Fm yokohama FMヨコハマ 84.7MHz 毎週月曜 深夜24:00~ O.A. 大人のための音楽・エンタメを深~く掘り下げるラジオプログラム。 『otonanoラジオ』番組公式Webサイト otonano Fm yokohama FMヨコハマ 84.7MHz 毎週月曜 深夜24:00~ O.A.
大人のための音楽・エンタメを深~く掘り下げるラジオプログラム。
『otonanoラジオ』番組公式Webサイト otonano
Fm yokohama FMヨコハマ 84.7MHz 毎週月曜 深夜24:00~ O.A. 大人のための音楽・エンタメを深~く掘り下げるラジオプログラム。 『otonanoラジオ』番組公式Webサイト otonanoFm yokohama FMヨコハマ 84.7MHz 毎週月曜 深夜24:00~ O.A.
大人のための音楽・エンタメを深~く掘り下げるラジオプログラム。
『otonanoラジオ』番組公式Webサイト otonano

第247回 萩原健太のotonanoラジオ#129

2022/03/22 公開

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

1.

NIAGARA TRIANGLE

A面で恋をして

『NIAGARA TRIANGLE Vol.2 40th Anniversary Edition』

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

2.

杉真理

Nobody

『NIAGARA TRIANGLE Vol.2 40th Anniversary Edition』

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

3.

佐野元春

彼女はデリケート

『NIAGARA TRIANGLE Vol.2 40th Anniversary Edition』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#129

『時は流れても~3声のコーラス・ハーモニーを楽しませてくれる3人組~』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 時は流れても / クロスビー、スティルス&ナッシュ

杉真理さんをお迎えして発売40周年を迎えた『ナイアガラ・トライアングルvol.2』の話題で大いに盛り上がった「otonanoラジオ」。いかがでしたか? 大滝詠一、山下達郎、伊藤銀次という初代ナイトラもすごいけど、大滝、佐野元春、杉真理という2代目ナイトラもすごい。どちらも伝説の3人組。ということで、今回のプレイリストは内外の素敵な3人組を集めてみました。といっても、ロック/ポップスの世界にはクリームとかグランド・ファンクとかストレイ・キャッツとかポリスとかニルヴァーナとかグリーン・デイとかスリーピースのロック・バンドが大量にいるので、今回はそういうのではなく、ナイトラ同様、3声のコーラス・ハーモニーを楽しませてくれる3人組を集めてみました。まずはデヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グレアム・ナッシュの3人が顔を揃えたスーパー・グループ、CSNから。1982年のヒットです。実際はティモシー・B・シュミットをゲストに迎えた4声ハーモニーみたいですが、まあ、固いこと言わず(笑)。
2. 愛するあなたに / ザ・レターメン

3人組ヴォーカル・グループといえば、かつて“ラヴ・サウンズの担い手”として日本でも大人気を博したこの人たち、レターメン。カレッジっぽい、ソフトで端正な持ち味を売りにしたロサンゼルスのヴォーカル・トリオです。これは1967年にリリースされたライヴ・アルバムからのシングル・カット曲。リトル・アンソニー&ジ・インペリアルズの「ゴーイン・アウト・オヴ・マイ・ヘッド」とフランキー・ヴァリの「君の瞳に恋してる」をメドレー形式にした名演ですが、どう聞いてもスタジオ・レコーディングに歓声とかを後からダビングしたフェイク・ライヴのような…(笑)。
3. 俺たちのメッセージ / オージェイズ

ソウル・シーンにはやはりたくさんの3人組ヴォーカル・グループがいるけれど、日本での知名度でいえば、なんたってエディ・レヴァート率いるオージェイズ。「裏切り者のテーマ」「ラヴ・トレイン」など、たくさんのヒットがありますが、今回は1976年の全米R&Bチャート1位のこの曲を。
4. フォー / ランバート、ヘンドリックス&ロス

続いてはジャズ。ジャズの器楽演奏に歌詞を乗せて歌う、いわゆる“ヴォーカリーズ”と呼ばれるヴォーカル・スタイルの最高の担い手のスリリングな歌声を。メンバーは、デイヴ・ランバート、ジョン・ヘンドリックス、そして紅一点のアニー・ロス。彼らはテーマ・メロディだけでなく、たとえばトランペット・ソロとか、サックス・ソロとか、そういうアドリブのフレーズにもすべて言葉を乗せて歌う、とてつもないテクニックの持ち主です。今回は彼らが1959年にレコーディングしたアルバム『ザ・スウィンガーズ』より、マイルス・デイヴィス作品に歌詞を付けた曲をどうぞ。
5. 恋の日記 / ハイ・ファイ・セット

女性1人、男性2人のヴォーカル・グループと言えば、日本にもこの人たちがいました。山本潤子さんのリード・ヴォーカルをフィーチャーしたハイ・ファイ・セット。今回は往年のニール・セダカのソロ・デビュー・ヒットを岩谷時子の日本語訳詞でカヴァーした1977年作品を。
6. ちょっと待ってください / サンドパイパーズ

メキシコ風味とかハワイのムードとか、そういう軽いエキゾチシズムを漂わせたソフトなコーラスで売ったサンドパイパーズも3人組。この人たちの場合、あまりハモることをせず、ふわっとユニゾンするための3声というか。で、別に女性コーラスが入っていたり、みたいな。なんともおかしなグループではありました。本曲はハワイのシンガー・ソングライター、サム・カプーのヒットを1971年にカヴァーしたヴァージョンです。
7. ザッツ・マイ・ディザイア / ザ・ベルモンツ

ディオン&ザ・ベルモンツとしてデビューしたヴォーカル・グループ。ディオンがソロ・シンガーとして独立した後も3人組でがんばって活動を継続した彼らが1972年にリリースした隠れた傑作アカペラ・アルバム『シガーズ、アカペラ、キャンディ』からのナンバーです。ディオンとやっていたころにも歌っていた名曲。初代ナイトラの山下達郎さんもコンサートのクロージング・ナンバーとしてカヴァーしております。
8. テル・サムワン・ザット・ユー・ラヴ・ゼム / ディノ、デシ&ビリー

ディーン・マーティンの息子であるディノと、ルシール・ボールの息子であるデシと、ビーチ・ボーイズ人脈としても知られるビリーが1964年に結成したポップ・トリオによるナンバー。1968年にリリースされたビリー作のシングル曲です。
9. ミスター・ブルー / フリートウッズ

ゲイリー・トロクセルという男性と、グレッチェン・クリストファーとバーバラ・エリスという女性2人。ワシントン州オリンピアのハイスクール仲間が結成した3人組ヴォーカル・グループが1959年に放った全米ナンバーワン・ヒットです。大滝さんも自分のコンサートで女性コーラスを従えてこの曲をカヴァーしていたことがあったっけ。
10. スペシャル・レディ / レイ、グッドマン&ブラウン

オージェイズと並ぶ3人組ソウル・グループと言えば、モーメンツ。そのモーメンツが1979年、レコード会社を移籍した際、元のグループ名を使えなくなったため、メンバーの名前をずらり並べたこの名義に変更しました。そんな彼らが改名後に放った初ヒットです。1980年のナンバー。
11. 一人で行くさ / ガロ

日本の3人組をもうひとつ。マークこと堀内護、トミーこと日高富明、そしてボーカルこと大野真澄によるグループ、ガロ。日本のCSNとして注目されました。今回は彼らが1971年にリリースしたデビュー・シングル「たんぽぽ」のカップリング・ナンバーだったこの曲を。
12. ワンダフル・ワールド / アート・ガーファンクル、ジェイムス・テイラー、ポール・サイモン

そしてラストは、ナイトラ同様、パーマネントな3人組ではない、スペシャルな3コーラスが楽しめる曲を。1978年に実現したサイモン&ガーファンクル+JTという夢のコラボレーション・シングル曲です。サム・クックの代表的ヒットのカヴァー。

解説:萩原健太

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第246回 萩原健太のotonanoラジオ#128

2022/03/15 公開

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その2)

1.

斎藤誠

BIG LOVE(純愛模様)

『BIG LOVE』

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その2)

2.

斎藤誠

And I Love You

『BIG LOVE』

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その2)

3.

斎藤誠

なみだのうた

『BIG LOVE』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#128

『LA-LA-LU~日本のポップ・シーンに登場した’83年デビュー組』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. e-Escape / 大沢誉志幸

先週に引き続き、斎藤誠くんをゲストに迎えた『otonanoラジオ』。電話越しにではあったものの盛り上がりました。古い付き合いなもんで、マコトと話しているといろいろ昔のことを思い出してしまうわけですが。そんなわけで、今週のプレイリストはマコトがデビューした1983年という年に注目。この年に日本のポップ・シーンにデビューしてきた個性をあれこれ思い出しながら、ぼくの好きな曲を並べてみました。まずは大沢誉志幸。すでにソングライターとして実力を発揮していた彼が、1983年、満を持してリリースしたファースト・アルバム『まずいリズムでベルが鳴る』から、セカンド・シングルとしてもカットされたこのナンバーを。
2. ニッケル・ダンス / ゴンチチ

ゴンザレス三上とチチ松村によるアコースティック・ギター・デュオ“ゴンチチ”も1983年デビュー組。癒しのサウンドであるように見せかけて、実は背後にとてつもない緊張感やスリルが横たわっているという、なんとも一筋縄にはいかない独特の音世界がやばいです。ファースト・アルバム『Another Mood』より。
3. SPARKS!! / 鈴木健治

ワールドワイドに活躍する日本が誇るギタリスト、“Kenji Jammer”こと鈴木健治が1983年にリリースした超どストレートなタイトルのデビューEP『ELECTRIC GUITAR』から、彼のウルテクを堪能できるスピーディなこの曲を。
4. はじまりさえ歌えない / 尾崎豊

この人も1983年デビュー組。おなじみのファースト・アルバム『十七歳の地図』より、あの曲でもあの曲でもあの曲でもなく、今回はあえてこの曲を。
5. きっと言える / 飯島真理

近年の声優さんブームの先駆けとも言うべきシンガー・ソングライター、飯島真理のデビュー曲。坂本龍一プロデュースによるファースト・アルバム『Rosé』からのシングル・カットでした。
6. Alone Again / 杉山清貴&オメガトライブ

折りからのシティ・ポップ・ブームや作曲家・林哲司再評価の機運などの下、改めて注目を集めているオメガトライブのファースト・アルバム『AQUA CITY』より。今なお人気の高い林哲司作のバラードです。
7. 宵闇 / 大江 千里

『otonanoラジオ』にも何度かゲスト出演してくれている千里さん。まだまだ初々しかったデビュー・アルバム『WAKU WAKU』からなんとも懐かしいこの曲を。
8. HEAT OF THE NIGHT / 小山 卓治

すでに登場した大沢誉志幸、尾崎豊、大江千里と同じソニー・グループから同じ1983年にデビューした小山卓治。全員苗字のイニシャルが“O”だったため、“Oの時代”なんてキャッチコピーが使われていたっけ。懐かしい。というわけで、ファースト・アルバム『NG!』より1曲。
9. Sweet Revenge / UGUISS

佐橋佳幸率いる5人組バンドのデビュー・アルバム『UGUISS』より。米西海岸ロックからの影響を真っ向から打ち出した姿勢が当時の日本ではかなり珍しかった。若くして亡くなった素晴らしい女性シンガー、山根栄子のヴォーカルをフィーチャー。リンダ・ロンシュタットみたいで、かっこいい!
10. Jumpin' Shoes / THE STREET SLIDERS

ロックといえばスライダースも忘れちゃいけません。UGUISSとはまるで違う、ルーズなギター・リフとワイルドなグルーヴがごきげんでした。1983年のファースト・アルバム『SLIDER JOINT』より。
11. Candy / ココナッツ・ボーイズ(C-C-B)

すんません。どさくさに紛れてぼくが絡んでいる曲もひとつ。まだC-C-Bと名乗るようになる前、1983年に“ココナッツ・ボーイズ”なるバンド名でデビューした彼らのデビュー・シングルです。作曲・アレンジ、ぼくが手がけました。全然売れませんでした(笑)。ほんと、申し訳なかったです。
12. LA-LA-LU / 斎藤誠

で、ラストはマコトで。デビュー・アルバムのタイトル・チューンをどうぞ。

解説:萩原健太

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第245回 萩原健太のotonanoラジオ#127

2022/03/08 公開

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その1)

1.

斎藤誠

さよならフェロー

『BIG LOVE』

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その1)

2.

斎藤誠

涙のMidnight Soul

『BIG LOVE』

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その1)

3.

斎藤誠

Night Game

『BIG LOVE』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#127

『ある愚か者の場合~斎藤誠Works~』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. どんすた / 鈴木雅之

斎藤誠くんをゲストに迎えた『otonanoラジオ』。昔からの仲間と楽しく音楽談義をさせてもらいました。ということで、今週のプレイリストは自身のアルバムだけでなく、いろいろなところで活躍しているマコトの多彩な表情を楽しむためのセレクション。ギタリストとして、アレンジャーとして、ソングライターとして、プロデューサーとして、彼が関わったたくさんの楽曲の中からほんの一部ではありますが、ピックアップして並べてみました。まずはぼくが関わった曲から。鈴木雅之が2019年にリリースしたアルバム『ファンキー・フラッグ』にぼくがプロデュースを手がけた「どんすた」って曲が入っているのですが。そのギターをマコトに弾いてもらいました。曲調がラテン・ロックだったもんで、もう、とにかくサンタナをぶちかましてくれ、と(笑)。それだけ注文して思いきりやってもらいました。セッション・ギタリストとしてのマコトの腕前、お楽しみください。
2. NO! NO! NO! / class

津久井克行と日浦孝則によるポップ・デュオ、classが1995年にリリースした4作目のアルバム『That's cool!』より。このアルバムをマコトがプロデュース&アレンジ。1曲、作曲も手がけていました。その1曲がこれ。作詞・日浦孝則 作編曲・斎藤誠によるナンバーです。
3. 雨の日のささやき(1997ヴァージョン) / 浜田省吾

浜田省吾が1997年にリリースしたセルフ・カヴァー・アルバム第4弾『初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜』より。ここでマコトは3曲のプロデュースを担当。そのうちの1曲をどうぞ。1977年のアルバム『LOVE TRAIN』に収められていた曲のリメイクです。
4. おしゃれな女 (Sight of my court) / 原由子

マコトといえば青山学院大学の音楽サークル、ベター・デイズ出身ということもあって、同じサークル出身の先輩、サザンの桑田佳祐・原由子夫妻とは切っても切れない仲。ということで、マコトが1981年、ソロ・デビューに先駆けてレコーディングに参加した原由子のファースト・ソロ・アルバム『はらゆうこが語るひととき』より、マコトが作曲も手がけた作品を。
5. Melody / 福山雅治

マコトは1990年代の半ば、福山雅治のサポートもがっつり手がけていました。プロジェクトの幕開けとなったのが1993年にシングル・リリースされた本曲。マコトがプロデュースおよびアレンジを手がけています。
6. 君のうた / つじあやの

シンガー・ソングライター、つじあやのが2001年にリリースしたアルバム『春蜜柑』も斎藤誠プロデュースの1枚。つじあやのというと、ウクレレの弾き語りというイメージが強いけれど、このアルバムではマコトのアコースティック・ギターをフィーチャーした音世界も楽しめました。ということで、そんな感じの1曲です。
7. いつかきっと / 古内東子

先日、番組にも登場してくださった古内さんのアルバムにもマコトはたくさん参加していました。ということで、今回は1996年のアルバム『Hourglass』のオープニングを飾っていたこの曲を。ギタリスト、斎藤誠の絶妙なバッキング・ワークが楽しめます。
8. ムーンライト・サーファー / 21

斎藤誠、村田和人、重実徹、山根栄子というごきげんな顔ぶれで結成されたスペシャル・ユニット、21(トウェンティ・ワン)が1991年にリリースしたセカンド・アルバム『GREETING』より。オリジナル曲もたくさん演奏しているユニットでしたが、今回は石川セリのレパートリーを見事彼らなりにリメイクしたカヴァー・ヴァージョンを。
9. ムーン・シャドウ / 高野寛

高野寛の1996年のアルバム『Rain or Shine』で、マコトは2曲、共同プロデュース/アレンジを担当。そのうちのひとつです。
10. オレンジジュース / ハラフウミ

ふたたび原由子関連。渡和久が率いるポップ・トリオ“風味堂”と原由子によるコラボレーション・ユニット、ハラフウミのシングル「夢を誓った木の下で」のカップリング・ナンバー。2007年の作品です。マコトのギターおよびアレンジをお楽しみください。
11. ベガ / 桑田佳祐ィス・プレスリー

そして、桑田佳祐。桑田とマコトの共演は無数にありますが、今回は2011年に桑田がリリースしたソロ・アルバム『MUSICMAN』から、マコトお得意のアダルト・コンテンポラリーなギター・バッキングを楽しめるこの曲をピックアップしました。
12. ある愚か者の場合 / 斎藤誠

で、ラストはマコト本人のパフォーマンスを。2015年にリリースされた『Put Your Hands Together ! 斎藤誠の「幸せを呼ぶ洋楽カバー集」』より、師とも言うべきマイク・マクドナルド/ドゥービー・ブラザーズの特大ヒットの弾き語りカヴァーを。

解説:萩原健太

斎藤誠さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第244回 萩原健太のotonanoラジオ#126

2022/03/01 公開

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

古内東子

動く歩道

『体温、鼓動』

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

古内東子

だから今夜も夢を見る

『体温、鼓動』

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

古内東子

この夜を越えたら

『体温、鼓動』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#126

『I Do It For Applause(拍手喝采)~ピアノ1本をバックに歌われている曲集~』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 君はともだち(2016ソロ・ピアノ・ヴァージョン)/ランディ・ニューマン

古内東子さんをお迎えした『otonanoラジオ』。お楽しみいただけましたか。今回の古内さんのアルバムがピアノという楽器にこだわったものだったことにインスパイアされて、今週のプレイリストは、ピアノ1本をバックに歌われている曲のセレクションです。まあ、ご想像の通り、そういう曲はとてつもなく多いので(笑)、今回はぼくが好きなベテラン・アーティストのパフォーマンスの中から厳選してみました。まずはランディ・ニューマン。近年の代表曲、映画『トイ・ストーリー』の主題歌を自らのピアノ伴奏のみで歌った2016年のヴァージョンで聞いてみてください。
2. ノット・マイ・ベイビー(『ラヴ・メイクス・ザ・ワールド』ヴァージョン)/キャロル・キング

『otonanoラジオ』のプレイリストではすでに過去何回かセレクトしたことがあるヴァージョンですが。大好きなもんで、また選んじゃいました(笑)。キャロル・キングが1964年、プロの専業ソングライターとして他シンガーに無数の名曲を提供していたころ、マキシン・ブラウンに書いてヒットした曲を、2001年、自らのアルバム『ラヴ・メイクス・ザ・ワールド』でセルフ・カヴァーしたピアノ弾き語りヴァージョンです。
3. マイ・ホームタウン(『スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ』ヴァージョン)/ブルース・スプリングスティーン

ブルース・スプリングスティーンは2017年10月から、米ニューヨークのブロードウェイ劇場街にあるウォルター・カー劇場で週に5日間、ギターあるいはピアノのみを伴った弾き語りによるショー『スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ』を上演して大いに話題を巻き起こしましたが。その際のライヴ盤から1980年代の名曲を。本当はこの歌の前に披露されている語りがまたむちゃくちゃかっこいいのだけれど…。
4. 100年前(ピアノ・デモ)/ザ・ローリング・ストーンズ

いろいろな再発ボックセットなどで世に出る発掘音源の中にはよくピアノ一本で記録された貴重なデモ・ヴァージョンのようなものが含まれていますが。そんな1曲。ご存じ、ローリング・ストーンズが1973年にリリースしたアルバム『山羊の頭のスープ』の収録曲のひとつですが。今回は2020年デラックス・エディションで初お目見えした、そのピアノ・デモ・ヴァージョンを。
5. パイロットにつれていって(ピアノ・デモ)/エルトン・ジョン

さらに再発CDに収められて世に出た未発表デモ音源。エルトン・ジョンが1970年にリリースした初期傑作アルバム『僕の歌は君の歌』に収めていた人気曲のピアノ・デモです。
6. ウィズアウト・ユー(デモ)/ハリー・ニルソン

もうひとつ、ピアノ・デモ。1971年から72年にかけて、ニルソンにとって唯一の全米ナンバーワン・ヒットを記録したナンバー。ニルソンは自らも多くの名曲を書いてきたシンガー・ソングライターだったけれど、皮肉なことにこの唯一のナンバーワン・ヒットはバッドフィンガーのピート・ハム&トム・エヴァンス作品のカヴァーでした。
7. 明日に架ける橋(ライヴ・アット・カーネギー・ホール、1969年11月27日)/サイモン&ガーファンクル

サイモン&ガーファンクルにとってのラスト・アルバムは1970年初頭にリリースされた『明日に架ける橋』ですが。そのレコーディングを終えたばかりの時期、1969年11月27日と28日、ニューヨークのカーネギー・ホールで二晩にわたるソールド・アウト・コンサートを行なっていて。そのときのライヴ・レコーディングです。スタジオ・ヴァージョンは最初ピアノのみの伴奏でスタートして、途中からドラムとベースが加わってくる構成でしたが、こちらは最後の最後の打ち延ばしで名ドラマー、ハル・ブレインがシンバルをブワーっと鳴らす以外、えんえんラリー・ネクテルのピアノ一本で進行。で、これ、何が素晴らしいかと言うと、まだアルバムが世に出ていない段階なので。観客にとっては聞いたことのないまっさらの新曲。イントロで“新曲です…”というMCとともに歌い出されたときは、まあ、知らない曲だし、当然、観客もたいした反応を返しはしないのだけれど。ポール・サイモンが紡いだ旋律と歌詞、そしてそれを綴るアート・ガーファンクルの歌声が少しずつ少しずつ会場全体に行き渡っていって、観客の心を動かして、やがて歌い終えた瞬間、嵐のようなアプローズが巻き起こる。名曲が誕生した瞬間を今まさに体験しているんだ、という感動がカーネギー・ホールを包み込んでいる様子が今回の音源からも感じられて。胸が震えます。
8. レット・イット・ビー・ミー(ライヴ・イン・ジャパン)/ローラ・ニーロ

続いて、これも貴重なライヴ音源。ローラ・ニーロが22年ぶり、2度目の来日を果たした1994年2月のパフォーマンスです。シャンソン界の大御所、ジルベール・ベコーが自作自演した「Je T'Appartiens」という曲が元歌。1957年、英語詞が付けられてジル・コーレイ盤がヒット。1960年のエヴァリー・ブラザーズ盤、1964年のベティ・エヴェレット&ジェリー・バトラーによるデュエット盤なども人気が高い。日本では山下達郎&竹内まりやの夫婦デュオ・ヴァージョンがもっともおなじみかな。
9. サムホエア・アウト・ゼア(『ソウル&インスピレーション』ヴァージョン)/バリー・マン

キャロル・キングなどとともに20世紀のアメリカン・ポップス・シーンを代表するソングライターのひとり、バリー・マン。クリスタルズの「アップタウン」、ロネッツの「恋の雨音」、ライチャス・ブラザーズの「ふられた気持ち」、ジェームス・イングラムの「ジャスト・ワンス」、ダン・ヒルの「ふれあい」、リンダ・ロンシュタット&アーロン・ネヴィルの「ドント・ノウ・マッチ」などヒットはそれこそ無数。アニメ映画『アメリカ物語』の主題歌であるこの曲もリンダ・ロンシュタット&ジェームス・イングラムで1986年に大ヒットしました。それを作者、バリー・マン自らが2000年のソロ・アルバム『ソウル&インスピレーション』でセルフ・カヴァーしたヴァージョンです。
10. シー・ザ・スカイ・アバウト・トゥ・レイン(ライヴ・アット・ザ・セラー・ドア)/ニール・ヤング

再びライヴもの。2013年にニール・ヤングが発掘リリースした1970年11〜12月の未発表ライヴ音源集『ライヴ・アット・ザ・セラー・ドア』から。
11. アイル・テイク・ユー・ホーム・アゲイン・キャスリーン(『バック・イン・ナッシュヴィル』ヴァージョン)/エルヴィス・プレスリー

19世紀に作られた古い楽曲。レコード化されたものとしてはイギリスのテノール歌手、アーネスト・パイクが1907年、蝋管の時代に録音した盤が最古と思われる。エルヴィス・プレスリーの昔からの愛唱歌だったようで、1950年代のホーム・レコーディングなども残っているけれど、今回は1971年、ピアノと対話をするように、静かに歌い綴られたヴァージョンで。
12. アイ・ドゥ・イット・フォー・アプローズ/ニール・セダカ

キャロル・キングやバリー・マンらとともに1960年代のアメリカン・ポップス・シーンを作家として、パフォーマーとして、大いに盛り上げたニール・セダカ。最後は彼の近作から。2016年にリリースされたピアノ弾き語りアルバム『アイ・ドゥ・イット・フォー・アプローズ』から、そのアルバム・タイトル・チューンです。

解説:萩原健太

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第243回 萩原健太のotonanoラジオ#125

2022/02/22 公開

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

古内東子

『体温、鼓動』

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

古内東子

夕暮れ

『体温、鼓動』

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)

3.

古内東子

体温、鼓動

『体温、鼓動』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#125

『はやくいそいで~洋邦’93年デビュー組特集~』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. オール・アイ・ウォナ・ドゥ / シェリル・クロウ

デビュー30周年を記念する久々のニュー・アルバム『体温、鼓動』をリリースなさった古内東子さんをお迎えした『otonanoラジオ』。まあ、30周年といっても、古内さんのデビューは1993年で。今年がデビュー30年目ということみたいですが。何はともあれ今回のプレイリストは、古内さんがデビューなさった1993年に同じくデビューを飾った内外のアーティスト集。洋邦洋邦…の順に12曲、並べてみました。古内さんの同級生セレクションって感じです。当時の音楽シーンを思い出しながら、お楽しみください。まずはシェリル・クロウ姐さんが1993年にリリースしたファースト・アルバム『チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ』からのシングル・カット曲。これ、じわじわ地道に売れた曲で、実際にヒットしたのは翌1994年になってからでしたが、まあ、固いこと言わず、1993年デビュー組ってことで。
2. パピー・ラヴ / ブリッジ

次は日本勢。以前、番組にもゲストで来てくれたカジヒデキ君が在籍していたブリッジのデビュー・アルバム、1993年リリースの『SPRING HILL FAIR』より。
3. フー・アム・アイ(ホワッツ・マイ・ネーム)? / スヌープ・ドギー・ドッグ

続いては、先日のスーパーボウルのハーフタイム・ショーでも相変わらずごきげんにユルくファンキーな味わいを堪能させてくれたスヌープ・ドッグ。彼がまだ“スヌープ・ドギー・ドッグ”と名乗っていたころにリリースした1993年のデビュー・アルバム『ドギー・スタイル』より、全米トップ10ヒットを記録したこのシングル・チューンを。
4. フューチャー / ICE

ICEは宮内和之(ギター)と国岡真由美(ヴォーカル)の男女ユニット。宮内くんが2007年、若くして亡くなってしまったため活動休止となってしまったけれど、いいバンドでした。これは1993年のデビュー・アルバム『ICE』に収められていたリード・シングル曲です。
5. ミスター・ジョーンズ / カウンティング・クロウズ

アダム・デュリッツとデヴィッド・ブライソンを核にサンフランシスコで結成されたカウンティング・クロウズ。1993年にT・ボーン・バーネットをプロデューサーに迎えて制作されたファースト・アルバム『オーガスト・アンド・エヴリシング・アフター』より。
6. ジャスティス・ルーイン・デム / EL-MALO

柚木隆一郎と會田茂一がタッグを組んだEL-MALO。かつて“渋谷系の裏番”とも呼ばれたごきげんにソリッドな二人組です。そんな彼らがデビューした年、1993年に放ったセカンドEPの表題曲。
7. クリープ / レディオヘッド

トム・ヨーク率いるレディオヘッド。今では誰も嫌いな人はいないとも思える彼らですが、デビュー当初は、特に日本でなかなか知名度が上がらず不思議だったものです。でも、1993年のデビュー・アルバム『パブロ・ハニー』からシングル・カットされたこの曲だけはよくオンエアもされていたっけ。懐かしい。
8. アンガー(ライミン・フォー・オリジナル) / MONDO GROSSO

DJ、プロデューサーとしても評価の高い大沢伸一によるソロ・プロジェクト。1993年のファースト・アルバム『MONDO GROSSO』より。新時代のジャズの在り方をプレゼンする刺激的な存在でした。
9. ビッグ・タイム・センシュアリティー / ビョーク

泣く子も黙るアイスランド最強のシンガー・ソングライター、ビョーク。もともとはロック・バンド、シュガーキューブズのヴォーカルとして1980年代にデビューしたのだけれど、1993年にソロとして独立。初ソロ作『デビュー』をリリースしました。そこからのナンバーです。
10. ブルー・ギル / ソウル・フラワー・ユニオン

中川敬率いるニューエスト・モデルと内海洋子らが在籍していたメスカリン・ドライヴという二つのバンドが合体する形で1993年に誕生したのがソウル・フラワー・ユニオン。その初期代表曲を。
11. ブリーズ・アゲイン / トニ・ブラクストン

ベイビーフェイスが見出したR&Bディーヴァ。1990年代に入ったころからちょこちょこ活動していたけれど、ファースト・ソロ・アルバム『トニ・ブラクストン』で本格デビューを飾ったのは1993年でした。
12. はやくいそいで / 古内東子

ということで、1993年デビュー組の歌声を集めたプレイリスト。やはり最後は古内さんの歌声で。1993年2月21日にリリースされたデビュー・シングルです。

解説:萩原健太

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第242回 萩原健太のotonanoラジオ#124

2022/02/15 公開

森山良子さんをゲストに迎えて(その3)

今週のオンエア曲

森山良子さんをゲストに迎えて(その3)

1.

森山良子

『MY STORY』

森山良子さんをゲストに迎えて(その3)

2.

森山良子

涙そうそう

『MY STORY』

森山良子さんをゲストに迎えて(その3)

3.

森山良子

さとうきび畑[特別完全盤]

『MY STORY』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#124

『この道が教えてくれました~もうひとつの<森山良子MY STORY>~』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. DISNEY MORNING

大いに盛り上がってしまったもので、異例の3週連続のご登場となった森山良子さん。充実したキャリアを長年にわたって重ねていらっしゃった方ならではの興味深いお話をたくさんうかがえました。そんな森山さんの全キャリアを網羅するCD8枚組アンソロジー『My Story』が今回の番組のメインテーマでしたが、さすがに長い長いキャリアを誇る森山さんだけに、CD8枚ではカヴァーしきれないほどの名唱・名演が他にもたくさん。ということで今週のプレイリストは、『My Story』の選曲から残念ながら漏れてしまった森山楽曲からぼくが個人的に好きなものをピックアップしたセレクションです。まずは1976年のアルバム『日付のないカレンダー』から、作詞・松本隆、作曲・細野晴臣によるこの曲を。
2. 終わらない冒険

続いてはぐっと近年、2009年にリリースされたアルバム『リヴィング』より。作詞は森山さんご本人。作曲はジャズ・ベーシストとしておなじみの納浩一さんです。
3. ふたりの日々

これも個人的には懐かしい1曲。1977年、デビュー10周年を記念してリリースされたアルバム『ハートの10』のオープニングを飾っていたナンバーです。作者は五輪真弓。このアルバムには他にも、さだまさし、松任谷由実、ブレッド&バターの岩沢兄弟らがこぞって曲提供していました。
4. 朝

1975年のアルバム『やすらぎ』より。作詞・喜多条忠、作曲・岩沢幸矢。当時、タートルズのアレンジをポール・バックマスターが手がけているみたいでかっこいいなと思って聞いておりました。
5. 憧れは翼にのって

アナログLPのA面はオリジナル曲、B面は洋楽カヴァーという構成で1970年にリリースされたアルバム『1970… FROM RYOKO WITH LOVE』より。作詞・山上路夫、作曲・村井邦彦による名曲です。
6. やさしい気持ち

2004年のアルバム『あなたが好きで』より。作詞作曲・森山良子。
7. にがい蜜

森山さんといえば、従兄弟が“ムッシュ”こと、かまやつひろしということもおなじみ。ということで、ここから2曲、かまやつさん絡みの曲を。まずは1969年のアルバム『イン・ナッシュビル/思い出のグリーングラス』より。作詞・万里村ゆき子、作曲・かまやつひろし。
8. 真実

続いてはその42年後、2011年にリリースされたアルバム『すべてが歌になっていった』より。このアルバムは歌手生活45周年を記念し鈴木慶一をプロデューサーに迎えて制作された意欲作。そこに収められていた、作詞・森山良子、作曲・かまやつひろし、という従兄弟共作曲を。
9. 風は過ぎるけど

1974年のアルバム『ある日の午後』より。作詞・山上路夫、作曲・森山良子。
10. プカプカ

『otonanoラジオ』のゲストにも来てくれた超絶ギタリスト、山弦の小倉博和を迎えて2015年に制作されたアルバム『フォークソングの時代』より。アルバム・タイトル通り、往年の内外フォーク・ソングをカヴァーしまくった1枚でしたが、その中から西岡恭蔵の代表曲を。
11. この道が教えてくれました

デビュー50周年の節目にあたる2016年、自身のかつてのヒット曲やポップス、ジャズ、ミュージカル、クラシックなど多彩なジャンルのカヴァーを中心にレコーディングしたアルバム『Touch me…』より。そんなアルバムに収められていたいくつかの新曲の中から、作詞・松井五郎、作曲・森山良子によるこの曲を。ある種自伝的な感動の1曲です。
12. As Time Goes By

そしてラスト。全曲ジャズ・スタンダードのカヴァーに挑んだ森山さんにとって初の本格的ジャズ・アルバム、2013年の『The Jazz Singer』より。ハンフリー・ボガートの主演映画『カサブランカ』で使われたことでもおなじみ、必殺の名曲です。

解説:萩原健太

森山良子さんをゲストに迎えて(その3)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第241回 萩原健太のotonanoラジオ#123

2022/02/08 公開

森山良子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

森山良子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

森山良子

この広い野原いっぱい

『MY STORY』

森山良子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

森山良子

カフェテリア

『MY STORY』

森山良子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

森山良子 ミシェル・ルグラン

シェルブールの雨傘

『MY STORY』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#123

『森山良子‘69年“カレッジフォークアルバム”シリーズのオリジナル・ヴァージョン集』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 時には母のない子のように / カルメン・マキ

森山良子さんをお迎えして、今週も大盛り上がりだった「otonanoラジオ」。森山さんといえば、デビューなさったばかりのころは“日本のジョーン・バエズ”なるキャッチコピーの下、当時“カレッジ・フォーク”と呼ばれた音楽ジャンルの代表選手として大いに人気を博していました。1969年にはその種の楽曲ばかりを集めた『カレッジフォークアルバム』『カレッジフォークアルバムNo.2』という2作をリリースなさったりも。ということで今週のプレイリストは、その2枚のアルバムで森山さんがカヴァーしていたカレッジ・フォークの代表曲のオリジナル・ヴァージョン集。ほんとはどちらか一方のアルバム全曲をまるごとオリジナル版で並べたかったのですが、残念ながらストリーミングされていない楽曲も多く、それは断念。2作からの抜粋で12曲をセレクトしてみました。まずは1枚目の『カレッジフォークアルバム』の1曲目を飾っていたこの曲。1969年に大ヒットしたカルメン・マキのデビュー曲です。寺山修司の歌詞にも注目が集まりました。
2. 坊や大きくならないで / 高石友也

これも1969年に話題を集めた1曲。ベトナム戦争を題材にしたプロテスト・フォークです。“ベトナムのボブ・ディラン”とも呼ばれるチン・コン・ソン作。それを日本語に訳して多くのシンガーがカヴァーしました。マイケルズというデュオの盤も人気でしたが、ストリーミングされていないみたいなので、今回は当時の日本のフォーク・シーンの礎を築いた重要な存在、高石友也(現・高石ともや)による決定版とも言うべきヴァージョンで。
3. 花と小父さん / 伊東きよ子

番組でも話題になったアメリカの人気フォーク・グループ、ニュー・クリスティ・ミンストレルズに半年ほど在籍していたこともある伊東きよ子のデビュー・ヒット。浜口庫之助が書き、その後多くのシンガーがこぞってカヴァーした名曲です。
4. もしもボクの背中に羽根が生えてたら / 五つの赤い風船

西岡たかし、中川イサト、藤原秀子らが在籍していたフォーク・グループが1969年のデビュー・アルバム『高田渡・五つの赤い風船』(LPの片面に高田渡、もう片面に五つの赤い風船、それぞれの曲を収めた、なんと抱き合わせ盤!)に収めていた代表曲。
5. 風 / はしだのりひことシューベルツ

次に登場する“フォークル”ことフォーク・クルセダーズのメンバーだった、はしだのりひこが、フォークル解散後に結成した新バンド、シューベルツのデビュー・シングル。1969年春に大ヒットしました。
6. 悲しくてやりきれない / ザ・フォーク・クルセダーズ

フォークルといえば、1967年暮れ、テープレコーダーの早回しを利用して大当たりしたノヴェルティ・ヒット「帰ってきたヨッパライ」でおなじみですが。その後を受けて1968年にヒットしたのが、サトウハチローの詞にフォークルのメンバーだった加藤和彦が曲をつけたこのメロウな名曲。この振り幅もフォークルの大きな魅力でした。
7. 小さな日記 / フォー・セインツ

1960年代カレッジ・フォーク・シーンを代表する人気グループのひとつだったフォー・セインツのデビュー・ヒット。1968年の作品です。
8. オーブル街 / ザ・フォーク・クルセダーズ

フォークルをもう1曲。彼らが1968年にリリースしたメジャー・デビュー・アルバム『紀元貮阡年』の収録曲です。後に本格的に開花する加藤和彦の欧州風味が早くも匂い立つ名曲。ここまでが森山さんの『カレッジフォークアルバム』収録曲のオリジナル・ヴァージョン集でした。
9. 山羊にひかれて / カルメン・マキ

で、ここからが『カレッジフォークアルバムNo.2』の収録曲。どちらのアルバムもカルメン・マキの楽曲のカヴァーでスタートしているところが面白いです。冒頭に登場した「時には母のない子のように」に続くセカンド・シングル。こちらも寺山修司の作詞による曲でした。
10. お父帰れや / 岡林信康

出稼ぎ農家の貧困を題材にしたメッセージ・フォーク。1960年代末、赤い鳥、高石友也、はしだのりひこなど、多くのアーティストがそれぞれ少しずつ違うメロディで取り上げていましたが、森山さんが下敷きにしているのは、1969年の岡林信康ヴァージョンでしょう。
11. 遠くへ行きたい / デューク・エイセス

永六輔&中村八大の“六・八コンビ”が作った名曲。1962年のジェリー藤雄盤がオリジナルですが、再演ヴァージョンしかストリーミングされていないようなので、今回はこちらのデューク・エイセス盤を。
12. 死んだ男の残したものは / 高石友也

谷川俊太郎・作詞、武満徹・作曲。ベトナム戦争が暗い影を落としていた1965年に作られた反戦歌です。数々のシンガーが取り上げてきた名曲ですが、今回は1967年に高石友也がレコード化したヴァージョンで。

解説:萩原健太

森山良子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第240回 萩原健太のotonanoラジオ#122

2022/02/01 公開

森山良子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

森山良子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

森山良子

あなたが好きで

『MY STORY』

森山良子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

森山良子

バス通り裏

『MY STORY』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#122

『あなたが去る時まで~森山良子・英語詞カヴァーSTORY~』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. あなたが去る時まで

森山良子さんをお迎えした「otonanoラジオ」、1週目から大盛り上がりでした。番組のほうでは、森山さんがこれまでにレコーディングした900曲以上の音源から159曲を厳選したCD8枚組ボックスセット『My Story』をテーマにお届けしましたが、こちらのプレイリストは、いやいや、その159曲以外にもいっぱい素敵なパフォーマンスがあるんだぞ、ということで、ボックスに収められなかった森山さんのレコーディング楽曲の中から、特に海外曲のカヴァーもの、しかも英語詞のまま歌っていらっしゃる作品を集めて、年代順にお届けします。まずは1967年2月にリリースされた森山さんにとっての初アルバム『この広い野原いっぱい/森山良子 フォーク・アルバムNo.1』から、カナダのシンガー・ソングライター、バフィー・セント・メリーの作品を。原題は“Until It's Time For You To Go”。「別れのときまで」あるいは「まだ行かないで」という邦題も。
2. 誰も知らない

1968年1月リリースの『愛する人に歌わせないで/森山良子 アルバムNo.2』からは、1920年代に作られたクラシック・ブルースを。原題は“Nobody Knows You When You're Down and Out”。ベッシー・スミスが1929年に残した名唱が決定版だ。近年ではエリック・クラプトンのヴァージョンもおなじみかも。
3. 私の試練

ジョーン・バエズやピート・シーガー、ピーター・ポール&マリーら1960年代モダン・フォーク・リヴァイヴァルの立役者たちが公民権運動のころにこぞって取り上げていた曲。奴隷解放を願うトラディショナル・ナンバーだ。原題は“All My Trials”。1968年9月リリースのアルバム『良子の子守唄』より。
4. 恋はフェニックス

名ソングライター、ジミー・ウェッブ作の名曲。最初に吹き込んだのは1965年のジョニー・リヴァースですが、その後、1967年にグレン・キャンベルの歌声で世に広まりました。森山良子さんは1969年4月のアルバム『アイドルを歌う』でカヴァー。
5. ハニー

日本人シンガーによる海外録音の草分け的アルバム、1969年12月リリースの『イン・ナッシュビル/思い出のグリーングラス』より。ボビー・ゴールズボロが全米ナンバーワンに送り込んだバート・ラッセル作の名曲です。
6. 行かないで

1970年7月リリースの『1970…FROM RYOKO WITH LOVE』からは、ジャック・ブレルのシャンソンを。フランス語の原題は“Ne Me Quitte Pas”。それを詩人のロッド・マッケンが“If You Go Away”というタイトルで英訳したものをダミタ・ジョー、テリー・ジャックス、シャーリー・バッシー、ダスティ・スプリングフィールド、スコット・ウォーカーらが歌ってヒットさせました。森山良子さんもその英語版の歌詞でカヴァーしています。
7. ヒア・ゼア・アンド・エブリホエア

1971年7月リリースの『ビートルズ、サイモン&ガーファンクルを歌う』より。おなじみ、ビートルズのアルバム『リボルバー』収録のポール・マッカートニー作品です。
8. クレイジー・ラブ

ヴァン・モリソン作の名曲。森山良子さんはリタ・クーリッジによるカヴァー・ヴァージョンを参考になさっているような…。1972年7月のアルバム『旅立ち/1972…RYOKO NOW』より。
9. スカイライン・ピジョン

1973年3月リリースの『シングス・フォー・ユー』からは、ハープシコードの響きが印象的なエルトン・ジョンの初期傑作曲を。
10. やすらぎの朝

1973年7月リリースの『イン・ロンドン』より。名ソングライター・コンビ、ポール・ウィリアムス&ロジャー・ニコルスが書き下ろした作品です。原題は“Have You Heard the News”。森山さん以外にはヴィッキー・カーが同じ1973年の10月にリリースしたライヴ・アルバム『ライヴ・アット・ザ・グリーク・シアター』で取り上げただけ。スタジオ・ヴァージョンはこの森山さんのものだけというレア楽曲です。
11. ムーンライト・イン・ヴァーモント

1944年にマーガレット・ホワイティングがレコーディングして以来、多くのシンガーが歌い継いできたスタンダード・ナンバー。森山さんは2003年10月リリースの『THE JAZZ SINGER』でカヴァーしました。
12. ア・リトル・ガール、ア・リトル・ボーイ、ア・リトル・ムーン

1927年にロバート・キング&ハリー・ウォーレンが書いた曲。当時、ハル・ケンプ楽団、ビリー・バーソロミュー楽団などがこぞって取り上げた楽曲ですが、森山良子さんはぐっと新しく、ダイアナ・パントンが2010年に歌ったヴァージョンを下敷きにカヴァーしている感じ。2011年9月、鈴木慶一プロデュースによって制作されたアルバム『すべてが歌になっていった』より。

解説:萩原健太

森山良子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第239回 萩原健太のotonanoラジオ#121

2022/01/25 公開

矢舟テツローさん&野宮真貴さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

矢舟テツローさん&野宮真貴さんをゲストに迎えて(その2)

1.

矢舟テツロー

陽の当たる大通り〜ヒッピー・デイ feat. 野宮真貴

『うた、ピアノ、ベース、ドラムス。』

矢舟テツローさん&野宮真貴さんをゲストに迎えて(その2)

2.

野宮真貴 feat.矢舟テツロー・トリオ with 小西康陽

サンキュー(Live at ビルボードライブ横浜)

矢舟テツローさん&野宮真貴さんをゲストに迎えて(その2)

3.

矢舟テツロー

59番街橋の歌 feat. 野宮真貴

『うた、ピアノ、ベース、ドラムス。』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#121

『Open The Door~ピアノ・トリオをバックに極上ヴォーカルを聞かせる女性シンガー集~』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. オープン・ザ・ドア / ベティ・カーター

矢舟テツローさんと野宮真貴さんをゲストにお迎えした「otonanoラジオ」。お楽しみいただけましたでしょうか。矢舟さん率いるピアノ・トリオをバックに野宮さんが歌ったライヴの話題も盛り上がりましたが。そんなトークに刺激されて、今回のプレイリストはピアノ・トリオをバックに極上のヴォーカルを聞かせる女性シンガーの特集です。まずは、インプロヴィゼーションにかけては右に出る者なし、と定評のあるベティ・カーターの歌声から。1964年に、ハロルド・メイバーン(ピアノ)、ボブ・クランショー(ベース)、ロイ・マッカーディ(ドラム)という顔ぶれによってバックアップされた代表曲です。
2. クローズ・ユア・アイズ / ドリス・デイ

“そばかす天使”などと呼ばれた、親しみやすく愛くるしい笑顔でおなじみのドリス・デイ。いかにもアメリカ的な明るい健康美とキュートなお色気で一世を風靡した彼女が残した数々の名唱の中から、1962年、アンドレ・プレヴィン(ピアノ)、レッド・ミッチェル(ベース)、フランク・キャップ(ドラム)というピアノ・トリオとの共演曲を。
3. ゼイ・キャント・テイク・ザット・アウェイ・フロム・ミー / サラ・ヴォーン

エラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレーとともに、三大女性ジャズ・シンガーのひとりに数えられるサラ・ヴォーン。彼女も多彩なジャズ・ピアニストと共演してきたけれど、今回は1954年、サラ・ヴォーン&ハー・トリオ名義でリリースされたこの名曲を。トリオの顔ぶれは、ジョン・マラチ(ピアノ)、ジョー・ベンジャミン(ベース)、ロイ・ヘインズ(ドラム)です。
4. ライク・サムワン・イン・ラヴ / シャーリー・ホーン

先週のプレイリストに登場したブロッサム・ディアリーやダイアナ・クラール同様、自らピアノを奏で、ベースとドラムを率いて弾き語りを披露する女性ジャズ・アーティストのひとり、シャーリー・ホーン。マイルス・デイヴィスのお気に入りシンガーとしてもおなじみですが。そんな彼女が前曲でサラ・ヴォーンをバックアップしていたジョー・ベンジャミン(ベース)と、ハーブ・ラヴェル(ドラム)とともに1961年に録音した曲です。
5. バイバイ・ブラックバード / カーメン・マクレー

女性ジャズ・シンガーの最高峰のひとり、カーメン・マクレー。この人の深く豊かな表現力は永遠です。そんな彼女が1955年、ノーマン・シモンズ(ピアノ)、ヴィクター・スプロールズ(ベース)、ステュアート・マーティン(ドラム)とともに録音した曲を。
6. アイ・キャント・ギヴ・ユー・エニシング・バット・ラヴ / アン・バートン

アン・バートンはオランダ出身のジャズ・シンガー。彼女の出世作となった1967年のアルバム『ブルー・バートン』は日本でも高く評価され、大いに売れたものです。そのアルバムから1曲。バックを固めるのは、ルイス・ヴァン・ダイク(ピアノ)、ジャック・スコルズ(ベース)、ジョン・エンゲルズ(ドラム)です。
7. ノーバディーズ・ハート / ペギー・リー

多くのポップ・ヒットも放ったペギー・リーは、1959年、ピアニストのジョージ・シアリングと共演したライヴ・アルバムをリリースしているのだけれど。これ、実はスタジオで録音された音源に観客による拍手やMCパートなどをダビングした“疑似ライヴ盤”。そのアルバムが再発される際、ボーナス音源として世に初お目見えした何曲かのお蔵入り音源のひとつが本曲でした。ジョージ・シアリング(ピアノ)、カール・プルート(ベース)、レイ・モスカ(ドラム)がバックアップ。もちろんスタジオ録音音源です。
8. シャル・ウィー・ダンス / カサンドラ・ウィルソン

積極的にロック系のレパートリーなどもカヴァーして、ジャズ・ファン以外にも大いにアピールしているカサンドラ・ウィルソン。彼女がまだ知名度を本格的に上げる以前、1988年に録音したピアノ・トリオものを聞いてみましょう。マルグリュー・ミラー(ピアノ)、ロニー・プラクシコ(ベース)、そして女性ドラマーとしてのみならずシンガー・ソングライターとしても注目を集めるテリ・リン・キャリントン(ドラム)がバックアップ。
9. シスター・ムーン / ジャニス・シーゲル

マンハッタン・トランスファーのメンバーのひとり、ジャニスさんによるソロ・レコーディングから。1995年、フレッド・ハーシュ(ピアノ)、トニー・デュマス(ベース)、ラルフ・ペンランド(ドラム)との共演でスティングの曲を歌っています。
10. ワルツ・フォー・デビー / ヘレン・メリル

ロック・ファンには名曲「アイ・ラヴ・ロックンロール」を作ったアラン・メリルのお母さんとしておなじみかも。ニューヨーク出身ながら、一時期、東京に住んでいたこともあり、“ニューヨークのため息”というキャッチコピーとともに日本でも大いに愛されたジャズ・シンガーです。それゆえ日本人アーティストとの共演も多い彼女。今回は1977年、佐藤允彦(ピアノ)、高水健司(ベース)、日野元彦(ドラム)というトリオとの共演による音源をお楽しみください。
11. ミス・ブラウン・トゥ・ユー / ビリー・ホリデイ

泣く子も黙るビリー・ホリデイの貴重なラジオ放送音源。1951年、バスター・ハーディング(ピアノ)、ジョン・フィールド(ベース)、マーキス・フォスター(ドラム)を従えてボストンのストーリーヴィル・クラブに出演したときの記録です。
12. ティーチ・ミー・トゥナイト / エラ・フィッツジェラルド

エラも多くのピアニストとの共演音源を残しているけれど、ピアノ・トリオものとしてはオスカー・ピーターソン・トリオとのものと、このトミー・フラナガン・トリオとのものが特に有名かも。ということで、今回は1975年、スイスのモントルーで録音された音源を。演奏陣はトミー・フラナガン(ピアノ)、キーター・ベッツ(ベース)、ボビー・ダラム(ドラム)。

解説:萩原健太

矢舟テツローさん&野宮真貴さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!