジャー・ボーイ、ガイ・バーチェットに捧げられたものだ。
4. アミュレット / ポール・サイモン

ポール・サイモンにとって5年ぶりの新作となった2011年のアルバム『ソー・ビューティフル・オア・ソー・ホワット』からの1曲。このアルバムは、相変わらずエスニックなアプローチとかも聞かれるものの、基本的な手触りは彼のルーツでもあるフォーキーな味で。ソングライターとしても、ギタリストとしても、ヴォーカリストとしても、きっちり成長を続けてきた者だけが表現しうる深い世界観が提示されていた。そんな中から彼ならではの深いアコースティック・ギターの腕前を堪能できるインスト曲を。
5. ケルティックの遺跡 / ヴァン・モリソン

今回のプレイリスト、テーマ的にどうしてもピアノかギターが中心になってしまうのだけれど。ここでサックスものをひとつ。ヴァン・モリソンが1987年にリリースしたアルバム『ポエティック・チャンピオンズ・コンポーズ』には3曲インストものが入っていて、モリソンさん自身によるピアノとかも聞くことができるのだけれど、今回はサックスで綴ったインスト曲を。けっして上手な演奏というわけではないものの、さすがの歌心というか。なんとも言えない味がある。
6. ヴァルデズ・イン・ザ・カントリー / ダニー・ハサウェイ

ダニー・ハサウェイ、1973年のアルバム『愛と自由を求めて』はオープニングからいきなり、自らのクラシカルなルーツを表明するオーケストラによるインスト・ナンバーでスタートする1枚だったけれど。他にもインスト曲は入っていて。今回はハサウェイのソウルフルなエレクトリック・ピアノ・プレイが楽しめるこちらの曲を。
7. インストゥルメンタルII / ジェイムス・テイラー

われらがJT、ジェイムス・テイラーも歌だけでなくアコースティック・ギターの名手。そんな腕前を軽く発揮した小品を。1972年のアルバム『ワン・マン・ドッグ』の収録曲だ。
8. スウィート・シックスティーン・バーズ / レイ・チャールズ

泣く子も黙るレイ・チャールズは、ホレス・シルヴァーあたりと肩を並べるファンキー系ジャズ・ピアニストとしても凄腕だ。インスト・アルバムもけっこうたくさんリリースしている。というわけで、今回はその中から1957年の『ザ・グレイト・レイ・チャールズ』の収録曲、スウィートな16小節…というタイトルの自作インストをセレクト。
9. スリープウォーク / ブライアン・セッツァー・オーケストラ

強力なロカビリー・ヴォーカルでおなじみのブライアン・セッツァーも、超絶テクを誇るギタリスト。自ら率いるビッグ・バンドをバックに、かつてサント&ジョニーというスティール・ギターをフィーチャーしたインスト・デュオが放った全米ナンバーワン・インスト・ヒットをカヴァーしている。1998年のアルバム『ダーティ・ブギー』より。
10. 月はいじわる / ジミー・ウェッブ

1960年代から無数の名曲を生み出し続けてきたシンガー・ソングライター、ジミー・ウェッブが2019年にリリースした最新アルバム『スリップカヴァー』は、なんと自分が影響を受けた他ソングライターによる楽曲を、ヴォーカルではなく、ピアノ演奏でカヴァーした1枚だった。ただ、その中に、かつてジョー・コッカーやリンダ・ロンシュタットもカヴァーしていた「月はいじわる」が、唯一の自作曲として入っていて。これがまた泣けたので、ぜひ聞いてみてください。
11. シングアロング・ジャンク / ポール・マッカートニー

1970年、ビートルズ脱退宣言をした直後にリリースした初ソロ・アルバム『マッカートニー』収録の名曲「ジャンク」のインスト版。今でこそアルバムに収録曲の“インスト・ヴァージョン”を入れるのは普通になったけれど、1970年にはまだとても珍しいことだった。さすがポール。いろいろな意味での先駆者です。
12. ラグタイム / ランディ・ニューマン

今や映画音楽作家としても大いに存在感を発揮しているランディ・ニューマン。彼が本格的にその分野で才能を発揮したのが1981年の映画『ラグタイム』のサウンドトラック・アルバムだった。その主題歌を2003年に自らのピアノ一本で再演したヴァージョンで、今回のプレイリストはおしまいです。

解説:萩原健太

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第213回 萩原健太のotonanoラジオ#95

2021/07/27 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

1.

大江千里

OUT OF CHAOS

『LETTER TO N.Y.』2021年7月21日発売

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

2.

大江千里

LETTER TO N.Y.

『LETTER TO N.Y.』2021年7月21日発売

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

3.

大江千里

THE KINDNESS OF STRANGERS

『LETTER TO N.Y.』2021年7月21日発売

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#95

『How About You?~多重録音に果敢に挑んだ先達アーティストたち~』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. ザ・シーク・オヴ・アラビー/シドニー・ベシェズ・ワン・マン・バンド

パンデミックの間、自宅で多重録音でアルバムを制作した大江千里さん。今ではノートパソコンひとつあれば自宅でも多重録音を駆使した本格的レコーディングが手軽にできる世の中になったけれど、昔は多重録音しようと思ったら本当に大変だった。大ごとだった。というわけで、かつて、まだレコーディング技術が十分に発達していなかった時代に、多重録音という難関に果敢に挑んでみせた先達アーティストたちの試行錯誤に、今回はスポットを当ててみます。ざっくり年代順に代表的なところをセレクト。まずは1941年、ジャズの巨匠、シドニー・ベシェの偉業から。まだマルチ・トラック・レコーダーはおろか、ステレオ録音すらなかった時代。演奏した音を機械的振動のままレコード原盤に刻み込み、その盤の音にさらなる生演奏を加えて新たな盤を作り…という緊張感みなぎる作業をえんえんと繰り返しながら、ベシェは6種類の楽器(クラリネット、ソプラノ・サックス、テナー・サックス、ピアノ、ベース、ドラム)を次々ダビングしてこの曲を完成させた。
2. ウィズ・マイ・アイズ・ワイド・オープン・アイム・ドリーミング / パティ・ペイジ

パティ・ペイジも1947年という、かなり早い段階から多重録音という画期的なレコーディング手法に挑んでいたシンガー。「コンフェス」「テネシー・ワルツ」など、パティの多重録音コーラスで制作されたヒット曲は多いが、特に1950年にシングル発売された本曲のレコード・レーベルにはアーティスト名として“The Patti Page Quartet”とクレジットされ、さらに“Vocal by Patti Page, Patti Page, Patti Page and Patti Page" という注釈も添えられていた。
3. ハウ・ハイ・ザ・ムーン/レス・ポール&メアリー・フォード

1950年代、自らの名を冠した傑作エレクトリック・ギターの生みの親でもあるレス・ポールは、当時の奥さま、メリー・フォードと組んで、コーラスとギターを何回も何回も多重録音した画期的なレコード・リリースを続けた。全米ヒットチャートにランクした曲は40曲。そのうち18曲がトップ10ヒットを記録している。本曲は1951年の全米ナンバーワン・ヒットだ。
4. スウィート・ヴァイオレッツ/ジェーン・タージー

ジェーン・タージーもパティ・ペイジ、メアリー・フォードともども初期多重録音のパイオニア的シンガーとしておなじみの存在。いちばんのビッグ・ヒットは3声コーラスを一人で多重録音し“ザ・ジェーン・タージー・トリオ”名義で1951年にリリースした「グッド・モーニング・ミスター・エコー」なのだけれど、なぜかストリーミングされていないので、同じ1951年に発売されたこちらの曲を。
5. ハウ・アバウト・ユー?/ビル・エヴァンス

ここまで、歌声の多重録音を中心にした選曲をしてきたけれど、この曲はピアノの多重録音。生演奏一発録りの緊張感を重要視するジャズの世界では多重録音はあまり歓迎されないのだが、そんな中で珍しく評価が高いのが偉大なジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスが1963年にリリースしたアルバム『自己との対話』だ。一人でピアノを三重録音。実に興味深いソロ・アルバムとなっている。そんなアルバムから、往年の名画『ブロードウェイ』の挿入歌を。
6. ユー・キャント・ドゥ・ザット/ハリー・ニルソン

ハリー・ニルソンの本格デビュー・アルバム、1967年の『パンデモニアム・シャドウ・ショー』の収録曲。初期ビートルズ作品のカヴァーだが、この曲を核に、他の様々なビートルズ・ナンバーのタイトルや名フレーズが織り込まれている。ニルソンひとりで重ねたコーラス・ワークも素晴らしい。この曲を含むデビュー・アルバムをいたく気に入ったジョン・レノンが、なんと36時間聞き通し、国際電話でニルソンに“It's John...John Lennon. Just wanted to tell you that your album is great! You're great!”と伝えたというのは有名なエピソードだ。
7. ザット・ウッド・ビー・サムシング/ポール・マッカートニー

ポール・マッカートニーによる衝撃のビートルズ脱退宣言の1週間後、1970年4月17日にリリースされたファースト・ソロ『マッカートニー』は、彼の自宅スタジオでの作業を中心に、すべての楽器をひとりでこなしながらレコーディングしたワンマン・アルバムだった。今で言う“宅録”あるいは“ベッドルーム・ポップ”の元祖的な1枚。そんな中からポールのなんとも気まぐれな魅力が炸裂する1曲を。
8. 恋よ、さようなら/カーペンターズ

鉄壁のソングライター・チーム、バート・バカラック&ハル・デヴィッドが1968年のブロードウェイ・ミュージカル『プロミセス・プロミセス』のために書いた名曲。ディオンヌ・ワーウィックのヒットとしておなじみだ。それをリチャードとカレンのカーペンター兄妹が1970年のアルバム『遙かなる影』でカヴァー。兄妹二人で13声×トリプルの計39トラックの多重録音コーラスを聞かせている。カーペンターズは1970年代版のレス・ポール&メアリー・フォードだった。
9. キラー・クイーン/クイーン

1970年代に多重録音コーラスで驚かせてくれたバンドといえば、何と言ってもクイーンだろう。一人多重という形ではなく、バンド内で歌えるフレディ、ブライアン、ロジャーの3人が何度も何度も声を重ねて分厚いハーモニーの壁を作り上げる。「ボヘミアン・ラプソディ」のコーラス・ワークがとにかく有名だが、あれはもうみなさん聞きまくっていると思うので、今回はその2枚前のシングル、1974年の「キラー・クイーン」を。これ、初めてラジオで聞いたときもぶっとんだものです。
10. メイビー/デイヴ・エドモンズ

ごきげんなトゥワンギー・ロックンロール・ギターでおなじみのデイヴ・エドモンズが1975年に一人多重録音技術を駆使して制作したセカンド・ソロ・アルバム『ひとりぼっちのスタジオ』から、ガール・グループ、シャンテルズのヒットのカヴァーを。この曲、実はアルバムが出る2年くらい前、シングル「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」のB面曲として先行発売されていて。当時それを買った高校生のケンタ少年は、毎日B面ばっかり聞いていたものです。
11. Cobra Twist/大滝詠一

で、そんなデイヴ・エドモンズの1973年のシングル「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー b/w メイビー」と、その前年、1972年暮れに出た大滝詠一のファースト・ソロ・アルバムがぼくをアメリカン・オールディーズの深みへといざなってくれたわけですが。そんな大滝さんも多重録音コーラスによく挑んでいた。そのファースト・ソロに入っていた「おもい」という曲とか、とても素敵なのだけれど、ストリーミングされていないので、今回はこちらを。1976年のアルバム『GO! GO! NIAGARA』から、前出ハリー・ニルソンの「ユー・キャント・ドゥ・ザット」よろしく、洋邦ツイスト・ナンバーのタイトルなどを次々織り込んだ曲を一人多重コーラスで聞かせる。
12. サムシング・トゥ・フォール・バック・オン/トッド・ラングレン

もちろん、一人多重コーラスといえば大滝さんの親友でもある山下達郎ということになるのだけれど、達郎さんの曲は今のところほとんどストリーミングされていないので、今回は断念。ラストはトッド・ラングレンが自分の声だけを様々な形に音処理しながら重ねて作り上げた1985年のアルバム『ア・カペラ』からこの曲をどうぞ。

解説:萩原健太

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第212回 萩原健太のotonanoラジオ#94

2021/07/20 公開

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

1.

日向敏文

異国の女たち

『夏の猫 Chat d'ete』【アナログLP】2020年11月3日発売

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

2.

日向敏文

Ritz Song

『オーガニック・スタイル 日向敏文 the BEST ~In the Twilight~』
2007年6月20日発売(オリジナル:1990年)

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

3.

日向敏文

小夜花(sayoka)

『Story』(1987年)

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#94

『Pick Up The Pieces~ロック、ソウル系インスト|60-70年代全米No.1~』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. テルスター / トーネイドーズ

先週に引き続き日向敏文さんをお迎えした「otonanoラジオ」。お楽しみいただけましたか? 日向さんの素敵な音楽に触発されたプレイリストのほうも先週に引き続き、歌なしのインストゥルメンタル集です。先週はピアノものを中心にセレクトしましたが、今週はピアノものに限らず、より幅広く、1960〜70年代の全米各種チャートの1位に輝いた大ヒットばかり揃えてみました。といっても、実は全米1位にランクしたインスト・ヒットはけっこう多いもんで。仕方ないから、メロウなストリングス・オーケストラ系のものはあえて省いて、ちょっとロック/ソウル寄りの作品に絞って年代順に並べました。まずは英国バンド、トーネイドーズが1962年に放った全米ナンバーワン・シングルから。“イギリスのフィル・スペクター”ことジョー・ミークが米国の人工衛星テルスターを題材に作った、いわゆるスペースものの代表作。
2. 蜜の味 / ハープ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス

1963年のビートルズ盤ほか無数のヴァージョンが存在するボビー・スコット&リック・マーロウ作品。中でももっとも有名なのがハーブ・アルパートのトランペットをフィーチャーした本インスト盤だ。ジュリアス・ウェクターのマリンバ、ルー・マクリアリーのトロンボーン、ハル・ブレインの強烈なドラム…。すべてが見事に絡み合って1965年、全米イージー・リスニング・チャート1位にランク。ポップ・チャートでも7位。グラミーも4部門制覇した。
3. 続・夕陽のガンマン / ヒューゴ・モンテネグロ

クリント・イーストウッド主演によるイタリア=アメリカ合作による西部劇、いわゆるマカロニ・ウェスタン映画『続・夕陽のガンマン』のテーマ曲だ。映画では作者であるエンニオ・モリコーネのヴァージョンが流れていたが、それを指揮者/アレンジャーのヒューゴ・モンテネグロが1968年にカヴァー。全米ポップ・チャート2位、イージー・リスニング・チャートではもちろん1位に輝いた。イントロの印象的なフレーズは、近年ヒップホップの世界でもよくサンプリングされている。
4. グレイジング・イン・ザ・グラス / ヒュー・マセケラ

ヒュー・マセケラは南アフリカ出身の黒人トランペッター。本曲はそんな彼が1968年に放った全米ナンバーワン・ヒットだ。クロスオーバー/フュージョン・ミュージックへの先駆けとも言うべき重要な作品。翌年にはロサンゼルスのソウル・ヴォーカル・グループ、フレンズ・オヴ・ディスティンクションのヴォーカル・ヴァージョンも大ヒットを記録した。
5. フランケンシュタイン / エドガー・ウィンター・グループ

強力な白人ブルース・ギタリスト、ジョニー・ウィンターの弟としてもおなじみ、テキサス生まれのシンガー/キーボード奏者/サックス奏者、エドガー・ウィンター。彼を中心に結成されたバンドが放った最大のヒットが本曲だ。バンドにはリック・デリンジャー、ダン・ハートマンらも在籍。この曲にはロニー・モントローズもギターで参加している。1973年の全米ナンバーワン・ヒット。
6. 愛のテーマ / ラヴ・アンリミテッド・オーケストラ

自らパフォーマーとしても大活躍したソウル・シーンの重要人物、バリー・ホワイトが結成した40人編成のフル・オーケストラが1973年に放った全米ナンバーワン・シングル。流麗なストリングス・サウンドではあるものの、たぶんエド・グリーン(ドラム)&ウィルトン・フェルダー(ベース)だと思われるリズム隊や、デヴィッド・T・ウォーカー(ギター)らしきミュート・プレイなど、名うてが繰り出すグルーヴが強力だ。アダルト・コンテンポラリー・チャートでも大ヒット。
7. T.S.O.P. (feat. The Three Degrees) / MFSB

グループ名は“マザーズ、ファーザーズ、シスターズ、ブラザーズ”の略。フィラデルフィアのシグマ・サウンド・スタジオを拠点に多くの人気シンガーのレコーディングをバックアップしてきた腕ききセッション・ミュージシャン集団だ。スリー・ディグリーズのバック・コーラスをフィーチャーした本曲「T.S.O.P.」(こちらは“ザ・サウンド・オヴ・フィラデルフィア”の略)は人気テレビ音楽番組『ソウル・トレイン』の主題歌。全米ポップ、R&B、アダルト・コンテンポラリーの3チャートすべてで1位に輝いた
8. ピック・アップ・ザ・ピーシズ / アヴェレイジ・ホワイト・バンド

スコットランドで結成されたファンキーな白人ソウル・グループ、アヴェレイジ・ホワイト・バンドが1974年から75年にかけて放ったヒット。基本的には歌ものバンドだが、このキャッチーなインスト・ナンバーが彼らにとって初のチャートイン作品となった。地元の全英チャートでは6位止まりながら、全米チャートでは見事1位に。名門アトランティック・レコードに移籍し、かつてブルー・アイド・ソウルの最高峰、ラスカルズを手掛けたこともある名匠アリフ・マーディンのプロデュースの下でレコーディングした傑作セカンド・アルバム『AWB』からのシングル・カットだった。
9. ハッスル / ヴァン・マッコイ

1960年代から活躍する黒人プロデューサー/ソングライター、ヴァン・マッコイ。バーバラ・ルイス、グラディス・ナイト&ザ・ピップス、ドリフターズ、シレルズ、スタイリスティックスなど、彼が手掛けたアーティストは数多いが、何といっても本人名義で1975年にリリースした本曲でヒットチャート史に名を残した。“ザ・ハッスル”というのは当時ディスコで流行していた最新ダンス・ステップの名前だった。
10. 反逆のテーマ / リズム・ヘリティッジ

1970年代半ば、日本でも放送されて人気を博したアメリカのテレビドラマ『特別狙撃隊S.W.A.T.』のテーマ曲。先週のプレイリストにも登場したバリー・デヴォーゾン作。演奏しているリズム・ヘリティッジは、スティーヴ・バリのプロデュースの下、マイケル・オーマティアン、エド・グリーン、ヴィクター・フェルドマン、ジェイ・グレイドン、ジェイムズ・ジェマーソン、レイ・パーカー・ジュニア、ディーン・パークスら名セッション・ミュージシャンが結集した覆面バンドだ。1975年から76年にかけて全米1位。
11. 運命’76 / ウォルター・マーフィー

先日亡くなった日本のエレキ・インスト第一人者、寺内タケシも1960年代にベートーヴェンの5番をインスト化して話題を巻き起こしたものだが、1970年代にはこの人。ニューヨーク生まれのピアニスト、ウォルター・マーフィーが1976年、ディスコ調でベートーヴェンを全米ナンバーワンに送り込んだ。翌年、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のサントラ盤にも収録され、さらにおなじみのヴァージョンになった。何でもかんでもディスコ調にリアレンジされれば重宝がられた時代の先駆け的1曲。
12. ライズ / ハーブ・アルパート

前出「蜜の味」を演奏していたアルパートが単独名義で1979年に放った特大ヒット。「蜜の味」はポップ・チャートでは7位止まりだったけれど、こちらは見事ポップ・チャートでも1位に輝いた。アダルト・コンテンポラリー・チャートでも1位。R&Bチャートでも4位。日本でもウィスキーのテレビCMなどに起用されて大いに人気を博した。

解説:萩原健太

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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