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第372回 萩原健太のotonanoラジオ#255

2024/08/20 公開

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

1.

UGUISS

Sweet Revenge

『UGUISS (1983-1984) ~40th Anniversary Vinyl Edition~』

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

2.

UGUISS

きみは夜の月

『きみは夜の月』

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

3.

UGUISS

Cry Again(この指とまれ)

※Live At Shibuya Club Quattro, 30th May 2024

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#255

『古今東西!再結成バンドの“新曲”集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 無敵のヴァレリー / BARBEE BOYS

 再結成/再始動したUGUISSから、ギターの佐橋佳幸、ヴォーカルの冨田麗香、おふたりをお迎えした『otonanoラジオ』。いかがでしたか? サハシが来る回はいつも賑やかで楽しいですね。1983年にデビューを飾ったものの、思い描いたような活動を続けることができず、残念ながらアルバム1枚だけ残して翌年、解散してしまったUGUISS。そんなある種の無念を、今、40年の歳月を経て晴らすかのようにUGUISSは再結成して、ツアーして、なんと新曲までレコーディングして配信リリース。新たなヴォーカリスト、麗香さんと、強力なサポートであるDr.kyOnを加えた新体制で、これからも活動していくとのこと。楽しみですね。

 というわけで、今週のプレイリストは、いろいろあっていったんは解散したものの、時を置いて再結成して新曲をレコーディングしたバンド集。洋邦取り合わせてセレクトしてみました。まずはバービー・ボーイズ。UGUISSが解散した1984年にデビューして、1992年に解散。その後、ライヴのために何度かスペシャルな形でメンバーが再結集したことがありましたが、2019年、本格的にバンド活動を再開。29年ぶりのニュー・アルバム『PlanBee』をリリースしました。本曲はそのアルバムからの先行シングルです。
2. 神様と仲なおり / REBECCA

 レベッカも1984年デビュー組。1991年に解散。その後、1995年に阪神・淡路大震災の復興支援を目的に再結成ライブを行ったり、紅白歌合戦に出演したり、新曲をリリースしたり、機会があるごとに再結成してくれています。この曲は2000年にリリースされた再結成シングル。
3. Boys & Girls / サディスティック・ミカ・バンド

 UGUISSはオリジナル・デビュー時にヴォーカルを務めていた山根栄子さんが若くして他界してしまったこともあり、渡辺美里がスペシャル・ヴォーカリストを担当する形で再結成したり、今回のように冨田麗香が新加入したり、再結成のたびにフロントを担う“バンドの顔”が変わっていますが。それと同じパターンがサディスティック・ミカ・バンド。1972年のデビュー当初は、リーダーである加藤和彦の奥さまだったミカがヴォーカルを務めていましたが、その後、加藤夫妻が離婚したこともあり1975年に解散。1985年に松任谷由実をリード・シンガーに据え、ライヴのために“サディスティック・ユーミン・バンド”として再結成。1989年には桐島かれんをヴォーカルに再々結成。そして2006年には木村カエラをヴォーカルに再々々結成。今回は桐島かれん加入時、1989年にリリースされた再結成アルバム『天晴』からの先行シングル曲をどうぞ。
4. Can't Be Satisfied / リトル・フィート

 洋楽ものも。1969年に結成、1971年にレコード・デビュー、1979年に中心メンバーだったローウェル・ジョージの脱退〜他界によって解散してしまったリトル・フィート。が、1987年、残されたオリジナル・メンバーたちを中心に再結成。以降、メンバーチェンジを繰り返しながらも現在まで、レコーディングに、ライヴに、着実な活動を続けています。オリジナル活動期よりも再結成以降の活動のほうが長いバンドの代表です。ということで、今年リリースされた再結成後10作目のオリジナル・スタジオ・アルバム『サムズ・プレイス』より、大先輩マディ・ウォーターズのブルースのカヴァーを。
5. ザギンデビュー / ユニコーン

 1987年にデビュー、1993年に解散。2009年に再結成してアルバム『シャンブル』をリリース。以降も着実にアルバム・リリースやライヴを続けています。本曲は『シャンブル』に収められていた奥田民生作品。
6. Queer Notions / Tin Pan

 1973年に細野晴臣(ベース)、鈴木茂(ギター)、林立夫(ドラム)、松任谷正隆(キーボード)という、後の大物たち4人が結成したバンド“キャラメル・ママ”を母体に、発展的に誕生したミュージシャン集団が“ティン・パン・アレー”。その再結成プロジェクトが2000年、“Tin Pan”という名義の下で実現しました。メンバーは松任谷さん以外の、細野、鈴木、林という顔ぶれ。アルバム『Tin Pan』をリリースして、ライヴ・ツアーも行いました。このツアーには今週の番組ゲスト、佐橋佳幸も参加。バンマスを務めていました。と、そんな再結成アルバムから、矢野顕子をゲスト・ヴォーカルに迎えたこの曲をどうぞ。
7. どんまい / 米米CLUB

 1985年、レコード・デビュー。1996年、解散。2005年に再結成して、現在もライヴにレコーディングに活動を継続中。この曲は2013年にリリースされた映画主題歌です。
8. The Doctor / ドゥービー・ブラザーズ

 再び洋楽。1970年から1982年までのオリジナル活動期もメンバーチェンジを繰り返しながら音楽性をくるくる変え続けたドゥービーズですが。1987年に再結成してからも、多彩なメンバーが次々出入りを繰り返しながら、レコーディングに、ライヴに、活発に活動しています。本曲は1989年にリリースされた再結成後第一弾アルバム『サイクルズ』からのシングル・ナンバー。みんなが待ち望んでいた再結成でもあり、全米トップ10ヒットを記録しています。
9. オードレイ! / FLYING KIDS

 ぼくも審査員を務めていたバンド・オーディション番組『平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国』への出演をきっかけに、1989年、デビューを飾ったフライング・キッズ。1998年にいったん解散しましたが、2007年に再結成して今も活動中です。アルバムも定期的にリリースしていますが、本曲は今のところ最新作にあたる2020年の『そしてボクら、ファンキーになった』の収録曲。
10. ALL THE YOUNG DUEDS / LAZY

 後にラウドネスで大ブレイクすることになる高崎晃と樋口宗孝や、アニソンの第一人者、影山ヒロノブを含むラインアップで、1973年から1981年まで、“和製ベイシティ・ローラーズ”などと呼ばれつつポップな活動をしていたのがレイジー。1997年の再結成後は解散してからメンバーたちがそれぞれ追求した路線を合体させたハードなアニソンなどで大いに話題を巻き起こしました。本曲は1998年にリリースされた17年ぶりのオリジナル・アルバム『HAPPY TIME』より。彼らのルーツのひとつ、モット・ザ・フープルのレパートリーのカヴァーです。作者はデヴィッド・ボウイ。
11. トレーラー・ハウスで / 甲斐バンド

 1974年にメジャー・デビュー。1986年に解散。1996年以降、何度かの再結成〜活動休止を経て、結成35周年にあたる2009年からは現在までバンドとしても活動を継続中です。本曲は1999年にリリースされたシングル。
12. Hole In The World / イーグルス

 最後は洋楽で。1971年にデビューして、大ヒットを連発したものの、中心メンバーのグレン・フライとドン・ヘンリーの不仲がピークを迎えた1980年に活動停止したイーグルス。1982年に正式に解散しました。その後、1994年に再結成。アルバムを出したり、ワールド・ツアーを行ったり。2016年にグレン・フライが他界してからも息子のディーコンが後を引き継ぎ活動を続けてきました。が、そのディーコンも2022年に脱退を発表。現在展開中の“ザ・ロング・グッドバイ・ツアー”を最後に解散すると言われています。本曲はそんな彼らが再結成後、2003年に放ったヒット曲。

解説:萩原健太

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第371回 萩原健太のotonanoラジオ#254

2024/08/13 公開

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

1.

南佳孝

プールサイド

『My Favorite Selections』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

2.

南佳孝

スタンダード・ナンバー

『My Favorite Selections』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

3.

南佳孝

スローなブギにしてくれ(I want you)

『Silkscreen』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#254

『マイ・ベスト・オブ・南佳孝~1973-1988』

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1. 摩天楼のヒロイン / 南佳孝

 先週に引き続き、南佳孝さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。50年前にデビューなさったときに大きなショックを受けて、以来ずっと聞き続けてきた一ファンとして、個人的に本当にうれしい機会でした。世の中、夏休みの時期ですが、このタイミングで、クニモンド瀧口(RYUSENKEI)が選曲/ミックスしたCD『ISLAND CAFE meets 南佳孝』や、過去の名盤の再発などに接して、改めて佳孝さんの魅力を多くの音楽ファンに再検証してほしいなと心から願います。ぼくも微力ながら、そのちょっとした助けとなれるように、個人的な“ベスト・オブ・南佳孝”、選んでみました。まあ、デビューして半世紀という佳孝さんだけに、アルバムの数も膨大。全部を視野に入れると選びきれないので、発売順に行けるところまで、各オリジナル・アルバムから1曲ずつ、計12曲をピックアップしたセレクションです。

 まずは1973年のデビュー・アルバム『摩天楼のヒロイン』から、そのタイトル・チューンです。これ、けっこう長い曲で。曲の前半、まるで映画のサウンドトラックのような、イマジネイティヴな演奏で綴られているのですが。この大胆でおしゃれな構成も含めて、当時、ぼくたちはうれしいショックを覚えたのでした。佳孝さんの紡いだメロディはもちろん、松本隆さんの歌詞も、矢野誠さんの編曲も、ノスタルジックでドリーミーで、でもどこか心に痛くて…。当時本当に画期的でした。
2. 月夜の晩には / 南佳孝

 1976年のセカンド・アルバム『忘れられた夏』より。サンバのグルーヴをポップな形で取り入れた曲で、こういうラテン要素の採り入れ方も当時、とても新鮮でした。翌年、サーカスがデビュー・シングルとしてこの曲をカヴァーしました。作詞・作曲:南佳孝。
3. ブルー・メロディー / 南佳孝

 1978年の大傑作アルバム『SOUTH OF THE BORDER』の収録曲です。このアルバムには来生えつこ作詞の「夏の女優」や「プールサイド」、松本隆作詞の「朝焼けにダンス」、ユーミン作詞の「日付変更線」など、超名曲が満載されているのですが、今回は佳孝さんご本人が作詞も手がけたこの曲を。番組の収録の際、ぼくはこの曲が大好きで、アルバムが出たころ、こればっかり聞いていたというエピソードをお話ししたとき、佳孝さんがなんと生歌をちらっと聞かせてくれて、大いに盛り上がりました(笑)。
4. Sleeping Lady / 南佳孝

 デビュー・アルバムに続いて、ほぼ全曲を松本隆が作詞を手がけた1979年のアルバム『SPEAK LOW』より。このアルバムの収録曲としては、後に郷ひろみが「セクシー・ユー」というタイトルでカヴァーした「モンロー・ウォーク」がいちばん有名っぽいですが、今回はあえてこっちの曲で、ひとつ。
5. 風にさらわれて / 南佳孝

 1980年のアルバム『MONTAGE』より。シングル・カットもされたナンバーです。作詞・作曲:南佳孝。
6. 涙のステラ / 南佳孝

 大ヒット曲「スローなブギにしてくれ(I WANT YOU)」”を含む1981年のアルバム『SILKSCREEN』より。「スローなブギ…」に続くシングルにもなりました。作詞:松本隆、作曲:南佳孝。
7. 夏服を着た女たち / 南佳孝

 1982年、ニューヨークで録音されたアルバム『SEVENTH AVENUE SOUTH』より。やはり松本隆が作詞を手がけた1曲です。アーウィン・ショーの傑作短篇小説のタイトルを流用するあたりもかっこよかったです。
8. 素足の女 / 南佳孝

 1983年のアルバム『Daydream』より。作詞:来生えつこ、作曲:南佳孝。この時期からアレンジャーに井上鑑が加わり、このアルバムでは全曲の編曲を手がけています。
9. 冒険王 / 南佳孝

 再び松本隆が全曲を作詞した1984年のアルバム『冒険王』より。このアルバムには清水信之、川島裕二、大村雅朗ら多彩なアレンジャーが関わっていますが、この曲でデビュー当時を思わせる映画のサウンドトラック的なアレンジを提供しているのは井上鑑です。
10. ジョンとメリー / 南佳孝

 全曲を作詞:松本隆、作曲:南佳孝、編曲:井上鑑のトリオで作り上げた1986年のアルバム『LAST PICTURE SHOW』より。「ラスト・ショー」「突然炎のごとく」「大人は判ってくれない」「理由なき反抗」「華麗なるギャツビー」「避暑地の出来事」など、往年の名作映画のタイトルを冠した曲ばかりで構成された1枚でしたが、そんな中からダスティン・ホフマンとミア・ファロー主演による1969年の名画のタイトルを冠した1曲を。
11. A Day / 南佳孝

 1987年のアルバム『VINTAGE』より。作詞:来生えつこ、作曲:南 佳孝。
12. Backstroke Swimmer / 南佳孝

 ラストは1988年のアルバム『DAILY NEWS』よりこの曲を。作詞を手がけている小泉亮というのは、プロデューサーとしておなじみ、須藤晃さんの別名です。というわけで、佳孝さんのキャリア初期のオリジナル・アルバムから1曲ずつセレクトした12曲。この後も佳孝さんは素敵なアルバムをたくさんたくさんリリースなさっているので、その辺りはぜひ各自でチェックしてみてください。

解説:萩原健太

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第370回 萩原健太のotonanoラジオ#253

2024/08/06 公開

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

1.

南佳孝

クレッセント・ナイト~80時間風船旅行

『ISLAND CAFE meets 南佳孝』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

2.

南佳孝

夏の女優~スローなブギにしてくれ (I want you)

『ISLAND CAFE meets 南佳孝』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

3.

南佳孝

夜間飛行

『SOUTH OF THE BORDER』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#253

『1970年代の日本のポップ・ミュージック・セレクション』

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1. おいらぎゃんぐだぞ / 南佳孝

 南佳孝さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。クニモンド瀧口(RYUSENKEI)が選曲/ミックスした『ISLAND CAFE meets 南佳孝』のこと、過去に佳孝さんが残した名盤の再発のこと、ライヴのこと…など、いろいろうかがいました。番組内でもちらっと話しましたが、ぼくは1973年9月、東京の今はなき文京公会堂で行われた、はっぴいえんどの解散コンサート“ラスト・タイム・アラウンド”で、その第一部に登場してきたデビューしたばかりの佳孝さんを見て大いにショックを受けた世代。ロックでもない、フォークでもない、もちろん歌謡曲でもない、それまで日本のポップ・シーンにはなかったノスタルジックで柔軟で豊かな音楽性のとりこに一瞬でなりました。コンサートの後、ソッコーで南佳孝さんのデビュー・アルバム『摩天楼のヒロイン』をゲットしたっけ…。あれからもう50年以上。それだけに、直接、佳孝さんから当時のことなども含めていろいろお話が聞けて、もう夢見心地の『otonanoラジオ』でありました。

 というわけで、今週のプレイリストは、そんな南佳孝さんがデビューにショックを受けた1970年代にぼくが好んで聞いていた、ロックでもない、フォークでもない、日本のポップ・ミュージックのセレクション。まずは南佳孝さんご本人の曲から。アルバム『摩天楼のヒロイン』のオープニングを飾っていたナンバーです。作詞:松本隆、作曲:南佳孝。架空のハリウッド映画のサウンドトラックを思わせる矢野誠さんのアレンジも当時、とても新鮮でした。
2. 朝寝坊 / 大滝詠一

 大滝さんの場合、アーティスト名としては簡単な“滝”の字を使った“大瀧詠一”、ソングライターとかプロデューサーとか、そういうスタッフ名としてはむずかしい“瀧”の字を使った“大瀧詠一”という表記を使い分けていらっしゃいましたが、さらにややこしいことに1972年の初ソロ・アルバムのタイトルはむずかしいほうの『大瀧詠一』だったりして。どうすりゃいいんだ…って感じですが(笑)。そのややこしい初ソロ・アルバムの収録曲です。南佳孝登場以前にこの種の音楽性を飄々と聞かせてくれていたのは、やはり大滝さんでした。作詞・作曲:大瀧詠一。
3. CHINESE SOUP / 荒井由実

 ユーミンが1975年にリリースしたサード・アルバム『コバルト・アワー』より。プロデュースを手がけていた未来の夫、松任谷正隆の実弟、松任谷愛介によるフィドルを効果的にフィーチャーしたノスタルジックな音楽性が新鮮でした。歌詞はおっかないけど。作詞・作曲:荒井由実。
4. 午後のレディ / 鈴木慶一とムーンライダーズ

 慶一さんのソロ・アルバムのような、ムーンライダーズのファースト・アルバムのような、実に微妙な大傑作、『火の玉ボーイ』の収録曲。おしゃれでジャジーなテイストが当時ものすごく新鮮でした。作詞・作曲:鈴木慶一。
5. ろっかばいまいべいびい / 細野晴臣

 番組の中で佳孝さんがちらっと話してくれたことですが。『摩天楼のヒロイン』を作ろうとしているとき、松本隆さんが“こういう感じの曲、細野さんもソロ・アルバムでやってるんだよね”と教えてくれたそうで。それ、たぶんこの曲のことかなと思って選曲しました。佳孝さんのデビューのちょっと前、1973年5月にリリースされた細野さんの初ソロ・アルバム『HOSONO HOUSE』の収録曲です。作詞・作曲:細野晴臣。
6. 真夜中のロックンロール・ダンス / 佐藤奈々子

 1977年に出た佐藤奈々子のデビュー・アルバム『Funny Walking』の収録曲。このアルバムは個人的に初めて“佐野元春”という名前をソングライター・クレジットで見た1枚としても忘れられない存在です。作詞:佐藤奈々子、作曲:佐藤奈々子&佐野元春。大野雄二さんのジャジーなアレンジもかっこよかったです。
7. ムーンライト・シンギィング / 岡本一生

 ソングライターとしておなじみの岡本朗さんが“岡本一生”という名義で活動していたころ、1978年に放ったデビュー・アルバムのタイトル・チューン。今は“ムーンライト・シンギング”という表記でストリーミングされてますが、オリジナル・アルバムでは“ムーンライト・シンギィング”という表記でした。作詞・作曲:岡本一生。岡本一生さんは1982年にジャズ系の名手が全面バックアップした『ファイブ・オクロック・シャドウ』という傑作アルバムもリリースしているのだけれど。それは残念ながらストリーミングされていないみたい。配信解禁、あるいは再発、心から願います。
8. 恋の日記 / ハイ・ファイ・セット

 これは洋楽のカヴァーものですが。番組にもゲストでいらしてくださったことがある村井邦彦さんがプロデュースしたハイ・ファイ・セット、1977年に海外録音されたオリジナル・アルバム4作目『ザ・ダイアリー』のタイトル・チューンです。ニール・セダカが1958年に放ったヒットのカヴァー。作詞:ハワード・グリーンフィールド、日本語訳詞:岩谷時子、作曲:ニール・セダカ。ボブ・アルシヴァーが手がけたコーラス・アレンジが極上でした。
9. ウエディング・ソング / あがた森魚

 あがた森魚さんが1976年にリリースした2枚組『日本少年〜ヂパング・ボーイ』より。このアルバム、プロデュースが細野晴臣&矢野誠。バックアップしているのがムーンライダーズを中心とする面々。大作でした。そんなアルバムから、作詞:鈴木慶一&岡田徹、作曲:岡田徹による名曲を。
10. 五線紙 / 竹内まりや

 これだけはちょっと新しめで1980年作品。新しくないか(笑)。まりやさんのサード・アルバム『LOVE SONGS』に収められていた名曲です。作詞:松本隆、作曲:安部恭弘。コーラスの扱い方にかけては定評があった宮田茂樹さんのいい仕事ぶりが堪能できます。
11. 8分音符の詩 / 鈴木茂

 大滝さん、細野さんに続いて、はっぴいえんどのメンバーだった鈴木茂さんの曲も。茂さんが1976年にリリースしたセカンド・ソロ・アルバム『ラグーン』からの1曲です。作詞はやはり元はっぴいえんどの松本隆、作曲は茂さん。
12. ピストル / 南佳孝

 最後も佳孝さんで。やはり『摩天楼のヒロイン』の収録曲。番組内でも話しましたが、ぼくは特にこの曲のコード進行と、浮遊感に満ちたメロディと、やばい歌詞の取り合わせに思いきりやられたものです。作詞:松本隆、作曲:南佳孝。

解説:萩原健太

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第369回 萩原健太のotonanoラジオ#252

2024/07/30 公開

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

今週のオンエア曲

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

1.

ブルース・スプリングスティーン

ボーン・イン・ザ・U.S.A.

『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

2.

ブルース・スプリングスティーン

カヴァー・ミー

『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

3.

ブルース・スプリングスティーン

涙のサンダー・ロード

『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

4.

ブルース・スプリングスティーン

ジャージー・ガール

『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#252

『Glory Days~ボブ・クリアマウンテンMIX集 80s』

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1. Glory Days / Bruce Springsteen

 ブルース・スプリングスティーンが1984年にリリースした大ヒット・アルバム『ボーン・イン・ザ・USA』の発売40周年を記念して、9月25日、7インチ紙ジャケット仕様で日本独自にリリースされる予定の『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』を特集してお送りした『otonanoラジオ』。1985年4月の初来日公演から数カ月後、1985年8月に地元ニュージャージーのジャイアンツ・スタジアムで行われたライヴをまるごと全29曲収めたボーナス・ディスク3枚を最新リマスターのオリジナル・アルバムと抱き合わせた4枚組! 当時のスプリングスティーン&Eストリート・バンドのライヴでの無敵の勢いを番組でもたっぷり楽しませてもらいました。この『ボーン・イン・ザ・USA』というアルバムの特大ヒットを後押ししたのは間違いなく当時のスプリングスティーン親分のライヴでの熱狂だったわけですが。

 でも、それだけじゃなく。『ボーン・イン・ザ・USA』というアルバムの魅力は、ギターのみならずシンセサイザーなども迷いなく多用した1980年代メイン・ストリーム・ロックの王道とも言うべきスケール感たっぷりの堂々たる音像。この圧倒的なサウンドが、当時30歳代半ばというパフォーマーとしてある種の絶頂期にあったスプリングスティーンの強烈にパワフルな歌声と合体して、とてつもない傑作アルバムが生まれたのでした。そして、この音を米ニューヨークのヒット・ファクトリーとパワー・ステーションという名門スタジオでレコーディング/ミキシングしたエンジニアがボブ・クリアマウンテンという男。現在もアメリカを代表するレコーディング・エンジニアとして活躍する名匠、ボブクリさんの腕なくしてはこの傑作は生まれ得ませんでした。ボブクリといえば、彼が長年ハウス・エンジニアを務めていたパワー・ステーション・スタジオならではの豪快なエコー感を活かしたファットなサウンドが売りですが、本作はそんなボブ・クリアマウンテン・サウンドが最初の頂点を極めたアルバムとしても記憶されるべき1枚なのです。

 というわけで、今週のプレイリストは『ボーン・イン・ザ・USA』というアルバムを大傑作へと導いた影の功労者でもあるボブ・クリアマウンテンが、1980年代にエンジニアとしてミックスを手がけた作品の中からぼくが好きなものを12曲ピックアップしたセレクション。まずは『ボーン・イン・ザ・USA』の収録曲で、今回の番組では欠けられなかったこの曲を。シングル・カットもされて翌1985年に全米トップ5に突入するヒットを記録しました。
2. Summer Of '69 / Bryan Adams

 ボブ・クリアマウンテンが1980年代にプロデュースおよびミキシングを手がけた代表的アーティストといえば、ブライアン・アダムス。彼の成功劇を語るうえでも、ボブクリ・サウンドが果たした貢献は忘れられません。というわけで、『ボーン・イン・ザ・USA』と同じ1984年に大ヒットしたブライアン・アダムスのアルバム『レックレス』から、このシングル・カット・ナンバーを。
3. Out Of Touch / Daryl Hall & John Oates

 これも1984年にボブ・クリアマウンテンが手がけた特大ヒットのひとつ。ホール&オーツのアルバム『ビッグ・バム・ブーム』からのシングル・カット曲です。
4. Start Me Up / The Rolling Stones

 ちょっと時期を前に戻して、1981年のヒット。キース・リチャーズのキャッチーなギター・リフからチャーリー・ワッツの強烈なスネアへ…という、えらくかっこいいイントロもいきなりボブクリ・サウンド。痛快!
5. China Girl / David Bowie

 これは1983年の大ヒット・アルバム『レッツ・ダンス』からのシングル・カット曲。プロデューサー、ナイル・ロジャースが編み上げたポップでファンキーなサウンドをボブ・クリアマウンテンが見事にまとめています。
6. If This Is It / Huey Lewis & The News

 ヒューイ・ルイスの出世作『ピクチャー・ジス』(1982年)も『スポーツ』(1983年)も、やはりボブ・クリアマウンテンがミックスを手がけた名盤でした。今回は『スポーツ』のほうから、シングル・カットもされたこの曲を。
7. I Knew The Bride (When She Used To Rock And Roll) / Nick Lowe

 続いてはそのヒューイ・ルイスがプロデュースを手がけたニック・ロウのナンバー。1985年のアルバム『ザ・ローズ・オヴ・イングランド』からの先行シングルとしてリリースされたごきげんなロックンロールです。
8. You Ought To Love Me / Narada Michael Walden

 ボブクリさんはナラダ・マイケル・ウォルデンとも1970年代末から仕事していて。この曲を含む1982年のアルバム『コンフィデンス』でも、パワー・ステーション・スタジオで録音された何曲かでその手腕を発揮していました。
9. Drag Me Down / The Boomtown Rats

 ボブ・ゲルドフ率いるブームタウン・ラッツがオリジナル活動期の最後にリリースしたアルバム、1985年の『イン・ザ・ルッキング・グラス』からのナンバーです。レコーディングを手がけたのは別のエンジニアみたいですが、ミックスはボブクリが担当しました。
10. Everything I Need / Men At Work

 1985年のアルバム『トゥー・ハーツ』からのシングル・カット曲。ドラムのサウンド処理がなんともボブクリしています。
11. Alive And Kicking / Simple Minds

 1985年から86年にかけて世界中でヒットしたナンバー。7作目のアルバム『ワンス・アポン・ア・タイム』からのシングル・カットでした。
12. More Than This / Roxy Music

 ボブ・クリアマウンテンの手腕を世に広めるうえで大きな役割を果たした1枚が、ロキシー・ミュージックの1982年作品『アヴァロン』でした。メロウな感触とグルーヴィなビートとを絶妙なバランスで合体させた1枚でしたが、そこからのシングル・カット曲で1980年代のボブ・クリアマウンテン・ミックス集を締めくくりましょう。

解説:萩原健太

ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)』特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第368回 萩原健太のotonanoラジオ#251

2024/07/23 公開

坂本龍一『NEO GEO』特集

今週のオンエア曲

坂本龍一『NEO GEO』特集

1.

坂本龍一

NEO GEO

『NEO GEO』

坂本龍一『NEO GEO』特集

2.

坂本龍一

RISKY

『NEO GEO』

坂本龍一『NEO GEO』特集

3.

坂本龍一

SHOGUNADE

『NEO GEO』

坂本龍一『NEO GEO』特集

4.

坂本龍一

OKINAWA SONG -CHIN NUKU JUUSHII-

『NEO GEO』

坂本龍一『NEO GEO』特集

5.

坂本龍一

AFTER ALL

『NEO GEO』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#251

『hibari~ベスト・オブ・坂本龍一』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. THE END OF ASIA / 坂本龍一

 坂本龍一が1987年、初めて世界向けてリリースした大傑作アルバム『NEO GEO』。その最新リマスター&最新カッティングによる180グラム重量アナログLPに、イギー・ポップをヴォーカルに迎えた「リスキー」の12インチ・シングル、東京とニューヨークでそれぞれ行なわれたツアーの映像を収めたブルーレイ2枚を組み合わせた4枚組ボックスがこのほどリリースされるということで。otonanoラジオも軽く『NEO GEO』特集、お届けしました。イギー以外にも、ビル・ラズウェル、ブーツィ・コリンズ、スライ・ダンバーらすごい顔ぶれを従えた1枚で。かっこよさはいまだ色褪せず。すごいアルバムでした。

 というわけで、今週のプレイリスト。これはもうストレートにベスト・オブ坂本龍一でいきましょう。坂本教授がソロ名義で残したオリジナル・アルバムの中には配信されていないものもちょこっとあったりして。全作品を見渡した中からセレクトすることはできなかったのですが。それでも大方は配信されているので、そこからぼくが好きな曲を、アルバム1作ごとにそれぞれ1曲ずつ、年代順に並べてみました。まずは1978年、リアルタイムに誰もが衝撃を受けた教授の初ソロ作『千のナイフ』から、YMOのライヴでもよく披露されていたこの曲を。同じ年に細野晴臣がリリースした傑作アルバム『はらいそ』の収録曲「ウォリー・ビーズ」とメロディ的に呼応しているようで、当時大いに盛り上がって聞いたものです。
2. Thatness And Thereness / 坂本龍一

 1980年のセカンド・ソロ・アルバム『B-2ユニット』より。ソロ名義のアルバムで教授が初めて自身のヴォーカルを披露したナンバーです。聞く者の心の深いところに沁み渡る浮遊感に満ちたメロディです。
3. Relâché / 坂本龍一

 1981年のアルバム『左うでの夢』より。糸井重里、矢野顕子、かしぶち哲郎らを作詞に迎えたヴォーカルもの中心のアルバムでしたが、今回はそこからエイドリアン・ブリューのギターなども交えたインスト曲を。ただし翌年、ロビン・スコットのヴォーカルをダビングして「JUST ABOUT ENOUGH」という別タイトルでEPでリリースされています。
4. Merry Christmas Mr.Lawrence / 坂本龍一

 教授のソロ作となるとこの曲を外すわけにはいかないのですが。まあ、みなさん、例の映画サントラ・ヴァージョンのほうはもう何度も何度もお聞きのことと思いますから、今回はあのサントラの曲を教授のピアノ演奏で再演した1983年のアルバム『Coda』に収録されていたヴァージョンでどうぞ。
5. きみについて / 坂本龍一

 1984年のアルバム『音楽図鑑』より。教授がフェアライトを本格的に使った1枚としても当時話題になりました。スタジオで自動筆記的に思い浮かんだ曲を記録したアルバムということで、教授の多面性がよく表われたアルバムでした。この曲の作詞は糸井重里。
6. ADELIC PENGUINS / 坂本龍一

 1985年のアルバム『エスペラント』より。テクノとエスノとアンビエントが渾然と渦巻くこのアルバムから、アート・リンゼイのノイズ・ギターなどもフィーチャーしたこの曲を。
7. ウィ・ラヴ・ユー / 坂本龍一

 1986年の『未来派野郎』はなぜかストリーミングされていないので、飛ばして。次の『NEO GEO』は番組で特集したのでこれも飛ばして。1989年のアルバム『ビューティ』より。ロバート・ワイアット、ロビー・ロバートソン、ユッスー・ンドゥール、アート・リンゼイなどともに、ぼくが大好きなビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンが、人脈的に何の関係もなさそうなのに参加していたことに当時えらく驚いたものです。ブライアンならではのハーモニーも途中ちらっと顔を出すこの曲を聞きましょう。ローリング・ストーンズのレパートリーのカヴァーです。
8. 二人の果て / 坂本龍一

 1991年の『ハートビート』もストリーミングされていないのでスキップ。次は1994年の『スウィート・リヴェンジ』からいきます。今井美樹とのデュエットでシングル・カットされたこの曲。作詞は大貫妙子。
9. 愛してる、愛してない / 坂本龍一

 続いては1995年の『スムーチー』より。前曲と同趣向のデュエット曲で、こちらのお相手は中谷美紀。作詞はこれも大貫妙子。
10. Opus / 坂本龍一

 1997年の『ディスコード』はストリーミングなし。ということで次の1998年作品『BTTB』より。オープニングを飾っていた美しいピアノ・ピースです。1999年には中谷美紀がヴォーカル・ヴァージョンも発表しています。
11. Ngo (Bitmix) / 坂本龍一

 2004年、久々にリリースされたソロ・アルバム『キャズム』より。
12. Hibari / 坂本龍一

 この後も教授は何作もソロ・アルバムをリリースしていますが、いつものように12曲プレイリストってことで、今回は2009年のアルバム『out of noise』のオープニングを飾っていたこの曲で締めます。ピアノ演奏をループさせて、少しずつずらしながら、やがてそれがまたひとつになっていくという、不思議な1曲です。2023年の映画『怪物』でも使われていました。

解説:萩原健太

坂本龍一『NEO GEO』特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第367回 萩原健太のotonanoラジオ#250

2024/07/16 公開

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

今週のオンエア曲

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

1.

リンダ・キャリエール

Love Celebration

『Linda Carriere』

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

2.

リンダ・キャリエール

Loving Makes It So

『Linda Carriere』

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

3.

リンダ・キャリエール

Laid Back Mad Or Mellow

『Linda Carriere』

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

4.

リンダ・キャリエール

Vertigo

『Linda Carriere』

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

5.

リンダ・キャリエール

Child On An Angel's Arm

『Linda Carriere』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#250

『細野晴臣が提供した女性シンガー楽曲集』

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1. ラムはお好き? / 吉田美奈子

 1977年、アルファミュージックの下、細野晴臣がプロデュースした幻のアルバム『リンダ・キャリエール』を特集してお届けした『otonanoラジオ』。後にダイナスティのメンバーとして世に出るリンダさんに、細野さんをはじめ、山下達郎、佐藤博、吉田美奈子、矢野顕子らが楽曲を提供し、日本で制作されながら、当時はお蔵入りしてしまった伝説の1枚で。ぼくもさる筋からの流出音源で長年楽しませてもらってきたものですが(笑)。そのオフィシャル・リリースが、アルファミュージック創立55周年プロジェクトの一環としていよいよ実現。ということで、番組ではいち早く収録曲のあれこれを楽しませていただきました。  で、今週のプレイリスト。どんな切り口でセレクトしようか、いろいろ考えましたが。今回は細野さんに着目。リンダ・キャリエールのアルバムでも細野さんはプロデュース/アレンジ/演奏だけでなく、作品も4曲提供なさっています。その流れで、細野さんが提供した女性シンガーの楽曲ってやつをざっくり12曲集めてみました。もちろん、もっともっとたくさんの曲がありますけど、ぼくが好きな曲の中からとりあえず…という雑なプレイリストです(笑)。ざっくり年代順に並べてみました。まずはリンダ・キャリエールのアルバムにも2曲提供なさった吉田美奈子さんに細野さんが提供したこの曲。1976年の名盤『フラッパー』に収められていたナンバーです。作詞:吉田美奈子、作曲:細野晴臣。
2. 私自身 / いしだあゆみ

 続いては1977年、作詞家・橋本淳のプロデュースの下、細野さんをはじめ、鈴木茂、林立夫、矢野顕子、岡田徹、佐藤博、吉田美奈子、山下達郎、羽田健太郎、萩田光雄らが結集して、人気シンガー、いしだあゆみをバックアップしたアルバム『アワー・コネクション』のオープニングを飾っていた作品です。作詞:橋本淳、作曲:細野晴臣。細野さんのベースもかっこいいです。
3. 夢色グライダー / やまがたすみこ

 のちに井上鑑夫人になるシンガー・ソングライター、やまがたすみこが1977年にリリースしたアルバム『フライング』より。プロデュースは松本隆。作詞:松本隆、作曲:細野晴臣、編曲:鈴木茂という、はっぴいえんど勢揃いの1曲です。
4. 輝くスターリー・ナイト / 竹内まりや

 待望のニュー・アルバムのリリースがアナウンスされファンを大いに喜ばせているまりやさん。彼女の1978年のデビュー・アルバム『Beginning』にも細野さんの提供曲が収められていました。オールディーズ風味の素敵な1曲ですが。こちらは作詞:高橋ユキヒロ、作曲:細野晴臣というYMOコンビの作品です。
5. ユー・メイ・ドリーム / シーナ&ロケッツ

 これは女性ソロ・シンガーではなく、バンドものですが。シーナ&ロケッツ、1979年のアルバム『真空パック』からの必殺ナンバー。作詞:柴山俊之&クリス・モスデル、作曲:鮎川誠&細野晴臣です。
6. Wait My Darling / 金井夕子

 1980年のシングル。作詞:大貫妙子、作曲:細野晴臣という魅力的なソングライター・コンビによる1曲です。
7. 赤道小町ドキッ / 山下久美子

 1982年のシングル。大ヒットしました。これも作詞:松本隆、作曲:細野晴臣による名曲です。
8. ガラスの林檎 / 松田聖子

 とはいえ、松本=細野コンビによる最高傑作といえば、やはりこの曲かなー。ご存じの通り、この二人は聖子ちゃんに「天国のキッス」「わがままな片想い」「黄色いカーディガン」「ピンクのモーツァルト」「硝子のプリズム」などたくさんの名曲を提供していますが、やはり1983年のこのヒット・シングルを。
9. 月下美人 / 松本伊代

 もともとはFM特番『細野晴臣の作曲講座』で司会役をつとめていた遠藤京子が作詞して細野さんが作曲した楽曲。で、その続編的特番『松本隆の作詞講座』でそこに別歌詞がついて。それを1985年、松本伊代がシングルとしてリリースしたものです。
10. 連れてってファンタァジェン / 小泉今日子

 1987年のアルバム『ファンタァジェン』より。土屋昌巳のプロデュースの下、ドイツでレコーディングされた意欲作でした。そのオープニングを飾っていたのがこの曲。作詞:安野ともこ、作曲:細野晴臣。
11. 青空挽歌 / 裕木奈江

 1993年のアルバム『旬』より。これも松本=細野作品。
12. カリプソの娘 / 森高千里

 この他にも細野さんは、安田成美、中森明菜、中川翔子、柏原芳恵、戸川純、西村知美、早瀬優香子、藤村美樹、松原みきなどたくさんの女性シンガーに楽曲提供をなさっていますが。いちばんがっちりタッグを組んだのがこの人、森高さんじゃないかな、と。1998年の細野晴臣プロデュースによるアルバム『今年の夏はモア・ベター』は大傑作でした。というわけで、そのアルバムからこの曲を。作詞:森高千里、作曲:細野晴臣。そういえば、テレビCMで共演したりもしてましたねー。

解説:萩原健太

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第366回 萩原健太のotonanoラジオ#249

2024/07/09 公開

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

今週のオンエア曲

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

1.

リトル・フィート

Spanish Moon (Single Version)

『Feats Don't Fail Me Now (Deluxe Edition)』

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

2.

デヴィッド・ボウイ

ヴェルヴェット・ゴールドマイン(ジギー・セッション・アウトテイク)

『ロックン・ロール・スター!』

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

3.

フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション

メモリーズ・オブ・エル・モンテ

『ライヴ・アット・ザ・ウィスキー・ア・ゴーゴー1968』

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

4.

ポール・マッカートニー&ウイングス

ソイリー

『ワン・ハンド・クラッピング』

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

5.

ジョン・レノン

ユー・アー・ヒア(Ultimate Mix)

『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』アルティメイト・コレクション

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#249

『マイ・フェイヴァリット洋楽アルバム[2024上半期編]』

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1. My Golden Years / The Lemon Twigs

 いつもはお迎えしたゲストとともにあれこれ音楽を深掘りしている『otonanoラジオ』ですが。今週はスペシャルってことで。ぼく一人で、最近出た話題の洋楽再発ボックスセットなどを集めてお届けしました。ポール・マッカートニーとかデヴィッド・ボウイとかリトル・フィートとか、油断ならないボックスセットが続々出ていて。番組では紹介できませんでしたが、他にもグレイトフル・デッドとかラスカルズとかジョニ・ミッチェルとか、充実した再発箱だらけで。付いていくだけで、時間的にもおサイフ的にも、もう大変(笑)。もちろんそれだけでなく、新作アルバムも次々リリースされているわけで。いやー、1日が50時間くらいあればいいのに…と、まじ思います。
 てことで、今週のプレイリストは、そんな新作アルバムのほうに注目。今年に入ってから出たたくさんの新作アルバムの中から、今のところぼくが気に入っている12作をだだーっとご紹介します。1作から1曲ずつピックアップして並べてみました。順不同です。
 まずはブライアンとマイケルのダダリオ兄弟による無敵のポップ・ユニット、ザ・レモン・ツイッグスの新作アルバム『ア・ドリーム・イズ・オール・ウィー・ノウ』から。往年のラズベリーズとかを彷彿させるごきげんなパワー・ポップです。
2. Dance With A Stranger / Lake Street Dive

 続いては極上フュージョン・ポップ・バンド、レイク・ストリート・ダイヴ、3年ぶりの新作『グッド・トゥゲザー』から。メンバーチェンジして新ラインアップになってから初の1枚でした。
3. A Tear / The Lostines

 ドリーミーで、でもどこかやばめなオールディーズ風味がたまらないニューオーリンズ本拠の女性2人組、ザ・ロスティーンズの初フル・アルバム『ミート・ザ・ロスティーンズ』のオープニングを飾っていたナンバーです。
4. Dime / Aaron Frazer & Cancamusa

 ごきげんなレトロ・ソウル・バンド、ドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケイションズのドラマー/ソングライターとしてもおなじみ、アーロン・フレイザーのセカンド・ソロ・アルバム『イントゥ・ザ・ブルー』より。チリ出身の女性ドラマー/シンガーのカンカムーサとデュエットしているナンバーです。プロデュースはヒップホップ畑のアレックス・グース。
5. Liberty Print / Camera Obscure

 グラスゴーのインディ・ポップ・バンド、カメラ・オブスキュラが10年ぶりにリリースした新作『ルック・トゥ・ジ・イースト、ルック・トゥ・ザ・ウェスト』より。長年のメンバー、キャリー・ランダー他界後の初アルバム。ほろ苦く切なく、でも彼ららしく軽やかでノスタルジックで。泣けました。
6. Time Flies When You're Having Fun / Dent May & Pearl & The Oysters

 よき頃のAMポップ感覚を受け継ぐロサンゼルスのシンガー・ソングライター、デント・メイの新作『ホワッツ・フォー・ブレックファスト?』より。去年、来日もしたフランス出身ロサンゼルス本拠のインディ・ポップ・デュオ、パール&ジ・オイスターズをゲストに迎えたナンバーです。
7. California / The Courettes Feat. La La Brooks

 これ、実はまだアルバムが出ていない曲。ブラジル人女性のフラヴィアとデンマーク人男性のマーティンというコーリ夫妻によるごきげんにレトロなガレージ・ロックンロール・リヴァイヴァル・ユニット、ザ・コーレッツの新作シングルです。これは出たばっかり。今回はサーフィンものに挑戦! なんと1960年代ガール・グループの代表格、クリスタルズのラ・ラ・ブルックスをゲストに迎え、ワンダーミンツ〜ブライアン・ウィルソン・バンドの中心メンバー、ダリアン・サハナジャをヴォーカル・ミックスに起用して痛快にキメてます。アルバムも早く出してね!
8. Walk Away / Dee C Lee

 スタイル・カウンシルとの活動でもおなじみ、UKソウルの歌姫、ディー・C・リーが26年ぶりにリリースしたアルバム『ジャスト・サムシング』より。スタカン時代の仲間、ミック・タルボットと共作しています。
9. I Don't / Brittany Howard

 アラバマ・シェイクスのフロントを張っていたことでもおなじみ、ブリタニー・ハワードのセカンド・ソロ『ホワット・ナウ』からのナンバー。ますますディープに、繊細に、鋭く、音作りの深みへと身を投じた感じの新作から、ぐっとスウィート・ソウル寄りのこの曲を。
10. Sisters Friends / The High Llamas

 ショーン・オヘイガン率いるポップ・ユニット、ハイ・ラマズが、浮遊感満点の持ち味はそのまま、オルタナティブR&Bやネオ・ソウルからの影響を大幅に採り入れつつ新境地を切り拓いた久々の新作『ヘイ・パンダ』より。英シンガー・ソングライターのレイ・モリスをフロントに立てて、ホームレスの主人公が愛犬を連れて大阪で作られた尺八でストリート・パフォーマンスをしているストーリーを綴った曲です。
11. Beautiful Fools / Jo Harrop The Path Of A Tear Vocal Jazz 0 1

 英ジャズ・シンガー、ジョー・ハロップがラリー・クラインをプロデューサーに迎えた新作『ザ・パス・オヴ・ア・ティアー』の冒頭を飾っていたナンバー。
12. Some Greater Plan (For Claire) / Crowded House

 最後は2020年に新体制で再結集したクラウデッド・ハウスが3年ぶりにリリースした新作『グラヴィティ・ステアーズ』より、現在は正式メンバーからは外れているティム・フィンも曲作り&コーラスで参加した曲を。

解説:萩原健太

洋楽デラックスエディション+α特集(2024・夏)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第365回 萩原健太のotonanoラジオ#248

2024/07/02 公開

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その2)

1.

Cornelius

Step Into Exovera

『Ethereal Essence』

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その2)

2.

Cornelius

ここ

『Ethereal Essence』

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その2)

3.

Cornelius

Thatness And Thereness - Cornelius Remodel

『Ethereal Essence』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#248

『別名で作品発表しているソロ・アーティスト集[洋楽編]』

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1. Save Your Tears / The Weeknd

先週に引き続きコーネリアス/小山田圭吾さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。アンビエント寄りの作品群を集めて構成された新作『Ethereal Essence』のこと、ライヴのことなど、いろいろな話を伺いました。海外ツアーも含め、またまた面白いことをいろいろ提示してくれそうで楽しみです。というわけで、今週のプレイリスト。今回はコーネリアスのように、小山田圭吾というソロ・アーティストによるプロジェクトなのにコーネリアスというバンド名みたいなやつがついているパターンを掘ってみようかな、と。洋楽の中からセレクトしてみました。まずはオルタナR&Bの雄、ザ・ウィークエンド。カナダ出身のエイベル・マッコネン・テスファイによるソロ・プロジェクトです。今日は2020年の全米ナンバーワン・アルバム『アフター・アワーズ』からこの曲を。
2. Virtual Insanity / Jamiroquai

続いてはイギリス出身のジェイ・ケイによるソロ・ユニット、ジャミロクアイ。本曲はジェイ・ケイが来日した際、日本の地下街を見てインスパイアされたという1996年の大ヒットです。CMでもたくさん起用されて話題になりました。
3. One In A Million / Rex Orange County

こちらもイギリスから。若きシンガー・ソングライター、アレクサンダー・オコナーのソロ・プロジェクト、レックス・オレンジ・カウンティが2022年にリリースしたアルバム『フー・ケアズ?』からのナンバーです。
4. Only Wanna See U Tonight / Young Guv

1990年代末からノー・ウォーニングとか、ファックト・アップとか、ヨット・クラブとか、マーヴェラス・ダーリングとか、さまざまなバンドで活動してきたカナダ出身のベン・クックが首謀するパワー・ポップ・プロジェクト。2022年のアルバム『GUV III』より、この曲を。
5. Slide Tackle / Japanese Breakfast

米フィラデルフィアのバンド、リトル・ビッグ・リーグのヴォーカリスト、ミシェル・ザウナーによるソロ・プロジェクトがジャパニーズ・ブレックファスト。この曲「スライド・タックル」は2021年のアルバム『ジュビリー』からのシングル・カット・ナンバーです。
6. Doesn't Get Better / Kid Charleroi

“キッド・シャルルロワ”って読み方で合ってるのかな。よくわかりませんが(笑)。米ルイジアナ州ラフェイエットを本拠とするアート・ロック系バンド、シーニック・ワールドでキーボードを担当しているアマンダ・スファーさんのソロ・プロジェクトです。去年、LPのみ、200枚限定でリリースされたアルバム『キッド・シャルルロワ』より。
7. Living Inside / Cut Worms

続いては米オハイオ州ストロングズヴィル出身、シカゴでのバンド活動を経て、現在はブルックリンを本拠に活動するポップ系シンガー・ソングライター、マックス・クラークのソロ・プロジェクト、カット・ワームズ。3作目にして初めてプロジェクト名をタイトルに冠したアルバム、2023年の『カット・ワームズ』からこの曲を。レモン・ツイッグスのブライアンとマイケルのダダリオ兄弟が制作に手を貸しています。
8. Stylo / Gorillaz(Feat. Mos Def And Bobby Womack)

ブラーのデーモン・アルバーンと、コミック・アーティストのジェイミー・ヒューレットが組んだヴァーチャル覆面音楽プロジェクトがゴリラズ。と言っても、ジェイミーはビジュアル担当。音楽的にはデーモンの完全ソロ・プロジェクトってことで、ここにセレクトしました。2010年にモス・デフとボビー・ウーマックをゲストに迎えてリリースされたシングル・ナンバーです。
9. Vindicated(From The Movie "Spider-Man 2") / Dashboard Confessional

実はダッシュボード・コンフェッショナルの場合、この曲が出た2004年ごろにはバンド形態へ移行していたのだけれど、もともとは1999年、米フロリダ州のエモ・バンド、ファーザー・シームズ・フォーエヴァーのヴォーカル、クリス・キャラバがスタートさせたソロ・プロジェクトでした。てことで、選んじゃいました。映画『スパイダーマン2』のエンディング・テーマです。
10. You Swan, Go On / Mount Eerie(With Julie Doiron & Fred Squire)

米ワシントン州アナコルテスを本拠に活動するザ・マイクロフォンズのフィル・エルヴァーラムによるソロ・プロジェクトがマウント・イーリー。2008年にカナダのミュージシャン、ジュリー・ドワロンとフレッド・スクワイアを迎えて自主制作したアルバム『ロスト・ウィズダム』からのナンバーです。
11. Say You Don’t Mind / Taken By Trees

元ザ・コンクリーツのメイン・ヴォーカルだったスウェーデンのシンガー・ソングライター、ヴィクトリア・バーグスマンのソロ・プロジェクトがテイクン・バイ・ツリーズ。彼女が2022年、ゾンビーズのフロント・マンであるコリン・ブランストーンへのオマージュとして制作したEP『アナザー・イヤー』からこの名曲のカヴァーを。
12. Holocene / Bon Iver

米ウィスコンシン州オークレア出身のシンガー・ソングライター、ジャスティン・ヴァーノンによるソロ・プロジェクト。彼のセカンド・ソロ・アルバム、2011年の『ボン・イヴェール』からのシングル・カット・ナンバーを。

解説:萩原健太

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第364回 萩原健太のotonanoラジオ#247

2024/06/25 公開

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その1)

1.

Cornelius

Sketch For Spring

『Ethereal Essence』

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その1)

2.

Cornelius

サウナ好きすぎ、より深く

『Ethereal Essence』

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その1)

3.

Cornelius

Melting Moment

『Ethereal Essence』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#247

『マイ・フェイヴァリットCornelius[1994-2023]』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. THE BACK DOOR TO HEAVEN / Cornelius

 コーネリアス/小山田圭吾さんをゲストに迎えた『otonanoラジオ』。相変わらず小山田くんらしい、いい感じの“間”と“空気感”が存分に楽しめました。アンビエント寄りの作品群を集めて構成された新作『Ethereal Essence』も聞くたびに新たな発見があって。ご本人のほわ〜んとした佇まいとは裏腹に、いつもほんと油断ならない才能を発揮し続けているなぁ、と改めて思い知らされました。ということで今週のプレイリスト。これまで小山田くんがコーネリアス名義でリリースしてきたアルバム群の中からぼくが好きな曲を、まあ、ほんのサワリだけではありますが、全12曲、年代順に並べてみました。まずは1994年に出た初のソロ・アルバム『The First Question Award』より、この曲を。
2. STAR FRUITS SURF RIDER / Cornelius

 1995年に波の音とか無音とかのトラックも含めて96トラック(楽曲は15トラック)をぶちこんだ『69/96』が出ましたが、これはストリーミングされていないみたいなので、次は1997年の傑作『FANTASMA』より。初めて海外でもリリースされた1枚。当時、「STAR FRUITS」と「SURF RIDER」という2枚の12インチ・シングルがリリースされ、それらを2台のレコード・プレーヤーで同時再生するとこの曲になるという趣向もありました。
3. CHAPTER 8 〜SEASHORE AND HORIZON〜 / Cornelius

 『FANTASMA』からもう1曲。アップルズ・イン・ステレオのロバート・シュナイダーとヒラリー・シドニーが参加したナンバーです。
4. Smoke / Cornelius

 新作『Ethereal Essence』へと連なるアンビエント色を一気に強めた2001年のアルバム『Point』より。
5. Music / Cornelius

 2006年、前作『Point』から5年ぶりにリリースされたアルバム『Sensuous』からのナンバー。
6. Sleep Warm / Cornelius

 これも『Sensuous』より。「風のささやき(The Windmills of Your Mind)」や「イエロー・バード」といった名曲の作詞を手がけたアラン&マリリン・バーグマンが作曲家ルー・スペンスと組んで1958年、ディーン・マーティンに書き下ろした古い曲をコーネリアスならではの視点でカヴァーしたものです。
7. Heart Grenade / Sean Lennon + Cornelius

 人気アニメ・シリーズの第3作にあたる『攻殻機動隊ARISE border:3 Ghost Tears』(2014年)のエンディング・テーマ曲。ショーン・レノンとのコラボレーション作品です。
8. あなたがいるなら(If You're Here) / Cornelius

 前曲を含むサウンドトラック・アルバムや、リミックス集、コラボ音源集などを間に挟んではいたものの、新作フル・アルバムとしてはなんと11年というブランクを置いて2017年にリリースされた『Mellow Waves』より。坂本慎太郎を作詞に迎えた名曲です。
9. The Spell Of A Vanishing Loveliness / Cornelius

 これも『Mellow Waves』の収録曲。小山田くんのはとこにあたるLushのMiki Berenyiが作詞とヴォーカルで参加しています。
10. Passionfruit(Recorded at Spotify Studios NYC) / Cornelius

 2018年に編まれたレア音源集『Ripple Waves』より。Spotifyセッションでの録音。ドレイクのレパートリーをカヴァーしています。
11. 環境と心理 / Cornelius

 2023年のアルバム『夢中夢 〜Dream in Dream〜』より。もともとは小山田くんもメンバーとして参加していたMETAFIVEの楽曲として発表された作品ですが、それを改めてセルフ・カヴァーしたもの。
12. Drifts / Cornelius

 『夢中夢』からもう1曲。淡々と単語を並べていく中で行間に多くの思いを託した“静かな名曲”でこのプレイリストを締めくくりましょう。

解説:萩原健太

Cornelius・小山田圭吾さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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