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第283回 萩原健太のotonanoラジオ#165

2022/11/29 公開

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

葛谷葉子

Perfect! Your Love

『TOKYO TOWER』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

葛谷葉子

Rendezvous

『TOKYO TOWER』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

葛谷葉子

New Way

『TOKYO TOWER』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#165

『葛谷葉子<TOKYO TOWER>にインスパイア!"ランドマーク"が登場する名曲集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. FUNK FUJIYAMA / 米米CLUB

先週に引き続き葛谷葉子さんをお迎えした『otonanoラジオ』。葛谷さん独特のキュートな語り口が最高でしたねー。というわけで、先週は葛谷さん久々のニュー・シングル「Tokyo Tower」にちなんで、東京タワーを歌った多彩なナンバーを集めたプレイリストをお届けしましたが。日本の名所は東京タワーだけではありません。今週は東京タワー以外の名所とか実在のランドマークとかを歌った曲をいろいろ集めてみました。まずは日本の名所といえばここ。富士山です。富士山を歌った曲というのも古今いろいろありますが、ここはひとつ、葛谷さんもファンだったという米米CLUBのこの曲を。いくつかヴァージョンがありますが、今日は不肖ワタクシ萩原健太がプロデュースした1989年オリジナル・ヴァージョンでどうぞ。
2. のびしろ / Creepy Nuts

続いては去年リリースされたクリーピー・ナッツのメジャー第2弾アルバム『Case』からのナンバー。隅田川、勝鬨橋、スカイツリー、東京タワーが歌い込まれています。
3. 中央フリーウェイ / 荒井由実

1976年にユーミンがリリースしたアルバム『14番目の月』より。中央自動車道で調布から八王子方面へ向かう途中に見える在日米軍の今はなき調布基地、サントリー武蔵野ビール工場、東京競馬場などが次々歌詞に登場します。シティ・ポップとやらのハシリの1曲でもあります。
4. 環七フィーバー / ギターウルフ

道路ものをもうひとつ。ギターウルフが1995年にインディーズからリリースしたアルバム『ミサイルミー』に収録されていた豪快ロックンロールです。東京都道318号環状七号線をカワサキのバイクでぶっとばしてます。
5. 大阪ストラット / ウルフルズ

続いては関西代表、ウルフルズ。大滝詠一が1975年にリリースしたご当地ファンク「福生ストラット」を下敷きに、1995年、場所を大阪に移してリメイクしたナンバー。梅田、紀ノ国屋、三番街、茶屋町、カンテG、心斎橋、アメ村、ひっかけ橋、ミナミなど、えぐいキーワードが連射されます。
6. 聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに / サカナクション

再び東京に戻って。サカナクションが2019年にリリースしたアルバム『834.194』より、東京・恵比寿にある有名ライヴハウスのことを題材にしたナンバーです。
7. 今宵B.Y.Gで / BEGIN

ライヴハウスに続いて、今度はロック喫茶の歌です。東京・渋谷に1970年代からある老舗“B.Y.G.”のことを歌った2002年のナンバー。個人的な思い出話で恐縮ですが、ぼくも学生時代、ここに入り浸り状態。コーヒー一杯で何時間も粘ってアメリカン・ロックの新作輸入盤を聞きまくっていたものです。あー、懐かしい。サブスク環境などはもちろん皆無、CDによる試聴コーナーなどなかったアナログ盤時代、最高の試聴コーナーとして機能してくれたお店でした。お世話になりました。
8. 公園通り / ガロ

1970年代のことを思い出したところで、また懐かしい曲を。1973年、渋谷にパルコがオープンしたときにキャンペーン・ソングとして使われたナンバーです。パルコのキャンペーンとして一般から公募された歌詞をもとに、山上路夫さんが補作詞。村井邦彦さんが作曲した、これまた初期シティ・ポップです。
9. 土曜の夜は羽田に来るの / ハイ・ファイ・セット

村井邦彦さんの作曲による作品をもうひとつ。ハイ・ファイ・セットが1975年にリリースしたシングル「スカイレストラン」のB面に収められていた曲です。土曜日の羽田空港の光景が歌われています。作詞はA面同様、まだ荒井姓だったころのユーミン。
10. 夏をあきらめて / サザンオールスターズ

サザンの曲には地元、神奈川・茅ヶ崎のパシフィック・ホテルが登場するものがいくつかあります。上原謙・加山雄三父子が経営していたことでもおなじみのホテルですが。今回は1982年のアルバム『ヌード・マン』の収録曲を。研ナオコのカヴァー・シングルもおなじみ。
11. 井の頭公園 / さかいゆう

有名な公園の歌もひとつ。さかいゆうが2008年にリリースしたセカンド・アルバム『YU, SAKAI』に収められていた曲です。京都武蔵野市と三鷹市にまたがる東京都立公園、井の頭恩賜公園の12月の空気感を描いています。
12. 多摩蘭坂 / RCサクセション

最後はRCサクセションが1981年、アルバム『BLUE』で歌ったことで全国的に有名になった坂の歌を。JR中央線の国立と国分寺を結ぶ多喜窪通りの途中にある“たまらん坂”のこと。作者でありリード・ヴォーカリストでもある忌野清志郎さんが亡くなった後も、彼の死を悼むファンたちの聖地として語り継がれています。

解説:萩原健太

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第282回 萩原健太のotonanoラジオ#164

2022/11/22 公開

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

葛谷葉子

Tokyo Tower

『TOKYO TOWER』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

葛谷葉子

53F

『TOKYO TOWER』

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

3.

葛谷葉子

Seaside Hotel

『TOKYO TOWER』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#164

『葛谷葉子<TOKYO TOWER>にインスパイア!“東京タワー”が登場する名曲集』

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1. おしゃれな東京タワー / 爆風スランプ

葛谷葉子さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。語り口の、何とも言えないふわっとしたグルーヴが素敵ですねー。オリジナル・アルバムとしては21年ぶりとなる『TOKYO TOWER』に関するお話をあれこれうかがいました。ということで、今週のプレイリストのテーマは“東京タワー”。すでに配信がスタートしている葛谷さんの「Tokyo Tower」を筆頭に、東京タワーを歌ったポップ・チューンというのは古今たくさん存在しています。スカイツリーができようと、やっぱり日本人にとって東京タワーは特別な象徴なんだろうなと思いますが。今週はそんなふうに無数に存在する東京タワー絡みの名曲の中から12曲ピックアップしてみました。タイトル、あるいは歌詞に、何らかの形で東京タワーが織り込まれている曲集です。お楽しみください。まずは、“赤くてでっかいぞ、東京タワー”という威勢のいいフレーズをたたみかけながら、揺るぎなき存在に対する愛憎をぶちまける爆風スランプの名演から。1985年のナンバーです。
2. 東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー / 小沢健二

小沢健二が1994年にリリースしたアルバム『LIFE』には歌詞に東京タワーが登場する曲がいくつか含まれているのだけれど、そのうちのひとつです。
3. 爆笑アイランド / サザンオールスターズ

1998年のアルバム『さくら』より。桑田佳祐が日本の置かれた現状を憂う真摯なこのナンバーにも象徴的に東京タワーが歌い込まれていました。
4. 東京タワーを消せるなら / 池田聡

1988年のナンバー。雨に煙る東京タワーの光景が恋の終わりの心情に重なる、なんとも切ない歌詞は伊勢正三さんによるものです。
5. 哀愁の東京タワー / 遠藤賢司

“不滅の男”こと遠藤賢司が1979年にリリースした狂熱の名盤『東京ワッショイ』より。シンセサイザーやヴォコーダーなどを駆使して、当時最先端だったテクノ・ポップのテイストと、昭和歌謡っぽいメランコリーとを融合した1曲です。今の時代に聞いたほうが、楽曲そのものが持つレトロ・フューチャー風味がきわだつみたい。
6. 東京タワー / 石野真子

2008年、開業50周年を迎えた東京タワーの公式応援ソングとしてリリースされたナンバー。われらが石野“100万ドルの微笑”真子がしっとり聞かせます。
7. SINGLES / Mr.Children

2018年のアルバム『重力と呼吸』の収録曲。シングル・カットはされていないけれど、テレビ・ドラマの主題歌に起用されたおなじみのナンバーです。去ってしまった幸せな想い出を彩るツールとしての東京タワー…という感じかな。切ない。
8. 東京タワー / なぎら健壱

ぶらり途中下車しながらあちこち散歩しているこの人も東京タワーを歌っていました。1993年のアルバム『この夜に…』からの1曲です。
9. ナンバーナイン / 米津玄師

2016年のシングル。翌年のアルバム『BOOTLEG』にも収録されていました。ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 〜漫画、9番目の芸術〜」の公式イメージソング。冒頭、いきなり“砂漠”から見える“東京タワー”という、なんとも抽象的なイメージの交錯具合にくらくらします。
10. Tokyo Tower / My Little Lover

もともとは1997年に出たCD付きフォト・エッセイ集『Private eyes Rough Mix』に収められていた曲。今回は翌年リリースされたアルバム『The Waters』に収められていた“ヴァージョン2”のほうでどうぞ。
11. 東京タワー / 美空ひばり

日本が誇る“お嬢”、美空ひばりも東京タワーを歌っております。1959年のナンバー。富士山、エッフェル塔、アルプスなど背の高い高いライバルが次々登場する中、燦然と輝く東京タワー。オー、ワンダフルワンダフル…ですよ。
12. 手のひらの東京タワー / 松任谷由実

そして最後は、ユーミン。おみやげの小さな東京タワーを題材に綴った名曲です。もともとは石川セリへの提供曲。今回は1981年のアルバム『昨晩お会いしましょう』でユーミン自らが歌ったヴァージョンでどうぞ。

解説:萩原健太

葛谷葉子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第281回 萩原健太のotonanoラジオ#163

2022/11/15 公開

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

1.

伊東ゆかり

もう誰も愛さない

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

2.

伊東ゆかり

グリーン・ジンジャー・フライング

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

3.

伊東ゆかり

朝が来たら

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#163

『伊東ゆかりの洋楽カヴァー曲オリジナル集~1960年代後半編~』

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1. Massachusetts / The Bee Gees

先週に引き続き、伊東ゆかりさんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。先週はゆかりさんが1962年にリリースした10インチLP『ゆかりのヒット・パレード』でカヴァーなさっていたアメリカン・ポップスの原曲を集めたプレイリストをお届けしました。この『ゆかりのヒット・パレード』シリーズは1964年にかけて第4集まで出て、そこでゆかりさんは数々のティーンエイジ・ポップスを溌剌とカヴァーしまくっていらっしゃったわけですが。1960年代後半に入ると、ぐっと大人な歌唱力を全開にしながら、よりアダルトなポップ・チューンのカヴァーにも取り組むようになりました。ということで、今回のプレイリストは、そんな1960年代後半にゆかりさんがカヴァーなさった曲の原曲を並べてみました。まずは1968年にリリースされた『ゆかりデラックス』というアルバムの収録曲から。このアルバムはA面が「小指の想い出」「恋のしずく」など大ヒットしたゆかりさんの歌謡ヒット6曲。B面6曲が洋楽カヴァー集。そのB面の6曲のオリジナル・ヴァージョンを順に聞いていきましょう。1曲目は最近、ドキュメンタリー映画も日本公開されたビージーズが1967年に放った大ヒット。本国イギリスでも彼らにとって初のナンバーワン・ヒットを記録したほか、日本のオリコン・チャートでも洋楽曲として初のナンバーワンに輝いたおなじみのメロディ。ということで、ゆかりさんもさっそくカヴァーしていらっしゃいました。
2. Day Tripper / Sergio Mendes & Brazil '66

『ゆかりデラックス』B面2曲目はご存じビートルズ・ナンバー。とはいえ、ゆかりさんが参考にしていらっしゃったのは、セルジオ・メンデス&ブラジル66が彼らのデビュー・アルバム、1966年の『ハーブ・アルパート・プレゼンツ・セルジオ・メンデス&ブラジル66』でカヴァーしていたボサ・ロック・ヴァージョンのようなので、そちらをセレクトしてみました。
3. The Beat Goes On / Sonny & Cher

1967年、当時夫婦デュオとして大人気を博していたソニー&シェールが放った大ヒット。これが『ゆかりデラックス』B面3曲目でした。
4. And I Love Her / The Beatles

再びビートルズ・ナンバー。これがB面4曲目。とても美しいメロディとコード進行のナンバーということで、当時から多くの女性ジャズ・シンガーがカヴァーしていて。その際はタイトルと歌詞が「アンド・アイ・ラヴ・ヒム」に変更されていました。ゆかりさんも「アンド・アイ・ラヴ・ヒム」としてカヴァーしていたので、誰かそういう女性シンガーのヴァージョンをセレクトしようと思ったものの、カヴァー・ヴァージョンの数が多すぎて(笑)どれを選んでいいか分からなかったので、オリジナルのビートルズ・ヴァージョンで。
5. The Shadow Of Your Smile / Astrud Gilberto

1965年の映画『いそしぎ』のテーマ曲として人気を博した名曲。これがB面5曲目でした。トニー・ベネット、バーブラ・ストライサンド、シャーリー・バッシー、アンディ・ウィリアムス、パーシー・フェイス、アル・マルティーノ、ペリー・コモ、ナンシー・シナトラなどそれこそ無数のシンガーがカヴァーしているけれど、たぶん日本ではこの人のヴァージョンがいちばん有名っぽいので、ブラジルの歌姫、アストラッド・ジルベルトの歌声でどうぞ。
6. Dio Come Ti Amo / Gigiola Cinquetti

『ゆかりデラックス』のB面のカヴァー曲はほとんどゆかりさんが英語で歌っていたのだけれど、唯一、ラストに収められていたこの曲「愛は限りなく」だけは日本語詞で歌われていました。ゆかりさんも出場したことでおなじみサンレモ音楽祭で、ゆかりさん出場の翌年、1966年にグランプリに輝いたジリオラ・チンクエッティのナンバーです。ゆかりさんは当時シングルとしてもリリースしていました。
7. Let It Be Me / The Everly Brothers

ここから6曲は1969年に伊東ゆかりさんがリリースした2枚組LP『ゆかりダブルデラックス』に収められていたカヴァー曲の原曲集。この2枚組LPはA面が“ゆかりのゴールデン・ヒッツ”と題されたベスト盤的な内容。C面とD面が“オリジナル・コーナー”と題されたオリジナル曲集。で、残るB面が“ゆかりのポップス”と題されたカヴァー集という構成になっていました。で、その“ゆかりのポップス”の1曲目がこの曲。シャンソン界の大御所、ジルベール・ベコーが自作自演した「Je T'Appartiens」という曲が元歌。1957年、英語詞が付けられてジル・コーレイ盤がヒット。1960年のエヴァリー・ブラザーズ盤、1964年のベティ・エヴェレット&ジェリー・バトラーによるデュエット盤なども人気が高いのですが。ゆかりさんはそれを当時まだ珍しかった一人多重デュエットでカヴァーしていました。ということで、今回はエヴァリー兄弟のヴァージョンで。
8. This Girl's In Love With You / Dionne Warwick

『ゆかりダブルデラックス』B面“ゆかりのポップス”2曲目はバート・バカラック作の名曲。1968年にハーブ・アルパートが「ジス・ガイ(This Guy's In Love With You)」というタイトルでリリースしたヴァージョンが全米ナンバーワンに輝いているけれど、ゆかりさんはたぶん翌年、ディオンヌ・ワーウィックがこちらの「ジス・ガール」というタイトルでリリースし全米7位にランクさせたほうのヴァージョンを元にカヴァーなさっていたと思われます。
9. The Look Of Love / Dusty Springfield

『ゆかりダブルデラックス』B面“ゆかりのポップス”3曲目は引き続きバート・バカラック作の名曲。映画『007 カジノロワイヤル』の主題歌として1967年に書かれたものです。「恋の面影」という邦題でもおなじみ。ダスティ・スプリングフィールドが取り上げたこのヴァージョンがいちばん有名かな。
10. By The Time I Get To Phoenix / Glenn Campbell

1960年代後半、バート・バカラックの好敵手として多くの洗練されたヒット・チューンを生み出したソングライター、ジミー・ウェッブの作品。これまた無数のカヴァー・ヴァージョンが存在するけれど、やはり必殺の定番ヴァージョンといえば、グレン・キャンベルによるこの1967年ヴァージョン。邦題は「恋はフェニックス」。これが“ゆかりのポップス”4曲目でした。
11. Scarborough Fair/Canticle / Simon & Garfunkel

“ゆかりのポップス”5曲目は英国フォーク・リヴァイヴァルの立役者でもあったイーワン・マッコールが収集したトラディショナル曲のひとつ。1966年にサイモン&ガーファンクルがアルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』に収録して、一気に知名度を上げたナンバーです。1968年の映画『卒業』のサウンドトラック・アルバムにも収められた際、シングル・カットされて全米11位まで上昇しました。
12. Aquarius/Let The Sunshine In / The 5th Dimension

『ゆかりダブルデラックス』B面ラストは、当時大いに話題を巻き起こしていた“ロック・ミュージカル”の草分け『ヘアー』の挿入歌。1969年、黒人ポップ・ヴォーカル・グループ、フィフス・ディメンションが取り上げて特大ヒットを記録しました。ゆかりさんもこのフィフス・ディメンション・ヴァージョンを下敷きに、一人多重コーラスなどにも挑みながらカヴァーなさっていました。邦題は「輝く星座」。先週と今週、ご紹介したようなナンバーの伊東ゆかりさんヴァージョンもサブスクでストリーミングされるようになったらうれしいですね。

解説:萩原健太

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第280回 萩原健太のotonanoラジオ#162

2022/11/08 公開

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

1.

伊東ゆかり

恋する瞳

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

2.

伊東ゆかり

あなたしか見えない

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

3.

伊東ゆかり

ロマンチスト

『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション~』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#162

『伊東ゆかり<ゆかりのヒット・パレード>オリジナル・ヴァージョン集+2』

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1. ヴァケイション / コニー・フランシス

来年、歌い始めて70周年、レコード・デビュー65周年という伊東ゆかりさんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。まさに大人でしたー。素敵でしたー。というわけで、今週のプレイリストは、そんな伊東ゆかりさんの初期に着目。今からちょうど60年前の1962年10月、キング・レコードからリリースされた10インチLP『ゆかりのヒット・パレード』の収録曲を下敷きにしたセレクションです。当時、日本の音楽シーンでは、英米の最新ヒット曲に日本語の歌詞で歌う“訳詞ポップス”というのがブームになっていて。毎週火曜日の夜7時から、その種のヒット曲を満載した『ザ・ヒット・パレード』という30分の歌番組がテレビでレギュラー放送され人気を博していたものです。伊東ゆかりさんもよく出演していました。『ゆかりのヒット・パレード』というアルバムは、そんな人気番組にあやかったタイトルを付けていただけあって、全曲が訳詞ポップス。伊東ゆかりさんによるヴァージョンは残念ながら今のところストリーミングされておらず、それらは11月15日に発売になるCD6枚組『ポップス・クイーン~オールタイム・シングル・コレクション』のほうで聞いていただくしかないのですが、こちらのプレイリストで、そのオリジナル・ヴァージョンを楽しんでいただきましょう。まずはA面の1曲目から。日本でも大人気を博したアメリカン・ポップス・クイーン、コニー・フランシスが1962年に放った大ヒットです。日本ではゆかりさんの他、弘田三枝子さんの訳詞ヴァージョンもおなじみ。
2. 悲しきクラウン / ニール・セダカ

A面の2曲目は、前曲のコニー・フランシスにソングライターとして「ボーイ・ハント」「まぬけなキューピッド」などのヒットを提供していたニール・セダカ自身のヒット曲。これも1962年のナンバーです。
3. かわいいベイビー / コニー・フランシス

『ゆかりのヒット・パレード』には全10曲中なんと4曲のコニー・フランシス・ナンバーが収録されていました。番組でもコニーとお会いになったときのことを話してくださっていた伊東ゆかりさん。声質も含めて、カヴァーするにはぴったりのシンガーだったのかも。というわけで、A面3曲目はコニーがやはり1962年、シングル「思い出の冬休み」のB面に収めて世に出した曲。本国アメリカではシングルB面曲ということもありヒットしていませんが、イギリスや日本では大ヒット。日本ではゆかりさんの他、ゆかりさん、園まりさんとともに“スパーク三人娘”として当時大人気を博した中尾ミエさんもレパートリーに取り入れていました。
4. コーヒー・デイト / エディ・ホッジス

A面4曲目は14歳でデビューし、「恋の売り込み」「恋する乙女」などヒットを連発したエディ・ホッジスのナンバー。ゆかりさんは『ゆかりのヒット・パレード』の直後に「恋の売り込み」のカヴァー・シングルもリリースしていますが、その前哨戦という感じのカヴァーでした。これも本国アメリカでは1961年のシングル「夢の盗賊」のB面曲でしたが、日本では人気曲。飯田久彦さんのカヴァーもおなじみです。
5. すてきな16才 / ニール・セダカ

A面ラストは再びニール・セダカのナンバー。弘田三枝子さんの訳詞カヴァーでもおなじみ、1961年の大ヒット曲です。
6. ロコモーション / リトル・エヴァ

ここからが『ゆかりのヒット・パレード』のB面。1曲目は伊東ゆかりさんの訳詞ポップスものとしてはいちばん有名かもしれないナンバーです。1960年代にソングライターとして大活躍していたキャロル・キングのおうちで子守をしていたというリトル・エヴァがやはり1962年に放った特大ヒット。作者はもちろんキャロル・キング&ジェリー・ゴフィン夫妻です。
7. レッツ・ゲット・トゥゲザー / ヘイリー・ミルズ

B面2曲目は1961年のディズニー映画『罠にかかったパパとママ』の主題歌として、当時13歳だったヘイリー・ミルズが歌った曲。伊東ゆかりさんは訳詞ではなく英語詞のまま見事に歌いこなしていました。それを想像しながらオリジナル・ヴァージョンを聞いてください。
8. ジョニー・エンジェル / シェリー・フェブレー

当時、テレビ番組『うちのママは世界一』に長女役で出演し人気を博していた女優/シンガーのシェリー・フェブレーが、1962年、同番組の挿入歌として歌ったドリーミーな傑作曲。シングルとしてリリースされ全米ナンバーワンに輝きました。これが『ゆかりのヒット・パレード』B面3曲目。
9. 大人になりたい / コニー・フランシス

B面4曲目と5曲目はまたまたコニー・フランシスもの。こちらは1961年、アメリカではシングルB面、イギリスではA面に収められてリリースされたナンバーです。
10. セコハン・ラヴ / コニー・フランシス

『ゆかりのヒット・パレード』B面ラストは、コニーが1962年に放ったヒットのカヴァーでした。“セコハン”というのは“セカンド・ハンド”、つまり“お古”のこと。昔の日本で独自に広まった言い回しです。素敵なカントリー・バラードなのに、妙な邦題のせいでイメージが…(笑)。
11. なみだの日記 / バリー・ダーベル

ここからは本プレイリストのボーナス・トラック(笑)。『ゆかりのヒット・パレード』には収録されませんでしたが、前出「悲しきクラウン」のシングルB面として1962年6月に伊東ゆかりさんがリリースした曲のオリジナル・ヴァージョンを。バリー・ダーヴェルが1961年、アトランティック・レコードからリリースしたものの、日本以外ではまったくヒットしなかったというナンバーです。
12. ランナウェイ・ガール / ディオン

こちらも『ゆかりのヒット・パレード』には未収録ながら、同じ年、1962年の2月に伊東ゆかりさんがシングルA面としてリリースした曲のオリジナル・ヴァージョン。「浮気なスー」「ワンダラー」「ルビー・ベイビー」「恋のティーンエイジャー」などのヒットでおなじみ、元祖“キング・オヴ・ニューヨーク”の異名を取るディオンが1961年、シングル「浮気なスー」のB面に収めてリリースしたものです。

解説:萩原健太

伊東ゆかりさんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第279回 萩原健太のotonanoラジオ#161

2022/11/01 公開

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

渡辺真知子

迷い道

『いのちのゆくえ ~My Lovely Selections~』

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

渡辺真知子

かもめが翔んだ日(キューバンバージョン)

『Amor Jazz3 ~愛しのBIG BAND~』

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

渡辺真知子

二雙の舟

『二雙の舟 / カナリア』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#161

『琥珀色の想い出~“ポプコン”出場アーティスト・コレクション』

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1. 窓辺 / 八神純子

先週に引き続き渡辺真知子さんをゲストにお迎えした『otononaラジオ』。番組の中でもお話がありましたが、真知子さんといえばご存じ“ポプコン”ことYAMAHAのポピュラーソングコンテスト出身。1969年から1986年まで行なわれていた新人音楽家の登竜門的コンテストですが。今週のプレイリストはそのポプコンへの出場経験のあるシンガー・ソングライターなりバンドなりの歌声を集めてみました。といっても、出場曲集というわけではなく、出場経験のあるアーティストたちの曲の中からぼくが好きなものをピックアップして並べたセレクションです。ポプコンといえば、中島みゆき、チャゲ&飛鳥、長渕剛、小坂明子など、思い出す顔ぶれはまだまだたくさんいるわけですが、さすがに全部は選びきれないし、ストリーミングされていない音源も多いので、今回とりあえずの12組です。まずは1974年10月の第8回大会に出場し、「雨の日のひとりごと」で優秀曲賞に入賞した八神純子。ここで一気に注目を集めてデビューを飾った彼女が1978年にリリースしたアルバム『思い出は美しすぎて』の中からこの曲を。
2. 琥珀色の想い出 / あみん

岡村孝子と加藤晴子のデュオ、あみんといえば、あの「待つわ」で1982年5月のポプコン第23回大会のグランプリを獲得して大人気を獲得したわけですが。実はその前年、1981年10月、第22回大会にも出て中部北陸大会で優秀曲賞を受賞しています。そのときに歌ったのが本曲。デビューを飾ってから「待つわ」に続くセカンド・シングルとして1982年にリリースされました。
3. TOBACCO / てつ100%

てつ100%は、ヴォーカルの杉原徹を中心に結成されたバンド。菅野よう子が在籍していたことでもおなじみ。彼らも1985年9月、ポプコンの第30回大会に出場して「TOKYO TACO BLUES」で優秀曲賞を受賞しています。それをきっかけにメジャー・デビューした彼らが1987年に放ったファースト・アルバムからのナンバーを。
4. ひとりぼっちの部屋 / 高木麻早

個人的にはこの人のこの曲をきっかけにポプコンというコンテストの存在を知ったような、そんな覚えがあります。1973年5月、ポプコン第5回大会の入賞曲。その年の秋にデビュー・シングルとしてリリースされヒットしました。カントリー・ロックのテイストをいい感じにかわいらしく取り入れたポップ・チューンでした。
5. おねむEXPRESS / シュガー

ミキ、クミ、モーリの女性3人組、シュガーは厳密にはポプコン出身ではないのだけれど。クミとモーリが組んでいた“かりんとう”なるデュオで1977年10月のポプコン第14回大会に出場したことがあったり、後出“きゅうてぃぱんちょす”の結成時のメンバーだったりという流れもあって、ここに選曲しちゃいました。ミキが加入してシュガーとなって、1981年、かの「ウェディング・ベル」の特大ヒットを受けてリリースされたファースト・アルバム『SUGAR DREAM』からのナンバーをどうぞ。
6. プラット・ホーム / 浜田良美

1974年10月のポプコン第8回大会に「いつのまにか君は」で出場して優秀曲賞を受賞した浜田良美。その前年、1974年5月の第5回大会にも“ナッツ”というバンドで出場して九州大会で優秀賞を獲得したこともあったとか。今日は1975年のアルバム『渾沌の章』からこの曲を。
7. ポニーテールの顔で / 辛島美登里

この人もポプコン出身。1983年10月の第26回大会に「雨の日」で出場して見事グランプリに輝いています。今回はそんな辛島さんが1995年にリリースした『IN YOUR EYES』というアルバムの収録曲をお聞き下さい。
8. GOSPELの夜(Gospel Night) / きゅうてぃぱんちょす

シュガーの曲のところで名前が出てきた“きゅうてぃぱんちょす”というのは、杉山清貴&オメガトライブの前身となったバンド。1980年5月のポプコン第19回大会に本曲「GOSPELの夜(Gospel Night)」で出場し入賞。それをきっかけに注目を集め、バンド名を杉山清貴&オメガトライブと改めて1983年にデビューを飾りました。今回は、デビュー35周年を祝して2018年5月に日比谷野音にオリジナル・メンバーで再集結したオメガトライブによるライヴ音源でどうぞ。アルバム『The open air live “High & High 2018″ Complete』より。ちゃんと“きゅうてぃぱんちょす”と名乗ってのパフォーマンスです。
9. 恋のささやき / 小坂恭子

1973年5月の第5回大会に「私の好きな組み合わせ」で出場し、前出の高木麻早とともに入賞したのち、翌1974年5月の第7回大会にも出場。このときは本曲「恋のささやき」で見事グランプリに輝きました。そして、メジャー・デビュー。1975年にあの特大ヒット「想い出まくら」が誕生したわけです。
10. ふられたあとで / 柴田容子

1974年10月のポプコン第8回大会に「3月3日の悲しみ」で参加して優秀曲賞を獲得したシバヨーこと柴田容子。今日は1978年のアルバム『とまり木』の収録曲をセレクトしてみました。
11. グッバイは甘いリズムにのせて / 安部恭弘

1970年代、慶應大学の音楽サークルで杉真理や竹内まりやたちと活動していた安部恭弘。在学中に杉真理のバンド“マリ&レッドストライプス”の一員としてデビューしたものの、いろいろあってバンドが解散。1977年10月、ソロでポプコン第14回大会に「セプテンバー・バレンタイン」で出場しました。ということで、ポプコン出身者として選曲に加えちゃいましたが、このときは残念ながら受賞を逃し、いったんは音楽の道をあきらめます。が、彼の才能を惜しむ仲間たちの声に後押しされながら、まずは裏方として音楽シーンに復帰。1982年に本格的にソロ・デビューを飾りました。今日は1984年にリリースされたアルバム『MODERATO』の収録曲を。
12. ブルー / 渡辺真知子

そして、ラストは真知子さん。1975年5月、ポプコン第9回大会に「オルゴールの恋唄」で出場し、特別賞に輝いています。番組の中でもお話ししてくださった通り、この第9回大会はもう伝説的な回で、中島みゆき、柴田容子、八神純子、庄野真代、松崎しげるなど、後の大物がずらり勢揃いしていました。今日はぼくが個人的にいちばん好きな真知子さんナンバーを。1978年に大ヒットしたサード・シングルです。

解説:萩原健太

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第278回 萩原健太のotonanoラジオ#160

2022/10/25 公開

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

渡辺真知子

カナリア

『二雙の舟 / カナリア』

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

渡辺真知子

二雙の舟

『二雙の舟 / カナリア』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#160

『全12曲・総再生1時間半超え!長尺ヒット・シングル集!![洋楽編]』

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1. ヘイ・ジュード / ビートルズ

渡辺真知子さんをお迎えして盛り上がった「otonanoラジオ」。真知子さんは先日、ご自身も出演なさった中島みゆきの音楽舞台『夜会』のテーマ・ソング「二雙の舟」をカヴァーし、デビュー45周年記念シングルとしてリリースなさったわけですが。これ、番組でもおかけした通り、なんと8分を超える大作。ということで、恒例のプレイリストは「二雙の舟」にも負けない、長尺ヒット・シングルのセレクションです。今回は洋楽編。普通、シングルは“スリー・ミニッツ・パラダイス”などと言われるように、まあ、だいたい3分台の長さが多いのだけれど。そんな常識を超えた長いヒット曲たちを12曲。てことで、今回のプレイリストは過去最長の1時間半超え(笑)。お時間あるときにのんびりお楽しみください。まずはビートルズが1968年に放ったこの曲から。7分11秒という長尺ながら、見事全米1位に輝き、ビートルズにとって最大のヒット曲となりました。
2. ロックンロール・パラダイス / ミート・ローフ

シアトリカル・ロックの第一人者、ミート・ローフが1977年にリリースした初ソロ・アルバム『地獄のロック・ライダー(Bat Out of Hell)』からのナンバー。翌年シングル・カットされて、特にヨーロッパで大ヒットを記録した。エレン・フォーリーとのデュエットで展開する3部構成のドラマチックなロックンロール組曲で、アルバム・ヴァージョンが8分28秒、シングル・エディット・ヴァージョンが5分32秒。
3. ホテル・カリフォルニア / イーグルス

1970年代米西海岸ロック・シーンを代表するバンドが1976年に放った特大ヒット。6分30秒のアルバム・ヴァージョンがそのままの長さでシングル化され、全米1位に輝きました。日本でもその哀愁に満ちたメロディがサラリーマンたちまで巻き込んで大当たり。有線放送のチャートのトップにランクされたりも。
4. パパ・ワズ・ア・ローリング・ストーン / ザ・テンプテーションズ

1960年代からモータウン・レコードのドル箱スターとして活躍してきたテンプテーションズが、1972年、折からのニュー・ソウル・ムーヴメントからの影響を取り入れながら放った全米ナンバーワン・ヒット。当時の社会情勢を反映した社会派ファンク・チューンです。アルバム・ヴァージョンは12分4秒、シングル・エディット・ヴァージョンは6分54秒。今回はシングルのほうで。それでも十分長いです。
5. ノーヴェンバー・レイン / ガンズ・アンド・ローゼズ

間もなく5年ぶりの来日公演があるガンズ・アンド・ローゼズが1992年に放ったヒット。アルバム・ヴァージョンは8分57秒で、ラジオでの放送用に4分43秒にエディットされたショート・ヴァージョンも作られたが、基本的にはシングルもアルバムと同じフル・ヴァージョンでリリースされました。最高全米3位まで上昇。去年、テイラー・スウィフトの「オール・トゥー・ウェル」の再録音エクステンデッド・ヴァージョンが登場するまで、全米チャートのトップ10圏内にランクしたいちばん長いヴァージョンでした。
6. マッカーサー・パーク / リチャード・ハリス

英国男優リチャード・ハリスが1968年、全米2位に送り込んだシングル。名ソングライター、ジミー・ウェッブの作品です。これも3部構成、7分21秒に及ぶ当時異例の長尺シングルでした。さすがは名優、テンポ・チェンジが繰り返されるシンフォニックかつドラマチックな世界観を隙なく見事に演じきってみせます。ドナ・サマーのカヴァー・ヴァージョンも後に大ヒットしました。
7. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ / エルトン・ジョン

1974年にエルトン・ジョンがおなじみのビートルズ・ナンバーをカヴァーしたもの。アルバム・ヴァージョンは6分16秒、シングル・エディットは5分54秒。たいして短くなってないので、今回はアルバム・ヴァージョンで。作者のジョン・レノンも“ドクター・ウィンストン・オ・ブギー”なる変名でレコーディングに参加しています。全米1位。
8. 孤独の叫び / グランド・ファンク・レイルロード

まだ3人編成でデビューしたばかりだったグランド・ファンクがアニマルズのナンバーをカヴァーしたもの。本国アメリカではシングル化されていないようだけど、ヨーロッパでは1969年に、日本でも1971年にシングル・カットされています。全長9分39秒のアルバム・ヴァージョンのまま収めるため、いわゆるドーナツ盤の普通の回転数45回転ではなく、LPと同じ33回転のシングルとしてリリースされました。
9. ホワッド・アイ・セイ(パート1&2) / レイ・チャールズ

1959年に全米6位まで上昇したナンバー。これ、実はたいして長い曲ではなく、アルバム・ヴァージョンが5分10秒程度。が、当時のポップ・ミュージックの常識からするとそんな長い曲はラジオでかけてもらえないのでシングル発売できない。ということで、名匠エンジニアのトム・ダウドが、レコーディングした段階では7分半に及んでいたヴァージョンを見事にエディット。アルバム・ヴァージョンを5分ちょっとにまとめあげ、シングルのA面に3分5秒の「パート1」を、B面に1分59秒の「パート2」を収めてリリースしました。これが長い曲をパート1、パート2に分けてシングルAB面に収める手法の先駆けでした。
10. イズント・イット・ア・ピティ / ジョージ・ハリスン

1970年、ジョージ・ハリスンが大傑作アルバム『オール・シングス・マスト・パス』に収録した曲。「マイ・スウィート・ロード」とのカップリングでシングル・カットされ、両面ヒットとして全米1位に輝いた。さすが元ビートルズ。遠慮なし、エディットなしの7分10秒ものです。
11. 最も卑劣な殺人 / ボブ・ディラン

世の中が新型コロナウイルスのパンデミックで大揺れだった2020年3月、ボブ・ディランが“どうぞ安全に過ごされますように。油断されませんように。そして、神があなたと共にありますように…”というメッセージとともに突如発表した新曲。なーんと全長16分56秒! 全米ロック・デジタル・ソング・セールス・チャートで見事1位に輝きました。
12. ウィー・アー・ザ・ワールド / U.S.A.フォー・アフリカ

1985年、アフリカの飢餓と貧困を救うために作られたキャンペーン・ソング。クインシー・ジョーンズのプロデュースのもと、マイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチー、ダイアナ・ロス、シンディ・ローパー、ヒューイ・ルイス、スティーヴィー・ワンダー、ブルース・スプリングスティーン、レイ・チャールズ、ボブ・ディランらスーパースターが一堂に会したチャリティ・プロジェクトでした。アルバム・ヴァージョンが7分2秒、シングル・ヴァージョンが6分22秒。どっちも長いです。今回はどうせなら30秒ほど長いアルバム・ヴァージョンのほうで。

解説:萩原健太

渡辺真知子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第277回 萩原健太のotonanoラジオ#159

2022/10/18 公開

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その2)

1.

鈴木聖美

YOKOHAMA RED SHOES

『I've Got Soul』

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その2)

2.

鈴木聖美 with 桑野信義

夢見る16歳(新録音)

『I've Got Soul』

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その2)

3.

鈴木聖美

WOMAN(新録音)

『I've Got Soul』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#159

『Love Power~男女SOULデュエット集』

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1. 夜明けのスターライト / 鈴木聖美&鈴木雅之

先週に引き続き、我らがおねーちゃん、鈴木聖美さんをゲストにお迎えした「otonanoラジオ」。さすがの年輪というか、ベテランというか、聖美おねーちゃんのトークは面白いですねー。さて、今週のプレイリストは弟のマーチンさんやラッツ仲間のクワマンさんをはじめ多彩な男性シンガーとデュエットも披露している鈴木聖美さんにちなんで、男女デュエットものを集めてみました。以前、野宮真貴さんがゲストにいらしてくださったときにも男女デュエットものを特集しましたが、そのときはオール・ジャンルだったので、今回はソウルものに絞ってお届けします。野宮さん回にセレクトしたピーチズ&ハーブとかマリリン・マックー&ビリー・デイヴィス・ジュニアとかも外して選曲しました。とはいえ、まずは何はともあれ鈴木姉弟のソウルフルなデュエットものからいきましょう。1988年におねーちゃんが発表したアルバム『Cotton』の収録曲です。
2. ユー・アー・エヴリシング / ダイアナ・ロス&マービン・ゲイ

野宮さん回にはタミー・テレルとのデュエット曲をセレクトしたマーヴィン・ゲイは、他にもいろいろな女性シンガーのお相手をつとめてます。というわけで、今回はモータウンR&Bの女王、ダイアナ・ロスとのデュエットものを。1973年の共演曲です。
3. ノック・オン・ウッド / オーティス・レディング&カーラ・トーマス

モータウンのキングとクイーンのデュエットに続いては、サザン・ソウルの名門アトランティック・レコードのキングとクイーン、オーティス・レディングとカーラ・トーマスのデュエットです。1967年のずばり『キング&クイーン』という共演アルバムからのシングル・カット曲。
4. ソリッド / アシュフォード&シンプソン

1960年代からソングライターとして無数のヒット曲を書き続けてきた夫婦、ニコラス・アシュフォード&ヴァレリー・シンプソン。彼らが自らパフォーマーとして1985年に放った特大ヒットを。
5. ギミ・ユア・ラヴ / アレサ・フランクリン&ジェイムス・ブラウン

ソウル・シーン最強のディーヴァ、アレサと、ソウルのゴッドファーザー、JBによる超強力なデュエット曲。1989年のアレサのアルバム『スルー・ザ・ストーム』のオープニングを飾っていたファンキーなナンバーです。ナラダ・マイケル・ウォルデンのプロデュースもごきげん。
6. 恋人は何処に / ロバータ・フラック&ダニー・ハザウェイ

1972年、ニュー・ソウル・シーンをそれぞれ代表する男女アーティスト、ロバータ・フラックとダニー・ハザウェイがタッグを組んでリリースしたデュエット・アルバムからシングル・カットされ大ヒットを記録した名曲。
7. レット・イット・ビー・ミー / ジェリー・バトラー&ベティ・エヴェレット

これも以前、古内東子さんをお迎えしたときのプレイリストでセレクトしたことがある曲。そのときはローラ・ニーロのライヴ・ヴァージョンで聞いていただきましたが、今回は男女ソウル・デュオものということで、1964年のこのヒット・ヴァージョンを。シャンソン界の大御所、ジルベール・ベコーが自作自演した「Je T'Appartiens」という曲が元歌。1957年、英語詞が付けられて、多くのシンガーがカヴァーしています。
8. ラヴ・パワー / ディオンヌ・ワーウィック&ジェフリー・オズボーン

1987年にディオンヌがリリースしたアルバム『リザヴェーションズ・フォー・トゥー』からのシングル・カット曲。ディオンヌといえばこの人、バート・バカラックが当時の奥さまだったキャロル・ベイヤー・セイガーと共作した極上ポップ・チューンです。
9. トゥー・ハーツ / ステファニー・ミルズ&テディ・ペンダーグラス

ブルックリン出身の女性R&Bシンガー、ステファニー・ミルズが1981年にリリースしたアルバム『ステファニー』の先行シングルとして話題を呼んだミディアム・ダンス・チューン。フィラデルフィア・ソウルを代表する大物、テディ・ペンダーグラスとのデュエットです。
10. ネヴァー・ニュー・ラヴ・ライク・ジス / アレクサンダー・オニール&シェレール

偉大なプロデューサー・チーム、ジミー・ジャム&テリー・ルイスが送り出した最終兵器、アレクサンダー・オニールが、やはりジャム&ルイスが目にかけていた女性シンガー、シェレールと組んだ1987年作品。もろエイティーズ!
11. 遙かなる愛 / ボビー・ウーマック&パティ・ラベル

1950年代半ば、10歳のころからグループの一員として、あるいはソロ・パフォーマーとして、セッション・ギタリストとして、ソングライターとして、無数の名演を生み出してきた“ソウル・サヴァイヴァー”、ボビー・ウーマックが1984年、パティ・ラベル姐さんをデュエット・パートナーに迎えた濃ゆ〜いデュエットです。
12. エヴリタイム・ウィー・セイ・グッドバイ / レイ・チャールズ&ベティ・カーター

ラストは1961年にリリースされた必殺の名デュエット・アルバム『レイ・チャールズ&ベティ・カーター』より、コール・ポーター作の超名曲を。“いつも君にさよならを言うたび、ぼくはちょっと死ぬんだ…”という冒頭の歌詞から刺さりまくりです。

解説:萩原健太

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第276回 萩原健太のotonanoラジオ#158

2022/10/11 公開

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その1)

1.

鈴木聖美

ふたりの季節

『I've Got Soul』

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その1)

2.

鈴木聖美

You are my dream

『I've Got Soul』

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その1)

3.

鈴木聖美

TAXI (Acoustic ver.) (新録音)

『I've Got Soul』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#158

『A Natural Woman~アメリカン・ソウル・ディーヴァ名唱集』

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1. Let's Stay Together / Tina Turner

われらがおねーちゃん、鈴木聖美さんをゲストにお招きした「otonanoラジオ」。さすがにベシャリも達者で(笑)。楽しかったですねー。来週も楽しみですが。今週のプレイリストは日本を代表するソウル・ディーヴァである聖美さんにあやかって、アメリカのソウル・ディーヴァの歌声の中からぼくが好きなものをとりあえず12曲、並べてみました。まずは泣く子も黙るティナ・ターナー。アイク&ティナ・ターナーとしての夫婦デュオを卒業し、1983年にソロで放った復活シングル。ご存じ、アル・グリーンのヒットのカヴァーでありました。
2. I'll Take You There / The Staple Singers

今なお現役ばりばりでソロ活動を続けているベテラン・ソウル・クイーン、メイヴィス・ステイプルがかつて在籍していたファミリー・グループ、ステイプル・シンガーズ。1972年の特大ヒット・シングルを。
3. Gee Whiz / Carla Thomas

ルーファス・トーマスの娘で、オーティス・レディングのデュエット・パートナー。この人もけっして見逃せないソウルの歌姫です。カーラ・トーマス。彼女が1960年に放ったファースト・ヒットをどうぞ。
4. Just One Look / Doris Troy

傑作ミュージカル『ママ、アイ・ウォント・トゥ・シング』の主人公のモデルにもなったソウル・ディーヴァ。ジョージ・ハリスンがプロデュースしたり、ピンク・フロイドのアルバムに参加したり、ロック系の人脈とのつながりも多い人ですが。彼女が1963年に放ったポップ・ヒットを。
5. I'd Rather Go Blind / Etta James

名門チェス・レコードのドル箱スターとして大活躍したエタ・ジェイムズ。映画『キャデラック・レコード』でビヨンセがエタ役をつとめたことで若い世代の間でも知名度が上がった人ですが。今回は数多い彼女のヒットの中から1967年のヒット・チューンを。
6. I Cried a Tear / Lavern Baker

ラヴァーン・ベイカーは初期アトランティック・レコードを代表する女性R&Bシンガー。本曲は1958年のヒットです。キング・カーティスのサックスがまた泣けます。
7. Neither One of Us / Gladys Knight & The Pips

「さよならは悲しい言葉」という邦題で日本でもおなじみ、1973年のヒット。ポップ・カントリー系の白人シンガー・ソングライター、ジム・ウェザリーが作った曲ですが、グラディス・ナイトの手にかかればなんともソウルフルな楽曲に変身してしまうのでした。
8. I Don't Know / Ruth Brown

ルース・ブラウンも初期アトランティックを代表するスターのひとり。ブルック・ベントン、マイク・ストーラー、キング・カーティス…など、R&Bファンには気になる顔ぶれがレコーディングに関わった1959年のヒットです。
9. You Beat Me to the Punch / Mary Wells

モータウンの歌姫もいきましょう。メアリー・ウェルズ。「マイ・ガイ」の大ヒットでおなじみの人ですが、他にも名曲がいっぱいあるので、今回は1962年にヒットしたこちらの曲を。スモーキー・ロビンソンのプロデュース/作曲ナンバーです。
10. Baby, I'm Yours / Barbara Lewis

ピーター&ゴードン、ジョディ・ミラー、ハリー・ニルソン、デビー・ブーン、タニヤ・タッカーなど多くのシンガーがカヴァーしている名ポップ・ソウル。ヴァン・マッコイが書き下ろした1965年作品です。
11. Too Many Roads / Esther Phillips

1950年に“リトル・エスター・フィリップス”名義でプロ活動を開始したエスター・フィリップスも1980年代にかけて息の長い活動を続けた素晴らしい歌姫。今回は1974年にクリード・テイラーのKUDUレコードからリリースされたこのバラードをどうぞ。
12. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman / Aretha Franklin

ラストは押しも押されもしないソウル・ディーヴァ・ナンバーワン、アレサ・フランクリンの歌声で。白人夫婦ソングライター・チーム、キャロル・キング&ジェリー・ゴフィンが1967年に“新しい時代の女性像”を描いた、ある種トピカルな楽曲を永遠の名曲へと昇華させた名唱です。

解説:萩原健太

鈴木聖美さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第275回 萩原健太のotonanoラジオ#157

2022/10/04 公開

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

古内東子

かわいくなりたい(from「-toko furuuchi concert tour '98 魔法の手-」)

『魔法の手(Deluxe Edition)』

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

ジョージ・マイケル

僕の瞳に小さな太陽 withエルトン・ジョン (Live)

『リッスン・ウィズアウト・プレジュディス+MTVアンプラグド スタンダード・エディション』

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

古内東子

Distance(from「-toko furuuchi concert tour '98 魔法の手-」)

『魔法の手(Deluxe Edition)』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#157

『洋邦ベテラン女性アーティストBESTライヴSelection!』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Big Yellow Taxi / Joni Mitchell

先週に引き続き古内東子さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。今週はライヴについてのお話をいろいろうかがいました。興味深いエピソードも飛び出して楽しかったですね。というわけで、今週のプレイリストはライヴ関係で。ぼくの好きな女性アーティスト、まあ、古内さんのものは番組のほうでかかったので、あえて古内さんを除く顔ぶれにしてありますが(笑)、そういうライヴ音源を洋楽・邦楽取り混ぜてあれこれ並べてみました。といっても、好きな女性アーティストはたくさんいすぎて収拾がつかないもんで、今回はぐっとベテランに限ったセレクションにしてみました。まずは泣く子も黙るジョニ・ミッチェル。彼女が1974年にリリースした初のライヴ・アルバム『コート・アンド・スパーク』から、トム・スコット、ラリー・カールトン、ウィルトン・フェルダー、ジョー・サンプルらジャズ寄りの腕利きたちがバックアップしたジョニ姐さんの代表曲を。
2. The Right Thing To Do / Carly Simon

この人も1970〜80年代、かっこよかったなぁ。カーリー・サイモン。彼女が1988年にリリースしたずばり『グレイテスト・ヒッツ・ライヴ』というアルバムから。1972年の名盤『ノー・シークレッツ』の収録曲を、ホール&オーツのバンドの要だったTボーン・ウォークをはじめ、マイケル・ブレッカー、ヒュー・マクラッケン、リック・マロッタら名手がバックアップしています。
3. 電話線 / 矢野顕子

続いては日本人アーティスト。矢野顕子さんがやはり1988年にリリースしたライヴ・アルバム『グッド・イーブニング・トウキョウ』からの演奏です。1976年にリリースされた衝撃のファースト・アルバム『ジャパニーズ・ガール』でリトル・フィートをバックに披露していた楽曲を、坂本龍一、小原礼、高橋幸宏、窪田晴男ら日本のごきげんなミュージシャンたちを従えて聞かせてくれます。
4. Wedding Bell Blues / Laura Nyro

若くして亡くなってしまった天才女性シンガー・ソングライター、ローラ・ニーロ。彼女が1994年、来日した際に録音したライヴ・アルバム『トゥリーズ・オヴ・ジ・エイジズ:ローラ・ニーロ・ライヴ・イン・ジャパン』より。ローラ自ら奏でるピアノと、3人の女性コーラスのみをバックに往年の代表曲をみずみずしく歌っています。
5. Call Me / Aretha Franklin

飛行機が嫌いということもあって、一度も来日することなく生涯を終えてしまったクイーン・オヴ・ソウル。でも、彼女はたくさんのライヴ・アルバムを残しているので、その強力なライヴ・パフォーマンスを追体験できます。今回は彼女の絶頂期、1971年の歌声を。ジャンルを越えて大ヒットした『アレサ・ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト』のために録音されながら、アルバムには収録されないままだった未発表音源を2005年になってから発掘リリースしたものです。アレサのオリジナル曲。バックは、キング・カーティス 、ビリー・プレストン、コーネル・デュプリー、ジェリー・ジェモット、バーナード・パーディら、これまた豪華な顔ぶれです。
6. 横顔 / 大貫妙子

次なる日本人アーティストは大貫妙子さん。1980年代から続けてきた室内学的なアコースティック・コンサート・シリーズの2018年版をライヴ・レコーディングした『ピュア・アコースティック2018』より、1978年のアルバム『ミニヨン』に収められていた名曲を。
7. Three Cigarettes In An Ashtray / k.d. lang

k.d.ラングが2000年の暮れ、テレビの人気音楽番組に出演した際の音源を収めた『ライヴ・バイ・リクエスト』より。大先輩カントリー・シンガー、パッツィ・クラインのレパートリーのカヴァーながら、初期のアルバムでも取り上げて以来、k.d.の当たり曲としてもお馴染みのナンバーです。エイブ・ラボリエル・ジュニア、グレッグ・レイズらがバックアップしています。
8. Down Where The Valleys Are Low / Judee Sill

若くして悲劇の死を遂げながら、多くの後続女性アーティストに影響を与えた米国のシンガー・ソングライター、ジュディ・シル。グリム・スパンキーのレミちゃんも大好きだと話してくれましたが。彼女が1970年代、英BBCの音楽番組に出演したときの貴重な音源を集めたアルバム『ライヴ・イン・ロンドン〜ザ・BBC・レコーディングズ1972〜1973』からのナンバーです。
9. 週末 / 吉田美奈子

吉田美奈子さんも1970年代から素晴らしいライヴ・パフォーマンスをぼくたちに届け続けてくれた偉大な存在です。そんな彼女の初期ライヴ・アルバム『MINAKO II』から1曲。村上ポンタ、高水健司、松木恒秀、伊藤銀次、佐藤博、矢野顕子、山下達郎、大貫妙子ら強力な布陣がサポートした1975年のパフォーマンスです。
10. So Far Away / Carole King

キャロル・キングが2016年、彼女の代表作である1971年のアルバム『つづれおり(タペストリー)』を英ロンドンで全曲演奏したときのライヴ盤『つづれおり:ライヴ・イン・ハイド・パーク』から1曲。旧友ダニー・コーチマーや娘のルイーズ・ゴフィンらをバックにしての沁みる演奏です。
11. Natalie / 竹内まりや

もう一人、日本人アーティストを。まりやさんです。1981年のアルバム『Portrait』に収められていた人気曲ですが。そのアルバムの40周年記念エディションが出た際、ボーナス収録されたライヴ・ヴァージョンです。1981年に東京・中野サンプラザでの録音。
12. It's All In The Game / Phoebe Snow

最後はフィービ・スノウ。この人、1970年代にデビューした直後、出産した娘さんが生まれながら重度の脳障害を抱えていたこともあって、長い試練の日々を過ごしてきて。看病のため活発に音楽活動できない時期も長かったのですが。その娘さんが2008年、31歳で他界。想像を絶する苦しみと悲しみを乗り越え、その年、フィービは久々に新作ライヴ盤で復活を遂げました。そのときのパフォーマンスを収めたアルバム『2008ライヴ・アット・ウッドストック』から、1950年代にトミー・エドワーズが放ったヒットのカヴァーを。フォーク、ジャズ、ブルース、ソウルなど様々な音楽性が魅惑的に溶け合うフィービの歌声が帰ってきた喜びに胸が熱くなったものです。が、それも束の間、3年後の2011年、ぼくたちの元に届けられたのは悲しい報せでした。享年60。あまりにも若すぎる、そして悲しすぎる死でした。

解説:萩原健太

古内東子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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