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第287回 萩原健太のotonanoラジオ#169

2022/12/27 公開

かの香織さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

かの香織さんをゲストに迎えて(その2)

1.

かの香織

青い地球はてのひら

『CAOLI CANO COLLECTION 〜BEAUTIFUL DAYS〜』

かの香織さんをゲストに迎えて(その2)

2.

かの香織

BEAUTIFUL DAYS

『CAOLI CANO COLLECTION 〜BEAUTIFUL DAYS〜』

かの香織さんをゲストに迎えて(その2)

3.

かの香織

ばら色の人生

『CAOLI CANO COLLECTION 〜BEAUTIFUL DAYS〜』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#169

『ピアノが酔っちまった~「お酒」をテーマにした古今楽曲集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Cheers (Drink to That) / Rihanna

先週に引き続き、かの香織さんをゲストにお迎えした「otonanoラジオ」。番組でも話題になりましたが、かのさんは生家である1757年創業「はさまや酒造店」の第12代目当主として日本酒造りに関わっていらっしゃいます。てことで、今年最後の「otonanoラジオ・プレイリスト」のテーマは「お酒」。お酒を主題にした古今のナンバーをずらり並べてみました。年末年始に絶好かも。1曲目、まずは乾杯ってことで、リアーナ、2010年のアルバム『ラウド』に収められていたこの曲から。いかれたウィークエンドに乾杯! とか言ってパーティでアイリッシュ・ウィスキー飲みまくってる歌です(笑)。2011年に全米7位にランクしました。
2. Spill the Wine / Eric Burdon & War

次は1970年に全米3位まで上昇したこの曲。元アニマルズのエリック・バードンが新グループ、WARを率いて放った初ヒットです。“Spill the wine and take that pearl”、つまり、ワインをこぼして真珠を取って…という、まあ、これはですね、エッチなダブル・ミーニングが託されたフレーズで。それが大いにウケたわけですな。はい。
3. Beer Can / Beck

ベックのメジャーからのファースト・アルバム、1994年の『メロー・ゴールド』の収録曲。シングル・カットされて全米モダン・ロック・チャート27位にランクしました。空きっ腹でビール缶片手に酔っ払ってアタマぐるぐるになっている感じの、なんともやばい歌詞が印象的なナンバーです。
4. Tequila Sunrise / Eagles

1973年のアルバム『ならず者』に収められて世に出た後、1975年にはシングル・カットもされ全米64位にちらっとランクしたイーグルスの初期名曲。今日もまたテキーラをあおりながら夜明けを迎えた男が噛みしめる孤独と諦観、みたいな?
5. Whiskey In the Jar / Metallica

続いてはアイルランド民謡。アイルランドの南部の山の中で、憎き英国軍人からお金をぶんどったアイルランド男が、ウィスキーで酔っ払ったあげく女に騙され、金を奪った英国軍人にも捕まっちゃって…みたいな波乱のストーリー。シン・リジーやU2もカヴァーしてますが、今日はメタリカが1998年のアルバム『ガレージ・インク』に収めていたヴァージョンで。
6. One Mint Julep / Ray Charles

偉大なレイ・チャールズ。シンガーとしてだけでなく、キーボード・プレイヤーとしても極上の腕前を誇っておりました。で、この曲はレイ・チャールズのオルガン演奏を堪能できるインスト・チューン。1961年に全米R&Bチャート1位に輝きました。もともとはR&Bヴォーカル・グループ、クローヴァーズが1952年にヒットさせた歌もの。ミント・ジュレップというのはバーボンをベースにしたカクテルのことです。
7. Escape (The Piña Colada Song) / Rupert Holmes

1979年の全米ナンバーワン・ヒット。倦怠期の夫婦をめぐるなんとも間抜けな物語を陽気に綴った1曲です。副題に付いているピニャ・コラーダもラムとココナッツ・ミルクとパイナップル・ジュースをシェイクするカクテルの名前。
8. Cold Gin / Kiss

KISS、1974年のデビュー・アルバムからのナンバーです。彼らは去年、この名前のオリジナル・ジンを発売。ポール・スタンレーは「曲と同じようにこの酒も最上級だぜ!」と息巻いておりました。
9. Drinkin' Wine, Spo-Dee O'dee / Jerry Lee Lewis

もともとは1940年代末にR&Bアーティスト、スティック・マギーが放った自作のジャンプ・ブルース。今回は、今年の10月に亡くなった偉大なロックンロール・オリジネイターのひとり、ジェリー・リー・ルイスが1973年にレコーディングした勢いたっぷりのヴァージョンでどうぞ。全米41位にランクしました。
10. Gin House Blues / Nina Simone

ゴスペル、ブルース、ソウル、ジャズの伝統を自分なりに昇華し、独自の音楽性を打ち立てたニーナ・シモンが1961年にリリースした代表的アルバム『禁断の果実』の収録曲です。もともとはベッシー・スミスの持ち歌。日本では浅川マキも歌っていました。「私に近づかないで。だって私は罪に溺れているから。もしこの場所が手入れを受けたら、残るのは私とジンだけよ…」と。しびれます。
11. Scotch and Soda / The Kingston Trio

1930年代に書かれたと思われる作者不明の楽曲です。それをフォーク・グループのキングストン・トリオが1958年に発掘してレコード化。以降、マンハッタン・トランスファーやレイ・プライスらがカヴァーしながら歌い継いできた、ある種、隠れた名曲です。
12. The Piano Has Been Drinking (Not Me) (An Evening with Pete King) / Tom Waits

で、最後は酔いどれ詩人、トム・ウェイツの必殺ナンバーで。酔っ払ってるのは俺じゃねぇよ、ピアノの方だよ、と(笑)。バンドに置いてけぼりにされたピアニストが酒場でやさぐれてます。1976年のアルバム『スモール・チェンジズ』より。

解説:萩原健太

かの香織さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第286回 萩原健太のotonanoラジオ#168

2022/12/20 公開

かの香織さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

かの香織さんをゲストに迎えて(その1)

1.

かの香織

午前2時のエンジェル

『CAOLI CANO COLLECTION 〜BEAUTIFUL DAYS〜』

かの香織さんをゲストに迎えて(その1)

2.

かの香織

AMRITA

『CAOLI CANO COLLECTION 〜BEAUTIFUL DAYS〜』

かの香織さんをゲストに迎えて(その1)

3.

かの香織

太陽の理由

『CAOLI CANO COLLECTION 〜BEAUTIFUL DAYS〜』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#168

『AKI‘S HOLY NIGHT~かの香織のアーティスト提供曲集』

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1. 雨の日も嵐の日もハリケーンの日も / 安達祐実

かの香織さんをお迎えした『otonanoラジオ』。かのさんのキャリアを振り返るオールタイム・ベスト『CAOLI CANO COLLECTION ~BEAUTIFUL DAYS~』のお話で大いに盛り上がりました。これはもちろん、自らパフォーマーとしてレコーディングされた楽曲群から集大成されたベストなわけですが。かのさんにはシンガーとしてだけでなく、ソングライターとしての顔もあります。ということで、今回のプレイリストはソングライターとしてのかのさんに注目。かのさんが他アーティストに提供なさった楽曲の中からいくつかピックアップしてお届けします。かのさんは女優さん、声優さんなどにたくさんの楽曲を提供なさっていますが、まずは女優さん系から。安達祐実が1996年にリリースしたアルバム『Viva! America』への提供曲。作詞作曲・かの香織、編曲・高浪敬太郎という布陣によるナンバーです。
2. LETTERS / 広末涼子

続いて、広末涼子。2000年にリリースされた7作目のシングル「果実」のカップリング曲として世に出たものです。作詞作曲・かの香織、編曲・鈴木智文。
3. ピカピカウサギのマーチ / 芦田愛菜

アシダマナだよっ! 福くんとのデュエット・シングル「マル・マル・モリ・モリ!」のヒットを受けて、2011年にリリースされたソロ・デビュー・シングル「ステキな日曜日〜Gyu Gyu グッデイ!〜」のカップリング曲です。作詞作曲編曲、すべてかの香織。
4. CESTREE / 牧野由依

ここからは声優さん系。今回のかのさんのベストにも新録セルフ・カヴァーが収録された『劇場版ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君』エンディング主題歌「アムリタ」を歌っていたことでもおなじみ、牧野由依への提供曲です。作詞作曲編曲、すべてかの香織。やはり牧野さんが声優を務めたテレビアニメ『ゼーガペイン』挿入歌でした。
5. ミナミカゼ それはきっと / 安野希世乃

お次は、きよのん。2019年にリリースされた3作目のミニ・アルバム『おかえり』より、作詞作曲・かの香織、編曲・鈴木智文による1曲です。
6. SWEETEST / 飯塚雅弓

まーちゃんこと飯塚雅弓が2001年にリリースした5作目のアルバム『ひまわり』からのナンバーです。これも作詞作曲・かの香織、編曲・鈴木智文。
7. みずうみ / 坂本真綾

2011年にリリースされた坂本真綾、7枚目のオリジナル・アルバム『You can't catch me』より。作詞は坂本真綾自身。作曲編曲がかのさんです。これ、ドラムが屋敷豪太、ベースが有賀啓雄、キーボードが難波弘之という、なんとも豪華な1曲でした。
8. トラベル / 米光美保

ここからは多彩な歌手の方々への提供曲。まずは東京パフォーマンスドールのメンバーだったよねみっちゃんが1997年にリリースしたシングルです。作詞作曲編曲・かの香織。
9. ルビー色した月の訳 / 我那覇美奈

奄美大島出身のシンガー・ソングライター、我那覇美奈が1999年にリリースしたファースト・アルバム『きみにとどくまで…』への提供曲。作詞・山野英明、作曲・かの香織、編曲・菊地成孔という顔ぶれによる作品です。
10. once more / 小柳ゆき

小柳ゆき12枚目のシングル「Endless」のカップリング曲です。作詞は小柳ゆき、作曲がかのさん、編曲は清水信之。
11. ぼくは雨となり星となる / 米良美一

ここまでは基本的にかのさんが曲を書いた作品をセレクトしてきましたが、作詞だけという作品もけっこうあります。ということで、ラスト2曲はかのさんの作詞提供楽曲を。ひとつめは、ホラー映画『死国』の主題歌というおっかないやつ。作詞がかのさん、作曲編曲は門倉聡。
12. AKI'S HOLY NIGHT / 八代亜紀

ラストは八代亜紀が2001年にリリースしたポップ・アルバム『MOOD』から、作詞・かの香織、作曲・大沢誉志幸によるクリスマス・ソングをどうぞ。

解説:萩原健太

かの香織さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第285回 萩原健太のotonanoラジオ#167

2022/12/13 公開

杉真理さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

杉真理さんをゲストに迎えて(その2)

1.

竹内まりや

ホールド・オン

『Mr. Melody~杉 真理提供曲集~』

杉真理さんをゲストに迎えて(その2)

2.

Pops All Stars

Yellow Christmas

『Mr. Melody~杉 真理提供曲集~』

杉真理さんをゲストに迎えて(その2)

3.

SAYAKA

パラソルと約束

『Mr. Melody~杉 真理提供曲集~』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#167

『内気なジュリエット~ディミニッシュ・コードを使った名曲厳選12』

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1. 内気なジュリエット / 杉 真理

先週に引き続き、杉真理さんをお迎えした『otonanoラジオ』。杉さんのソングライターとしての側面に思いきりスポットを当てた2週間でした。番組でも話題になりましたが、杉さんは曲を作る際、よくディミニッシュ・コードを使います。これ、正確には“ディミニッシュド・セヴンス・コード”、日本語で言うと“減七和音”。たとえば“Cdim7(Cディミニッシュド・セヴンス)”というコードの場合、構成音はド、ミ♭、ソ♭、ラで。それぞれの音が短三度ずつ離れた4つの音による和音になります。楽器をやらない方にはよくわからないかもしれませんが、単独で聞くとなんとなく不安定な、でも曲の中に入ると、何かのコードから何かのコードへと移る際に流れをとてもなめらかにしてくれる洗練されたコードで。杉さんはその見事な使い手なのでした。というわけで、今週のプレイリストは、そのディミニッシュ・コードを使った曲の中から、ぼくが好きなものを12曲並べてみました。幕開けはやはり杉さんの曲で。1983年のシングル・ナンバーを聞いてください。イントロの4小節目、0:06の部分がディミニッシュ・コードです。歌詞のあるところで言うと、0:23あたり。“とてもShyにうつむいたシルエット”の“うつむいた”の部分にディミニッシュが効果的に使われています。
2. My Sweet Lord / George Harrison

ジョージ・ハリスン、1970年のヒット。ジョージもディミニッシュが大好きでした。スライド・ギターによるイントロ、0:26あたりのコードがディミニッシュです。あるいは歌詞出言うと0:53あたりの“But it takes so long, my lord”の“take so long”のところとか。杉さんのディミニッシュの使い方はこの辺からの影響がいちばん強そう。
3. Michelle / The Beatles

ビートルズ関連をもう1曲。ビートルズの場合、前曲のジョージ・ハリスンをはじめ、曲をよく書いていた3人のメンバー全員がそれぞれのやり方でディミニッシュを使っていました。ジョン・レノン作の「ビコーズ」とかにも使われていますし、あと、ポール・マッカートニー作のこの曲もそう。0:14あたりの“These are words that go together well, my Michelle”という歌詞の“go together”の部分と、その後の“my Mi-”の部分がディミニッシュです。1965年のヒット。
4. We Are The Champions / Queen

続いては1977年にヒットしたこの超おなじみの曲。サビの後半に突入する直前、“We are the champion”という歌詞に入る前の♪ガ・ガ・ガーッという部分、0:46の部分と、そのあと、もう一回“We are the champion”と繰り返す個所、0:53の部分が、それぞれ別々のディミニッシュ・コードです。
5. Bennie And The Jets / Elton John

エルトン・ジョン、1973年のナンバー。これにもディミニッシュがどかーんとストレートに使われています。0:32のあたり、歌詞で言うと“That's been known to change the weather”の“known”以降の部分です。
6. Life On Mars? / David Bowie

次はデヴィッド・ボウイ。1971年に発表した初期の代表曲です。歌い出してすぐ、0:04のところの1小節。歌詞で言うと“It's a god-awful small affair”の最後の“affair”のところにディミニッシュ・コードが使われています。
7. Every Time You Go Away / Paul Young

ビートルズ、クイーン、エルトン、ボウイ…と、みんなイギリスのアーティストばかりになっちゃいましたが、次はアメリカのダリル・ホール&ジョン・オーツが作って、イギリスのポール・ヤングがカヴァーした英米混在曲。1985年のヒットです。0:59くらいのところで出てくる“We've got everything goin' on and on and on”って歌詞の“everything goin’”のところがディミニッシュ。
8. We're All Alone / Boz Scaggs

続いてはアメリカのアーティスト。ボズ・スキャッグス、1976年のナンバーです。0:20あたり、“on the shore a dream”の“on the shore a”の部分にディミニッシュ・コードが使われています。
9. God Only Knows / The Beach Boys

もうひとつ、アメリカのアーティストのものを。ビーチ・ボーイズ、1966年の名曲です。0:26あたり、歌詞で言うと“You never need to doubt it”の“need”以降の部分に効果的にディミニッシュが使われています。
10. Don't Look Back In Anger / Oasis

再びイギリスに戻って。オアシス。1995年のこのおなじみのヒットも派手にディミニッシュ・コードを使っています。0:56あたり、“And take that look from off your face”の1小節がまるまるディミニッシュ。
11. Over The Rainbow / Eric Clapton

今回のセレクションはイギリスのアーティスト中心になっちゃいましたが、もともとこういうテンション・コードはアメリカ生まれのポピュラー・スタンダード・ナンバーで多用されてシーンに定着したものでした。というわけで、今回のプレイリストの締めはそういう曲を2曲ほど。まずはアメリカの名作曲家ハロルド・アーレンが1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』のために書き下ろした作品。今日はそれをイギリスのエリック・クラプトンが2002年のアルバム『ワン・モア・カー、ワン・モア・ライダー』に収録していたライヴ・ヴァージョンで。1:54のあたり、“Away across the chimney tops”の“Away across”の部分がディミニッシュです。
12. When You Wish Upon A Star / Cliff Edwards

最後は1940年のディズニー・アニメ映画『ピノキオ』の主題歌を。作者はレイ・ハーラインとネッド・ワシントン。映画でジミニー・クリケットの声を担当したクリフ・エドワーズのヴァージョンでどうぞ。0:36あたりの“Any thing your heart desires”って歌詞の“thing your”の部分のコードがディミニッシュです。

解説:萩原健太

杉真理さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第284回 萩原健太のotonanoラジオ#166

2022/12/06 公開

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

1.

ハイ・ファイ・セット

プラトニックしましょ

『Mr. Melody~杉 真理提供曲集~』

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

2.

SAYURI(石川さゆり)

ウイスキーが、お好きでしょ

『Mr. Melody~杉 真理提供曲集~』

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

3.

須藤薫

LOVE AGAIN

『Mr. Melody~杉 真理提供曲集~』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#166

『杉真理「Key Station」(from『SYMPHONY #10』)で歌われたアーティスト集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Key Station / 杉真理

杉真理さんをゲストに、杉さんの提供楽曲を集めた6枚組ボックス『Mr. Melody~杉 真理提供曲集~』のお話をたっぷりうかがいました。来週も楽しみ! ぼくが個人的に好きな杉さんの曲というのは、それこそ無数にあるわけですが。その中のひとつが1985年に出たアルバム『SYMPHONY #10』からシングル・カットされた「Key Station」って曲で。これ、ラジオへの愛を語りながら、そこから流れてくる日本のポップ・アーティストたちへの杉さんなりの愛と感謝を託した名曲。いろいろなアーティストの名前が出てきて、さらにそのうち何人かはレコーディングにゲスト参加もしています。大好きで毎日聞いていたっけ。ということで、今週のプレイリストはこの曲に歌われたアーティストたちの歌声を集めてみました。まずはその曲、杉さんの「Key Station」をどうぞ。
2. ミライのテーマ / 山下達郎

まず1番で“聞かせてあげる達郎のハーモニー”と歌われている山下達郎さん。ほんとは歌詞に“夏の扉”とか、そういうキーワードも出てくるので、「夏への扉」とか選びたかったのだけれど、ご存じの通り、達郎さんはサブスクのストリーミングをやってないもんで。珍しく例外的に配信されているこの曲にしました。2018年のシングル。1970年代に達郎さんが率いていたシュガー・ベイブのころの音楽性を受け継いだような名曲です。
3. 彼から手をひいて / 松任谷由実

続いては“二人で聞いたあの日のYuming”と歌われたユーミン。松任谷由実さん。ユーミンがデビューしたころ、ラジオから流れてきた彼女の音楽の斬新さには、まじ、ぶっとんだものです。今日は1980年のアルバム『SURF & SNOW』からこの曲を。リトル・エヴァの「私のものよ(Keep Your Hands Off My Baby)」へのオマージュなのかなぁ。
4. ペパーミント・ブルー / 大滝詠一

“ナイアガラのひびきは Forever”と歌われているのは、ナイアガラ=大きな滝ってことで、ナイアガラ・レコードの創設者、大滝詠一さん。杉さんを『ナイアガラ・トライアングルVol.2』に抜擢して知名度アップに一役買ってくれた恩人でもあります。1984年のアルバム『イーチ・タイム』からの超名曲をどうぞ。
5. 雨のステラ / 伊藤銀次

“そして銀次の夢を分けてあげるさ”と歌われているのはもちろん、ナイアガラ・トライアングルの先輩でもある伊藤銀次さん。「Key Staion」のレコーディングにも参加して“オー、ベイビー・ブルー…”と合いの手コーラスを披露してもいます。その「Baby Blue」を選ぼうかなとも思ったのだけれど、それと同様に銀次さんの代表曲としておなじみのこっちの曲にしました。1982年のシングル・チューンです。
6. 子午線 / 浜田省吾

“浜田省吾のDanceはどうだい”という歌詞もあって、浜田さんご本人が“Keep on dancin’”ってコーラスも聞かせているので、やっぱり「Dance」かなぁ…と思ったけれど、個人的には浜田さんのハチロク・バラードが大好きなので。あえてこっちの曲にしました。1979年のアルバム『MIND SCREEN』のA面1曲目を飾っていたナンバーです。
7. So Young / 佐野元春

“佐野元春はいつだって味方だよ”という歌詞に続いて、おなじみのDJフレーズ“I wanna be with you tonight!”をシャウトする佐野さん。今回はもともと山下久美子さんに提供したナンバーのセルフ・カヴァーを。1982年のシングル「スターダスト・キッズ」のB面に収められていたものです。
8. アメリカン・ラヂオ / ザ・ナンバーワン・バンド(小林克也)

というわけで、「Key Station」の歌詞に出てくる名前は佐野元春さんまででおしまい。なもんで、ここからは「Key Station」が収められているアルバム『SYMPHONY #10』にまで視野を広げて、アルバムの収録曲から関係楽曲をピックアップしてみました。「Key Station」の1曲前に入っているのが「K氏のロックン・ロール」って曲で。この“K氏”というのはご存じ、日本を代表するラジオDJ、小林克也さんのこと。ということで、小林克也さんが率いるザ・ナンバーワン・バンドが1982年にリリースしたアルバム『もも』から、克也さんがウルフマン・ジャックをはじめ多彩なDJのモノマネを見事に披露するこの曲を。
9. 恋愛狂時代 / ハイ・ファイ・セット

『SYMPHONY #10』には杉さんがハイ・ファイ・セットに提供した曲のセルフ・カヴァーも入っていました。それがこの曲。1985年のアルバム『INDIGO』の収録曲です。
10. LADY PINK PANTHER / 鈴木茂

ここからは『SYMPHONY #10』の参加ミュージシャンにもワクを広げて(笑)。まずは『otonanoラジオ』にもご登場いただいたことがある日本を代表するギタリスト、鈴木茂さん。「K氏のロックン・ロール」も「恋愛狂時代」も含め『SYMPHONY #10』全11曲中7曲に参加しています。てことで、茂さんが1976年にリリースしたアルバム『ラグーン』から、A面1曲目のこの曲をどうぞ。
11. 天国の神経衰弱 / 楠瀬誠志郎

『SYMPHONY #10』には杉真理&ザ・ドリーマーズのメンバーだった小室和之+向井寛+楠瀬誠志郎の3人ががっつりコーラスで参加しています。その中から楠瀬誠志郎さんの歌声を聞きましょう。1986年にリリースされたデビュー・アルバム『宝島』より、杉さんが作詞を手がけたナンバーです。
12. 風のBad Girl / BOX

で、ラストは楠瀬誠志郎さんとともにコーラス隊に名を連ねていた小室和之さん。杉さん、松尾清憲さん、田上正和さん、そして小室さんという顔ぶれで結成されたBOXが1988年にリリースしたデビュー・シングルです。

解説:萩原健太

杉真理さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第283回 萩原健太のotonanoラジオ#165

2022/11/29 公開

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

葛谷葉子

Perfect! Your Love

『TOKYO TOWER』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

葛谷葉子

Rendezvous

『TOKYO TOWER』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

葛谷葉子

New Way

『TOKYO TOWER』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#165

『葛谷葉子<TOKYO TOWER>にインスパイア!"ランドマーク"が登場する名曲集』

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1. FUNK FUJIYAMA / 米米CLUB

先週に引き続き葛谷葉子さんをお迎えした『otonanoラジオ』。葛谷さん独特のキュートな語り口が最高でしたねー。というわけで、先週は葛谷さん久々のニュー・シングル「Tokyo Tower」にちなんで、東京タワーを歌った多彩なナンバーを集めたプレイリストをお届けしましたが。日本の名所は東京タワーだけではありません。今週は東京タワー以外の名所とか実在のランドマークとかを歌った曲をいろいろ集めてみました。まずは日本の名所といえばここ。富士山です。富士山を歌った曲というのも古今いろいろありますが、ここはひとつ、葛谷さんもファンだったという米米CLUBのこの曲を。いくつかヴァージョンがありますが、今日は不肖ワタクシ萩原健太がプロデュースした1989年オリジナル・ヴァージョンでどうぞ。
2. のびしろ / Creepy Nuts

続いては去年リリースされたクリーピー・ナッツのメジャー第2弾アルバム『Case』からのナンバー。隅田川、勝鬨橋、スカイツリー、東京タワーが歌い込まれています。
3. 中央フリーウェイ / 荒井由実

1976年にユーミンがリリースしたアルバム『14番目の月』より。中央自動車道で調布から八王子方面へ向かう途中に見える在日米軍の今はなき調布基地、サントリー武蔵野ビール工場、東京競馬場などが次々歌詞に登場します。シティ・ポップとやらのハシリの1曲でもあります。
4. 環七フィーバー / ギターウルフ

道路ものをもうひとつ。ギターウルフが1995年にインディーズからリリースしたアルバム『ミサイルミー』に収録されていた豪快ロックンロールです。東京都道318号環状七号線をカワサキのバイクでぶっとばしてます。
5. 大阪ストラット / ウルフルズ

続いては関西代表、ウルフルズ。大滝詠一が1975年にリリースしたご当地ファンク「福生ストラット」を下敷きに、1995年、場所を大阪に移してリメイクしたナンバー。梅田、紀ノ国屋、三番街、茶屋町、カンテG、心斎橋、アメ村、ひっかけ橋、ミナミなど、えぐいキーワードが連射されます。
6. 聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに / サカナクション

再び東京に戻って。サカナクションが2019年にリリースしたアルバム『834.194』より、東京・恵比寿にある有名ライヴハウスのことを題材にしたナンバーです。
7. 今宵B.Y.Gで / BEGIN

ライヴハウスに続いて、今度はロック喫茶の歌です。東京・渋谷に1970年代からある老舗“B.Y.G.”のことを歌った2002年のナンバー。個人的な思い出話で恐縮ですが、ぼくも学生時代、ここに入り浸り状態。コーヒー一杯で何時間も粘ってアメリカン・ロックの新作輸入盤を聞きまくっていたものです。あー、懐かしい。サブスク環境などはもちろん皆無、CDによる試聴コーナーなどなかったアナログ盤時代、最高の試聴コーナーとして機能してくれたお店でした。お世話になりました。
8. 公園通り / ガロ

1970年代のことを思い出したところで、また懐かしい曲を。1973年、渋谷にパルコがオープンしたときにキャンペーン・ソングとして使われたナンバーです。パルコのキャンペーンとして一般から公募された歌詞をもとに、山上路夫さんが補作詞。村井邦彦さんが作曲した、これまた初期シティ・ポップです。
9. 土曜の夜は羽田に来るの / ハイ・ファイ・セット

村井邦彦さんの作曲による作品をもうひとつ。ハイ・ファイ・セットが1975年にリリースしたシングル「スカイレストラン」のB面に収められていた曲です。土曜日の羽田空港の光景が歌われています。作詞はA面同様、まだ荒井姓だったころのユーミン。
10. 夏をあきらめて / サザンオールスターズ

サザンの曲には地元、神奈川・茅ヶ崎のパシフィック・ホテルが登場するものがいくつかあります。上原謙・加山雄三父子が経営していたことでもおなじみのホテルですが。今回は1982年のアルバム『ヌード・マン』の収録曲を。研ナオコのカヴァー・シングルもおなじみ。
11. 井の頭公園 / さかいゆう

有名な公園の歌もひとつ。さかいゆうが2008年にリリースしたセカンド・アルバム『YU, SAKAI』に収められていた曲です。京都武蔵野市と三鷹市にまたがる東京都立公園、井の頭恩賜公園の12月の空気感を描いています。
12. 多摩蘭坂 / RCサクセション

最後はRCサクセションが1981年、アルバム『BLUE』で歌ったことで全国的に有名になった坂の歌を。JR中央線の国立と国分寺を結ぶ多喜窪通りの途中にある“たまらん坂”のこと。作者でありリード・ヴォーカリストでもある忌野清志郎さんが亡くなった後も、彼の死を悼むファンたちの聖地として語り継がれています。

解説:萩原健太

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第282回 萩原健太のotonanoラジオ#164

2022/11/22 公開

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

葛谷葉子

Tokyo Tower

『TOKYO TOWER』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

葛谷葉子

53F

『TOKYO TOWER』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

3.

葛谷葉子

Seaside Hotel

『TOKYO TOWER』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#164

『葛谷葉子<TOKYO TOWER>にインスパイア!“東京タワー”が登場する名曲集』

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1. おしゃれな東京タワー / 爆風スランプ

葛谷葉子さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。語り口の、何とも言えないふわっとしたグルーヴが素敵ですねー。オリジナル・アルバムとしては21年ぶりとなる『TOKYO TOWER』に関するお話をあれこれうかがいました。ということで、今週のプレイリストのテーマは“東京タワー”。すでに配信がスタートしている葛谷さんの「Tokyo Tower」を筆頭に、東京タワーを歌ったポップ・チューンというのは古今たくさん存在しています。スカイツリーができようと、やっぱり日本人にとって東京タワーは特別な象徴なんだろうなと思いますが。今週はそんなふうに無数に存在する東京タワー絡みの名曲の中から12曲ピックアップしてみました。タイトル、あるいは歌詞に、何らかの形で東京タワーが織り込まれている曲集です。お楽しみください。まずは、“赤くてでっかいぞ、東京タワー”という威勢のいいフレーズをたたみかけながら、揺るぎなき存在に対する愛憎をぶちまける爆風スランプの名演から。1985年のナンバーです。
2. 東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー / 小沢健二

小沢健二が1994年にリリースしたアルバム『LIFE』には歌詞に東京タワーが登場する曲がいくつか含まれているのだけれど、そのうちのひとつです。
3. 爆笑アイランド / サザンオールスターズ

1998年のアルバム『さくら』より。桑田佳祐が日本の置かれた現状を憂う真摯なこのナンバーにも象徴的に東京タワーが歌い込まれていました。
4. 東京タワーを消せるなら / 池田聡

1988年のナンバー。雨に煙る東京タワーの光景が恋の終わりの心情に重なる、なんとも切ない歌詞は伊勢正三さんによるものです。
5. 哀愁の東京タワー / 遠藤賢司

“不滅の男”こと遠藤賢司が1979年にリリースした狂熱の名盤『東京ワッショイ』より。シンセサイザーやヴォコーダーなどを駆使して、当時最先端だったテクノ・ポップのテイストと、昭和歌謡っぽいメランコリーとを融合した1曲です。今の時代に聞いたほうが、楽曲そのものが持つレトロ・フューチャー風味がきわだつみたい。
6. 東京タワー / 石野真子

2008年、開業50周年を迎えた東京タワーの公式応援ソングとしてリリースされたナンバー。われらが石野“100万ドルの微笑”真子がしっとり聞かせます。
7. SINGLES / Mr.Children

2018年のアルバム『重力と呼吸』の収録曲。シングル・カットはされていないけれど、テレビ・ドラマの主題歌に起用されたおなじみのナンバーです。去ってしまった幸せな想い出を彩るツールとしての東京タワー…という感じかな。切ない。
8. 東京タワー / なぎら健壱

ぶらり途中下車しながらあちこち散歩しているこの人も東京タワーを歌っていました。1993年のアルバム『この夜に…』からの1曲です。
9. ナンバーナイン / 米津玄師

2016年のシングル。翌年のアルバム『BOOTLEG』にも収録されていました。ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 〜漫画、9番目の芸術〜」の公式イメージソング。冒頭、いきなり“砂漠”から見える“東京タワー”という、なんとも抽象的なイメージの交錯具合にくらくらします。
10. Tokyo Tower / My Little Lover

もともとは1997年に出たCD付きフォト・エッセイ集『Private eyes Rough Mix』に収められていた曲。今回は翌年リリースされたアルバム『The Waters』に収められていた“ヴァージョン2”のほうでどうぞ。
11. 東京タワー / 美空ひばり

日本が誇る“お嬢”、美空ひばりも東京タワーを歌っております。1959年のナンバー。富士山、エッフェル塔、アルプスなど背の高い高いライバルが次々登場する中、燦然と輝く東京タワー。オー、ワンダフルワンダフル…ですよ。
12. 手のひらの東京タワー / 松任谷由実

そして最後は、ユーミン。おみやげの小さな東京タワーを題材に綴った名曲です。もともとは石川セリへの提供曲。今回は1981年のアルバム『昨晩お会いしましょう』でユーミン自らが歌ったヴァージョンでどうぞ。

解説:萩原健太

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第281回 萩原健太のotonanoラジオ#163

2022/11/15 公開

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

1.

伊東ゆかり

もう誰も愛さない

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

2.

伊東ゆかり

グリーン・ジンジャー・フライング

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

3.

伊東ゆかり

朝が来たら

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#163

『伊東ゆかりの洋楽カヴァー曲オリジナル集~1960年代後半編~』

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1. Massachusetts / The Bee Gees

先週に引き続き、伊東ゆかりさんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。先週はゆかりさんが1962年にリリースした10インチLP『ゆかりのヒット・パレード』でカヴァーなさっていたアメリカン・ポップスの原曲を集めたプレイリストをお届けしました。この『ゆかりのヒット・パレード』シリーズは1964年にかけて第4集まで出て、そこでゆかりさんは数々のティーンエイジ・ポップスを溌剌とカヴァーしまくっていらっしゃったわけですが。1960年代後半に入ると、ぐっと大人な歌唱力を全開にしながら、よりアダルトなポップ・チューンのカヴァーにも取り組むようになりました。ということで、今回のプレイリストは、そんな1960年代後半にゆかりさんがカヴァーなさった曲の原曲を並べてみました。まずは1968年にリリースされた『ゆかりデラックス』というアルバムの収録曲から。このアルバムはA面が「小指の想い出」「恋のしずく」など大ヒットしたゆかりさんの歌謡ヒット6曲。B面6曲が洋楽カヴァー集。そのB面の6曲のオリジナル・ヴァージョンを順に聞いていきましょう。1曲目は最近、ドキュメンタリー映画も日本公開されたビージーズが1967年に放った大ヒット。本国イギリスでも彼らにとって初のナンバーワン・ヒットを記録したほか、日本のオリコン・チャートでも洋楽曲として初のナンバーワンに輝いたおなじみのメロディ。ということで、ゆかりさんもさっそくカヴァーしていらっしゃいました。
2. Day Tripper / Sergio Mendes & Brazil '66

『ゆかりデラックス』B面2曲目はご存じビートルズ・ナンバー。とはいえ、ゆかりさんが参考にしていらっしゃったのは、セルジオ・メンデス&ブラジル66が彼らのデビュー・アルバム、1966年の『ハーブ・アルパート・プレゼンツ・セルジオ・メンデス&ブラジル66』でカヴァーしていたボサ・ロック・ヴァージョンのようなので、そちらをセレクトしてみました。
3. The Beat Goes On / Sonny & Cher

1967年、当時夫婦デュオとして大人気を博していたソニー&シェールが放った大ヒット。これが『ゆかりデラックス』B面3曲目でした。
4. And I Love Her / The Beatles

再びビートルズ・ナンバー。これがB面4曲目。とても美しいメロディとコード進行のナンバーということで、当時から多くの女性ジャズ・シンガーがカヴァーしていて。その際はタイトルと歌詞が「アンド・アイ・ラヴ・ヒム」に変更されていました。ゆかりさんも「アンド・アイ・ラヴ・ヒム」としてカヴァーしていたので、誰かそういう女性シンガーのヴァージョンをセレクトしようと思ったものの、カヴァー・ヴァージョンの数が多すぎて(笑)どれを選んでいいか分からなかったので、オリジナルのビートルズ・ヴァージョンで。
5. The Shadow Of Your Smile / Astrud Gilberto

1965年の映画『いそしぎ』のテーマ曲として人気を博した名曲。これがB面5曲目でした。トニー・ベネット、バーブラ・ストライサンド、シャーリー・バッシー、アンディ・ウィリアムス、パーシー・フェイス、アル・マルティーノ、ペリー・コモ、ナンシー・シナトラなどそれこそ無数のシンガーがカヴァーしているけれど、たぶん日本ではこの人のヴァージョンがいちばん有名っぽいので、ブラジルの歌姫、アストラッド・ジルベルトの歌声でどうぞ。
6. Dio Come Ti Amo / Gigiola Cinquetti

『ゆかりデラックス』のB面のカヴァー曲はほとんどゆかりさんが英語で歌っていたのだけれど、唯一、ラストに収められていたこの曲「愛は限りなく」だけは日本語詞で歌われていました。ゆかりさんも出場したことでおなじみサンレモ音楽祭で、ゆかりさん出場の翌年、1966年にグランプリに輝いたジリオラ・チンクエッティのナンバーです。ゆかりさんは当時シングルとしてもリリースしていました。
7. Let It Be Me / The Everly Brothers

ここから6曲は1969年に伊東ゆかりさんがリリースした2枚組LP『ゆかりダブルデラックス』に収められていたカヴァー曲の原曲集。この2枚組LPはA面が“ゆかりのゴールデン・ヒッツ”と題されたベスト盤的な内容。C面とD面が“オリジナル・コーナー”と題されたオリジナル曲集。で、残るB面が“ゆかりのポップス”と題されたカヴァー集という構成になっていました。で、その“ゆかりのポップス”の1曲目がこの曲。シャンソン界の大御所、ジルベール・ベコーが自作自演した「Je T'Appartiens」という曲が元歌。1957年、英語詞が付けられてジル・コーレイ盤がヒット。1960年のエヴァリー・ブラザーズ盤、1964年のベティ・エヴェレット&ジェリー・バトラーによるデュエット盤なども人気が高いのですが。ゆかりさんはそれを当時まだ珍しかった一人多重デュエットでカヴァーしていました。ということで、今回はエヴァリー兄弟のヴァージョンで。
8. This Girl's In Love With You / Dionne Warwick

『ゆかりダブルデラックス』B面“ゆかりのポップス”2曲目はバート・バカラック作の名曲。1968年にハーブ・アルパートが「ジス・ガイ(This Guy's In Love With You)」というタイトルでリリースしたヴァージョンが全米ナンバーワンに輝いているけれど、ゆかりさんはたぶん翌年、ディオンヌ・ワーウィックがこちらの「ジス・ガール」というタイトルでリリースし全米7位にランクさせたほうのヴァージョンを元にカヴァーなさっていたと思われます。
9. The Look Of Love / Dusty Springfield

『ゆかりダブルデラックス』B面“ゆかりのポップス”3曲目は引き続きバート・バカラック作の名曲。映画『007 カジノロワイヤル』の主題歌として1967年に書かれたものです。「恋の面影」という邦題でもおなじみ。ダスティ・スプリングフィールドが取り上げたこのヴァージョンがいちばん有名かな。
10. By The Time I Get To Phoenix / Glenn Campbell

1960年代後半、バート・バカラックの好敵手として多くの洗練されたヒット・チューンを生み出したソングライター、ジミー・ウェッブの作品。これまた無数のカヴァー・ヴァージョンが存在するけれど、やはり必殺の定番ヴァージョンといえば、グレン・キャンベルによるこの1967年ヴァージョン。邦題は「恋はフェニックス」。これが“ゆかりのポップス”4曲目でした。
11. Scarborough Fair/Canticle / Simon & Garfunkel

“ゆかりのポップス”5曲目は英国フォーク・リヴァイヴァルの立役者でもあったイーワン・マッコールが収集したトラディショナル曲のひとつ。1966年にサイモン&ガーファンクルがアルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』に収録して、一気に知名度を上げたナンバーです。1968年の映画『卒業』のサウンドトラック・アルバムにも収められた際、シングル・カットされて全米11位まで上昇しました。
12. Aquarius/Let The Sunshine In / The 5th Dimension

『ゆかりダブルデラックス』B面ラストは、当時大いに話題を巻き起こしていた“ロック・ミュージカル”の草分け『ヘアー』の挿入歌。1969年、黒人ポップ・ヴォーカル・グループ、フィフス・ディメンションが取り上げて特大ヒットを記録しました。ゆかりさんもこのフィフス・ディメンション・ヴァージョンを下敷きに、一人多重コーラスなどにも挑みながらカヴァーなさっていました。邦題は「輝く星座」。先週と今週、ご紹介したようなナンバーの伊東ゆかりさんヴァージョンもサブスクでストリーミングされるようになったらうれしいですね。

解説:萩原健太

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第280回 萩原健太のotonanoラジオ#162

2022/11/08 公開

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

1.

伊東ゆかり

恋する瞳

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

2.

伊東ゆかり

あなたしか見えない

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

3.

伊東ゆかり

ロマンチスト

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#162

『伊東ゆかり<ゆかりのヒット・パレード>オリジナル・ヴァージョン集+2』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. ヴァケイション / コニー・フランシス

来年、歌い始めて70周年、レコード・デビュー65周年という伊東ゆかりさんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。まさに大人でしたー。素敵でしたー。というわけで、今週のプレイリストは、そんな伊東ゆかりさんの初期に着目。今からちょうど60年前の1962年10月、キング・レコードからリリースされた10インチLP『ゆかりのヒット・パレード』の収録曲を下敷きにしたセレクションです。当時、日本の音楽シーンでは、英米の最新ヒット曲に日本語の歌詞で歌う“訳詞ポップス”というのがブームになっていて。毎週火曜日の夜7時から、その種のヒット曲を満載した『ザ・ヒット・パレード』という30分の歌番組がテレビでレギュラー放送され人気を博していたものです。伊東ゆかりさんもよく出演していました。『ゆかりのヒット・パレード』というアルバムは、そんな人気番組にあやかったタイトルを付けていただけあって、全曲が訳詞ポップス。伊東ゆかりさんによるヴァージョンは残念ながら今のところストリーミングされておらず、それらは11月15日に発売になるCD6枚組『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション』のほうで聞いていただくしかないのですが、こちらのプレイリストで、そのオリジナル・ヴァージョンを楽しんでいただきましょう。まずはA面の1曲目から。日本でも大人気を博したアメリカン・ポップス・クイーン、コニー・フランシスが1962年に放った大ヒットです。日本ではゆかりさんの他、弘田三枝子さんの訳詞ヴァージョンもおなじみ。
2. 悲しきクラウン / ニール・セダカ

A面の2曲目は、前曲のコニー・フランシスにソングライターとして「ボーイ・ハント」「まぬけなキューピッド」などのヒットを提供していたニール・セダカ自身のヒット曲。これも1962年のナンバーです。
3. かわいいベイビー / コニー・フランシス

『ゆかりのヒット・パレード』には全10曲中なんと4曲のコニー・フランシス・ナンバーが収録されていました。番組でもコニーとお会いになったときのことを話してくださっていた伊東ゆかりさん。声質も含めて、カヴァーするにはぴったりのシンガーだったのかも。というわけで、A面3曲目はコニーがやはり1962年、シングル「思い出の冬休み」のB面に収めて世に出した曲。本国アメリカではシングルB面曲ということもありヒットしていませんが、イギリスや日本では大ヒット。日本ではゆかりさんの他、ゆかりさん、園まりさんとともに“スパーク三人娘”として当時大人気を博した中尾ミエさんもレパートリーに取り入れていました。
4. コーヒー・デイト / エディ・ホッジス

A面4曲目は14歳でデビューし、「恋の売り込み」「恋する乙女」などヒットを連発したエディ・ホッジスのナンバー。ゆかりさんは『ゆかりのヒット・パレード』の直後に「恋の売り込み」のカヴァー・シングルもリリースしていますが、その前哨戦という感じのカヴァーでした。これも本国アメリカでは1961年のシングル「夢の盗賊」のB面曲でしたが、日本では人気曲。飯田久彦さんのカヴァーもおなじみです。
5. すてきな16才 / ニール・セダカ

A面ラストは再びニール・セダカのナンバー。弘田三枝子さんの訳詞カヴァーでもおなじみ、1961年の大ヒット曲です。
6. ロコモーション / リトル・エヴァ

ここからが『ゆかりのヒット・パレード』のB面。1曲目は伊東ゆかりさんの訳詞ポップスものとしてはいちばん有名かもしれないナンバーです。1960年代にソングライターとして大活躍していたキャロル・キングのおうちで子守をしていたというリトル・エヴァがやはり1962年に放った特大ヒット。作者はもちろんキャロル・キング&ジェリー・ゴフィン夫妻です。
7. レッツ・ゲット・トゥゲザー / ヘイリー・ミルズ

B面2曲目は1961年のディズニー映画『罠にかかったパパとママ』の主題歌として、当時13歳だったヘイリー・ミルズが歌った曲。伊東ゆかりさんは訳詞ではなく英語詞のまま見事に歌いこなしていました。それを想像しながらオリジナル・ヴァージョンを聞いてください。
8. ジョニー・エンジェル / シェリー・フェブレー

当時、テレビ番組『うちのママは世界一』に長女役で出演し人気を博していた女優/シンガーのシェリー・フェブレーが、1962年、同番組の挿入歌として歌ったドリーミーな傑作曲。シングルとしてリリースされ全米ナンバーワンに輝きました。これが『ゆかりのヒット・パレード』B面3曲目。
9. 大人になりたい / コニー・フランシス

B面4曲目と5曲目はまたまたコニー・フランシスもの。こちらは1961年、アメリカではシングルB面、イギリスではA面に収められてリリースされたナンバーです。
10. セコハン・ラヴ / コニー・フランシス

『ゆかりのヒット・パレード』B面ラストは、コニーが1962年に放ったヒットのカヴァーでした。“セコハン”というのは“セカンド・ハンド”、つまり“お古”のこと。昔の日本で独自に広まった言い回しです。素敵なカントリー・バラードなのに、妙な邦題のせいでイメージが…(笑)。
11. なみだの日記 / バリー・ダーベル

ここからは本プレイリストのボーナス・トラック(笑)。『ゆかりのヒット・パレード』には収録されませんでしたが、前出「悲しきクラウン」のシングルB面として1962年6月に伊東ゆかりさんがリリースした曲のオリジナル・ヴァージョンを。バリー・ダーヴェルが1961年、アトランティック・レコードからリリースしたものの、日本以外ではまったくヒットしなかったというナンバーです。
12. ランナウェイ・ガール / ディオン

こちらも『ゆかりのヒット・パレード』には未収録ながら、同じ年、1962年の2月に伊東ゆかりさんがシングルA面としてリリースした曲のオリジナル・ヴァージョン。「浮気なスー」「ワンダラー」「ルビー・ベイビー」「恋のティーンエイジャー」などのヒットでおなじみ、元祖“キング・オヴ・ニューヨーク”の異名を取るディオンが1961年、シングル「浮気なスー」のB面に収めてリリースしたものです。

解説:萩原健太

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第279回 萩原健太のotonanoラジオ#161

2022/11/01 公開

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

渡辺真知子

迷い道

『いのちのゆくえ ~My Lovely Selections~』

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

渡辺真知子

かもめが翔んだ日(キューバンバージョン)

『Amor Jazz3 ~愛しのBIG BAND~』

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

渡辺真知子

二雙の舟

『二雙の舟 / カナリア』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#161

『琥珀色の想い出~“ポプコン”出場アーティスト・コレクション』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 窓辺 / 八神純子

先週に引き続き渡辺真知子さんをゲストにお迎えした『otononaラジオ』。番組の中でもお話がありましたが、真知子さんといえばご存じ“ポプコン”ことYAMAHAのポピュラーソングコンテスト出身。1969年から1986年まで行なわれていた新人音楽家の登竜門的コンテストですが。今週のプレイリストはそのポプコンへの出場経験のあるシンガー・ソングライターなりバンドなりの歌声を集めてみました。といっても、出場曲集というわけではなく、出場経験のあるアーティストたちの曲の中からぼくが好きなものをピックアップして並べたセレクションです。ポプコンといえば、中島みゆき、チャゲ&飛鳥、長渕剛、小坂明子など、思い出す顔ぶれはまだまだたくさんいるわけですが、さすがに全部は選びきれないし、ストリーミングされていない音源も多いので、今回とりあえずの12組です。まずは1974年10月の第8回大会に出場し、「雨の日のひとりごと」で優秀曲賞に入賞した八神純子。ここで一気に注目を集めてデビューを飾った彼女が1978年にリリースしたアルバム『思い出は美しすぎて』の中からこの曲を。
2. 琥珀色の想い出 / あみん

岡村孝子と加藤晴子のデュオ、あみんといえば、あの「待つわ」で1982年5月のポプコン第23回大会のグランプリを獲得して大人気を獲得したわけですが。実はその前年、1981年10月、第22回大会にも出て中部北陸大会で優秀曲賞を受賞しています。そのときに歌ったのが本曲。デビューを飾ってから「待つわ」に続くセカンド・シングルとして1982年にリリースされました。
3. TOBACCO / てつ100%

てつ100%は、ヴォーカルの杉原徹を中心に結成されたバンド。菅野よう子が在籍していたことでもおなじみ。彼らも1985年9月、ポプコンの第30回大会に出場して「TOKYO TACO BLUES」で優秀曲賞を受賞しています。それをきっかけにメジャー・デビューした彼らが1987年に放ったファースト・アルバムからのナンバーを。
4. ひとりぼっちの部屋 / 高木麻早

個人的にはこの人のこの曲をきっかけにポプコンというコンテストの存在を知ったような、そんな覚えがあります。1973年5月、ポプコン第5回大会の入賞曲。その年の秋にデビュー・シングルとしてリリースされヒットしました。カントリー・ロックのテイストをいい感じにかわいらしく取り入れたポップ・チューンでした。
5. おねむEXPRESS / シュガー

ミキ、クミ、モーリの女性3人組、シュガーは厳密にはポプコン出身ではないのだけれど。クミとモーリが組んでいた“かりんとう”なるデュオで1977年10月のポプコン第14回大会に出場したことがあったり、後出“きゅうてぃぱんちょす”の結成時のメンバーだったりという流れもあって、ここに選曲しちゃいました。ミキが加入してシュガーとなって、1981年、かの「ウェディング・ベル」の特大ヒットを受けてリリースされたファースト・アルバム『SUGAR DREAM』からのナンバーをどうぞ。
6. プラット・ホーム / 浜田良美

1974年10月のポプコン第8回大会に「いつのまにか君は」で出場して優秀曲賞を受賞した浜田良美。その前年、1974年5月の第5回大会にも“ナッツ”というバンドで出場して九州大会で優秀賞を獲得したこともあったとか。今日は1975年のアルバム『渾沌の章』からこの曲を。
7. ポニーテールの顔で / 辛島美登里

この人もポプコン出身。1983年10月の第26回大会に「雨の日」で出場して見事グランプリに輝いています。今回はそんな辛島さんが1995年にリリースした『IN YOUR EYES』というアルバムの収録曲をお聞き下さい。
8. GOSPELの夜(Gospel Night) / きゅうてぃぱんちょす

シュガーの曲のところで名前が出てきた“きゅうてぃぱんちょす”というのは、杉山清貴&オメガトライブの前身となったバンド。1980年5月のポプコン第19回大会に本曲「GOSPELの夜(Gospel Night)」で出場し入賞。それをきっかけに注目を集め、バンド名を杉山清貴&オメガトライブと改めて1983年にデビューを飾りました。今回は、デビュー35周年を祝して2018年5月に日比谷野音にオリジナル・メンバーで再集結したオメガトライブによるライヴ音源でどうぞ。アルバム『The open air live “High & High 2018″ Complete』より。ちゃんと“きゅうてぃぱんちょす”と名乗ってのパフォーマンスです。
9. 恋のささやき / 小坂恭子

1973年5月の第5回大会に「私の好きな組み合わせ」で出場し、前出の高木麻早とともに入賞したのち、翌1974年5月の第7回大会にも出場。このときは本曲「恋のささやき」で見事グランプリに輝きました。そして、メジャー・デビュー。1975年にあの特大ヒット「想い出まくら」が誕生したわけです。
10. ふられたあとで / 柴田容子

1974年10月のポプコン第8回大会に「3月3日の悲しみ」で参加して優秀曲賞を獲得したシバヨーこと柴田容子。今日は1978年のアルバム『とまり木』の収録曲をセレクトしてみました。
11. グッバイは甘いリズムにのせて / 安部恭弘

1970年代、慶應大学の音楽サークルで杉真理や竹内まりやたちと活動していた安部恭弘。在学中に杉真理のバンド“マリ&レッドストライプス”の一員としてデビューしたものの、いろいろあってバンドが解散。1977年10月、ソロでポプコン第14回大会に「セプテンバー・バレンタイン」で出場しました。ということで、ポプコン出身者として選曲に加えちゃいましたが、このときは残念ながら受賞を逃し、いったんは音楽の道をあきらめます。が、彼の才能を惜しむ仲間たちの声に後押しされながら、まずは裏方として音楽シーンに復帰。1982年に本格的にソロ・デビューを飾りました。今日は1984年にリリースされたアルバム『MODERATO』の収録曲を。
12. ブルー / 渡辺真知子

そして、ラストは真知子さん。1975年5月、ポプコン第9回大会に「オルゴールの恋唄」で出場し、特別賞に輝いています。番組の中でもお話ししてくださった通り、この第9回大会はもう伝説的な回で、中島みゆき、柴田容子、八神純子、庄野真代、松崎しげるなど、後の大物がずらり勢揃いしていました。今日はぼくが個人的にいちばん好きな真知子さんナンバーを。1978年に大ヒットしたサード・シングルです。

解説:萩原健太

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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