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第314回 萩原健太のotonanoラジオ#196

2023/07/04 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

1.

大江千里

ラウロ・ジ・フレイタス (Lauro De Freitas)

『Class of '88』

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

2.

大江千里

きみと生きたい (I Wanna Live with You)

『Class of '88』

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

3.

大江千里

魚になりたい (Time-bouncing Fish)

『Class of '88』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#196

『Class of ’88 〜1988年を飾った洋楽ヒット12選』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Faith / George Michael

先週に引き続き、大江千里さんのブルックリンのご自宅とリモートでつないでお届けした「otonanoラジオ」。いかがでしたか? 千里さんの新作ピアノ・ジャズ・アルバム『Class of '88』にちなんで、先週のプレイリストでは1988年の邦楽シーンを振り返りましたが、今週は洋楽。1988年にシーンを賑わした洋楽ナンバーから12曲、ざっくりセレクトしてみました。1988年という年がどんな感じだったか、なんとなく思い出してもらえたらうれしいです。1980年代に入ってレコーディングの現場にデジタル技術が一気に流入してきて。機材も変わり、楽器も変わり。それまでのアナログ盤に取って代わってCDがメディアの主役の座について。当初は誰もがずいぶんと右往左往していたものですが。デジタル襲来のごたごたも1988年ごろになると少し落ち着いてきて、まあ、デジタルも便利でいいけど、アナログの良さも忘れちゃいけないよね…的な音作りがまた少しずつシーンによみがえってきた時期だったかも。そんな1988年の洋楽ヒット・プレイリスト。まずはワム!を解散してソロになったジョージ・マイケルのこの曲から。1987年の暮れにリリースされた同名アルバムからのシングルとして、翌88年に特大ヒットを記録しました。全米チャート1位、全英チャート2位。
2. Heaven Is A Place On Earth / Belinda Carlisle

こちらは元ゴーゴーズ。これも1987年秋にリリースされた2作目のソロ・アルバムからのシングル・カット曲です。87年暮れに全米・全英チャートでともに1位の座に。そのまま1988年に突入して引き続き同年前半のシーンを大いに賑わしました。
3. Don't Worry, Be Happy / Bobby McFerrin

これなどデジタル全盛時代に逆行するアナログの極致。ヴォーカリーズと呼ばれるジャズ系の器楽的唱法を得意とするボビー・マクファーリンが、リズムもベースもハーモニーもすべて自身の声で多重録音したポップ・ヒット。
4. Need You Tonight / INXS

これも1987年秋にリリースされて、翌88年にかけて大ヒットを記録したナンバー。オーストラリアのロック・バンド、INXSの代表作です。全米1位、全英2位。全米の1988年の年間チャートでも2位にランクする戦績を残しました。
5. Never Gonna Give You Up / Rick Astley

1980年代後半から90年代アタマにかけてというと、イギリスのポップ・クリエイター・トリオ、ストック=エイトケン=ウォーターマンが大当たりをとった時期でした。彼らは最新デジタル技術を最大限に駆使したキャッチーなユーロ・ビートものを得意にしていたチームでしたが。そんなサウンドに、ブルー・アイド・ソウル的な持ち味が売りだったリック・アストリーのきわめてアナログな歌声を乗せたデビュー・ヒットがこれ。本国イギリスでは1987年夏に発売され5週連続1位を記録。その波が翌1988年、アメリカへと渡り、3月に2週連続全米1位を記録しました。
6. Sweet Child O' Mine / Guns N' Roses

デジタル時代にアナログなロック・サウンドの痛快な魅力を腕尽くで思い出させてくれたバンド、ガンズ・アンド・ローゼズが1987年に発表したファースト・アルバム『アペタイト・フォー・ディストラクション』の収録曲。翌1988年夏にシングル・カットされて全米1位に輝きました。
7. Got My Mind Set On You / George Harrison

元ビートルズのジョージ・ハリスンが、ELOのジェフ・リンをプロデューサーに迎えて制作した1987年の傑作アルバム『クラウド・ナイン』からのシングル・カット曲。ジェイムス・レイが1962年に放ったポップR&Bヒットのカヴァーです。翌1988年に入ってすぐ全米1位に輝き、ジョージにとってビートルズ時代以降初の記念すべきナンバーワン・ヒットとなりました。この成功を受けて、ジョージとジェフ・リンはボブ・ディラン、ロイ・オービソン、トム・ペティらを誘って覆面バンド“トラヴェリング・ウィルベリーズ”を結成することになります。
8. Groovy Kind of Love / Phil Collins

これもカヴァー。もともとは1965年にザ・マインドベンダーズが放ったヒットですが、それをフィル・コリンズが1988年に取り上げ、映画『バスター』の挿入歌としてリリースしたものです。目のつけどころがさすが。全米・全英ともに1位を記録しました。
9. 1-2-3 / Gloria Estefan & Miami Sound Machine

グロリア・エステファン&マイアミ・サウンド・マシーンが1987年半ばにリリースした通算10作目のオリジナル・アルバム『レット・イット・ルース』からは、翌1988年にかけて次々シングル・カットが生まれて、もうベスト盤のような1枚になってしまった傑作でしたが。そこからの最後のシングル・カット曲がこれ。アルバムからの5枚目のシングルとしてリリースされて、1988年、全米3位、全英9位にランクしました。
10. Angel / Aerosmith

エアロスミスの9作目のアルバム『パーマネント・ヴァケイション』も1987年半ばのリリース。たくさんのヒット・シングルを生んだ名盤でした。本曲はそこからの3作目のシングル・カット曲。1988年にリリースされて全米3位まで上昇しました。
11. Simply Irresistible / Robert Palmer

ロバート・パーマーが1988年にリリースしたアルバム『HEAVY NOVA』からのファースト・シングル曲。前出、ガンズの「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」に阻まれて全米2位どまりに終わりましたが、ロバート・パーマーならではの痛快さが爆発した名曲です。「この愛にすべてを」を邦題で日本でもヒット。
12. Man In the Mirror / Michael Jackson

そしてマイケル。1987年半ばにリリースされたアルバム『バッド』からの第4弾シングルとして1988年2月にカットされ、見事全米1位に輝きました。こうやって振り返ってみると、この時期は1枚のアルバムからたくさんのシングルが次々リリースされて、それらの連続ヒットに支えられながらアルバム本体がロング・セラーを記録する、みたいな。1988年ってそういう年だったんだな、と改めて…。

解説:萩原健太

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第313回 萩原健太のotonanoラジオ#195

2023/06/27 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

1.

大江千里

STELLA'S COUGH

『Class of '88』

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

2.

大江千里

APOLLO

『Class of '88』

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

3.

大江千里

ポエティック・ジャスティス (Poetic Justice)

『Class of '88』

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

4.

大江千里

コスモポリタン (Cosmopolitan)

『Class of '88』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#195

『Class of ’88 〜1988年に話題を集めた邦楽アルバム』

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1. ハワイへ行きたい / 大江千里

ブルックリンのご自宅にいる大江千里さんとリモートでつないでお届けした『otonanoラジオ』。デビュー40周年を記念して制作された新作アルバム『Class of ’88』のお話をあれこれうかがいました。ということで今週のプレイリストは、そのアルバムにちなんで、1988年という年に注目。この年に話題を集めた邦楽アルバム12作からそれぞれ1曲ずつ選んで並べてみました。まずは千里さん自身のアルバムからいきましょう。1988年に千里さんがリリースしたアルバムというと、7作目の『1234』。今回の『Class of ’88』でも再演されている「GLORY DAYS」を含む意欲作でした。そのアルバムからおなじみのこの曲をどうぞ。
2. SATURDAY NIGHT ZOMBIES / 松任谷由実

ユーミンが1988年にリリースしたアルバムというと特大ヒット作『Delight Slight Light KISS』なのだけれど。この時期のユーミンはいつも年末に新作アルバムをリリースしていたため、実際に1988年、チマタを賑わしていたのは1987年暮れにリリースされたアルバム『ダイアモンドダストが消えぬまに』のほうでした。というわけで、そちら、『ダイアモンドダストが消えぬまに』から、TV番組『オレたちひょうきん族』のエンディング・テーマとして土曜の夜を盛り上げたこの曲を。
3. センチメンタル カンガルー / 渡辺美里

“戦後最大のポップアルバム”なる勇ましいキャッチコピーのもと、1988年半ばにリリースされたのが渡辺美里の4作目『ribbon』でした。アルバムのラストを締めくくっていたのは大江千里さん作の「10 years」で。それをセレクトしようかなとも思ったものの、今回は反対にオープニング・チューンのほう、A面1曲目を飾っていたこの佐橋佳幸・作曲によるナンバーを聞きましょう。
4. 誰かの風の跡 / 桑田佳祐

サザン・オールスターズやKUWATA BANDでの活動を経て、桑田佳祐がリリースした初のソロ・アルバム『Keisuke Kuwata』も1988年にリリースされました。これはアルバムのラストに収められていた名曲。最近ユニクロのCMにも使われ改めて人気を博した曲です。
5. POISON MIND / REBECCA

レベッカ6枚目のオリジナル・アルバム『POISON』より。このアルバムも1987年暮れにリリースされ1988年に大ヒットしました。アルバムのオープニングを飾っていたナンバーを。もちろん作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫による作品です。
6. A LONG GOODBYE(長い別れ) / 浜田省吾

少年から大人へ…というドラマを描いた浜田省吾の『DOWN BY THE MAINSTREET』(1984年)、『J.BOY』(1986年)に続く3部作の締めくくりとして、1988年にリリースされたアルバム『FATHER'S SON』より。
7. 美熱少年 / 米米CLUB

すんません。ぼくのプロデュース作も1曲。米米CLUBが1988年にリリースした4作目『GO FUNK』から、ライヴでもおなじみ、狂乱のファンク・チューンをどうぞ。
8. High Roller / 久保田利伸

久保田利伸が当時流行していた最新グルーヴ、ニュー・ジャック・スウィングの要素などを大胆に取り入れたサード・アルバム『Such a Funky Thang!』も1988年リリースの大ヒット・アルバムでした。そこからCMタイアップ曲としてもおなじみだったこの曲を。
9. FARAWAY FROM SUMMER DAYS / 中山美穂

1988年はアイドル・シーンも賑やか。聖子ちゃん、明菜ちゃんを筆頭に海外録音したり、新鮮なソングライターを起用したり、みんなそれぞれ興味深いアルバム作りに挑んでいました。そんな中から1曲。中山美穂が角松敏生をプロデューサーに迎えて制作したアルバム『CATCH THE NITE』の収録曲です。もちろん作詞、作曲、編曲、すべて角松敏生。
10. ひとつの椅子 / 稲垣潤一

稲垣潤一、8作目のスタジオ・アルバム『EDGE OF TIME』より。筒美京平、林哲司、岸正之、中崎英也、木戸やすひろなど多彩なソングライターが関わった1枚でしたが、今回はその中から作詞:秋元康、作曲:MAYUMIによるナンバーを。
11. 消息 / 竹内まりや

続いては1987年の夏にリリースされながら、1988年の年間チャートでもトップ30入りを果たすロングセラーを記録した竹内まりやのアルバム『REQUEST』から。このアルバムは前作『VARIETY』以降にリリースした自身のシングル曲や、他アーティストへの提供曲のセルフ・カヴァーを収めた1枚でしたが、1曲だけアルバムのため書き下ろし作品が入っていました。それがこの曲「消息」です。
12. 夢のポケット / 安全地帯

ラストは安全地帯が1988年にリリースした6作目『安全地帯Ⅵ〜月に濡れたふたり』からこの素敵なララバイを。

解説:萩原健太

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第312回 萩原健太のotonanoラジオ#194

2023/06/20 公開

村井邦彦さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

1.

YELLOW MAGIC ORCHESTRA

RYDEEN (ライヴ・アット・グリーク・シアター1979)

村井邦彦さんをゲストに迎えて(その2)

2.

荒井由実

きっと言える

『ひこうき雲』

村井邦彦さんをゲストに迎えて(その2)

3.

Kuni Murai

Wings To Fly (Tsubasa Wo Kudasai) [feat. Ko Iwasaki]

『Recollection』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#194

『ウォリー・ビーズ〜村井邦彦ワークス vol.3|プロデュース編』

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1. ウォリー・ビーズ / 細野晴臣&イエロー・マジック・バンド

先週に引き続き村井邦彦さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。興味深い、貴重なお話が山盛りでした。さて、先週はソングライターとしての村井邦彦さんにスポットを当てたプレイリストをお届けしましたが、今週はプロデューサー、あるいはエグゼクティヴ・プロデューサーとして村井さんが関わられた音源を集めてみました。まずは細野晴臣&イエロー・マジック・バンド名義でリリースされた1978年の傑作アルバム『はらいそ』から。作詞・作曲・プロデュースはもちろん細野さんですが、村井さんがエグゼクティヴ・プロデューサーをつとめていらっしゃいます。YMO直前の細野さんと村井さんの思いが凝縮した名曲のひとつ。
2. ろっかばいまいべいびい / 吉田美奈子

続いても細野さんの作詞作曲によるナンバーを。村井さんがプロデュースを手がけた傑作のひとつ、美奈子さんが1975年にリリースしたセカンド・アルバム『MINAKO』より。大滝詠一、荒井由実、山下達郎、矢野顕子、村上ポンタ、大村憲司、林立夫、鈴木茂、高水健司ら、そうそうたる顔ぶれがバックアップするなど、村井さんの人脈の広さとアンテナの鋭さが存分に発揮された1枚でした。ちなみに、この曲のアレンジは佐藤博さん。
3. 何もきかないで / 荒井由実

続いてはユーミン。先週、村井さんがプロデュースなさった彼女のファースト・アルバムからの「きっと言える」をオンエアしましたが、今回は川添象郎と村井さんの共同プロデュース作品、1975年のサード・アルバム『コバルト・アワー』からのナンバーを。シングル「ルージュの伝言」のB面に収められていたハチロク系の名曲で、間奏のエイモス・ギャレットばりのギター・ソロに当時ぼくは思いきりしびれたものです。作詞作曲:荒井由実、編曲:松任谷正隆。演奏は当時のユーミンのバック・バンドをつとめていたダディー・オー!がつとめていました。
4. 恋の日記 / ハイ・ファイ・セット

番組内で何度も名前が出たハイ・ファイ・セットの歌声を。1977年のアルバム『THE DIARY』からのシングル・カット・ナンバーです。ニール・セダカが1958年にヒットさせた名バラードのカヴァー。作詞:ハウィ・グリーンフィールド、作曲:ニール・セダカ、日本語詞は岩谷時子、アレンジは番組内でも名前が登場したボブ・アルシヴァー。アルシヴァーをアレンジャーに起用するあたりがエグゼクティヴ・プロデューサーをつとめた村井さんならでは!
5. 赤いレイ / サーカス

ハイ・ファイ・セットと並ぶ日本の代表的男女混声コーラス・グループ、サーカス。村井さんがエグゼクティヴ・プロデューサーをつとめた1978年のアルバム『サーカス1』から、1960年代に日本のシンガー・ソングライターの元祖、大橋節夫による名曲のカヴァーを。大橋節夫と彼のハニー・アイランダーズは当時最先端の洋楽だったハワイアンを日本の音楽シーンに定着させるうえで大きな役割を果たした存在。村井さんのひとつ上の世代として洋楽文化を日本に取り入れようと奮闘した先達でした。この辺の選曲センスもお見事。
6. 恋のムーンライトダンス / シーナ&ロケッツ

シナロケも細野〜村井ラインが世に送り出した存在のひとつ。彼らが1979年にリリースしたセカンド・アルバム『真空パック』から、作詞:松本康、作曲:鮎川誠によるナンバーをどうぞ。
7. テイク・ミー / カシオペア

村井邦彦&川添象郎が連名でエグゼクティヴ・プロデューサーをつとめたカシオペアのセカンド・アルバム、1979年の『スーパー・フライト』より。野呂一生の作曲によるごきげんなフュージョン・ナンバーです。
8. SUMMER BLUE / ブレッド&バター

岩沢幸矢、二弓の兄弟ユニット、ブレバタ。彼らが1979年にリリースした6作目のアルバム『Late Late Summer』も村井さんがエグゼクティヴ・プロデューサーをつとめた傑作。これも細野晴臣、佐藤博、坂本龍一、小原礼、林立夫、高橋幸宏、鈴木 茂らがこぞって参加した、村井邦彦色の濃い1枚でした。ユーミンや筒美京平、なかにし礼ら興味深いソングライターも多数関わっていましたが、そこから作詞:小林和子、作曲:岩沢二弓、編曲:細野晴臣という顔ぶれによる名曲を。
9. 地球はメリー・ゴーランド / ガロ

1972年の作品。作詞:山上路夫、作曲:日高富明、編曲:東海林修。プロデュースはもちろん村井邦彦。まだ誰も使っていないころにメジャー・セヴンス・コードを見事に使いこなした名曲でした。ガロの3人とともに村井さんも出演していたパイロット万年筆のテレビCMにも使われていました。
10. LETTER TO NEW YORK / 深町純

前出カシオペアなども含め、1970年代後半〜80年代初頭、村井邦彦&川添象郎がエグゼクティヴ・プロデューサーをつとめる形でアルファ・レコードからはフュージョン系の名盤が次々リリースされていました。深町純のアルファ移籍第一弾アルバム『オン・ザ・ムーヴ』もそのうちのひとつ。そこから、作詞:福沢エミ、作編曲&プロデュース:深町純によるナンバーです。
11. 流星都市 / 小坂忠

1975年の必殺の名盤、小坂忠『HORO』のクレジットに村井さんの名前はなかったと思いますが、これも村井〜川添〜細野という人脈のもとでこそ生まれた1枚でした。その中から忠さんがソロ・デビューする以前、細野晴臣、松本隆らと結成していたエイプリル・フールの一員として1969年にリリースした唯一のアルバムに収められていた「タンジール」という曲を下敷きにリメイクされたナンバーを。「タンジール」のほうは忠さんの作詞でしたが、こちらは作詞:松本隆、作曲:細野晴臣。
12. シムーン / YELLOW MAGIC ORCHESTRA

そしてラストは村井〜細野による最高傑作ユニット、YMOのファースト・アルバムより。作詞:クリス・モズデル、作曲:細野晴臣、編曲:YMO。

解説:萩原健太

村井邦彦さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第311回 萩原健太のotonanoラジオ#193

2023/06/13 公開

村井邦彦さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

村井邦彦さんをゲストに迎えて(その1)

1.

久美かおり with 村井邦彦

髪がゆれている

『「翼をください」を作った男たち~山上路夫・村井邦彦作品集~』

2.

村井邦彦

Montparnasse 1934 Main Theme

村井邦彦さんをゲストに迎えて(その1)

3.

赤い鳥

翼をください(シングル・バージョン)

『赤い鳥 GIFT BOX』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#193

『公園通り〜村井邦彦ワークス vol.2』

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1. 公園通り / ガロ

日本を代表するソングライターであり、音楽プロデューサーであり、アルファ・ミュージック〜アルファ・レコードの創立者でもあり、このほど日本と海外の文化の輸出入の歴史をいきいきとひもとくヒストリカル・フィクション『モンパルナス1934』も出版なさるなど、多岐にわたって活躍なさっている村井邦彦さんをゲストにお迎えした「otonanoラジオ」。むちゃくちゃ興味深いお話がうかがえて楽しかったですねー。というわけで、今週のプレイリストは村井さんのソングライターとしての側面に着目。村井さんが作曲なさった名曲群を並べてみました。実は以前も番組でアルファ・ミュージック特集をやったとき、村井さんの作品集プレイリストをセレクトしたことがありました。そのときの曲とは重複しないように選んでいます。シングルB面曲とかも多めにピックアップ。名曲多くて困ります(笑)。というわけで、まずはこの曲。もともと東京・渋谷の“区役所通り”と呼ばれていた道沿いに渋谷パルコが開店し、道の名前が“公園通り”と改められた際、その情報を周知させるために制作されたプロモーション・シングル。歌詞に出てくる“すれ違う人は誰も美しい”というフレーズはパルコ開店時のキャッチコピーでした。作詞:井川拓、補作詞:山上路夫、作曲:村井邦彦、編曲:深町純。
2. 雨あがりのサンバ / 森山良子

1968年、シングル「小さな貝がら」のB面に収められていた名曲。作詞:山上路夫、作編曲:村井邦彦。
3. 美しい星 / 赤い鳥

1973年のシングル「まつり」のB面曲。これも作詞:山上路夫、作編曲:村井邦彦。
4. バイ・バイ・アダム / 和田アキ子

1968年にリリースされた和田アキ子のデビュー・シングル「星空の孤独」のB面曲。作詞:阿久悠、作編曲:村井邦彦。キャノンボール・アダレイ〜バッキンガムズの「マーシー・マーシー・マーシー」をもろパクリしているところがまたかっこいいです(笑)。痛快。
5. 本牧ブルース / ザ・ゴールデン・カップス

1969年のシングル。作詞:なかにし礼、作編曲:村井邦彦。GS(グループサウンズ)ブーム期を代表する名曲のひとつです。
6. 明るい表通り / 天地真理

1972年リリースのアルバム『明日へのメロディー』の収録曲。これも作詞:山上路夫、作編曲:村井邦彦のゴールデン・コンビによる作品です。
7. 旅立つ朝 / 江利チエミ

1971年、すでにベテランの域に達していた名シンガー、江利チエミが新たな方向性を目指してロサンゼルス・レコーディングした名曲。シティ・ポップの元祖とも言われる1曲です。作詞:保富康午、作曲:村井邦彦、編曲:ジミー・ハスケル。ドラムのハル・ブレインほかロサンゼルス・シーンの名手がバックアップしています。
8. 裏庭の出来事 / 弘田三枝子

ミコちゃんの村井邦彦作品としては1972年のシングル「美しかった場所」のB面曲「恋はフィーリング」ってのが個人的にはいちばん好きなのだけれど、これ、ストリーミングがないみたいなので。その前年、1971年にリリースされたシングル曲を。作詞:山上路夫、作編曲:村井邦彦。
9. わるいくせ / 安井かずみ

作詞家としておなじみ、安井かずみがシンガーとして1970年にリリースしたアルバム『ZUZU』のオープニングを飾っていた素敵なボサノヴァです。作詞:安井かずみ、作曲:村井邦彦、編曲:クニ河内。
10. 道 / 広谷順子

1979年のデビュー・シングル。国際児童年のキャンペーンソングでした。作詞:山上路夫、作曲:村井邦彦、編曲:萩田光雄。
11. 四つの季節 / 笠井紀美子

ジャズ・シーンで活躍していた笠井紀美子がロック/ポップス系の音楽に挑戦した1972年の名盤『アンブレラ』より。作詞:大橋一枝、作曲:村井邦彦。かまやつひろし(プロデュース)、つのだひろ+原田裕臣(ドラム)、細野晴臣(ベース)、鈴木茂(ギター)、大野克夫(ピアノ、オルガン)、村井邦彦(エレクトリック・ピアノ)というそうそうたる顔ぶれによるヘッド・アレンジ。
12. 幸せになるため / ハイ・ファイ・セット

1976年のシングル。作詞:荒井由実、作曲:村井邦彦、編曲:松任谷正隆。

解説:萩原健太

村井邦彦さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第310回 萩原健太のotonanoラジオ#192

2023/06/06 公開

井上鑑さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

井上鑑さんをゲストに迎えて(その2)

1.

井上鑑

滑走路夕景 (RUNWAY LIGHTS)

『TOKYO INSTALLATION』

井上鑑さんをゲストに迎えて(その2)

2.

井上鑑

LADY JEAN

『RHAPSODIZE』

井上鑑さんをゲストに迎えて(その2)

3.

井上鑑

SMILE

『RHAPSODIZE』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#192

『幸せな結末~AKIRA INOUEアレンジ・ワークス集』

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1. 幸せな結末 / 大滝詠一

先週に引き続き、井上鑑さんをお迎えして新作アルバム『RHAPSODIZE』をめぐって盛り上がった「otonanoラジオ」、いかがでしたか? さて、そんな井上鑑さんをめぐるプレイリスト。先週はアキラさんの過去のソロ・アルバム群などからご自身パフォーマーとしてリリースなさった曲のベスト・セレクションをお届けしましたが。今週は日本を代表するアレンジャーとしてのアキラさんにスポットを当てます。これまでアキラさんが編曲家として手がけた無数の作品群から、ほんのごく一部ではありますが、12曲ピックアップしてみました。まずはアキラさんにとって大切な師匠筋にあたる大滝詠一さんのナンバー。1997年のシングル・チューンからいきましょう。まだ歌詞ができあがっておらず、曲タイトルもついていなかったときにこの曲のアレンジを依頼されたアキラさんは、ご自分が考案したイントロの冒頭フレーズの音列が映画『ウエストサイド物語』の挿入歌「トゥナイト」と同じあることから、譜面に“Tonight”と記してきたのが“アキラの音楽的ルーツを表わしていてとても印象的だった”と、生前、大滝さんが楽しそうにおっしゃっていたことを思い出します。
2. 素直になりたい / ハイ・ファイ・セット

続いては1984年、ハイ・ファイ・セットのシングル・ナンバーです。作詞作曲:杉真理、編曲:井上鑑。
3. 夏のクラクション / 稲垣潤一

アキラさんは自らソロ・アーティストとして1980年代アタマに東芝EMIからアルバム・デビューを飾った当時、EMIの“ニューウェイヴ4人衆”のひとりとしてプロモーションされていました。その4人衆の顔ぶれはアキラさんの他、安部恭弘、鈴木雄大、そして稲垣潤一。というわけで、その稲垣さんの曲、いってみましょう。作詞:売野雅勇、作曲:筒美京平、編曲:井上鑑という必殺のラインアップで制作された1983年の名曲です。
4. CURTAIN CALL / 杏里

アキラさんのプロデュースの下、1986年にロンドン・レコーディングされた杏里さんのアルバム『TROUBLE IN PARADISE』より。作詞:真沙木唯、作曲:佐藤博、編曲:井上鑑。
5. The Stardust Memory / 小泉今日子

1984年にキョンキョンが放ったナンバーワン・ヒット。作詞:高見沢俊彦&高橋研、作曲:高見沢俊彦、編曲:井上鑑。
6. 出航 SASURAI / 寺尾聰

1981年の日本のポップ・シーンを代表する特大ヒット・アルバムといえば大滝詠一の『ロング・バケーション』と寺尾聰の『リフレクションズ』。アキラさんはこの両方にがっつり深く関わっていて、当時、この人ほんとすごいなと思わせてくれたものですが。そのうちのひとつ、寺尾聰さんの『リフレクションズ』の収録曲を。今なおテレビのCMイメージソングとして親しまれている名曲です。作詞:有川正沙子、作曲:寺尾聰、編曲:井上鑑。
7. Tシャツに口紅 / ラッツ&スター

アキラさんは本当に大滝詠一作品に欠かせない存在でした。今回も大滝さん絡みの曲だけで12曲選んじゃおうかなと思ったほど。薬師丸ひろ子の「探偵物語」とかもいいなぁ、ナイアガラ・フォール・オヴ・サウンド・オーケストラルもいいなぁ…と、あれこれ楽しく悩んだ末、やっぱりこの曲は外せないなとラッツの曲、選ばせていただきました。作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一、編曲:井上鑑。1983年のヒットです。
8. 旅立ちはフリージア / 松田聖子

1988年のヒットです。作詞は聖子ちゃん自身、作曲:タケカワユキヒデ、編曲:井上鑑。
9. 渡り鳥 はぐれ鳥 / 沢田研二

続いては1984年のナンバー。作詞:三浦徳子、作曲:新田一郎、編曲:井上鑑。新田さんらしいブラス・ロックです。
10. 静かにきたソリチュード / 今井美樹

1988年のナンバー。作詞:戸沢暢美、作曲:中崎英也、編曲:井上鑑。ちょっぴりソウル系?
11. SAND BEIGE -砂漠へ- / 中森明菜

聖子ちゃん、キョンキョン、そして明菜。1980年代アイドルにとってもアキラさんは欠かせないアレンジャーさんだったわけですが。これは明菜ちゃんが1985年にリリースしたシングル・チューン。作詞:許瑛子、作曲:都志見隆、編曲:井上鑑。エキゾチックにキメてます。
12. 輝きたいの(アルバム・ヴァージョン) / 遠藤京子

井上鑑アレンジ特集、最後はぼくが個人的にも大好きなシンガー・ソングライター、遠藤京子(現・響子)さんの曲を。この曲はもともと1983年にテレビドラマの主題歌としてシングル・リリースされたもので、そのシングルは鈴木茂さんのアレンジでした。が、1985年にアルバム『夢見るスター』に収められる際、井上鑑さんのアレンジで再録音。そちらのアルバム・ヴァージョンで今回のプレイリストを締めくくりましょう。作詞作曲:遠藤京子、編曲:井上鑑。

解説:萩原健太

井上鑑さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第309回 萩原健太のotonanoラジオ#191

2023/05/30 公開

井上鑑さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

井上鑑さんをゲストに迎えて(その1)

1.

井上鑑

DIA

『RHAPSODIZE』

井上鑑さんをゲストに迎えて(その1)

2.

井上鑑

Woodstock Lost (feat. 吉田美奈子)

『RHAPSODIZE』

井上鑑さんをゲストに迎えて(その1)

3.

井上鑑

Let the Water Flow

『RHAPSODIZE』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#191

『バルトークの影~AKIRA INOUE極私的ベスト!since 1982』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. バルトークの影 / 井上鑑

井上鑑さんをお迎えして新作アルバム『RHAPSODIZE』についてたっぷりお話をうかがった今週の「otonanoラジオ」。アキラさんのお話はいつもクールで、深くて、幅広くて、しびれます。来週も楽しみ。というわけで、今週のプレイリストはアキラさんが過去リリースしてきた多彩なアルバム群からそれぞれ1曲ずつ、ぼくの好きな曲をセレクトした極私的ベストです。残念ながらストリーミングされていない作品もいくつかあって、その辺は仕方なく省いていますが、ざっくりアキラさんのソロ・パフォーマーとしての歩みを振り返っていただけるか、と。まずは1982年にリリースされた初ソロ・アルバム『PROPHETIC DREAM〜予言者の夢』から。そのオープニングを飾っていたナンバーです。いきなりスティーリー・ダンみたいな精緻な音に乗せて、バルトークを題材に、ハンガリーへと思いを馳せる曲が飛び出してきて、ぶっとんだっけ。懐かしい。
2. アレサコレサ / Parachute

ソロ・アルバムを出す以前、1981年にアキラさんはウルテク・ミュージシャンが結集した超絶フュージョン・バンド、パラシュートに途中加入。ライヴに、スタジオワークに、大活躍していました。その時期の演奏を。順序は逆になりますが、『PROPHETIC DREAM〜予言者の夢』が出る前年、1981年にリリースされたアルバム『HAERE MAI』より。アキラさん作曲のイキのいいフュージョン・チューンです。このときのパラシュートは林立夫(ドラム)、斉藤ノブ(パーカッション)、マイク・ダン(ベース)、松原正樹(ギター)、今剛(ギター)、安藤芳彦(キーボード)、井上鑑(キーボード)というめくるめく顔ぶれでした。
3. 夏の夜の夢: オースゴールストランの海辺 / 井上鑑

1982年にリリースされたセカンド・ソロ・アルバム『CRYPTOGRAM』より。その後、アキラさんの第二の拠点となるロンドンで初めてレコーディングされた1枚でした。
4. リンダ・ラルー (ラムの大通りにて) / 井上鑑

1983年リリースのソロ・アルバム『SPLASH』より。みずみずしいワルツへと流れ込んでいくまでの展開もなんだか魅力的。
5. A MOMENT IN A MORNING / 井上鑑

アキラさんに加え、ジョン・ギブリン(ベース)、アラン・マーフィー(ギター)、今剛(ギター)、山木秀夫(ドラム)が参加したプロジェクトによる1985年のアルバム『架空庭園論』より。冒頭の女性たちのおしゃべりも興味深い。加工されていて内容全然入ってこないけど(笑)。
6. アポカリプス戦線 / 井上鑑

過去の作品群からピックアップした曲たちを新たに書き下ろしたインタールードでつないだ1986年の変則ベスト・アルバム『UNDULATION』より。本曲はボーナス・トラックとして収録されていた2曲のアルバム未収録楽曲のうちのひとつです。
7. 遠い波 / 井上鑑

1986年に書籍+CDという形でリリースされた『TOKYO INSTALLATION』の収録曲を。エレクトロニック音楽と和楽器がイマジネイティヴに交錯する意欲作でした。
8. LOVE SONG / 井上鑑&デヴィッド・ローズ

ピーター・ゲイブリエルとのタッグでおなじみのギタリスト、デヴィッド・ローズとの連名で1989年にリリースされたアルバム『HEAD,HANDS AND FEET』より。
9. Motion In Emotion / 井上鑑

その他、1980年代末にはスウィッチ・レーベルなどからもいくつか傑作アルバムをリリースしているものの、ストリーミングされていないので一気に2001年へ。ボブ・ディランやレッド・ツェッペリンのナンバーのカヴァーなども含む初のピアノ・ソロ・アルバム『OPHELIA~12の物語に捧げる12のピアノ曲~』から、心洗われる1曲を。
10. Centrifugal Focus / 井上鑑

2006年、チャド・ブレイクにミックスを依頼した名盤『CRITERIA』から。吉田兄弟の津軽三味線がファンキーにグルーヴします。
11. 和音 (Resonator) / 井上鑑

2017年、『CRITERIA』から11年ぶりにリリースされたソロ・アルバム『OSTINATO』からのナンバー。これもチャド・ブレイクのミックス。デヴィッド・ローズ、ジョン・ギブリン、ジェフ・ダグモア(ドラム)、山木秀夫(ドラム)、高水健司(ベース)、今剛ら内外の名手が参加したアキラさんならではの充実しまくりの1枚でしたが、そこからあえてぐっと地味目の1曲をセレクトしてみました。しみます。
12. ブラームスの子守歌 / 井上鑑

最後は2021年にリリースされた企画アルバム『私たちの大切なうた1〜ダニーボーイ』より。コロナ禍、なかなか大きな声を出すことができない状況にあって、それでも好きな曲を口ずさみたいという思いを満たすために企画された超おなじみの名曲集でした。今回はブラームスの美しい旋律を。

解説:萩原健太

井上鑑さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第308回 萩原健太のotonanoラジオ#190

2023/05/23 公開

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その2)

今週のオンエア曲

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その2)

1.

山下達郎

THIS COULD BE THE NIGHT

『GO AHEAD!』

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その2)

2.

山下達郎

HEY THERE LONELY GIRL

『IT'S A POPPIN' TIME』

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その2)

3.

山下達郎

ピンク・シャドウ

『IT'S A POPPIN' TIME』

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その2)

4.

山下達郎

時よ

『IT'S A POPPIN' TIME』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#190

『That’s My Desire~山下達郎Covers オリジナル・ヴァージョン集』

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1. ピンク・シャドウ / ブレッド&バター

 先週に引き続き、山下達郎さんが1976年から1982年、RCA/AIRレコード在籍中に残したアルバム群をアナログLPおよびカセットテープで復刻する“TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection”シリーズに注目して特集をお送りした今週の『otonanoラジオ』。先週は達郎さんが他アーティストに提供した楽曲のセルフ・カヴァー・ヴァージョンを特集しましたが、今週は達郎さんがこの時期にアルバムでカヴァーした他アーティストの楽曲を集めてお届けしました。シンガーとしての達郎さんの魅力をたっぷり味わっていただけていればうれしいです。というわけで、今週のプレイリストも達郎さんのカヴァー・ヴァージョン絡み。達郎さんがアルバムで、あるいはライヴで、いろいろな形でカヴァーしてきた他ソングライターによる楽曲のオリジナル・ヴァージョンを集めて並べてみました。達郎さんの音楽の好みのようなものが垣間見られて興味深いと思います。
 本当は今週の番組でも1曲目にかけた「ジス・クッド・ビー・ザ・ナイト」で始めたかったんですが、この曲のオリジナル・アーティストであるMFQのヴァージョンがストリーミングされていなくて。まあ、作者であるハリー・ニルソンのデモ・ヴァージョンとか、ブライアン・ウィルソンによる後年のカヴァー・ヴァージョンとかはあるんですが、それもどうかなぁ…と思って、今回は見送り。番組の3曲目にかけたこっちの曲のオリジナル・ヴァージョンでプレイリストをスタートしましょう。達郎さんが1978年の2枚組ライヴ・アルバム『イッツ・ア・ポッピン・タイム』でカヴァーしていた名曲です。ブレッド&バターが1974年にリリースした名作アルバム『Barbecue』の収録曲です。シングル・ヴァージョンもありますが、今回はよりかっこいいアルバム・ヴァージョンのほうで。
2. New York's A Lonely Town / The Tradewinds

 続いては1991年のアルバム『アルチザン』で達郎さんがカヴァーしていた「Tokyo's A Lonely Town」。これ、元々はトレィドウインズが1965年にヒットさせた「ニューヨークは淋しい町(New York's A Lonely Town)」という曲でした。それを後年、デイヴ・エドモンズが地名をロンドンに置き換え「London's A Lonely Town」としてカヴァーしたことがあって。それに倣い、達郎さんは「Tokyo's A Lonely Town」としてカヴァーした、と。そういう洒落心に満ちたカヴァー劇でした。ということで、大元になっているトレイドウィンズのヴァージョンをどうぞ。
3. Guess I'm Dumb / Glen Campbell

 達郎さんが1983年のアルバム『メロディーズ』でカヴァーしていた名曲。ラス・タイトルマン作詞、ブライアン・ウィルソン作曲によるグレン・キャンベル、1965年のシングル・ナンバーです。
4. 指切り / 大滝詠一

 達郎さんがシュガー・ベイブの一員としてデビューする前、1974年にニッポン放送のスタジオで録音した、いわゆる“LFデモ”でカヴァーしていたナンバー。シュガー・ベイブのファースト・アルバムのプロデュースを手がけることになっていた大滝詠一師匠のファースト・ソロ・アルバム、1972年の『大瀧詠一』に収められていた作品です。
5. Hey There Lonely Girl / Eddie Holman

 「ピンク・シャドウ」同様、2枚組ライヴ・アルバム『イッツ・ア・ポッピン・タイム』で達郎さんがカヴァーしていた曲。番組でもお伝えした通り、もともとは女性シンガー、ルビー・ナッシュをフィーチャーしたヴォーカル・グループ、ルビー&ザ・ロマンティックスが1963年にリリースした「ヘイ・ゼア・ロンリー・ボーイ」という曲がオリジナルですが、達郎さんはそれを1969年、「ヘイ・ゼア・ロンリー・ガール」と改題してリバイバル・ヒットさせたエディ・ホールマンのヴァージョンを元にカヴァーしていました。ということで、そのエディ・ホールマン・ヴァージョンを。
6. Can't Take My Eyes Off You / Frankie Valli

 達郎さんは近年のライヴでもツアーごとにお気に入り曲をひとつずつカヴァーして聞かせてくれていますが、2015年から2016年にかけてのツアーではこの曲を歌っていました。そのときの音源はシングル「チア・アップ! ザ・サマー」のカップリングとして世に出ていますが。もともとはフォー・シーズンズのリード・シンガーとしておなじみのフランキー・ヴァリが1967年に放ったソロ・ヒット。1980年代にはボーイズ・タウン・ギャングによるカヴァー・ヴァージョンもディスコで大ヒットしましたが、達郎さんはもちろんフランキー・ヴァリのオリジナル・ヴァージョンを下敷きに気持ちよさそうにカヴァーしていました。
7. It's Not Unusual / Tom Jones

 これも2017年のコンサート・ツアーで達郎さんが気持ちよさそうにカヴァーしていた1曲。1965年にトム・ジョーンスがヒットさせたナンバーです。邦題は「よくあることさ」。
8. Oh, Pretty Woman / Roy Orbison

 この曲は学生時代から達郎さんお得意のレパートリーだったようで、ご自身でDJをつとめるFM番組で歌ったり、ファンクラブ向けのスペシャルCDでカヴァーしたり、コンサート・ツアーでも披露したり、機会があるごとによくカヴァーしている曲。1982年のヴァン・ヘイレンによるカヴァー・ヴァージョンもおなじみですが、達郎さんが下敷きにしているオリジナル・ヴァージョンは1964年にロイ・オービソンが全米1位に送り込んだこのヴァージョンです。
9. 二人の夏 / 愛奴

 浜田省吾さんがソロ・デビュー前に在籍していたバンド、愛奴が1975年にリリースしたファースト・シングル。達郎さんは1994年のコンサート・ツアー“TATSURO YAMASHITA Sings SUGAR BABE”でカヴァー。そのときの音源をシングル「世界の果てまで」のカップリングとしてリリースしています。ちなみにこの曲、間奏にビーチ・ボーイズの「サマー・ミーンズ・ニュー・ラヴ」が引用されていて、愛奴ヴァージョンではそのコード進行などがちょっと曖昧に変更されていたのですが、達郎ヴァージョンではビーチ・ボーイズのオリジナル・ヴァージョンをそのまま完コピで再現。超マニアックな達郎さんらしさが爆発していました。
10. Groovin' / The Young Rascals

 達郎さんのフェイヴァリット・アーティストのひとつ、ラスカルズが1967年に放った全米ナンバーワン・ヒット。達郎さんはこの曲をまず1979年のサントラ・アルバム『限りなく透明に近いブルー』でカヴァー。その後、自身のFM番組のために改めてカヴァーして、そのヴァージョンが1991年のアルバム『アルチザン』に収録されました。
11. 時よ / 吉田美奈子

 もう1曲、番組でもかけた『イッツ・ア・ポッピン・タイム』収録曲のオリジナル・ヴァージョンを。『…ポッピン・タイム』にもコーラスで参加していた吉田美奈子さんが1978年にリリースしたアルバム『LET'S DO IT -愛は思うまま-』からのナンバーです。といっても、実はこのアルバム、『…ポッピン・タイム』のちょっと後に出ているため、厳密にはどっちがオリジナル・ヴァージョンなのか、微妙ですが。いずれにしても1970年代後半の達郎さんと美奈子さんは、ぼくたち当時の若き音楽ファンにとって大いなる希望の星でありました。
12. That's My Desire / The Belmonts

 そして最後は、達郎さんのコンサートの締めの1曲として流れるこの曲を。1980年リリースのドゥーワップ・カヴァー・アルバム『オン・ザ・ストリート・コーナー』のために録音したひとり多重コーラス・ヴァージョンがコンサートのエンディングで使われています。もともとは1930年代に作られたスタンダード・ナンバー。以来、ルイ・アームストロングからエディ・コクラン、ホリーズまで、多彩なアーティストが歌ってきましたが、ドゥーワップとしては1957年のザ・チャネルズのヴァージョンがおなじみです。が、達郎さんはたぶんザ・ベルモンツが1972年にリリースしたこのアカペラ・ヴァージョンじゃないかなぁ…ってことで。このヴァージョンでプレイリストを締めくくりたいと思います。

解説:萩原健太

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第307回 萩原健太のotonanoラジオ#189

2023/05/16 公開

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その1)

今週のオンエア曲

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その1)

1.

山下達郎

LET'S DANCE BABY

『GO AHEAD!』

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その1)

2.

山下達郎

TOUCH ME LIGHTLY

『MOONGLOW』

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その1)

3.

山下達郎

LAST STEP

『CIRCUS TOWN』

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その1)

4.

山下達郎

雲のゆくえに

『RIDE ON TIME』

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その1)

5.

山下達郎

夏への扉

『RIDE ON TIME』

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その1)

6.

山下達郎

MORNING GLORY

『FOR YOU』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#189

『山下達郎Worksスペシャル[提供楽曲集]』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 恋のブギ・ウギ・トレイン / アン・ルイス

山下達郎さんがシュガーベイブを解散して1976年に初のソロ・アルバム『サーカス・タウン』で再スタートを切ってから、1982年、アルバム『フォー・ユー』を大ヒットさせるまで、RCA/AIRレコード在籍期のオリジナル・スタジオ・アルバム6作と、2枚組ライヴ・アルバム1作、そしてグレイテスト・ヒッツ1作、計8作をこの5月から9月にかけて少しずつ、アナログLPやミュージック・カセットで再発していく“TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection”シリーズ。今週の『otonanoラジオ』は、このシリーズで再発される作品群を2週にわたって聞き直していこうという特集、その1回目をお届けしました。テーマは達郎さんが他アーティストに提供した楽曲のセルフ・カヴァー・ヴァージョン。達郎さんはわりと活動初期から他のシンガーへの楽曲提供をしていて。番組でも話した通り、自分で歌うために書くときよりもちょっとだけわかりやすくなるというか、親しみやすくなるというか、そういう感触が素敵だったりします。今回番組でオンエアしたのはそんな提供曲を達郎さん自らが歌ったヴァージョンだったわけですが。こちらのプレイリストでは、それ以外、達郎さん自身は音盤化していない提供楽曲集というのを作ってみました。ライヴではご自身でも歌っている曲はいくつか含まれています。まずは達郎ライヴでもけっこうおなじみのこの曲、1979年暮れにアン・ルイスさんに提供されたナンバーからいきましょう。作詞・吉田美奈子、作編曲・山下達郎によるごきげんなディスコ・チューンです。
2. Dream In The Street / 池田典代

1979年にリリースされた池田典代さんのアルバム『Dream In The Street』はシティ・ポップ系の隠れた名盤として人気の1枚。松岡直也、村上ポンタ、鈴木茂,土屋昌巳、野呂一生ら強力な顔ぶれがバックアップした作品ですが、そのオープニングを飾っていたのが作詞・池田典代、作曲・山下達郎によるこのナンバーでした。達郎さん自身もギターとコーラスで参加しています。
3. 復活Love / 嵐

達郎さんは近藤真彦の「ハイティーン・ブギ」や少年隊の「湾岸スキーヤー」、KinKi Kidsの「硝子の少年」など、ジャニーズ系の楽曲をたくさん手がけているのですが、このあたりなかなか配信もされておらず、今回はほとんど選曲できず。でも、嵐のこの曲だけはストリーミングされていました。2016年のシングル。作詞・竹内まりや、作編曲・山下達郎です。
4. 夏の恋人 / 竹内まりや

奥さま、竹内まりやさんの場合、近年のレパートリーはほぼすべて自作曲になっていますが、活動初期、RCAレコード在籍期には加藤和彦、林哲司、杉真理、細野晴臣、安部恭弘など、他のソングライターたちの曲をたくさん歌っていました。もちろん達郎さんもけっこうたくさんの楽曲を提供。ということで、今回はまりやさんのデビュー・アルバム、1978年の『Beginning』からこの曲を。作詞作曲・山下達郎、編曲はアル・キャップスです。
5. 真夜中にベルが2度鳴って / EPO

EPOさんといえば、達郎さんがシュガー・ベイブを率いて活動していた時期の代表曲「ダウンタウン」のカヴァーでもおなじみですが。そんな彼女が1981年にリリースしたアルバム『JOEPO〜1981KHz』より、作詞・EPO、作編曲・山下達郎によるこの曲を。
6. シャンプー / 山下久美子

この曲ももともとは1979年、アン・ルイスさんに提供された楽曲。それを山下久美子さんが1981年、サード・アルバム『雨の日は家にいて』でカヴァーしたヴァージョンを聞いてください。作詞・康珍化、作曲・山下達郎、編曲・石田長生。
7. WOMAN / フランク永井

これはリリース当時、大いに話題になりました。歌謡曲の大御所、フランク永井への提供曲。フランク永井と言えば“低音の魅力”ってことで、達郎さんはやはり低音が魅力的だったアメリカの偉大なジャズ〜ソウル系シンガー、ルー・ロウルズのヒット曲を意識しながらこの曲を仕上げたのだとか。作詞作曲・山下達郎、編曲・山下達郎&乾裕樹による1982年のシングル曲です。
8. センチメンタル・ボーイ / 桜田淳子

桜田淳子が1979年にリリースしたアルバム『PARTY IS OVER』に達郎さんは2曲、提供していました。そのうちのひとつ。作詞・岩沢律、作曲・山下達郎。編曲は初期達郎バンドのギタリストでもあった元ムーンライダーズの椎名和夫さんでした。
9. バイブレイション / 笠井紀美子

日本のプログレッシヴなジャズ・シンガーの草分け、笠井紀美子が1977年にリリースしたアルバム『トーキョー・スペシャル』より。作詞・安井かずみ、作曲・山下達郎、編曲・鈴木“コルゲン”宏昌。
10. 偽りのDJ / ダディ竹千代と東京おとぼけCats

これも1980年の発売当時、ファンの間でけっこう話題になった1枚。超ごきげんな“音態模写”で人気を博したファンキーでパワフルでアヴァンギャルドな実力派バンドのサード・シングルです。作詞は“ダディ竹千代”こと加治木剛、作曲は達郎さん、編曲は“ダニエル茜”こと浦山秀彦。
11. 恋の手ほどき / 吉田美奈子

達郎さんの多くの楽曲に素晴らしい歌詞を提供してきたことでもおなじみ、日本の最強ディーヴァ、吉田美奈子さんにも1970年代、達郎さんはたくさんの曲を提供しています。その中から今回は1978年のアルバム『愛は思うまま』からのナンバーを。このアルバムに達郎さんは3曲提供していますが、そのうちのひとつ。作詞は美奈子さん、作曲は達郎さん、編曲はジーン・ペイジという鉄壁の布陣です。
12. おやすみロージー 〜Angel Babyへのオマージュ〜 / 鈴木雅之

そしてラストは、これまた達郎さんがライヴでよく取り上げている名曲を。マーチンさんが1988年にリリースしたアルバム『Radio Days』より。作詞作曲、編曲、すべて達郎さん。達郎さん自身が多重コーラスでバックアップしています。

解説:萩原健太

山下達郎(RCA/AIR YEARS)特集(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第306回 萩原健太のotonanoラジオ#188

2023/05/09 公開

山下久美子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

山下久美子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

山下久美子

ON THE STREET WHERE YOU LIVE

『JAZZ "N" KUMIKO』

山下久美子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

山下久美子

LADY JEAN

『JAZZ "N" KUMIKO』

山下久美子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

山下久美子

SMILE

『JAZZ "N" KUMIKO』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#188

『LADY×××POP! ~ベスト・オブ・山下久美子|Nippon Columbia Years』

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1. ハードボイルド エッグズ グラタン / 山下久美子

先週に引き続き山下久美子さんのお迎えして、初のジャズ・アルバム『Jazz’n’Kumiko』の特集をお届けした『otonanoラジオ』。楽しかったですねー。ぼくも久々に久美子さんと話ができて、大いに盛り上がりました。というわけで、今回のプレイリストは、ぼくが久美子さんとしょっちゅうお目にかかっていた1980年代、彼女が日本コロムビア・レコードに在籍していた時期のオリジナル・アルバム全12枚それぞれから1曲ずつセレクトした『ベスト・オブ・久美子』健太エディションです。基本的におなじみのシングル曲とかはあえて外した、ぼくの個人的好みまるだしの裏ベスト的セレクション。こういう久美子さんもごきげんです。お楽しみください。ということで、まずは1980年6月発売のデビュー・アルバム『バスルームから愛をこめて』から1曲。作詞・康珍化、作曲・亀井登志夫、編曲・松任谷正隆という布陣によるこの曲からどうぞ。
2. Sweet Slow Samba / 山下久美子

続いては1980年12月発売のセカンド・アルバム『ダンシン・イン・ザ・キッチン』より。作詞・KURO、作曲・西岡恭蔵、編曲・松任谷正隆というナンバーです。
3. どしてもプリーズ / 山下久美子

佐野元春作の「ソー・ヤング」や、今回のジャズ・アルバムでも改めてカヴァーしていた山下達郎作の「シャンプー」などを含む1981年8月発売の初期傑作アルバム『雨の日は家にいて』からは、作詞・康珍化、作曲・岡本一生、編曲・伊藤銀次によるこのナンバーを。
4. EASY TO CHANGE MY LIFE / 山下久美子

1982年4月リリースの『抱きしめてオンリィ・ユー』は、特大ヒット・シングル「赤道小町ドキッ」と同時期に出たアルバム。にもかかわらず、「赤道小町」は入っていないという、なんとも久美子さんらしい、なんというか、こう、ツンデレ? いや、デレツン? な1枚でした。その中から作詞・下田逸郎、作曲・岡本一生、編曲・大村憲司というなかなかにクセ者ぞろいの作家陣による曲をどうぞ。
5. A Silver Girl (ずっと昔から) / 山下久美子

1982年11月リリースのアルバム『Baby Baby』はパンタ、Nobody、大沢誉志幸など興味深い作家陣が参加した1枚でした。そのオープニングを飾っていた佐野元春の作詞作曲ナンバーを聞いてください。編曲は大村憲司。
6. LOVER ステッカー / 山下久美子

1983年7月に出たアルバム『Sophia』は米ニューヨークのレコーディング・スタジオ“ザ・パワー・ステーション”で制作された1枚。プロデュースとギターはヒュー・マクラッケン、ドラムがリック・マロッタ、ベースがトニー・レヴィン、キーボードがドン・グロルニックという強力な顔ぶれがバックアップしていました。その中から、なんとカーリー・サイモンがバック・コーラスに参加したこの曲を。作詞・銀色夏生、作曲・亀井登志夫、編曲はヒュー・マクラッケンです。
7. DOWNTOWN SUNDOWN / 山下久美子

1984年5月リリースの『ANIMA ANIMUS』はアレンジャーに後藤次利を起用したなかなかの問題作。そこから作詞・神沢のりえ、作編曲・後藤次利によるナンバーを。
8. プリテンダー / 山下久美子

前作に引き続き後藤次利が全曲のアレンジを手がけた1985年1月のアルバム『and Sophia's back』より。作詞・神沢のりえ、作曲・斎藤誠。
9. Sweet Pain / 山下久美子

1985年11月リリースのアルバム『BLONDE』は久美子さんにとっていろいろな意味で分岐点となった1枚で。この年に結婚することになる布袋寅泰が全面的に参加していました。まあ、ご存じの通り、のちに二人は別々の道を歩むことになってしまうものの、このアルバムをきっかけに彼らの鉄壁のコンビネーションが生まれたのでした。そんなアルバムから、作詞・あさくらせいら&山下久美子、作曲・有賀啓雄、編曲・吉田建によるこの曲を。
10. Nomore, Rumour / 山下久美子

1986年10月リリースの『1986』は、布袋寅泰がサウンド・プロデューサーとして全面参加した“ロックンロール3部作”の第1弾でした。作詞・山下久美子、作編曲・布袋寅泰。
11. LADY×××POP! / 山下久美子

布袋寅泰との“ロックンロール3部作”第2弾 、1987年7月リリースの『POP』より。プロデューサー・クレジットには今回のジャズ・アルバムのプロデュースも手がけた渡辺康蔵の名前も並んでいます。この曲ももちろん作詞・山下久美子、作編曲・布袋寅泰。
12. LADY JEAN / 山下久美子

そしてラストは今回の『Jazz’n’Kumiko』でもジャズ・アレンジで再演されていたこの曲。1988年6月リリースの“ロックンロール3部作”最終作『Baby alone』の収録曲です。このアルバムを最後に久美子さんはしばし音楽活動を休止。新たなステップめがけて充電期間に入ったのでありました。

解説:萩原健太

山下久美子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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