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第300回 萩原健太のotonanoラジオ#183

2023/04/04 公開

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

今週のオンエア曲

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

1.

古内東子

Soda

『果てしないこと』

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

2.

古内東子

電光石火

『果てしないこと』

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

3.

古内東子

素肌

『果てしないこと』

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

4.

古内東子

果てしないこと

『果てしないこと』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#183

『マイ・フェイヴァリット古内東子 from Album Tracks 1993-2002』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 彼の背中 / 古内東子

古内東子さんをゲストにお招きした『otonanoラジオ』。新作アルバム『果てしないこと』についてあれこれうかがいました。古内さんは何度も番組に出てくださっていて、そのつどいろいろプレイリストを作らせてもらってきたのですが、そういえば古内さんのレパートリーからのベスト選曲っていう基本的なやつをやっていなかったなと今さらながら気づきまして(笑)。今週のプレイリストはそれやります。といっても古内さんのベスト・アルバムとかも普通にストリーミング配信されているので、シングル曲など代表曲はそっちにまかせて。今回はぼくの好きな古内さんのアルバム・トラックを選んでみました。古内さんは2003年、FLIGHT MASTERに移籍するまで、ソニー・レコードにオリジナル・アルバム10作、サントラ1作、カヴァー盤1作…という感じで、ベスト盤以外に12作のアルバムを残しているので、こりゃちょうどいい、と(笑)。その12作から1曲ずつ、年代順にぼくの好きな古内ナンバーを並べました。まずは1993年4月にリリースされたデビュー・アルバム『SLOW DOWN』から「彼の背中」。新たな一歩を踏み出すために別れを決めた女の子の複雑に揺れる思い、みたいな? 大学1年生だったころの東子ちゃんが初々しく歌います。
2. もしかしたら / 古内東子

1992年11月リリースのセカンド・アルバム『Distance』より。おなじみcobaさんのメランコリックなアコーディオンと吉川忠英さんのほのぼのしたウクレレの音色に乗せて、去ってしまった恋人へのなんとも切ない思いを綴ったナンバーを。
3. もっと / 古内東子

1994年のアルバム『Hug』より。つい先日亡くなった有賀啓雄(ベース)と、やはり10年近く前に亡くなった宮田繁男(ドラム)という今は亡き名手二人によるグルーヴがさりげなく素晴らしい。歌われているのはこれまた、思いに反して失ってしまった恋へのやるせない気持ちです。
4. できるだけ / 古内東子

初のニューヨーク録音による1995年のアルバム『Strength』より。オマー・ハキム(ドラム)、ウィル・リー(ベース)、ボブ・ジェイムス(ピアノ)、ニック・モロキ(ギター)らごきげんな顔ぶれがバックアップしています。もちろんこれも失恋の歌で。シングル・カットされたアルバム・タイトル・チューンのシングルのカップリング曲でもありました。
5. 置き去りの約束 / 古内東子

1996年のアルバム『Hourglass』より。日本録音が半分、海外録音が半分という1枚でしたが、この曲は海外もの。ジェイムス・ギャドソン(ドラム)、デヴィッド・T・ウォーカー(ギター)、ジェリー・ヘイ(トランペット)、ポーリーニョ・ダ・コスタ(パーカッション)ら名手を従えての1曲です。もちろん、またまたあきらめきれない恋の終わりが描かれてます。“I know I will keep lovin' you”ってコーラスが切ないっす。
6. ブレーキ / 古内東子

1997年のアルバム『恋』より。これはなんとも複雑な恋の始まりというか、友達から恋人へと変わる曖昧な境界線のようなものを描いた1曲でした。
7. 本当ね / 古内東子

テレビ・ドラマ『オトナの男』の劇中音楽を収録した1997年のサウンドトラック・アルバム『Night and Day』より。遠く離れた恋人への揺れる思い、かな?
8. ぎりぎりまで / 古内東子

1998年の海外録音アルバム『魔法の手』より。新たな恋の始まりの瞬間を迎えながら、なんとも慎重に、必要以上に臆病になってしまっている女の子の心情を、ポール・ハンフリー(ドラム)、デヴィッド・T・ウォーカー(ギター)、レニー・カストロ(パーカッション)らがバックアップしています。
9. 意外と簡単に / 古内東子

1999年のアルバム『winter star』より。カルロス菅野(パーカッション)、前嶋康明(キーボード)らラテン系の名手を従え、さらにエポをデュエット・パートナーに迎えて、熱い恋愛まっただ中のラブラブな女友達に対する思いをちょっとシニカルにぶちまけたナンバー。
10. くすり指 / 古内東子

2000年のアルバム『Dark ocean』より。実にややこしい片想いの形を、中西康晴のピアノに乗せて淡々と綴ります。ちょっとじっとり怖いかも…(笑)。
11. SHOWER ME WITH YOUR LOVE / 古内東子

2001年のカヴァー・アルバム『CRAZY FOR YOU』より。ビートルズ、マドンナ、ホール&オーツ、フィル・コリンズ、アイズレー・ブラザーズ、ギャップ・バンド、ジェッツ、ペブルズ、ワム!などの楽曲を歌いまくった1枚でしたが、その中から今回はサーフィスが1988年に放ったヒットのカヴァーを。
12. あってみたい人 / 古内東子

2002年のアルバム『10stories』より。もう二度と恋なんかしないと頑なに思い込んでいた女の子が、ついに新しい恋にめぐりあって、閉ざしていた心を開こうとしている瞬間を描いたこの曲で古内東子プレイリストを明るく締めくくりましょう(笑)。ここでも中西康晴のエレクトリック・ピアノがごきげんです。

解説:萩原健太

古内東子さんをゲストに迎えて(その1)『果てしないこと』A面

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第300回 萩原健太のotonanoラジオ#182

2023/03/28 公開

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

今週のオンエア曲

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

1.

ムーンライダーズ

SKELETON MOON (Session1)

『Happenings Nine Months Time Ago in June 2022』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

2.

ムーンライダーズ

Work without Method (Session4,Ver2)

『Happenings Nine Months Time Ago in June 2022』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

3.

ムーンライダーズ

Jam No.2 in Z Minor and Major (Session10)

『Happenings Nine Months Time Ago in June 2022』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#182

『追悼プレイリスト|岡田徹が提供したムーンライダーズ楽曲集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Waltz for Postwar.B / ムーンライダーズ

ムーンライダーズの鈴木慶一さんをお迎えした『otonanoラジオ』。今週はライダーズの新作『Happenings Nine Months Time Ago/ in June 20』についてたっぷりお話をうかがいました。全編インプロ。間もなく結成50周年を迎えるライダーズがまだまだ新境地に挑み続けていることを思い知らせてくれる衝撃作でした。ただ、ライダーズ・ファンにとっては悲しいお別れの報せも。去る2月、デビュー以来のオリジナル・メンバーのひとり、岡田徹さんが73歳で他界。というわけで、今週のプレイリストは岡田徹さんを偲びます。ライダーズのアルバムに岡田さんが提供したたくさんの楽曲の中からぼくの好きな12曲をピックアップして並べてみました。ポップさとアヴァンギャルドな感覚とが絶妙なバランスで共存する岡田さんの個性を改めて味わってみてください。 まずは1曲目。2005年のアルバム『P.W Babies Paperback』の冒頭に収められていた短いインスト・ナンバーです。もちろん作曲:岡田徹です。
2. 夕暮れのUFO、明け方のJET、真昼のバタフライ / ムーンライダーズ

続いては2009年のアルバム『Tokyo 7』より。作詞:鈴木慶一、作曲:岡田徹というソングライター・チームによる作品です。
3. 紅いの翼 / ムーンライダーズ

1977年のアルバム『ムーンライダーズ』より。アルバム冒頭を飾っていた人気曲です。作詞・作曲:岡田徹。
4. ハロー マーニャ小母さん / ムーンライダーズ

2011年のアルバム『Ciao!』より。作詞:鈴木慶一・岡田徹、作曲:岡田徹。反核のメッセージを密かに忍ばせた慶一さんの歌詞と、岡田さんによる牧歌的なメロディがイマジネイティヴに交錯する1曲です。
5. スタジオ・ミュージシャン / ムーンライダーズ

岡田さんは鈴木博文さんとのコンビでもたくさんの名曲を残しています。そんな1曲。1978年の名盤『ヌーベル・バーグ』に収められていた作詞:鈴木博文、作曲:岡田徹によるナンバーです。
6. 水の中のナイフ / ムーンライダーズ

これも作詞:鈴木博文、作曲:岡田徹。さまざまな映画のタイトルの下、その映画の架空のサウンドトラックを作るというコンセプトで制作された1980年のアルバム『カメラ=万年筆』より。1962年のロマン・ポランスキー監督作品に触発された1曲です。
7. 9月の海はクラゲの海 / ムーンライダーズ

結成10周年を迎えた1986年にリリースされたアルバム『DON'T TRUST OVER THIRTY』より。メンバー全員が30歳代に突入したことに引っかけて、この皮肉なタイトルがつけられたのだとか。そこに収められていた作詞:サエキけんぞう、作曲:岡田徹というソングライター・チームによる楽曲です。
8. ダイナマイトとクールガイ / ムーンライダーズ

1992年のアルバム『A.O.R. (Adult Only Rock’n Roll)』より。作詞:鈴木慶一、作曲:岡田徹。
9. Vintage wine Spirits, and Roses / ムーンライダーズ

2006年のアルバム『MOON OVER the ROSEBUD』より。これも作詞:鈴木慶一、作曲:岡田徹の作品です。
10. G.o.a.P / ムーンライダーズ

作詞:鈴木慶一、作曲:岡田徹の作品をさらに。1984年のアルバム『アマチュア・アカデミー』の収録曲です。
11. さよならは夜明けの夢に / ムーンライダーズ

こちらは作詞:鈴木博文、作曲:岡田徹。1977年のアルバム『イスタンブール・マンボ』より。
12. ウェディング・ソング / 鈴木慶一とムーンライダーズ

そして最後は、ぼくが個人的にいちばん好きな岡田徹作品。まだ“鈴木慶一とムーンライダーズ”名義でリリースされたファースト・アルバム、1975年の超名盤『火の玉ボーイ』から、作詞:鈴木慶一&岡田徹、作曲:岡田徹による名曲です。あがた森魚さんのヴァージョンでもおなじみかも。岡田さん、素敵な曲をたくさんたくさんありがとうございました。

解説:萩原健太

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その2)インプロビゼーション特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第299回 萩原健太のotonanoラジオ#181

2023/03/21 公開

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

今週のオンエア曲

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

1.

大滝詠一と鈴木慶一(冗談ぢゃねーやーず)

ゆうがたフレンド (USEFUL SONG)

『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

2.

大滝詠一

いかすぜ!この恋

『大瀧詠一 乗合馬車 (Omnibus) 50th Anniversary Edition』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

3.

No Lie-Sense

チョンボマンボ

『駄々録〜Dadalogue』

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

4.

デーボ

ビックリハウス音頭(take 4)

『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#181

『Monster Mash ~音だけ聞いても楽しめるノヴェルティ・ソング集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Monster Mash / Bobby "Boris" Pickett & The Crypt-Kickers

鈴木慶一さんを迎えてノヴェルティ・ソングをめぐって思いきり盛り上がった今週の『otonanoラジオ』、いかがでしたか? 慶一さんが今回ヴァーチャル・デュエットで参加した大滝詠一さんもこのノヴェルティ・ソングってやつが大好きで。誰よりも深く研究していらっしゃいましたが。日本ではなかなかこのノヴェルティ・ソングというものの実体が理解されていない感触もあり。単なるコミック・ソングとはちょっと違うその魅力を少しでも体感していただくため、今週のプレイリストは本場米国のノヴェルティ・ソング特集です。といっても代表的なノヴェルティ・ソングの中には歌詞に重きを置いたものも多く、音だけ聞いているとフツーだったりするものもあるので、今回は歌詞を抜きにして音だけ聞いても楽しめるものを中心にセレクトしてみました。まずは1962年にリリースされて以来、ハロウィーンを盛り上げる定番曲として長く愛され続けているこの曲から。マッド・サイエンティストが作り上げたモンスターが、ある夜、起き出して“モンスター・マッシュ”なる新しいダンスを披露するというごきげんなロックンロール。狼男やドラキュラたちとパーティで大いに盛り上がります。1962年の全米ナンバーワン・ヒット。
2. Stayin' Alive / Jonathan & Darlene Edwards

ノヴェルティ・ソングには“ヘタ歌”ものというのがあって。その最高峰。といっても実際に歌っているのは歌のうまさにかけては定評のあるジャズ・ヴォーカリスト、ジョー・スタッフォード。彼女は歌がうますぎてレコーディングのとき予定よりも早く歌入れが終わってしまい、スタジオ時間が余ってしまうことが多かったのだとか。そんな空き時間に夫であるアレンジャーのポール・ウェストンとともにお遊びで演じたのが“ジョナサン&ダーリー・エドワーズ”という架空の夫婦デュオ。ジョー・スタッフォードが完璧な歌唱力を駆使して絶妙に下手な歌を歌い、ポール・ウェストンがこれまた絶妙にキーボードでちょっとだけミスタッチをして音を外しながら、なんとも気持ちの悪い世界を作り上げています。基本的にはジャズ・スタンダードを取り上げることが多いのですが、今回はおなじみ、ビージーズのディスコ・ヒットをカヴァーした1979年の音源を。最高に気持ち悪いっすよ(笑)。
3. Banana Boat (Day-O) / Stan Freberg

ノヴェルティ・ソングの王者といえば、1950年代に20曲近い全米ヒット・シングルを放ったこの人、スタン・フリーバーグです。これは1957年のヒット。ハリー・ベラフォンテでおなじみ「バナナ・ボート」のレコーディング風景をコント仕立てにしたものです。ベラフォンテ並みに声がでかいのが売りのジャマイカ人シンガーが歌っていると、ビートニクスを気取ったボンゴ奏者とモメまくる。毒グモのことを描いた歌詞を歌うなとか、声がでかすぎるとか、あれこれ文句をつけまくった結果、シンガーはなんとスタジオの外に出て歌うことになってしまい、最後はなんと…? というストーリー。お楽しみください。
4. The Flying Saucer / Buchanan & Goodman

番組の中でかかった大滝詠一「いかすぜこの恋」は、エルヴィス・プレスリーの曲のレパートリーのタイトルをずらっと並べて、なんとなくストーリーを組み立てて歌ったものでしたが、このブキャナン&グッドマンの1956年の大ヒット曲「ザ・フライング・ソーサー」は、当時のヒット曲のフレーズをちょっとずつつなぎ合わせて、空飛ぶ円盤が地球を襲撃するどたばたニュースを綴ったもの。全米3位まで上昇する大ヒットを記録しました。ブキャナン&グッドマンはこの後も同じ手法でたくさんのノヴェルティ・ヒットを飛ばしています。
5. Gitarzan / Ray Stevens

この人もたくさんノヴェルティ・ヒットを誇るレイ・スティーヴンス。無数の代表曲の中から、今回は1969年のヒット「ギターザン」を。ちょうどその当時ヒットしていたジェリー・リードの「ギター・マン」に、“ア〜アア〜”のシャウトでおなじみ、ジャングルの王者、ターザンを引っかけたファンキーなノヴェルティ・ソングです。他にも「スウィンギング・オン・ア・スター」とか「ハニー・チャイル」とかヒット曲の要素を引用しながら、ターザンと、パートナーのジェーンと、マスコットの猿であるチーターとが賑やかに掛け合います。当時見事に全米トップ10入りを果たしました。
6. Delicious / Jim Backus

人気俳優ジム・バッカスが1958年に放った、これまた強力なノヴェルティ・ヒット。酔っ払うと何でもかんでもおかしくなって笑いが止まらなくなることがありますが。とにかくそれをえんえんやっただけの曲。男女がおしゃれなバーでシャンパンを飲みながらただただ言葉を交わして笑い合っていて。聞いているこちらまでつられて笑いの渦に巻き込まれていく、という、とんでもない名演です。
7. Disco Duck / Rick Dees & His Cast of Idiots

米メンフィスのディスクジョッキーだったリック・ディーズが、1976年、当時のディスコ・ミュージック・ブームを皮肉るような形でリリースしたノヴェルティ・ディスコもの。ダンス・パーティに参加した男が、アヒルのような珍妙なダンスを披露していたら、それがディスコで大当たりしてしまった、みたいなくだらない内容です。ディスコ・ビートに乗って繰り出されるドナルド・ダックみたいな声が大受けして、全米ナンバーワンに輝きました。
8. Hello Muddah, Hello Faddah (A Letter from Camp) / Allan Sherman

クラシック音楽を素材にしたノヴェルティものの代表作です。メロディはポンキエッリのオペラ『ラ‐ジョコンダ』より「時の踊り」。そこにとある少年が両親宛に綴った手紙の文面を乗せて歌っています。内容は、キャンプ・グラナダなるとんでもないサマー・キャンプ場で、キャンプ仲間が行方不明になったり、とんでもない病気にかかったり、散々な目に合っているというもの。しかし、やがて雨がやんで楽しい日々が始まって、文面の最後、この手紙のことは忘れてください…と締めくくられます。1963年に全米2位にランクしました。
9. Cocktails For Two / Spike Jones & His City Slickers

日本のコミック・バンドの草分け、ハナ肇とクレイジーキャッツもお手本にしていたコミック・バンドの帝王、スパイク・ジョーンズ&ヒズ・シティ・スリッカーズの音源もひとつ。おなじみのスタンダード・ナンバー「カクテル・フォー・トゥー」を題材に、楽器じゃない道具を楽器のように使いながら、効果音満載のヴァージョンへと生まれ変わらせています。これぞノヴェルティ・ソングの基本形。1944年に全米4位にランクしました。
10. Tip Toe Thru' the Tulips With Me / Tiny Tim

“変顔”ならぬ“変声”もノヴェルティ・ソングの大きな武器。ウクレレを弾きながら独特のファルセットであらゆる曲を歌いこなすタイニー・ティムも“変声”の代表選手でしょう。1920年代に作られたおなじみのナンバーを1968年にカヴァーして大ヒットさせました。
11. Constipation Blues / Screamin' Jay Hawkins

ブルースの怪人、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスにも名作ノヴェルティ・ナンバーが多いのですが。中でも、1969年にリリースされたこの曲は超強力。「便秘のブルース」という直訳タイトルで当時日本盤シングルも出ていました。“世の中には愛とか、失恋とか、孤独とかを歌った曲がたくさんあるけれど、誰も本当の痛みについて歌ったことはない。俺がそれを聞かせてやる”という前口上に続いて、本格的なブルース演奏がスタート。それに乗って、“うおーっ!”とか“レット・イット・ゴー!”とか“ペイン・ダウン・インサイド”とか“スプラッシュ!”とか、力みまくり、とんでもないシャウトを繰り出すナンバーです。お食事時は避けてお聞き下さい。内容はともあれ、一級品のブルース・ナンバー!
12. They're Coming To Take Me Away, Ha-Haaa! / Napoleon XIV

レコーディング・エンジニアのジュリー・サミュエルズが、ナポレオンの末裔“ナボレオン14世”を名乗って1966年にお遊びで録音した1曲。愛犬に去られた男が精神に異常をきたしてクレイジーな世界へと突入していく、なんともイカれたナンバーで、当時ことごとく放送禁止処分を受けたものの、それがまた話題を呼び全米3位にランクすることになった最強、いや最凶、いやいや最狂のノヴェルティ・ソングです。邦題は「狂ったナポレオン,ヒヒ,ハハ…」。ヴァリ・スピードを駆使したレコーディングがいかにもエンジニアならではです。

解説:萩原健太

鈴木慶一(ムーンライダーズ)さんをゲストに迎えて(その1)ノヴェルティ・ソング特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第298回 萩原健太のotonanoラジオ#180

2023/03/14 公開

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

今週のオンエア曲

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

1.

シーナ&ロケッツ

ROUGHNECK BLUES

『HAPPY HOUSE』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

2.

シーナ&ロケッツ

フリクション・ドライブ

『NEW HIPPIES』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

3.

シーナ&ロケッツ

MAKOTO IS MY LOVE (TOMORROW BEACH)

『@ heart』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

4.

ジェフ・ベック・グループ

迷信嫌い

『トゥルース』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

5.

ベック・ボガート&アピス

アイム・ソー・プラウド

『ベック・ボガート&アピス』

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

6.

ジェフ・ベック・アンド・ジョニー・デップ

ドント・トーク

『18』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#180

『I’m So Proud ~ジェフ・ベックのカヴァー・プレイ集』

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1. She's A Woman / Jeff Beck

鮎川誠、そしてジェフ・ベック。日英を代表するグレイトなギタリストの追悼特集をお届けした「otonanoラジオ」。お二人とも、ギターという楽器を身体の一部として一体化させたようなプレイが印象的でした。心からご冥福をお祈りします。鮎川さんに関しては悲報が届いた直後、ぼくのブログのほうで追悼プレイリストを上げさせてもらいました。シーナ&ザ・ロケッツのナンバーの中からぼくが大好きな鮎川さんのギター・プレイを堪能できる曲をセレクトしたもの。もしよろしければそちら(https://apple.co/3JsDLjQ)も聞いてみてください。というわけで、こちらのプレイリストではジェフ・ベックのプレイにスポットを当てます。番組でもラストに、ベックがギターで見事にカヴァーしたビーチ・ボーイズ作品「ドント・トーク」をお送りしましたが、ぼくは彼のカヴァー・ヴァージョンが大好き。本当に幅広いジャンルの曲を、まさに彼の“声”とも言うべきギターで見事に“歌いこなして”みせる感じが、もう究極です。そんなカヴァーものの中から12曲だけピックアップして並べてみました。まずはビートルズのナンバーから。ビートルズの育ての親でもあるジョージ・マーティンにプロデュースを依頼した1975年の大傑作アルバム『ブロウ・バイ・ブロウ』に収められていた名演です。
2. People Get Ready / Jeff Beck with Rod Stewart

1985年のアルバム『フラッシュ』より。かつてジェフ・ベック・グループのリード・ヴォーカルをつとめていた旧友ロッド・スチュワートと再タッグを組んで、カーティス・メイフィールドが作ったインプレッションズのゴスペルライクなヒット曲をソウルフルにカヴァーしてみせました。
3. Hound Dog / Jeff Beck & Jed Leiber

1992年にリリースされた映画『ハネムーン・イン・ベガス』のサントラ・アルバムより。“史上初のブルー・アイド・ソウル・ブラザー”の異名をとる偉大なプロデューサー/ソングライター・チーム、リーバー&ストーラーが黒人女性シンガー、ビッグ・ママ・ソーントンに提供した名曲です。この曲はエルヴィス・プレスリーのヴァージョンが大ヒットしていて、ジェフ・ベックもそのエルヴィス・ヴァージョンをまるまるインストに置き換えてカヴァー。歌の部分はもちろん、途中のギター・ソロまでフル・コピーしていて、超ごきげんです。作者のひとり、ジェリー・リーバーの息子であるジェド・リーバーとの共演でした。
4. Tonight I'll Be Staying Here with You / Jeff Beck Group

第二期ジェフ・ベック・グループが1972年にリリースしたアルバム『ジェフ・ベック・グループ』から、ボブ・ディランの作品「今宵はきみと」のカヴァー。
5. Love Is Blue (L'amour Est Bleu) / Jeff Beck Group

後年、プッチーニの歌劇『トゥーランドット』のアリア「誰も寝てはならぬ」までドラマチックにカヴァーして、とてつもない音楽的な幅を見せつけてくれたジェフ・ベックですが。その幅広さは活動初期から不変。1968年に本曲、ポール・モーリア楽団が全米1位に送り込んだ哀愁のイージー・リスニング・ナンバー「恋はみずいろ」をカヴァーしてシングル・ヒットさせています。ブルース・ロックとかフュージョンとかだけじゃない。あらゆるジャンルの素晴らしい音楽をジェフ・ベックはぼくたちに紹介し続けてくれたのでした。
6. Race With The Devil / Jeff Beck & The Big Town Playboys

ジェフ・ベックが子供のころから憧れていたロックンロール・ギタリストのひとり、クリフ・ギャラップへの敬愛をぶちまけた1993年のアルバム『クレイジー・レッグス』より。ギャラップがリード・ギタリストをつとめていたジーン・ヴィンセント&ザ・ブルー・キャップスが1956年に放ったヒットのカヴァーです。ヨーロッパで人気のネオ・ロカビリー・バンド、ビッグ・タウン・プレイボーイズを従えて、これまたフル・コピーで聞かせています。
7. I'm So Proud / Beck, Bogert & Appice

元ヴァニラ・ファッジの超強力リズム・セクション、ティム・ボガート&カーマイン・アピスと組んだベック、ボガート&アピスとして1973年にリリースした唯一のスタジオ・アルバム『ベック、ボガート&アピス』より。前出「ピープル・ゲット・レディ」同様、インプレッションズがヒットさせたカーティス・メイフィールド作品のカヴァーです。
8. Sleep Walk / Jeff Beck

1985年、映画『ポーキーズ・リヴェンジ』のサントラ盤から。サント&ジョニーの古いインスト・ヒットのカヴァー。オリジナル・ヴァージョンのスティール・ギターのニュアンスをベックが見事に再現して聞かせます。
9. How High The Moon(Live) / Jeff Beck

ジェフ・ベックにとってのギター・ヒーローは、前出、クリフ・ギャラップとか、エルヴィス・プレスリーのバック・バンドの一員だったスコッティ・ムーアとか、初期ロックンロールのギタリストが多いのですが。実はロックンロール以前の名ギタリスト、レス・ポールからの影響もとても強いです。ヤードバーズ時代の名演として知られる「ジェフズ・ブギー」とか、もろにレス・ポールのフレージングを真似していました。と、そんな尊敬するレス・ポールのレパートリーをカヴァーしたのが本曲。2010年のライヴ・ヴァージョンですが、オリジナルのレス・ポール&メアリー・フォードのヴァージョン同様、イメルダ・メイの多重コーラスを舞台上のテープレコーダーで再生しながらのパフォーマンスです。
10. Hi-Heel Sneakers / Jeff Beck & Jed Leiber

前出「ハウンド・ドッグ」でも共演していたジェド・リーバーとのレコーディングをもうひとつ。日本では『ウェルカム・トゥ・サイゴン』なる邦題で映画公開された1992年の豪TVミニ・シリーズのサントラ・アルバム 『フランキーズ・ハウス』より。R&Bシンガー、トミー・タッカーのヒット「ハイヒール・スニーカーズ」を、またまたイントロのギター・フレーズからフル・コピーで聞かせます。
11. Over The Rainbow / Jeff Beck

「誰も寝てはならぬ」も収められていた2010年のアルバム『エモーション・アンド・コモーション』より。1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』に主演したジュディ・ガーランドが歌った超名曲です。ベックはハーモニクスのロング・トーンを鳴らしたまま、ギターのトレモロ・アームだけ使って音程をコントロールするなど、超絶テクニックを駆使しながら感動的に聞かせます。
12. Caroline No / Jeff Beck & Johnny Depp

そしてラストは、番組でもオンエアした「ドント・トーク」同様、ビーチ・ボーイズの名盤『ペット・サウンズ』からのナンバーを。ジョニー・デップとの連名でリリースされた2022年のアルバム『18』に収められていたカヴァー・ヴァージョンです。泣けます。

解説:萩原健太

ギター・ヒーローズ! 鮎川誠/ジェフ・ベック特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第297回 萩原健太のotonanoラジオ#179

2023/03/07 公開

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

今週のオンエア曲

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

1.

高橋幸宏

Drip Dry Eyes

『ニウロマンティック〜ロマン神経症〜』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

2.

高橋幸宏

BIJIN-KYOSHI AT THE SWIMMING SCHOOL

『音楽殺人』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

3.

高橋幸宏

THE APRIL FOOLS

『薔薇色の明日』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

4.

Smith

Baby It's You

『A Group Called Smith』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

5.

Love

My Little Red Book

『Love』

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

6.

Burt Bacharach

Please Explain

『At This Time』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#179

『A House Is Not A Home ~バート・バカラックのリード・ヴォーカル・トラック集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. A House Is Not A Home / Burt Bacharach

バート・バカラックと高橋幸宏、今年に入って相次いで亡くなった米日それぞれを代表するポップス・クリエイターの追悼特集をお届けした今週の「otonanoラジオ」。これからも彼らが残してくれた素晴らしい作品をずっと愛し続け、聞き続けていきたいですね。と、そんな思いをプレイリストにも託して、今週はバート・バカラックの特集をお送りします。この人はマジカルな名曲をそれこそ無数に残したソングライターとして超有名なわけですが。実は時折、自らアーティストとしてリリースしたソロ・アルバムやコンサートでちらっとリード・ヴォーカルを聞かせることがありました。特にうまいってわけでもないのですが、ハスキーな、なんとも味わい深い歌声で。ぼくはそれが大好きでした。というわけで、今週のバカラック・プレイリストは彼がリード・ヴォーカルを聞かせているトラックを12曲集めてみました。まずは1967年のアルバム『リーチ・アウト』から。ディオンヌ・ワーウィックやルーサー・ヴァンドロスの名唱でおなじみのこの曲を。
2. Make It Easy On Yourself / Burt Bacharach

1969年のアルバム『メイク・イット・イージー・オン・ユアセルフ』から。そのタイトル・チューンを。ジェリー・バトラーやウォーカー・ブラザーズのヒット曲としておなじみです。
3. Hasbrook Heights / Burt Bacharach

1971年のアルバム『バート・バカラック』から。このバカラック・ヴァージョンがオリジナル。翌年になってからディオンヌ・ワーウィックも取り上げている。
4. Raindrops Keep Fallin' On My Head (Live In Japan, May 7, 1971) / Burt Bacharach

1971年5月7日、今はなき東京・新宿厚生年金会館で行なわれたバカラックの初来日公演の模様を収めたライヴ・アルバム『ライヴ・イン・ジャパン』より。B.J.トーマスが歌って大ヒットした超おなじみの「雨に濡れても」です。
5. Alfie (Live In Japan, May 7, 1971) / Burt Bacharach

『ライヴ・イン・ジャパン』からもう1曲。曲アタマの部分をちらっと歌うだけですが(笑)。シラ・ブラック、シェール、ディオンヌ・ワーウィックなどのレパートリーとしておなじみです。スティーヴィー・ワンダーのハーモニカによるインスト・ヴァージョンも最高!
6. Something Big / Burt Bacharach

ここから4曲は1973年のアルバム『リヴィング・トゥゲザー』の収録曲。まずはマーク・リンゼイへの提供曲を自ら歌ったヴァージョンです。
7. The Balance Of Nature / Burt Bacharach

『リヴィング・トゥゲザー』より。ディオンヌ・ワーウィックへの提供曲です。
8. Lost Horizon / Burt Bacharach

『リヴィング・トゥゲザー』より。1973年の映画『失われた地平線』のためにバート・バカラック&ハル・デヴィッドが提供した主題歌の自演版です。映画のサウンドトラックではショーン・フィリップスが歌っていました。
9. I Might Frighten Her Away / Burt Bacharach

もう1曲『リヴィング・トゥゲザー』から。これも映画『失われた地平線』のために書き下ろされた曲の自演版で、映画のサントラではダイアナ・リーとジェリー・ホイットマンがデュエットしていました。
10. The Look Of Love (Live in Sydney) / Burt Bacharach

2008年1月のオーストラリア公演の模様を収めたライヴ・アルバム『ライヴ・アット・ザ・シドニー・オペラ・ハウス』より。ダスティ・スプリングフィールドのヒット曲としておなじみのナンバーを。
11. Wives And Lovers (Live in Sydney) / Burt Bacharach

もう1曲『ライヴ・アット・ザ・シドニー・オペラ・ハウス』より。ジャック・ジョーンズに提供したヒット曲です。
12. Lie Back & Think Of England / Burt Bacharach

最後は1997年の映画『オースティン・パワーズ』のために提供した楽曲のバカラックによるピアノ&ヴォーカル・デモ。今月リリースされたばかりのアルバム『ザ・ソングス・オヴ・バカラック&コステロ』で世に初お目見えした未発表音源です。

解説:萩原健太

ポップ・マエストロ! 高橋幸宏/バート・バカラック特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第296回 萩原健太のotonanoラジオ#178

2023/02/28 公開

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』特集 (ソニーミュージック・栗原憲雄さんをゲストに迎えて)

今週のオンエア曲

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』特集
(ソニーミュージック・栗原憲雄さんをゲストに迎えて)

1.

ボブ・ディラン

ノット・ダーク・イェット (ヴァージョン 1)

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』特集
(ソニーミュージック・栗原憲雄さんをゲストに迎えて)

2.

ボブ・ディラン

ダート・ロード・ブルース (2022 リミックス)

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』特集
(ソニーミュージック・栗原憲雄さんをゲストに迎えて)

3.

ボブ・ディラン

ウォーター・イズ・ワイド

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』特集
(ソニーミュージック・栗原憲雄さんをゲストに迎えて)

4.

ボブ・ディラン

トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン (ライヴ、2000)

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#178

『Most Of The Time~ダニエル・ラノワのプロデュース作品集 1986-2012~』

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1. Yellow Moon / The Neville Brothers

ソニーミュージックの栗原憲雄さんとともに、栗原さんが担当なさっているボブ・ディランのニュー・リリース『断章〜タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集(1996〜1997)』の特集をお届けした『otonanoラジオ』。ディランは深いです。4月の来日公演が楽しみでなりません。というわけで、今回のプレイリストは、この最新ブートレッグ・シリーズの大元になっている1997年のアルバム『タイム・アウト・オブ・マインド』をプロデュースしたダニエル・ラノワにスポットを当てます。まあ、番組の中でもちらっと話に出ましたが、ぼくはディランとラノワの相性はあまりよくないと思っていて。『タイム・アウト・オブ・マインド』のプロデュースワークも失敗だったんじゃないかと思ってはいるのですが。それでも、1997年のディランとは今いち合わなかったというだけで、もちろんこのダニエル・ラノワって人の力量は素晴らしいと評価しています。ということで、ラノワが手がけたプロデュース作品をだだーっと並べてみました。彼のプロデュースワークの方向性というか、手触りみたいなものを感じ取っていただけるんじゃないかなと思います。まずはニューオーリンズの至宝、ザ・ネヴィル・ブラザーズが1989年にリリースしたアルバム『イエロー・ムーン』から、そのタイトル・トラックです。
2. I Still Haven't Found What I'm Looking For / U2

U2が1987年にリリースしたアルバム『ザ・ヨシュア・ツリー』より。これはダニエル・ラノワとブライアン・イーノの共同プロデュース作品です。
3. Walk With Me / Neil Young

ニール・ヤングがロサンゼルスにある彼の20世紀初期スタイルの豪邸でギター掻き鳴らしながら弾き語りした音源を、後からラノワが切ったり貼ったり編集をほどこして作り上げた2010年のアルバム『ル・ノイズ』より。このアルバム・タイトルをフランス語読みにすると“ラノワ”となる、まあ、駄洒落っすね(笑)。
4. Every Grain Of Sand / Emmylou Harris

エミルー・ハリスが1995年にリリースしたオルタナ・カントリーの名盤『ザ・レッキング・ボール』もダニエル・ラノワのプロデュース作品でした。その中から、今回の番組の主役だったボブ・ディランの曲のカヴァーを。
5. Sledgehammer / Peter Gabriel

ダニエル・ラノワが繰り返しプロデュースしているアーティストというと、まずいちばん多いのがU2で。その次がこの人、ピーター・ゲイブリエルじゃないかな。1986年の大ヒット・アルバム『SO』もラノワのプロデュース作品でした。そのアルバムからのシングル・カット・ナンバー、いってみましょう。
6. Broken Arrow / Robbie Robertson

ダニエル・ラノワはカナダのケベック州出身。ということで、ニール・ヤングをはじめカナダ人アーティストのプロデュースを多く手がけていますが。この人、元ザ・バンドのロビー・ロバートソンもカナダ出身。彼が1987年にリリースしたファースト・ソロ・アルバムはロバートソン本人とラノワとの共同プロデュース作品でした。ということで、そのアルバムから1曲。
7. Runaways / The Killers

米国のロック・バンド、ザ・キラーズが2012年に4作目のアルバム『バトル・ボーン』より。
8. Don't Look Back / Luscious Jackson

ルシャス・ジャクソンのセカンド・アルバム『フィーヴァー・イン・フィーヴァー・アウト』より。1997年の作品です。ルシャス・ジャクソン、トニー・マングリアンとダニエル・ラノワの共同プロデュース。
9. If You See Lurah / Brian Blade Fellowship

米南部出身のジャズ・ドラマー、ブライアン・ブレイドが1998年に結成したバンドのファースト・アルバム『ブライアン・ブレイド・フェローシップ』より。
10. The Maker / Willie Nelson

ウィリー・ネルソンが1997年にリリースしたアルバム『テアトロ』より。ダニエル・ラノワがプロデュース。エミルー・ハリスが客演。名演です。ちなみに、アルバム・タイトルになっている“テアトロ”というのはカリフォルニア州オックスナードのダウンタウンに1920年代に建てられたストリームラインモダン様式の劇場のこと。それを1995年にダニエル・ラノワがレコーディング・スタジオへと改装。ボブ・ディランの『タイム・アウト・オブ・マインド』のレコーディング・セッションも当初はこのスタジオで行なわれていました。
11. Tower Of Song / Marianne Faithful

マリアンヌ・フェイスフルによる1999年のアルバム『ヴァガボンド・ウェイズ』より。ラノワのプロデュースの下、自作曲以外にも興味深いカヴァーがいくつか収められていて。ボーナス・トラックとしてボブ・ディランの「ブラッド・イン・マイ・アイズ」とかも取り上げられていたのだけれど。今回はディランと並ぶ20世紀の吟遊詩人、レナード・コーエンの作品をカヴァーしたこの曲を。
12. Most Of The Time / Bob Dylan

ラストはボブ・ディランで。『タイム・アウト・オブ・マインド』の前にダニエル・ラノワはもう1枚、ディランのアルバムをプロデューしています。それが1989年の『オー・マーシー』。その収録曲で本プレイリストを締めくくります。

解説:萩原健太

『断章~タイム・アウト・オブ・マインド・セッションズ:ブートレッグ・シリーズ第17集』特集
(ソニーミュージック・栗原憲雄さんをゲストに迎えて)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第295回 萩原健太のotonanoラジオ#177

2023/02/21 公開

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』特集 (批評家/DJ・矢野利裕さんをゲストに迎えて)

今週のオンエア曲

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』特集
(批評家/DJ・矢野利裕さんをゲストに迎えて)

1.

JUJU

My Life

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』特集
(批評家/DJ・矢野利裕さんをゲストに迎えて)

2.

bird

REALIZE feat. SUIKEN + DEV LARGE

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』特集
(批評家/DJ・矢野利裕さんをゲストに迎えて)

3.

ACO

悦びに咲く花

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』特集
(批評家/DJ・矢野利裕さんをゲストに迎えて)

4.

平井堅

楽園

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#177

『「J-R&B」への道を切り拓いたチャレンジャーたちの名曲集<70s-80s選>』

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1. 薄情 LOVE MACHINE / 久保田利伸

批評家/DJ・矢野利裕さんをゲストに迎えた『otonanoラジオ』。矢野さんが選曲および解説を手がけたCD2枚組コンピ『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』にまつわるお話をたっぷりうかがいました。このアルバムが扱っている1990年代後半以降の日本のポップ音楽シーンにとって、もはやR&Bの要素はなくてはならないというか、ごくごく普通に取り入れられているのだなと改めて感じた次第ですが。それ以前、1980年代までの日本のポップ・シーンではまだまだR&Bのイディオムは一般に根付いておらず。異質なものでした。1960年代後半あたりからちょっとずつちょっとずつ、意識的なアーティストたちが日本のシーンにアメリカのR&B的な音楽性を持ち込み始めて、1970年代半ば過ぎになってようやくソウルフルでファンキーなグルーヴが少しだけなじむようになって。で、1980年代に入ってようやくぼくたち聞き手にとっても当たり前のものになってきた、と。そういう感じ。というわけで、今回のプレイリストは『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』に収められたJ-R&Bアーティストへの道を切り拓いた先輩たちの音を集めてみました。1960年代までさかのぼると期間が長くなりすぎるので今回は1970年代から1980年代、日本のポップ・シーンで自分の音楽にR&Bテイストを積極的に取り込もうとしていたチャレンジャーたちの名曲を、年代順にではなく、ランダムに並べています。まずは日本のシーンにこの種の音楽性を広めるうえで最強の活躍を展開したこの人、久保田利伸の歌声を。1987年のセカンド・アルバム『GROOVIN’』からのファンク・チューンです。
2. LIGHT'N UP / 吉田美奈子

日本のソウル・クイーンは誰かということになると、さまざま意見はあるでしょうが。ぼくは間違いなくこの人だと思っております。吉田美奈子。彼女が1982年にリリースしたアルバムからそのタイトル・チューンをどうぞ。
3. 塀までひとっとび / サディスティック・ミカ・バンド

ミカ・バンドはR&Bじゃねーよ、ロックだろ…と言われそうだけど。この曲は真っ向からスライ&ザ・ファミリー・ストーンの世界観に挑戦した超ファンキーな仕上がり。高橋幸宏&小原礼の超強力リズム・セクションの底力が炸裂してます。1974年のアルバム『黒船』より。
4. 軽蔑 / 鈴木雅之

日本のソウル・マスターといえば、この人も絶対に忘れちゃなりません。マーチンさん。1989年のソロ3作目『Dear Tears』から、この曲を。
5. CHOPPERS BOOGIE / ティン・パン・アレー

今は普通“スラッピング”と呼ばれるベースの奏法を、まだ“チョッパー”と呼んでいた1975年、当時の気鋭ミュージシャンたちが集まって形成していた“ティン・パン・アレー”という音楽家集団がリリースしたアルバム『キャラメル・ママ』より林立夫のドラムを核にしたセッション・ナンバーを。後藤次利の爆発的なチョッパー・ベースがフィーチャーされています。まあ、この辺はソウル/R&Bというよりは、ジェフ・ベックあたりのプログレ/フュージョンに近い感じではありますが。でも、当時この、いったいどうやって弾いているんだかすらわからないベースのファンキーさは日本のリスナーにとって衝撃だったのでした。
6. とん平のヘイ・ユウ・ブルース / 左とん平

俳優、コメディアンとして大活躍していた左とん平が1973年にリリースしたJ-R&B初期超傑作曲。もともとはとん平さんがレギュラー出演していたTV番組で、一般客に名前を聞くための“ヘイ・ユー、ホワッチャネーム?”というギャグっぽいフレーズから生まれたノヴェルティ・ソングでしたが、郷伍郎のシリアスな歌詞と深町純のソウルフルなアレンジとによって、むちゃくちゃかっこいいナンバーに仕上がっています。とん平さんのJBばりのシャウトも強力!
7. FUNK FUJIYAMA / 米米CLUB

すんません、ぼくのプロデュース曲も1曲。1989年リリースのアルバム『5 1/2(ファイヴ・ハーフ)』からのふざけたファンク・チューンです。でも、本当のかっこよさ、本当のファンクネスってのは、常に笑いと背中合わせにあるのですよ。ほんと。
8. What's going on / 中原めいこ

1980年代後半になると日本の女性シンガー・ソングライターたちの中にもけっこうR&Bの要素に積極的にアプローチする人が現われ始めます。そのひとりがめいこさん。ラテンっぽいイメージが強いかもしれませんが、彼女のソウル・センスもなかなかです。1988年のアルバム『鏡の中のアクトレス』より。
9. ゆうがたラブ / 小坂 忠

前出の音楽家集団、ティン・パン・アレーの中でリード・シンガー的な役割を果たしていたのが、女性は吉田美奈子。そして、男性はこの人、小坂忠でした。ティン・パン・アレーの創設者ともいうべき細野晴臣のアレンジの下、忠さんが持ち前のソウルフルな歌声を披露しています。1975年のアルバム『HORO』より。
10. うちあわせ / 岡村靖幸

そして、日本のプリンス! 忘れちゃいけない、オカムラちゃんです。1988年のセカンド・アルバム『DATE』より。
11. ゴロワーズを吸ったことがあるかい / かまやつひろし

“ムッシュ”の愛称でおなじみ、日本のポップ・ミュージックの始祖のひとり、かまやつさんが1975年にリリースしたソロ・アルバム『あゝ、わが良き友よ』より。タワー・オヴ・パワー・ホーン・セクションをフィーチャーしたファンキー&メロウな逸品です。
12. スローバラード / RCサクセション

そして最後にもう1曲、タワー・オヴ・パワー・ホーン・セクションをフィーチャーしたナンバーを。ロックの源流のひとつでもあるサザン・ソウルを愛する気持ちは誰にも負けない忌野清志郎率いるRCサクセションが1976年にリリースした超名曲です。

解説:萩原健太

『ALDELIGHT J-R&B -A NEW STANDARD FOR JAPANESE R&B 1996-2010-』特集
(批評家/DJ・矢野利裕さんをゲストに迎えて)

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萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第294回 萩原健太のotonanoラジオ#176

2023/02/14 公開

高田漣さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

高田漣さんをゲストに迎えて(その2)

1.

高田漣

路地裏のシーニュ

『CONCERT FOR MODERN TIMES』

高田漣さんをゲストに迎えて(その2)

2.

高田漣

浜の宿

『CONCERT FOR MODERN TIMES』

高田漣さんをゲストに迎えて(その2)

3.

高田漣

オーランドー

『CONCERT FOR MODERN TIMES』

高田漣さんをゲストに迎えて(その2)

高田漣

『ギターというモノ/ギタリストというヒト プルースト、ベイトソン、ソンタグ、高田渡』

DU BOOKS・刊

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#176

『モノクローム・ガール~高田漣ソロ名義の軌跡 2002-2019~』

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1. Lovers for Life / 高田漣

先週に引き続き、高田漣くんをお迎えした『otonanoラジオ』。音楽に、執筆に、多才なところを発揮している漣くんの話はいつも楽しいです。というわけで、今週のプレイリストは、漣くんの歴史。番組でも取り上げた最新作『CONCERT FOR MODERN TIMES』に至るまで、彼がソロ名義でリリースしてきた過去作から1曲ずつ、ぼくが好きな曲をピックアップして年代純に並べてみました。まずはソロ名義での初アルバムとなった2002年の『LULLABY』から。ちょっとイカれたベイエリア・フォークの奇才、ダン・ヒックスのナンバーをインストでカヴァーしたこの曲をどうぞ。終わったような、終わらないような、不思議な展開の1曲です。
2. Stanley's Whistle / 高田漣

続いては2003年のセカンド『Wonderful World』から。57歳にして初ソロ・アルバムをリリースした遅咲きの趣味趣味音楽家、米テキサス州オースティンのスタンリー・スミスのナンバーのカヴァーです。
3. Domino 438 / 高田漣

2004年のアルバム『RT』より。ここまではわりとカヴァー曲中心のアルバム作りをしてきた漣くん。この『RT』にもクラフトワークとかYMOとかトーキング・ヘッズとかのカヴァーが入っていましたが、オリジナル曲もだいぶ増えてきて。独特のひょうひょうとした作風が確立してきました。そんな1曲を。
4. 薔薇と野獣 / 高田漣&星野源

2006年のアルバム『12 notes』より。豪華なゲスト陣を迎えた1枚でしたが、そんな中から細野晴臣の名盤『ホソノ・ハウス』の収録曲を星野源のヴォーカルでカヴァーしたこの曲を。
5. 空想のブルース / 高田漣

2007年のアルバム『Evening on this island』より。クラムボンの原田郁子をバック・ヴォーカルに従え、漣くんがリード・ヴォーカルも披露した1曲です。
6. 横道世之介のテーマ / 高田漣

映画音楽も多く手がける漣くんが2013年に配信でリリースした同名映画のサントラ盤『横道世之介 ORIGINAL SOUNDTRACK』より。なんとも抗いようのないノスタルジアに貫かれた主題歌を。
7. 熱の中 / 高田漣

前曲と同じ2013年にリリースされた同名映画のサントラ盤『箱入リ息子の恋 オリジナル・サウンドトラック』より、なんと細野晴臣をリード・ヴォーカルに据えたこの主題歌をどうぞ。
8. 絵空事 / 高田漣

さらに2013年に出たソロ・アルバム『アンサンブル』からも1曲。これまた細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一、鈴木茂、高野寛、小山田圭吾、岸田繁、斉藤和義、原田知世ら豪華なゲストを迎えた1枚でしたが。そのオープニングを飾っていたこの曲を。
9. パレード / 高田漣 feat. UA

大島弓子の同名漫画をWOWOWの“連続ドラマW”枠でテレビドラマ化した際のサントラ盤、2014年の『グーグーだって猫である オリジナル・サウンドトラック』より、UAをヴォーカルに迎えた1曲です。
10. 銭がなけりゃ / 高田漣

2015年にお父さんである高田渡のレパートリーを集めてカヴァーしまくったアルバム『コーヒーブルース~高田渡を歌う~』より。フォークの始祖のひとり、ウディ・ガスリーの名曲「ドレミ」を下敷きに高田渡さんが改作したこの曲のカヴァーを。
11. ハニートラップ / 高田漣

2017年のアルバム『ナイトライダーズ・ブルース』より。漣くんならではの洒落心たっぷりの歌詞も、多彩な音楽性が交錯するスウィンギーなメロディも、ごきげんにジャンプするアレンジも素晴らしい1曲です。
12. モノクローム・ガール / 高田漣

2019年のアルバム『FRESH』より。細野晴臣と大滝詠一、はっぴいえんど出身の二大巨頭からの影響をちゃっかり盛り込んじゃうという、さすが高田渡の息子ならではの荒技が痛快です!

解説:萩原健太

高田漣さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第293回 萩原健太のotonanoラジオ#175

2023/02/07 公開

高田漣さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

高田漣さんをゲストに迎えて(その1)

1.

高田漣

In A Mist

『CONCERT FOR MODERN TIMES』

高田漣さんをゲストに迎えて(その1)

2.

高田漣

ブルース

『CONCERT FOR MODERN TIMES』

高田漣さんをゲストに迎えて(その1)

3.

高田漣

明日の館

『CONCERT FOR MODERN TIMES』

高田漣さんをゲストに迎えて(その1)

高田漣

『ギターというモノ/ギタリストというヒト プルースト、ベイトソン、ソンタグ、高田渡』

DU BOOKS・刊

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#175

『ちょっと変わったシチュエーションで録音された傑作12』

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1. Walk / Foo Fighters

高田漣くんをゲストにお招きした『otonanoラジオ』。漣くんが東京・池袋にある重要文化財、自由学園明日館の講堂で一発録りされた新作アルバム『CONCERT FOR MODERN TIMES』を特集してお届けしました。興味深い話がたくさん聞けましたねー。というわけで今週のプレイリストは、『CONCERT FOR MODERN TIMES』同様、普通のレコーディング・スタジオではなく、ちょっと変わったシチュエーションで録音されたアルバム12作にスポットを当てて、そこからそれぞれ1曲ずつピックアップして並べてみました。まずはフー・ファイターズが2011年にリリースした傑作アルバム『ウェイスティング・ライト』から。これはデイヴ・グロールが“真のロック・サウンド”を求め、ニルヴァーナ在籍時代の代表作『ネヴァーマインド』のプロデューサーだったブッチ・ヴィックの協力の下、ロサンゼルスの自宅ガレージでアナログ録音した1枚。そこからのセカンド・シングル曲です。
2. A.M. Automatic / The Black Keys

続いてはブラック・キーズ。初期の彼らはもともとドラムのパトリック・カーニーの自宅地下室でレコーディングするなど、普通のスタジオを使っていなかったのだけれど、2004年の3作目『ラバー・ファクトリー』はアルバム・タイトル通り、地元オハイオ州アクロンの廃タイヤ製造工場でレコーディングされた1枚でした。
3. Girlfriend / Paul McCartney & Wings

ポール・マッカートニー&ウイングスが1978年にリリースしたアルバム『ロンドン・タウン』のレコーディング・セッションは、最初のうちロンドンのアビー・ロード・スタジオで行なわれていたのだけれど、途中から気分を変えたいということで、いきなりバージン諸島のセントジョンズにあるウォーターメロン湾へ。なんとチャーター船に急遽、即席スタジオを作ってレコーディングを継続したのでありました。そのアルバムからの1曲です。これぞ正真正銘のヨット・ロック?
4. Hooray Hooray / Taj Mahal & Ry Cooder

1960年代からの旧友、タジ・マハールとライ・クーダーが久々にタッグを組んで、ライさんの息子であるホアキム・クーダーの自宅リヴィングルームで3日間、リラックスした環境の下、サニー・テリー&ブラウニー・マギーのレパートリーをカヴァーしまくった2022年のアルバム『ゲット・オン・ボード:ザ・ソングズ・オヴ・サニー・テリー&ブラウニー・マギー』からのナンバーです。渋い!
5. Exit Music (For a Film) / Radiohead

1997年の傑作アルバム『OKコンピューター』より。このアルバムの大半は、女優のジェイン・シーモアが所有していたエリザベス朝の大邸宅“セント・キャサリンズ・コート”のボールルームでレコーディングされました。元修道院だった場所で、かつてヘンリー8世が隠し子を住まわせていたとかなんとか。噂によるとたくさんの幽霊が取り憑いているとかいないとか…。
6. Shaky Town / Jackson Browne

人気アーティストはツアーに明け暮れているので、公演先のホテルで録音された音源というのがけっこうあったりします。ディレイニー&ボニーが1971年にリリースしたアルバム『モーテル・ショット』とか、その代表作だけれど。今回は間もなく来日するジャクソン・ブラウンでいきます。1977年のアルバム『孤独なランナー』にはツアー先のホテルで録音された音源がいくつか含まれていましたが、その中から、イリノイ州エドワーズヴィルのホリデイ・イン124号室で録音されたこの曲を。
7. Folsom Prison Blues (Live) / Johnny Cash

米カントリー界の親玉、ジョニー・キャッシュの歌声です。曲はカリフォルニア州立フォルサム刑務所に囚われていた犯罪者の心情を綴った1956年のヒット。それを1968年、実際にフォルサム刑務所へと出向いて囚人たちに向かって歌ったときのライヴ録音です。この曲を含むライヴ・アルバム『アット・フォルサム・プリズン』は、キャッシュが囚人に対して、犯罪の歌、ドラッグの歌、冤罪の歌、刑執行の歌、狂おしい愛の歌、そして敬虔な聖歌などをワイルドに投げつけた刑務所コンサートの記録。まあ、普通のライヴ録音ではあるのだけれど、シチュエーションがとびきりやばいってことで。ここにセレクトしました。
8. Detroit / Gorillaz

2010年、デーモン・アルバーンは発売されたばかりのiPadに思いきりハマってしまったようで。ゴリラズの北米ツアーのさなか、ツアー・バスで移動中、iPadをいじり続け、ひと月かけてアルバム1枚分のレコーディングをしてしまったのだとか。2011年にアルバム『ザ・フォール』としてリリースされたそのときの音源から、この曲を。
9. Sweet Virginia / The Rolling Stones

1971年、ローリング・ストーンズは本国イギリスの税金が高いということを理由に、フランス移住を計画。最新アルバム『メイン・ストリートのならず者』の大半のレコーディングを南フランス、ニースとモンテカルロの中間部に位置するヴィルフランシュ・シュル・メールにキース・リチャーズが借りた邸宅“ヴィッラ・ネルコート”の地下室で行ないました。そのときの音源から1曲。
10. Skinny Love / Bon Iver

ジャスティン・ヴァーノンが“ボン・イヴェール”として2008年にリリースしたファースト・アルバム『フォー・エマ・フォーエヴァー・アゴー』より。このアルバムはジャスティンが故郷ウィスコンシン州にある父親の狩猟小屋を改造して作った即席スタジオでレコーディングされています。
11. Ice Cream Man / The Modern Lovers

ジョナサン・リッチマン率いる、ねじれまくりのフォーク・ロック・バンド、ザ・モダン・ラヴァーズが1977年にリリースしたアルバム『ロックンロール・ウィズ・ザ・モダン・ラヴァーズ』からも1曲。このアルバム、最初はサンフランシスコのCBSスタジオで普通にレコーディングされていたのだけれど、音響的になんだかうまくいかなかったらしく、リッチマンはバンドを引き連れ、録音機材とともにスタジオのトイレへ移動。男性トイレ、女性トイレ、いろいろ試したあげく、小便器の反響が気に入ったということで、最終的には男性トイレでレコーディングが行なわれたそうです。いやはや…。
12. Under the Bridge / Red Hot Chilli Peppers

レッチリ、1991年のアルバム『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』より。このアルバムはプロデュースを手がけたリック・ルービンのアイディアもあって、彼がローレル・キャニオンに所有していた洋館で録音されました。メンバー全員がその館に泊まり込んで作業が行なわれたのですが、ここにも幽霊が出るという噂が…。1930年代にそこで殺された女性の幽霊が出るという風説を信じたドラムのチャド・スミスだけは、宿泊を断固拒否したそうです。強そうなのになぁ…。

解説:萩原健太

高田漣さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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