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第265回 萩原健太のotonanoラジオ#147

2022/07/26 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

1.

大江千里

Rain

『Senri Oe Singles』

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

2.

大江千里

Out of Chaos

『Letter to N.Y.』

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

3.

大江千里

Letter to N.Y.

『Letter to N.Y.』


ウェブで読める大人の音楽誌
「otonano」6月号 特集:大江千里

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#147

『悲しいボーイフレンド~大江千里の提供楽曲集 1985-2018』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 私の恋と東京 / 土岐麻子

先週に引き続き大江千里さんをゲストにお迎えした「otonanoラジオ」。今週も、千里さんがジャズの世界へ踏み出す以前、初期ポップ時代のシングル音源を集めたアンソロジー『Senri Oe Singles』の話題をお届けしましたが。この『Senri Oe Singles』の初回生産限定CD5枚組のほうのディスク5は、千里さんが他シンガーのために書いたナンバーを集めた提供楽曲集になっていて。これもなかなかに興味深い仕上がり。といっても、千里さんが他シンガーに提供した楽曲群はCD1枚に収まりきる程度のものではありません。ということで今回のプレイリストでは、『Senri Oe Singles』初回生産限定盤のディスク5に入りきらなかった大江千里の提供楽曲たちを集めてみました。まずは土岐麻子さんが2013年にリリースしたアルバム『HEARTBREAKIN’』より、作詞:大江千里&土岐麻子、作曲:大江千里によるシティ・ポップ・チューンです。
2. 夢のカタチ / 神野美伽 with ジャニス・シーゲル+大江千里

続いては2018年のナンバー。歌謡曲・演歌畑の神野美伽さんと、マンハッタン・トランスファーのジャニス・シーゲルと千里さんという、超ジャンルの共演曲です。作詞:大江千里&アール・デイヴィス、作曲:大江千里。
3. 悲しいボーイフレンド / 渡辺美里

千里さんといえば美里さん(笑)。ということで『Senri Oe Singles』のディスク5にも「10years」「すき」「夏が来た!」の3曲がセレクトされていましたが、1985年の美里さんのデビュー・アルバム『eyes』に収められていたこの曲も名曲です。千里さんの作詞・作曲ナンバー。
4. 最終便 / サーカス

サーカスが2005年にリリースしたアルバム『Sound Circus -HeartV-』から。これも作詞・作曲ともに千里さん。
5. 哀しみの環状線 / 岩崎宏美

岩崎宏美への提供曲としては、『Senri Oe Singles』のディスク5には2008年のシングル「始まりの詩、あなたへ」が選曲されていましたが、2004年のアルバム『Happiness』収録のこっちの曲もなかなかに素敵です。作詞・作曲:大江千里。
6. 人魚になりたい / 西田ひかる

西田ひかるさん、1998年のシングルです。これも作詞・作曲:大江千里。
7. エミリー / 米倉千尋

2004年のアルバム『azure』より。作詞・作曲:大江千里。
8. 私という名の場所へ / Azumi

元WyolicaのAzumiさんが2015年にリリースした初オリジナル・ソロ・アルバム『CARNIVAL』より。これも作詞・作曲:大江千里です。
9. tsu-ki / 奥田美和子

千里さんのプロデュースでデビューした奥田美和子さん。『Senri Oe Singles』のディスク5にはデビュー曲「しずく」がセレクトされていましたが、ここでは続くセカンド・シングルのほうを選曲しました。2000年リリース。作詞・作曲:大江千里。
10. 凛とした人 / 区麗情

2000年のアルバム『Nest・巣』より。もちろん作詞・作曲:大江千里です。
11. 瞳を知りたい / 薬師丸ひろ子

薬師丸さん、1990年のアルバム『Heart's Delivery』より。作詞・作曲:大江千里。編曲は千里さんとは切っても切れない仲のノブさんこと清水信之。
12. 雛菊の地平線 / 松田聖子

聖子ちゃんへの提供曲として、『Senri Oe Singles』のディスク5には1987年のシングル「Pearl - White Eve」が選曲されていましたが、こちらではそれに先駆けてリリースされた同年のアルバム『Strawberry Time』に収められていたこの曲を。作詞:松本隆、作曲:大江千里。

解説:萩原健太

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第264回 萩原健太のotonanoラジオ#146

2022/07/19 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

1.

大江千里

ワラビーぬぎすてて

『Senri Oe Singles』

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

2.

大江千里

十人十色

『Senri Oe Singles』

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

3.

大江千里

格好悪いふられ方

『Senri Oe Singles』


ウェブで読める大人の音楽誌
「otonano」6月号 特集:大江千里

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#146

『ベスト・オブ・大江千里 1983-1994[except SINGLES]』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 宵闇 / 大江千里

ニューヨークの大江千里さんとリモートでつながった『otonanoラジオ』。いかがでしたか? ジャズの世界へ踏み出す以前、初期ポップ時代のシングル音源を集めたアンソロジー『Senri Oe Singles』からの曲を聞きながら、当時のことなど、じっくりうかがいました。ということで、今回のプレイリストはそれ以外(笑)。初期12枚のオリジナル・アルバムからそれぞれ1曲ずつ、ぼくが好きな千里さんの“非シングル曲”を集めて年代純に並べてみました。それぞれのアルバムがどういう内容だったかについては、webで読める大人の音楽誌『otonano』の2022年6月号、大江千里さんの大特集号のほうでたっぷり、詳細に語られているので、そちらにおまかせ。メールアドレス登録するだけで読めるみたいなので、ぜひチェックしてみてください。ということで、まず1曲目は1983年のデビュー・アルバム『WAKU WAKU』から。大村憲司さんのファンキーでタイトなアレンジと千里さんならではのコード感とがいい感じに交錯するナンバーです。さりげないEPOさんのコーラスもナイス。
2. 浮気なLINDA / 大江千里

1984年のセカンド・アルバム『Pleasure』より。これも大村憲司アレンジによるポップ&キャッチーなナンバーです。
3. プールサイド / 大江千里

1985年の『未成年』より。このアルバムからアレンジャーが清水信之さんに。この曲は未シングル化ながらベスト・アルバムに選曲されミュージック・ビデオも作られた人気曲です。
4. コンチェルト / 大江千里

1985年の『乳房』より。清水信之アレンジによるアダルト・コンテンポラリーな音像が印象的な1曲。若き日の佐橋佳幸のギターも素敵です。
5. 本降りになったら / 大江千里

大村雅朗をアレンジャーに迎えた1986年の『AVEC』より渡辺美里さんとのデュエット曲を。
6. 小首をかしげるTシャツ / 大江千里

これも大村雅朗アレンジ、渡辺美里コーラスのナンバー。1987年のアルバム『OLYMPIC』より。
7. サヴォタージュ / 大江千里

1988年の『1 2 3 4』より。これも大村雅朗がアレンジを手がけたポップ・チューン。
8. 魚になりたい / 大江千里

再びアレンジャーが清水信之に戻った1989年のアルバム『red monkey yellow fish』より。UKブルー・アイド・ソウルっぽいテイストが痛快な1曲です。
9. 舞子 VILLA Beach / 大江千里

1990年のアルバム『APOLLO』より。アレンジは清水信之。
10. ずっと海をみてた / 大江千里

1991年のアルバム『HOMME』より。複数アレンジャーが関わった1枚でしたが、この曲は大村雅朗アレンジ。
11. 代々木上原の彼女 / 大江千里

1992年のアルバム『六甲おろしふいた』より。アレンジは大村雅朗。杉真理&須藤薫によるコーラスが絶品です。
12. さんざん降ってた、さんざん泣いてた / 大江千里

1994年のアルバム『Giant Steps』より。ギタリストとして多くの千里作品に関わってきた佐橋佳幸がアレンジを手がけた1曲です。

解説:萩原健太

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第263回 萩原健太のotonanoラジオ#145

2022/07/12 公開

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』特集

今週のオンエア曲

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』特集

1.

ザ・ビーチ・ボーイズ

グッド・ヴァイブレーション(2021ステレオ・ミックス)

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』特集

2.

ザ・ビーチ・ボーイズ

ドント・ウォリー・ベイビー(2021ステレオ・ミックス)

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』特集

3.

ザ・ビーチ・ボーイズ

サーファー・ガール(2021ステレオ・ミックス)

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』特集

4.

ザ・ビーチ・ボーイズ

パンチで行こう(2021ステレオ・ミックス)

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』特集

5.

ザ・ビーチ・ボーイズ

ダーリン(2017ステレオ・ミックス)

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』特集

6.

ザ・ビーチ・ボーイズ

マーセラ(2021ステレオ・ミックス)

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』特集

7.

ザ・ビーチ・ボーイズ

太陽あびて(2013ステレオ・ミックス)

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#145

『Girls on the Beach~もうひとつのサウンズ・オブ・サマー/ビーチ・ボーイズ[放送延長戦]』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Deirdre / The Beach Boys

デビュー60周年を祝うビーチ・ボーイズの80曲入りCD3枚組ベスト『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ』を特集してお届けした『otonanoラジオ』。やっぱり夏はビーチ・ボーイズの爽快なコーラス・ハーモニーとともに過ごしたいものですが。しかし、ビーチ・ボーイズの偉大さはたった80曲で語り尽くせるものではありません。てことで、こちらストリーミングのプレイリストでは、今回のCD3枚には入っていない、でも絶対に聞き逃してほしくないビーチ・ボーイズの歌声をさらに12曲セレクトしてみました。まずは1970年の傑作アルバム『サンフラワー』に収録されていたこの曲から。1960年代末にブライアン・ウィルソンが作った未発表作品「ウィーアー・トゥゲザー・アゲイン」のテーマ・メロディをもとにブルース・ジョンストンが発展させた楽曲。アレンジを手がけているのはミシェル・コロムビエです。
2. Busy Doin' Nothin' / The Beach Boys

1968年のアルバム『フレンズ』の収録曲。ブライアンが当時の彼の暮らしぶりをそのまま歌詞に託した、“何もすることがなくて忙しい”というボサ・ノヴァ・ナンバーです。ブライアンの自宅までの道案内や、電話番号をなくしてしまって結局手紙を書くはめになってしまう様子などが美しいメロディに乗せてストレートに綴られています。
3. Girls On the Beach / The Beach Boys

1964年のアルバム『オール・サマー・ロング』より。ブライアンが聞き手の予想をはるかに超える美しい転調を駆使したバラードです。全編を覆うハーモニーの素晴らしさは言うまでもないが、中間部でソロをとるデニス・ウィルソンの朴訥としたヴォーカルも切なく胸に迫ります。
4. Had to Phone Ya / The Beach Boys

1976年に出た結成15周年アルバム『15ビッグ・ワンズ』より。ブライアン・ウィルソンとマイク・ラヴの共作とクレジットされていますが、実際にはブライアンの当時の奥さま、マリリンの姉にあたるダイアン・ローヴェルも作曲に加わっているとか。マリリンとダイアンが結成していた姉妹デュオ“スプリング”のために、1973年、書き下ろされた曲のビーチ・ボーイズ・ヴァージョンです。
5. Our Sweet Love / The Beach Boys

これも前出『サンフラワー』より。ブライアン・ウィルソン、カール・ウィルソン、アル・ジャーディンの共作。ここでもストリングス・アレンジをミシェル・コロンビエが手がけています。
6. Your Summer Dream / The Beach Boys

1963年のアルバム『サーファー・ガール』の収録曲。当時、ブライアンのルームメイトだったボブ・ノーバーグとブライアンの共作です。サビでの絶妙の転調を含むしゃれたコード進行に彩られた流麗なメロディがたまりません。2ヵ所ほどギターのカッティングがあやしくなるのはご愛敬かな。なぜかコーラスなし。ブライアンのダブル・トラック・リード・ヴォーカルが楽しめます。
7. Sweet Sunday Kinda Love / The Beach Boys

1978年のアルバム『MIU』より。ブライアン&マイクの共作。胸にしみいるセンチメンタルなメロディも他愛ない恋人どうしの風景を切り取った歌詞も好感度たっぷりです。
8. We'll Run Away / The Beach Boys

これも前出『オール・サマー・ロング』の収録曲。ブライアンとゲイリー・アッシャーの共作によるバラードです。幼い恋の切ない物語が描かれています。
9. When Girls Get Together / The Beach Boys

1980年のアルバム『キーピン・ザ・サマー・アライヴ』に収められて世に出た曲ですが、もともとは1969年のレコーディング・セッションで録音されながら10年以上未発表のままだったブライアン&マイク作品。
10. Ballad of Ole' Betsy / The Beach Boys

1963年のアルバム『リトル・デュース・クーペ』より。1932年生まれの車に捧げた素晴らしいバラードです。ブライアンとロジャー・クリスチャンの共作。
11. Cuddle Up / The Beach Boys

1972年のアルバム『カール&ザ・パッションズ〜ソー・タフ』より。「フォーエヴァー」と並ぶデニス・ウィルソン作の傑作です。冒頭、ピアノのみで淡々と歌い出されたのち、やがて壮大な高まりへ。特に間奏のピアノに続いて登場するダリル・ドラゴン(キャプテン&テニールの“キャプテン”)編曲の壮麗なストリングスとビーチ・ボーイズならではのコーラスが織りなす美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。
12. Caroline, No / The Beach Boys

1966年の傑作アルバム『ペット・サウンズ』のラストを飾っていた喪失感に満ちた名バラード。淋しさが漂うパーカッションのイントロに続いて、“君の長い髪はどこへ行ってしまったの? あの幸せな輝きはどうして消えてしまったの?”とブライアンが歌い出すその瞬間から、“キャロライン、だめだよ…”という悲痛な吐露に導かれつつなだれ込む最後のフェイドアウトまで、全編を貫く内省的なまなざしは聞く者の心を深く、切なく締め付けます。

解説:萩原健太

『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ [リマスター・デラックス]』特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第262回 萩原健太のotonanoラジオ#144

2022/07/05 公開

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

1.

日向敏文

So Near and Dear

『Angels in Dystopia Nocturnes & Preludes』

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

2.

日向敏文

Little Rascal on a Time Machine

『Angels in Dystopia Nocturnes & Preludes』

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

3.

日向敏文

Books and a Fireplace

『Angels in Dystopia Nocturnes & Preludes』

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

4.

日向敏文

Marigold - Epilogue

『Angels in Dystopia Nocturnes & Preludes』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#144

『Everything’s Gonna Be Alright~クラシック音楽のメロディを導入したポップス』

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1. エヴリシングス・ゴナ・ビー・オールライト / スウィートボックス

日向敏文さんをお迎えした「otonanoラジオ」。今回もいろいろと興味深いお話がうかがえました。で、いろいろお話する中、ポップ・ミュージックとクラシカル・ミュージックとの関係みたいなものがちょっと気になったりしたもんで。今回のプレイリストはクラシック音楽のメロディを積極的に導入したポップ・ミュージック集にしてみました。まずはヨハン・セバスチャン・バッハの、通称“G線上のアリア”をサンプリングして1998年に大当たりをとったスウィートボックスのこの曲から。
2. 今宵はフォーエヴァー / ビリー・ジョエル

続いてはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」の第2楽章のメロディを引用したビリー・ジョエル、1983年のナンバー。
3. 恋はごきげん / マインドベンダーズ

1965年の大ヒット。のちにフィル・コリンズがカヴァーしてリヴァイヴァルしたヴァージョンでご存じの方も多いことでしょう。これはクレメンティのソナチネ、ト長調 Op.36 No.5の「ロンド」のメロディを下敷きに発展させた1曲でした。
4. 恋にノータッチ / エリック・カルメン

ラズベリーズの中心メンバーだったエリック・カルメンもクラシック音楽に造詣の深いアーティスト。のちにセリーヌ・ディオンがカヴァーしたことでもおなじみ、1975年のソロ・デビュー・ヒット「オール・バイ・マイセルフ」はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を下敷きにしていましたが、続くこちらのヒットもまたラフマニノフの交響曲第2番をモチーフにした名曲でした。
5. よろこびのシンフォニー / ミゲル・リオス

スペインのシンガー、ミゲル・リオスが1970年にヒットさせたこの曲は、原題「Song of Joy」。そこからもおわかりになる通り、ベートーヴェンの交響曲9番の第4楽章の「喜びの歌」を下敷きにしたポップ・ヒットでありました。
6. シー・ユー・ウェン・ユー・ゲット・ゼア / クーリオ

1997年、みんな大好きパッヘルベルの「カノン」をサンプリングしてぶちかましたヒップホップ・ヒット。
7. 恋はマジック / バリー・マニロウ

1973年、バリー・マニロウがショパンの前奏曲第20番ハ短調を下敷きに放ったヒット。ドナ・サマー、テイク・ザットのカヴァーもおなじみかな。
8. ストレンジャー・イン・パラダイス / トニー・ベネット

1953年のミュージカル『キズメット』の挿入歌。ボロディンのオペラ『イーゴリ公』の「ダッタン人の踊り」のメロディが引用されている。無数のカヴァー・ヴァージョンがあるけれど、もっとも有名なのがここにセレクトしたトニー・ベネットによるヴァージョンだろう。
9. ラバーズ・コンチェルト / ザ・トイズ

ヨハン・セバスチャン・バッハが妻への贈り物として好きな曲を集めて編纂した『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳』に含まれる「メヌエット ト長調」(クリスティアン・ペツォールト作)が原曲。それを1965年にガール・グループ、ザ・トイズが取り上げ、全米2位に達する大ヒットを記録した。日本ではサラ・ヴォーンのヴァージョンのほうが有名かも。
10. レモンのキッス / ナンシー・シナトラ

オペラ『ラ・ジョコンダ』で使われたポンキエッリ作の「時の踊り」を下敷きにしたポップ・ヒット。本国アメリカではシングル「逢ったとたんに一目ぼれ」のB面曲だったけれど、日本ではAB面を入れ替え、こちらの曲がヒットしました。
11. 時の終りまで / ペリー・コモ

ショパン、必殺の「英雄ポロネーズ 変イ長調」をモチーフにして生まれたヒット。1945年、ペリー・コモのヴォーカルで大ヒットを記録しました。
12. トゥデイ・トゥモロウ・アンド・フォーエヴァー / エルヴィス・プレスリー

ラストは伝記映画も話題を呼んでいるエルヴィス・プレスリー。1964年の映画『ラスヴェガス万才』のサウンドトラックからの曲で。リスト作「愛の夢 第3番」を下敷きにした名演です。

解説:萩原健太

日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第261回 萩原健太のotonanoラジオ#143

2022/06/28 公開

日向敏文さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

日向敏文さんをゲストに迎えて(その1)

1.

日向敏文

Angels in Dystopia

『Angels in Dystopia Nocturnes & Preludes』

日向敏文さんをゲストに迎えて(その1)

2.

日向敏文

Reflections - Piano Version

『Angels in Dystopia Nocturnes & Preludes』

日向敏文さんをゲストに迎えて(その1)

3.

日向敏文

Nocturne in E flat major

『Angels in Dystopia Nocturnes & Preludes』

日向敏文さんをゲストに迎えて(その1)

4.

日向敏文

Phantom of Hope

『Angels in Dystopia Nocturnes & Preludes』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#143

『お休み』

日向敏文さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第260回 萩原健太のotonanoラジオ#142

2022/06/21 公開

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その2)

1.

PORTABLE ROCK

CINEMIC LOVE (1985: Remastered)

『PAST & FUTURE ~My Favorite Portable Rock』

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その2)

2.

PORTABLE ROCK

アイドル (1985: Remastered)

『PAST & FUTURE ~My Favorite Portable Rock』

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その2)

3.

PORTABLE ROCK

チェルシーの午後

『PAST & FUTURE ~My Favorite Portable Rock』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#142

『お休み』

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第259回 萩原健太のotonanoラジオ#141

2022/06/14 公開

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その1)

1.

PORTABLE ROCK

グリーン・ブックス (1983: Remastered)

『PAST & FUTURE ~My Favorite Portable Rock』

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その1)

2.

PORTABLE ROCK

Lonely Girl, Dreaming Girl

『PAST & FUTURE ~My Favorite Portable Rock』

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その1)

3.

野宮真貴

Portable Love

『New Beautiful』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#141

『お休み』

PORTABLE ROCK(野宮真貴さん、鈴木智文さん、中原信雄さん)をゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第258回 萩原健太のotonanoラジオ#140

2022/06/07 公開

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

1.

佐野元春 & THE COYOTE BAND

クロエ

『今、何処 (WHERE ARE YOU NOW)』

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

2.

佐野元春 & THE COYOTE BAND

冬の雑踏

『今、何処 (WHERE ARE YOU NOW)』

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

3.

佐野元春 & THE COYOTE BAND

さよならメランコリア

『今、何処 (WHERE ARE YOU NOW)』

佐野元春 名盤ライブ「SOMEDAY」発売中!

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#140

『お休み』

佐野元春さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第257回 萩原健太のotonanoラジオ#139

2022/05/31 公開

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

1.

佐野元春 & THE COYOTE BAND

エンタテイメント!

『ENTERTAINMENT!』

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

2.

佐野元春 & THE COYOTE BAND

合言葉 - SAVE IT FOR A SUNNY DAY

『ENTERTAINMENT!』

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

3.

佐野元春 & THE COYOTE BAND

銀の月

『今、何処 (WHERE ARE YOU NOW)』

佐野元春 名盤ライブ「SOMEDAY」発売中!

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#139

『最後の1ピース~ベスト・オブ・佐野元春 vol.2 2004-2019~』

▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC

各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 最後の1ピース / 佐野元春

佐野元春さんをお迎えして4月に配信スタートした『Entertainment!』と7月にリリース予定の『今、何処』、2枚の新作アルバムについてあれこれうかがった「otonanoラジオ」。また来週もさらに新作について深くお話していただく予定。お楽しみに。ということで、今週のストリーミング・プレイリストは、この2作の新作に至るまでの佐野さんの歩みのダイジェスト。以前、ゲストとして出ていただいたとき、佐野さんがエピック・レコード在籍期(1980〜1999年)にリリースしたオリジナル・スタジオ・アルバムそれぞれから1曲ずつ選んだプレイリストを作ったことがあったので、今回はそれ以降、2004年に自らのレーベル“DaisyMusic”を立ち上げてからリリースされたアルバム群から、ぼくの好きな曲をセレクトしてみました。今年の『Entertainment!』の前まで、2004年の『THE SUN』から2019年の『或る秋の日』まで、6作のオリジナル・アルバムからそれぞれ2曲ずつピックアップした全12曲のプレイリストです。お楽しみください。まずは“DaisyMusic”からの第1弾アルバムとなった『THE SUN』から、キャッチーさとブルージーさが同居する The Hobo King Band のバッキングもいかしたこの曲を。
2. 君の魂 大事な魂 / 佐野元春

もう1曲、『THE SUN』から。往年のニューオーリンズR&Bのグルーヴを佐野元春流のテイストで継承したいかしたナンバーです。
3. 君が気高い孤独なら / 佐野元春 & THE COYOTE BAND

THE HEARTLAND、The Hobo King Bandに続く、佐野元春の新たなバック・バンド、THE COYOTE BANDを率いて制作された2007年のアルバム『COYOTE』より。“スウィート・ソウル・ブルー・ビート…”というリフレインが印象的な1曲です。
4. 呼吸 / 佐野元春 & THE COYOTE BAND

『COYOTE』より。佐野さんの歌声が聞く者の胸にダイレクトに伝わります。
5. 愛のためにできたこと / 佐野元春 & THE COYOTE BAND

2013年の『ZOOEY』より。歌い手、語り手としての表現力がぐっと深まったアルバムだったけれど、中でもこの曲の“語り口”はとても新鮮でした。
6. 詩人の恋 / 佐野元春 & THE COYOTE BAND

『ZOOEY』からもう1曲。人生の、あるいは愛情の儚さや脆さ。でも、それらをすべて受け止めたうえで、“君”への新たな思いを確かなものにしていく。哀しみを安らぎに。深く沁みる佳曲です。
7. バイ・ザ・シー / 佐野元春 & THE COYOTE BAND

2015年の『BLOOD MOON』より。社会に吹く風が急激に変化し始めたことに対し、佐野元春流の継承を鳴らすような、ある種の緊張感を漂わせたメッセージ性が印象的な1枚だった。とはいえ、それでも音楽的な切り口は常にポジティヴでキャッチー。それが佐野元春ならでは。ということで、ラテン・ロック的なグルーヴがいかしたこの曲を。
8. 新世界の夜 / 佐野元春 & THE COYOTE BAND

『BLOOD MOON』から。不確かな世界に暮らす者たちの疑念と恐れ。それらを淡々と紡ぐ歌詞と、とろけるようにスウィートなソウルっぽい曲調との取り合わせがなんとも魅力的な1曲です。
9. 悟りの涙 / 佐野元春 & THE COYOTE BAND

2017年のアルバム『MANIJU』より。思えば佐野元春はいつの時代も、いつも“君”と“ぼく”というプライベートな視点を貫いていた。愛の歌、日々の思いを綴った曲ではもちろん、大きな社会的問題をとりあげたような曲でも、佐野さんが描いてきたのはいつも“君”と“ぼく”のことだった。そんなことをまた改めて思わせてくれる1曲です。
10. 蒼い鳥 / 佐野元春 & THE COYOTE BAND

『MANIJU』からもう1曲。2分足らずのキュートで、ちょっぴりノスタルジックなナンバーです。時々顔を出すこういう佐野元春、好きだなぁ。
11. 永遠の迷宮 / 佐野元春

2019年の『或る秋の日』より。リリースは佐野元春のソロ名義だったけれど、実質的にはこれも THE COYOTE BAND とのコラボレーションによる1枚。アルバム中、個人的にはラストを飾る「みんなの願いかなう日まで」がいちばん好きな収録曲なのだけれど、クリスマス・ソングなので(笑)。ちょっと季節外れすぎるので、その次に好きなこの曲を。
12. いつもの空 / 佐野元春

そして、最後に『或る秋の日』からもう1曲。キャロル・キングやジェイムス・テイラーなど、1970年代初頭に話題を巻き起こした米国のシンガー・ソングライターたちに通じる佐野元春の味が強く感じられる佳曲です。

解説:萩原健太

佐野元春さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!